これ買いました14年3月

愛川こうじ/恋地獄

↑いかにもエルボン

14.3.30 「悪魔のティーンエイジブルース」購入のついでに。

ボビー・ヘブ

サニー

CD ビビッド VSCD736

 なるほど、と膝を打った。「サニー」をR&Bと認識した場合、GSがあのようなストリングスバリバリ音楽になるわな、と。実際にはR&B特有の泥臭さはまったくなく、むしろ軽めのポップス歌手の範疇だ。ファンキーという言葉がこの人の音楽から最も遠い言葉だ。帯の惹句のとおりむしろソフトロック的な解釈の文脈で捕らえるべきだろう。単に黒人がやってたからR&Bだと思われたのだとしか思えない。当時の日本音楽界の誤解の仕方が伺え、微笑ましい。やっぱり元にあたらんと。可もなく不可もなし。

倉橋ヨエコ

婦人用

CD ワーナーインディーズ WINN82094

 陽性の歌謡ジャズ。矢野顕子とかの伝統的壊れ系ニューミュージック歌手の系譜の声。じつは結構苦手な系統の声なのだが衝動買いさせるだけのものがあった。
 エゴ・ラッピン↓と比べさせてもらうと全体的なボーカルとしてのレベルはこっちのほうが、切れはまるでないが、上。演奏もピアノ(本人演奏とのクレジット)を主戦にしており統一感があり、全体の演奏レベルも高い。あと「金魚想う」におけるエキストラのスキャットもいい。「夜な夜な夜な」は個人的な好きなフレーズが頻出するキャッチーな軽い退廃感のあるうた。「残り物」はボーカルの乱れが残念。「梅雨色小唄」も演奏は申し分ないが同様。この手の情念ものとか感情をこめて歌う歌はだめそうだな、この人。それ以外もレベルの高い歌謡ジャズっぷりをみせており、俺の人生には影響は与えはしないだろうが、今後のウォッチの対象にしてもいいかなと思わせる程度は確かにある。ボトムの「キャバレー」は歌謡ジャズの見本にしたい完成ぶり。しかしその中で「ラブレター」と「恋愛テム」はそれなりに完成した歌ではあるが著しく矢野顕子的なニューミュージックに傾いており、全体の腰を激しく折っておりがっくり。曲が短くていい。あと曲の繋ぎも。合格。歌唱の切れが増して歌謡的なキャッチーさがもっと前面に出ればなかなかいいところまでいくのでは。詩はこの際聞いてないことにしとく。
 これからは歌謡ロックじゃなくてジャズ歌謡の時代だな。

キム・ミョンジュン

アッサ大爆発ディスコ

CD Pヴァイン PCD3446

 カシオトーンと鶯笛(?)だけの異常にテンポが早い演奏にテンション高過ぎの下品なボーカルが絡むこれぞポンチャックというべきすばらしい内容。いい気に歌いながらさらにテケテケテケテケとかジョワジョワとか擬音の合いの手を自分で入れる。(虫声のところもあるけど。)スリリング極まりない今まで聞いたポンチャックの中でも一級品の出来。曲も演歌もので統一されているみたいなのもすばらしい。唐突に終わるのが前衛的。総合的にはどこをとっても本当に素晴らし過ぎるの一言。お勧めする。しかし、なんでみんなポンチャックをギャグでしか捕らえないんだ。俺は本気で好きなのに。それにしても何枚あるんだPヴァインのポンチャックシリーズ。

マンモス楽団

天然観光ポンチャック

CD Pヴァイン PCD3450

 こっちはカラオケ用?カシオトーンによる打ち込みと、なんか折り目正しいポンチャックにしては爽やか系の掛け声がだけ入っている。こちらもすばらしいテンションだ。韓国人って結構速いリズムいけるのだな。悲しい旋律ながらも破壊力抜群。この妙な迫力はその辺の日本のパンクやハードコアなんぞ足元にも及ばない。稲妻ギターのジャケがかっこいい。内容との落差がいい。ギターなんて入ってもいないのに。

V.A.

スマイル〜コミックソング大全ソニー・ミュージック編〜

CD ソニー SRCL5317

 収録曲の2/3は持ってるけど。「笑ってよいしょ」目当て。これのせいでテイチク盤の企画が流れたのかなぁ?やはり萩原哲晶はすごい。「青春ヤスダ節」も初めて聞いた「笑ってよいしょ」もこれ以上無いダイナミックな展開振りにしびれた。だけどそれ以外となると伊藤一葉「民衆に捧げるバラード(A)」が本編が二村先生の物まねでその上「何かご質問は」が聞けて面白いぐらい。少年探偵団「サウスポー」は期待外れ。だがソニーがこの手のコンピを出したという一点で評価しよう。

V.A.

マインド・ブロワーズ

CD パスト&プレゼント PAPRCD2033

 60’sガレージもの。自分の中でのガレージのイメージに結構近かった。やっぱりガレージには均衡なんてもんは必要がないと思う。好き勝手に弾く、かっこいいように弾く、でも自分の頭で考えているようには弾けない、したがって破綻したりやけくそになったりする、これが正しいガレージだと思う。
 内容。大体みんないい。結構ガレージとして高レベルでまとまっている。特記。リヴァプールセット「セブンティーン・ティアーズ・トゥ・ジ・エンド」はナイトライダーズ「ドントセイ」以外では初めて無関係の二枚のガレージコンピに収録されているのを聞いた。トロピックズ「アズ・タイムズ・ゴーン」は文句なくかっこよく、このCDのハイライト。やけくそなボーカル、度胸だけでビートはあるが取り留めのない演奏、意味不明な「オッ」という合いの手。これはいい。13ス・フロア・エレベータスは自分の中ではこわれっぷりが物足りないバンドというイメージが強いのだがここでもひっくり返らず。バンプ「ウィンストン・ビルド・ザ・ブリッジ」は自分の好む音。イントロの一小節で名曲とわかる寂れっぷりがいい。でも多分ガレージガチガチの人は物足りないんじゃないかなぁ。どのジャンルでも第一人者が薦める曲が個人的にはあんまり気に入らなかったりしてその曲に対する絶賛振りを見ると俺はやっぱり間違っているのかなあなどと思ったりするし。
 このCDは上に書いたとおり自分の好きな方向を向いている(パンクバラードね)。ただ派手な曲がないのでその分マイナス。やっぱり一曲位は混乱を極めるロックチューンがほしいもの。

(企画もの)

アニRAP

CD ワーナー WPC710133

 まだこんなことやってんのか。涯なき泥濘アニメタルの余震。
 内容。ただ単にラップ転換してあるんじゃなくて原曲を結構壊してあるのに努力を感じる。特に前半の楽曲はいちいち「おジャ魔女でバンバン」とか「キン肉マン・ゴー・ファイト」とか原曲を示す意味が全然ないぐらい破壊してる曲があっていい。楽曲によっては逆に中途半端に原曲のメロディが出てくるので興ざめするのもあり。といか本メロ歌う女性ボーカルが下手くそなだけなのかな。あと選曲もどういう基準なのかよくわからない。ラップって全然わかんないんだけどとりあえず合格点はクリアしてるような気がする。ラップ部分の詩書いたやつあんまり本編見てないと思う。つーか「ムーンライト伝説」のサビの「地球」は「ほし」じゃねーよ!「くに」って読むんだよ!間違えんな!他社作品(コロムビア)だからっていいかげんなことすんな!

14.3.23

エゴ・ラッピン

ミッドナイト・デジャヴ 色彩のブルース

マキシ ユニバーサル UPCM5001

 柵木がいい、いいっていうから買っちゃったよ。表題曲はジャズっぽいブルースもの。色んな所で評判の中堅男女デュオ。みんな褒めてるのであえて貶す。
 それも何なので、まず褒めよう。昭和40年代のスタジオミュージシャンを思わせるジャズ流れの演奏は素晴らしい。特にサックスの哀愁の湛え方などはセンチメンタルの極みとも言える殊勲もの。ドラムのハイハット音の作り方もよく研究してある。ピアノも定番といえば定番な演奏ではあるが、悲しみを湛えており、トラックの方向性を決めていてなかなかよい。
 けど歌だ。歌。歌こそおよそボーカル曲である限り最も中心となるべき「楽器」であるのは誰も否定できないと思う。一昔前の酒場の歌手っぽい退廃的なでろっとした歌い方は、形こそ「その頃」の形を踏襲しており、雰囲気はまあまあ再現できており、その意味では一見バックとよくあった歌唱になっているといってよいかと思う。だが、よく聞くと音の伸び具合と息継ぎの仕方が今ひとつ物足らない。おそらく腹筋と下唇の使い方があんまりよくないのだろう。根本的な声量を支える息の重さとでも言えるものが欠如しているのだ。また、舌の回し方も滑らかさが足りないのも不満だ。カップリングにいたっては何をかいわんやの出来。欠陥「楽器」である。もうひとつメンバーについて言えばギターも実際はどうか知らんがここでは別に如何ということもない。要するに本体が織り出すサウンドというよりもメンバーじゃないバッキングの出してくる音がこのバンドの魅力を支えているのだ。そういうのが健全な産業音楽といえるのだろうか。これでは一応歌手本人のカリスマ性に依存する作り飛ばしたアイドル歌謡の方が志が高いではないか。
 結論としては出来はまあまあだ。否定しない。むしろ自分の好きな音に極めて近い。だが、こんなもん(あえて「こんなもん」だ。)に今ごろ騒ぐんだったら西田佐知子の「赤坂の夜は更けて」の評価をもう一度し直す方が断然先にすべきことではないか。同じユニバーサルなんだし。そっちの方が全然出来がいい。これ聞いていいと思った人は古谷充とフレッシュメンを聞いてみて下さい。エゴラッピンの方がいいやと思った方はそれでもいいが、既に40年も前に使い古された手法であることとそれに対するリスペクトがまるで感じられない苛立ちが判ってもらえると信じたい。

メロン記念日

さぁ!恋人になろう

マキシ ゼティマ EPCE5142

 一人だけスーツで踊ってるのが気になったので。結果として商業戦略に掠め取られたのだな。
 つんく作詞。ラテンというかインデアンというか騒々しい全くまとまりのないイントロから始まり、混乱したブリッジの後ワイルドに歌がはじまり、いつの間にか普通の保守的なポップスになり、気を許したとたんに一瞬だけ勢いのあるヒップホップに突入し一気にまたポップスに戻ってくるというせわしないというか気が狂ってるとしか思えない、わけのわからなさがついて回る曲。しかもこれだけ無茶しまくってるのにまったく保守的にしか聞こえないのも素晴らしいんだか押しが弱いんだかよくわからない。カップリングはアップテンポながらも典型的なつんくアイドル歌謡。(つんく作じゃないけど。)歌番組でやっていたときはもっとむちゃくちゃな編曲だった気もするが気のせいか。別に如何という事もないといえば如何という事もない歌。この辺がメロン記念日らしい。

山田修とハローナイツ

こちら亀座の女

CDS ゼティマ EPDP1042

 続いては完全なつんく作詞作曲。もともとそんなに完成された曲とも思えないドゥーワップをベースにしたアダルトポップスだが、小西貴雄のラテン系のクラブ風編曲が彼には珍しく曲とあまりしっくりときてないのが残念。しかし、恐竜人間のように今もしムードコーラスが生き残っておればというSF的楽しみはできる。だが、ボーカルやコーラスが曲に埋没してよく聞こえない箇所があるのが興を削ぐ。そういうのより何よりあまりにも譜にのっていないボーカルが批判するとかコケにするとか以前のひどすぎるレベル。こういうの聞いていたら歌謡曲に日本語は乗らないなどと言い出すやつが出そうだ。別に面白くも何ともなし。最近あたりが少ない・・・。

14.3.21

ザ・タイガース

レア&モア・コレクション3〜ノベルティ・レコード編〜

2CD ユニバーサル UPCH1146/7

 明治チョコレートの景品ソノシートを中心にしたノベルティ編。一応これで当時の主な音源は全てCD化されたことに。
 大きく分けて語りものと歌ものがある。語り物はアイドルとしてのタイガースが堪能できるが、はっきりいって赤面もの。誰も彼も脚本があるのはたどたどしくて身がむず痒い。だが時代の貴重な資料だ。中でも「天地創造ものがたり」はよく練られていてなかなか雰囲気がある。歌ものの方も充実。「明治チョコレートテーマ」の歯切れのよさと「ハーフ&ハーフ」のグルーヴ、「愛しのデラ」のガレージっぷりが感動もの。なお、当時33回転ミニピクチャーレコードで出た5曲のオリジナルバージョンは初CD化。また、何といっても「あわて者のサンタ」(タ軍唯一のコミックソング!)がようやく聞けたのも嬉しい。ただしあくまで上級者向けなので初心者が最初に買っちゃいけません。詳しい解説はあるが予備知識がないとわけがわからないので。

V.A.

レディ・メイド・アート・オブ・ティー

CD コロムビア COCP50685

 フィフス・ガーデンとかピチカート・ファイブとかコモエスタスとかの主にレディメードレーベルに残されたジャズっぽいグルーヴものを集めたコンピ。流石にのりのすばらしさは筆舌尽くしがたいものがあるが、ポイントになるような灰汁のある曲や曲毎のメリハリはあまりない。もっともこれはBGM用ということから意図したことのようなのでまったく合格。松本隆の詩で唯一好きな「愛飢を」のクレモンティーヌによるカバー(ピチカートファイブ名義)も入っている。まあまあ。でも何度も聞かないと思う。

桐島かれん

ディスコ桐島

CD 東芝 TOCT6275

 なんだかわからないが近田晴夫とか沖山優二がらみ。名前のとおりディスコサウンド(というよりクラブミュージックといったほうがいい。)で固めたコンセプトアルバム。桐島の詩は本職に比べるとあんまりよくないなぁ。「ハッピーネイション」のファンクぶり以外は別にこれという曲はなく、面白いとは思わなかった。

V.A.

ザ・ベスト・オブ・ランバダ

CD エピック ESCA5077

 パラパラやらゴーゴーやらツイストやらドドンパやらと世にはやるニューリズムの中でも、バブル時代にはやったリズムがランバダ。リズムを強調したレゲェというイメージがあるが正しいのかしら。アコーディオンをバックにしたそのものズバリの「ランバダ」という歌がやけに流行ったが、他にこのリズムを使った歌ではやった歌なんてあったのだろうか。と疑問になるのもそのはずで、このCDを聞く限り「ランバダ」を除くとなんとも印象の薄い曲がこれでもかと並ぶ。まあまあの曲もあることはあるがそれもあくまでまあまあというレベルなので困ったものだ。歌謡曲に通ずるところがあるといえばあるがあまりに質が・・・。リズムというより曲のブームだったのだな、あれは。少なくとも20曲も聞くもんではないことは確かだ。そういえばランバダ歌謡というのもカバーを除けば山本正之の「展覧会の鰯」ぐらいしか知らないし。

アリラン明電

オレは宇宙のファンタジー

マキシ キューンソニー KSC2193

 李博士と明和電機のユニット。李博士全部欲しいよう。特にアルバムほしい。売ってる店があったら連絡してください。
 で、内容。レゲェっぽく始まるが本編はベルファーレなバックに乗って恐ろしいテンションの李博士が日本語で歌う。わけのわからない迫力。カップリング(というよりはパートみたいなもんだが)のひとつはキーボードの人がリードをとる(演奏がレジデンツっぽい)がなかなか味があり李博士より一面うまい様な気がする。明和電機のパートも度胸があってなかなか。全盛期の明和電機の充実振りを堪能できる。いい出来だが李博士のほんとの魅力が豪華なバッキングで薄められているのが残念。カシオトーン一本こそ李博士の、ひいてはポンチャックの神髄だ。

団しん也

夜・・・酒組

EP キャニオン C178

 有名曲。のりのいいラテンパーカッションから始まりアナログシンセが絡みつくディスコ調のムード歌謡。団しん也のボーカルのリズムとかが外れているのが残念だが、絶妙な編曲で演奏ののりもいいし聞ける聞ける。B面「暗暗暗」(くらいくらいくらいと読む。)はスプートニクスの「ドリーナマーチ」みたいに始まるが「黒の舟歌」と「少年探偵団」とあとなんかもう一曲位混ぜた様な歌。両面とも合格。

(追記・調べたら、これがオリジナルらしい。番組の企画でプロの作詩・作曲家でない芸能人に曲を作らせてコンペを行い、優勝した作品を商品化するというのがあって、それで作ったシングルらしい。)

ふたつのさくらンボ

ディスコ・ヤンリク

EP ソニー 06SH617

 A面はキダタロー作品。元があるんだろうけどこんな風にすることもなければシングルカットするようなこともないと思う。編曲自体もアナログシンセとか使っているがディスコものというにはなんとなく薄いのでモンド味以上のものはなし。B面は聞かんでもいい台詞入りのニューミュージック系アイドル歌謡。

14.3.15

V.A

続々・テレビまんが主題歌のあゆみ

2CD コロムビア 56CC1878→79

 コロムビアの名シリーズ第3弾。名ディスコ歌謡「はいからさんがとおる」一曲の為に買ったようなもんだな。
 初めて手に入れた曲の中では「はいからさん・・・」の他は「野球狂の詩」がミッチによる全編スキャット歌謡でかっこいいぐらいでちと肩透かし。しかしこの時期はそれにしても似たようなコンセプトのアニメが同時に複数並び立った幸福で故に不幸な時代だったのだな。とくにまるで主題歌のタッチが違う「グランプリの鷹」「ルーベンカイザー」「マシーン飛龍」と三つスーパーカーものが並んでいるのが興味深かった。他に気になった曲を簡単に。「ペペロの冒険」は半端なフォルクローレぶりが残念。「タリラリランのコニャニャチワ」は聞くと「びっくり日本新記録のテーマ」と曲が混じる。「ぼくはピコリーノ」はほぶらきんのもとねた。「スタージンガーの歌」はいかに幼少の記憶が当てにならないか痛感(単なる思い出)。
 どうでもいいが「新巨人の星2」というタイトルを考えた奴はよほどセンスがいいか悪いかどちらかだ。

V.A

続々々・テレビまんが主題歌のあゆみ

2CD コロムビア CC4429→30

 同4集。なんちゅうタイトルだ。水木・ささき・堀江・大杉・こおろぎ体制の全盛期から崩壊期までの作品。彼らの横綱相撲と彼らに挑みかかる少兵士の悲壮な討ち死にの地獄絵図。
 これというものはないが強いて言えば山本正之の2作品が聞きもの。他は「星から来た二人」のパチものも注目か。
 しかし「ザ・かぼちゃワイン」(L、Lって奴ね。)って30本しか放映してなかったのか!(このシリーズは結構詳しい“大人データ”が載っている。)

V.A

シング・シング・シング 昭和のジャズソング名曲選

2CD ビクター VICJ60718〜9

 戦前から戦後期にかけてのジャズ(今で言うポピュラー)カバー集。
 歌謡曲の神様・二村定一の名演「青空」からはじまるディスク1の戦前編はほとんど日本語で歌われる。まずまずの出来の曲がずらりと並ぶがこれというものはなし。ただ一曲破天荒な日本語カバー日本ビクターリズムジョーカーズ「街の四人組(シング・シング・シング)」は聞く価値あり。ディスク2戦後編は殆ど英語で歌われるがこれというものなし。あえて言えばフランキー堺の3曲か。

V.A

スイング・ニッポン 日本のメロディーをジャズで

2CD ビクター VICJ60720〜1

 同上の和製曲集とジャズによる既成曲カバー。こっちも二村定一から始まる。
 初めて手に入れた曲について。平井英子「村祭」はとにかくパンチ力がすごい。豆タンク。戦後期以降の童謡歌手なんて及びもつかない。素晴らしいパワーで押し捲る。お茶目なバックもすごいといえばすごいのだが完全に食われている。わざわざアメリカからバンド呼んだのに完全に失色。お茶目といえばこの人の「茶目子の一日」がほしい。藤原義江の「鉾をおさめて」はオペラ歌手の実力発揮のとてつもない歌い上げとスイングするバックの対比が面白い。灰田勝彦「こりゃさの音頭」は名前とはかけ離れた、全編英語の、しかもちゃんと韻を踏んでいる異常によくできた傑作ジャズソングで、間違いなくこのCDだけならず戦前歌謡全般においてもハイライトといえるだろう。暁テル子「ねずみとドラム」は意表をついた曲構成ととにかく破壊的で熱いジョージ川口のドラミングにびびった。もう持ってる曲では徳山lの「サラリーマンよ」の名曲ぶりを再確認。ディスク2はインスト編だが冒頭の小関ローイ・ジャズ・バンド「信号ラッパ」は曲のアイデアもさることながら当時の日本のバンドとしては突然変異的な骨のある演奏をきかす。どれをとっても名演といっていいと思うが、中でも普通のカバーではどうしても生真面目なカバーの多い軍歌ものにジャズのエキスを垂らすとこうなるのかという意外性に鳥肌が立った。また、灰田勝彦ものをはじめとした一連の戦前戦後の曲も見事にスウィングさせて驚愕。これ聞くとジャッキー吉川のドラムが日本のジャズにルーツがあることがよくわかる。

V.A

おしえてアイドル・リスペクト ポリドール・リクエスト編

CD Pヴァイン PCD1395

 やけくそで全部揃えた。しかしこのシリーズでは珍しく結構気に入った曲があった。
 鹿取洋子「オリエンタル・スピリット」(←チャイナとかそんなんばっかりだなこの人。)香坂みゆき「流れ星」、松居直美「恋は御知合い!」、デビル雅美「サイレント・グッバイ たとえ悲劇でも」、松永夏代子「ピンク・ドラキュラ」が良かった。特にデビル雅美の歌の巧さに脱帽した。ミーみたいだ。松居直美は単なるなつかしものだがずっと探してたんでホクホク。それにしても気に入った曲の作家陣のGS率の高さよ。結局俺はGSの呪縛から逃れられないのか・・・。他にレコード会社の路線の犠牲にさせられた河合美智子など。シリーズの他作に比べると性質がいいような気もする。

V.A

オースティン・パワーズ オリジナル・サウンドトラック

CD エイベックス AVCW13033

 いまさら新譜で買う俺も俺だな。3周ぐらい遅れてるわ。30周遅れたらそれはそれで威張れるがこれでは・・・。感想。60年代に吹き込まれた曲と90年代に吹き込まれた曲の間に思ったより違和感を感じなかったのは見事だが、やっぱりキャリアを積み上げた曲にはそれなりのオーラがある。全体的には別にどうということもなし。はっきりいって、水が合わんかった。

ルー・ドナルドソン

アリゲイター・ブーガルー

CD 東芝 TOCJ4263

 GSクラシックに当たろうということとあほなこと考えたのとで購入。ポップジャズ。メインのメロディーラインをサックスが歌い間奏はオルガンが前面に出たグルーヴィーな演奏。ただなんとなくごてごてしていなくてちょっと拍子抜けした。べつに普通。ほかの収録曲もど派手な曲がなく流して聞いた。

V.A.

カリ≠ガリじゃない(T−T)

4マキシ 密室ノイローゼ MSNA〜D26

 ジャケ買い。カリガリってヴィジュアルバンドのメンバーがそれぞれソロユニットを作って吹き込んだ限定版の企画ものらしい。
 千葉市(グッド・ネーミング!)の「俺の血」は典型的なハードロックチューンで曲自体はよろしい。だけどボーカルが弱いのが気になる。カップリングの「メルトロンパープー」はちょっぴりサイケな囁きロック。「ノーコンセプトバットグッドソング」はヴィジュアルのパブリックイメージに近いテンポの速い歌謡ポップロックでなかなか。次、スカイドン。「ルート16」は甘ったるいボーカルのよくできたさわやかなポップス寄りバンドブーム歌謡。これもボーカルの録音レベルがあんまりよくないなぁ。「壊れた影絵」はいかにもな山崎まさよしっぽい軽快な80年代調ポップス。「恋人はラムネ色」も80年代なバラード。どっちもたまみたいなボーカルだがさびだけいかにもヴィジュアルな歌い方になるのは本能ですか?・・・これ、もちろんギャグだよね?はい、次、MKG。「シーシュア・バスナップ」は要はG線上のアリア。連続射殺魔聞いちゃうとねぇ。二曲目「フォーリンエンジェル」はルーク篁がギターで参加するティピカルなメタルロック。でも一部のギターリフとソロだけは素晴らしいのに全体的な演奏はすかすかしてて小さくまとまってしまっている。歌謡的にもメタル的にも惜しい。もっと高い声出せ!「トゥルーラブ」は別に何ということもない吉川晃二みたいな歌謡ハードロック。別にどうと言う事もなし。最後、(有)高井戸工場。・・・テクノだった・・・。「魅惑のバリ」はただただ単調なリズムにギターが被さるいかにもな曲。続く「ポチの昼下がり」はジャズっぽい雰囲気の典型的テクノ歌謡。「ハローグッバイ」はもっと近代的なサウンド。訳わからんがトランスっぽくて4枚目の曲の中では一番出来がいいかも。
 俺結構ヴィジュアルもいけるじゃん。いや、本体はどんな音なのか全然知らないけどさ。多分80年代ずぶずぶな音なんだろうなぁ。全体的にはそこそこという程度だがこれが3800円じゃなくて380円だったら絶賛してたと思う。

アンドレ中村とオホーツクボーイズ

せつなくて〜オホーツクにたたずむ男〜

CDS エピック ESDB3191

 今脱退で話題のドリカムがはるか前に変名で出したシングル。カッコはキラーズだが、音のほうは狩人みたいなニューミュージック流れのポップスながらも一応ムードコーラスだと強弁されれば納得せざるを得ない湿った楽曲。曲そのものはコミックソングというわけではありません。イントロは少しだけ「雨のバラード」に似てる。可もなく不可もない歌。

MiKe

涙のバケーション

CDS ソニー BMDR153

 なつかしもの。「可愛い悪魔」あたりを下敷きにした60年代前半風の擬アメリカンポップスの表題曲はそつこそないが間奏でビートに色目を使うなどやや爪が甘い。カップリングは同路線だが「ビー・マイ・ベイビー」をベースに。編曲の池田大介という人は彼女たちの関係でしかクレジットを見たことないがどういう人なんだろう。「ムーンライト伝説」を手がけた小諸鉄矢とともに結構なぞの人物。

アシカ

ブランコ

CDS バップ VPDC20640

 ジャケ買い。全然知らん人たち。なんか女性陣に変な色気がある。聴こうと思ったら未開封見本盤だったので開く勇気がありません。何でこんなもんを50円で売るか。どんな曲なのかご存知の方がいましたらご一報ください。

徳山l

戦友

LP ビクター SJX8525M

 徳山lの戦時歌謡ばかり集めた裏ベスト盤。「戦友」は14番まで完唱したフルバージョン。名曲「満洲行進曲」も勿論入ってる。戦時歌謡といっても演奏の端々にあふれるジャズ魂が素晴らしい。また本人もビクター随一の実力派歌手と謳われた通りの快調ぶりで、意地が爆発している。掛値なく全曲これ名演。本当に凄いとしか言いようがない。この人にいたっては戦中に死去されているので再評価の目すらなさそうなのが惜しい。結構軍歌系は集めたほうなのだがまだまだ聞いていない曲があるな。

江利チエミ

チエミの民謡集/第4集 チエミの都々逸

10吋LP キング LKF1311

 江利チエミがジャズ系のバックバンドを従えて都都逸や代表的民謡を歌う。アレンジの原案は江利本人が出したらしい。出来不出来が激しい。「真室川音頭」はツイストに料理してご機嫌。「おいとこそうだよ」はジャズ上がりの面目躍如で見事なフィーリングで聞かせる。「佐渡おけさ」は初期ムードコーラス調に仕上げ。ほかも一応ひねった演奏が多い。可もなく不可もなし。

アダムとイヴ

女と男というものは

EP コロムビア CD100

 聴きたかった曲かと思ったら違った。お経風コーラスをライムに使ったいい湯加減のデュエット中道歌謡だが音楽的流れを無視するように結婚行進曲や子供の拙い台詞などが挿入されたりする。なかなかエキセントリック。B面は別にどうでもいい中道歌謡。ボーカルが極めて特徴的。ポップスなんぞ歌ったことないような歌いまわし方が気になってしゃあない。くるみ兄弟作品。

愛川こうじ

恋地獄

EP エルボン BON1022

 エルボンとかローオンとかローヤルとかマイナーレーベルは全部買うことに決めた。演歌流れの歌唱や詩だが爽やかな編曲がどちらかというとフォークっぽい印象を与えるアダルトポップス。あまりに詩と曲が乖離しとる。二番の「底なし沼とも知らずに落ちた馬鹿な私はかたつむりなの」ってどういう意味?まあまあ。B面は真っ当な千昌夫系望郷演歌。別に。この人細川たかしっぽくて歌うまいわ。

山岡浩二

旅情 上諏訪のひと

EP コロムビア LL10134J

 ナベプロ。新しい時代には新しいスターをということで山口あかりと平尾昌章が力を入れて作った作品らしいが、まるっきり旧来型の演歌。B面は三善英史かと思った。高音の伸びには見るべきものがあるが、インパクトが弱いなぁ。ぺけ。

佳川ヨコ

銀座のマリア

EP ビクター SV555

 A面はGS時代らしくビートの聴いた寂れたエレキ演歌。八泉鮎子に通ずる振り絞るような歌い方がいかにもこのころのB級歌手っぽくてよい。さびの銀座の連呼がキャッチー。まあまあ。B面はどうってことのない「叱らないで」路線の歌だが、詩が怖い。「この目をこの目を私のこの目をふさぎたい」。いやいやいやいや。

ハーフ・ムーン

トキメキ・ファンタジー

EP パラダイス PRS1009

 多分自主制作。何でこんなもんを作る気になったのか不思議。ボーカルがとにかく下手で全体に漂う軽薄感がものすごい。聴けたもんじゃない。昭和最後期のブルーコメッツをさらに堕落させたような特徴のない演奏をしやがる。B面は俺たちは楽器が弾けるんだという主張がちっとは出ているが、ボーカルがその程度を打ち止め。どっちも糞ポップだな。

ウッディー・ウー

今はもうだれも

EP コロムビア CD34

 B面だけ。典型的なカレッジポップス。それ以上でもそれ以下でもない。多分メロディー的には「明日なき世界」をベースにしてると思われる。ドラムの類がまったく入っていないのが唯一の救い。

バックス

マリア

EP ビクター SF116

 深遠なキーボードで始まるが中身はツイストあたりを狙ったような歌。ソウルフルに歌い上げるボーカルがなかなかかっこいい。いかにも70年代な精気に欠けた雰囲気でこれはこれで曲の雰囲気に合っている。B面は布谷文夫にも通ずるのりのいいブルースロック。やっぱりツイスト狙いだな。まずまずいいね。

ザ・シャデラックス

自由への道

EP ソニー SONA86149

 ストリングスに乗ったいずみたく作品。「汗と涙のブルース」にちょっと似ているがトップグループらしい意地を流麗なコーラスに感じさせる。ちょっとヒットを狙うにゃ辛気臭すぎ。B面が奇盤「みんなでつくろう」の再吹き込み。イントロだけバロック調。旧作の快活さが失われとろとろした歌唱になってしまっているのが残念。今回は客席とのやり取りからメンバー同士の掛け合いに変更。「いっしょうけんめいがんばってこどもをつくろう」っていうのは破壊力のある歌詞だ。

フォーク・チーズ

みどりのふるさと

EP ワーナー L1037A

 ぶっ壊れ気味というかフォークの歌い方としては破格な鼻から抜ける遠くで痙攣したボーカルを担いだブルーグラス系カレッジフォーク曲。曲自体は何の変哲もない典型的なカレッジフォーク曲。「今はもう」が「いまはもほお」と歌われるのが気になってしょうがない。ところがB面はそんなこともなく普通の歌いまわし。しかし結成1ヶ月でテレビ出演か・・・。いい時代だったんだな。

克美しげる

片目のジャック

EP 東芝 JP5128

 両面カバー。A面はジョニーバーネットの名曲。本家よりもバッキングがかっこいい。歌唱は申し分ないが、本家が何が濁音だらけの迫力があったのが薄められているのが残念。B面は「ドミノ」をツイスト化ビートもあるしビッグバンドロックの冥利を満足させる。歌唱のかっこよさもこれ以上無いほど。この人も何もなければどうにかなっただろうに。歌謡界の損失。

V.A

超カルトGSコレクション

CDR

伏。感謝!

阿部章治

魅惑のエレキギター

CDR

伏。

リズム・サンクス/サウンズ・エース

ウィズ・ザ・ヴェンチャーズ

CDR

伏。

14.3.9

美空ひばり

ひばりジャズを歌う ナット・キング・コールをしのんで

CD コロムビア 28CA2671

 シャープス&フラッツを従えた美空ひばりによるジャズソング集。「北野ファンクラブ」で使用され騒然となった「スターダスト」は耳のよさからくる完璧な発音でスウィング。その貫禄にノックアウト。その後は原詩ものと日本語まじりものがほぼ交互に歌われる。どれもが英語部分のこなし方が素晴らしい。英語至上主義のロックバンドなんて足元にも及ばない。「ラブ」なんかはナットキングコールとはまた違う温かみがあり、流石と唸らされた。「ロンリーワン」は西田佐知子を思わせるすさみ具合がなんとも素晴らしい(が、日本が唯一前面に出てこのCDでは完全に浮いてる。)。「恋人よ我に帰れ」を除けばあからさまにド派手な曲はないが、渋くて堅い。選曲のいくつかはエミージャクソンと重なるが、完全に此方の勝ち。比べてはかわいそうな位だ。日本音楽界最大の損失はこの人が演歌に押し込められたことだと思う。

金剛と榛名

夢の翼

CDS BMG BVDL1047

 前から気になってしゃあなかった人たち。なんかかっこいいジャケット。「年忘れにっぽんのうた」での「あずさ2号」はよかった。名前からして行進曲調の小太鼓から始まりおっと思わせるがそのまま演歌に移行するという肩透かし。狩人みたいなハモリだがいまひとつまとまりに欠ける。はっきりいって合格レベルにない。曲もちょっとリードギターの音がかっこいい以外は魅力に乏しい売れなさそうな歌。カップリングはまだましなチャチャチャ歌謡だが、演奏も乗り薄で別にどうということもない。両面ペケ。

ライラックス

竿燈まつり

CDS クラウン CRDN288

 なんとも微妙なルックスの3人組コーラスグループ。調べてみたら一応所謂ムードコーラスのスーパーグループらしい。「時の流れに身をまかせ」そっくりな導入部分をもつ穏やかなムードコーラス。盛り上がりも何にもなくあっさり終わるニューミュッジック流れの歌。こういうの乱発したから演歌が凋落したのをわかってないのかね。駄目。こんなもんに協賛するな秋田市竿燈会と秋田市竿燈祭実行委員会。
 カップリングはイントロと間奏の前半、終奏だけはテクノだがギター一発リセットで演歌化。安っぽい演奏がなんとも残念な普通のムードコーラス。こっちは商品価値はないけどまあまあ聞ける。

森雄二とサザンクロス

酔いしれて歌舞伎町

CDS キング KIDD148

 B面が「地球岬」だったので。ジョリーファミリーズと同じ曲なのか?
 なんともとファイブ・サンズの柳田六合雄作曲。リードボーカルが違う人なのかそれとも異常に調子の悪い日だったのか判然としないが全盛期の切れはあまりない。サウンドそれ自体はそのころを思わせるつくりで健闘しているが、定価で買うというのにはさすがにちょっと・・・という出来。カップリングは森雄二作曲の演歌色があまりに勝ちすぎた三連ロッカバラード。まずまず。珍しくカラオケなし。

トリオ・if

倖せチュチュチュ

CDS センチュリー CEDC10598

 対処に困るルックスの三人組演歌アイドルグループ?歌もそんなに巧くないしどういう経緯でこういうデビューになったのか知りたい。それにしてもこのジャケ・・・。まさかメジャーリリースじゃないと信じたい。・・・あ、メジャー、なの、はあ・・・。
 内容。なんだイントロはヒップホップみたいなのに単なる演歌じゃんと思って安心するといきなり疾走してヒップホップに再突入するという対処に困る珍曲。唖然。ヒップホップ部分の粘り具合や今ひとつな乗りから根は演歌か民謡の人たちだと思われる。コールが秋田音頭っぽいし。おもろいやんけ。カップリングはもりあがりには欠けるが音さえ工夫すれば何とかなった可能性のある60年代アダルト・シティ・ポップスの系譜の曲。買って正解。

渡辺要

男意気

CDS BMG BVDL1002

 カップリングの「鮨喰いねぇ鮨喰いねぇ」が気になったので。石坂まさを作詞生活25周年記念らしいが誰も知らないぞ。
 嬉しくなるような形式美のド演歌。「どすこい!」の掛け声がキャッチー。演歌を解する人ならそれなりに満足が得られると思う。津田耕次を思わせる歌いまわし。楽しみなカップリングはキップのいい歌詞と能天気な歌声の割に哀愁が漂う曲がなんともミスマッチな音頭。まずまず。

ネオンパーク

用がなければ帰ります

CDS エピック ESDB3713

 メンバー写真とジャケがもっさりしてたので、さえない唱歌ものかと思ったらラップ歌謡だった。なんだこれ!なんか異常に気合が入ったバッキングと女性ボーカルがやけにかっこいい。主唱者が何だか軽薄でこれはこれでいい。カップリングはジュリアナ東京っぽいリミックスというか単なる別バージョンだがこれも出来がいい。拾いもんだ。エピックもやりゃできるじゃん。あっよく見たら、この麻生郷子ってまさか麻生レミさんですか?顔がなんとなく似てんですけど。

戦国

母の詩

CDS 東芝 TODT2684

 ユニット名がいい。全くなんでこんな名前にしたのか理由が思いつかない。顔もいいけど。外見は昔いたキリキリ兄弟にちょっと似てる。
 内容。ファルセットと主唱者がどこまでも平行に進んでいくノンちゃんと兄ちゃんぽい歌唱に乗った「あざみの歌」を俗っぽくしたような歌。まずまず。カップリングは単なる山場のない演歌だが何か妙に軽くて面白い。「幻の名盤」の原石っぽいわ。

吉幾三

これが本当のゴルフだ!!

CDS 徳間 TKDA30254

 上と編曲者が同じ。彼の大ヒットディスコ歌謡「俺東京さ行ぐだ」の替え歌。多分カラオケは使いまわし。普通のコミックソング。ヒット曲。まあ意図はいいと思う。カップリングはフォーク流れの牧歌的なバラード。こんなもんでしょ。

内山田洋とクールファイブ

都会の隅で

CDS センチュリー CEDC10011

 東京砂漠のAメロみたいな歌。ボーカル以外はオリジナルメンバー。前川清がいなくたって平気とばかりに千家和也作詞、内山田洋作曲、編曲・竜崎孝路とかなりの面子。ただ、このボーカルがミニ前川という感じで興醒め。ぜんぜん違うことやるかもっとそっくりだったらと残念。カップリングは明るい「古いギター」みたいな歌でさびの歌い回しが少し面白かったが、それだけ。ともに厳しや。

内山田洋とクールファイブ

ふたたび長崎

CDS ミノルフォン TKDA70725

 こっちはもうリーダーしかいない。たぶん前に新しいクールファイブ作りましたって言ってテレビで見たのがこれだと思う。デビュー曲「長崎は今日も雨だった」のジャケを意識したジャケも気合十分。
 「慕情」のようなストリングスのあとサックスが鳴響き、コロラティーノのような歌が歌われるが、歌唱自体は旧編成時代の色を残していて好感。カップリングはニューミュージック流れ。高山厳かと思った。こっちはそんなによくない。

二宮ゆき子

三味でダンスを

EP キング BS3045

 有名曲。舞踏用。A面だけ。三味線を主戦にした普通のドドンパ歌謡。別にどうということもなし。

シュガー

私・にほリカ人

EP フォーライフ 7K69

 ブルーインパルスやジャガーズのいたエコープロ所属だ。アニメ声がピアノ主戦のジャズっぽいトラにのって頑張る平均的な出来のアメリカンポップス。ロリロリ。混血の苦悩を歌った歌だが、深刻感なし。単に世代のギャップを歌っただけにも取れるけど。B面はもっと激しいいかにもアイドル然としたポップス。さびがごちゃごちゃしてるのがなんとなくいい。一応現代女性のライフスタイルを主張したもの。ってどうでもいいか。合格一歩手前。

レモンパイ

さよならグッドバイ

EP コロムビア PK46

 フィンガーファイブのパチものみたいな歌。普通のアイドルポップス。別に。B面はサックスが歌い上げるフォーリーブスやフレンズの系統のよくできた男性アイドルグループ特有のマイナービートポップス。こっちはまあまあ。

美樹と勝

汽車に乗って船に乗って

EP RCA JRT1335

 これということもない単なる演歌。しかし筒美京平っぽい70年代に特有の編曲が妙にポップスよりの印象を与える。B面もどうというところのない暗いワルツ調の演歌。

安藤真人と五十鈴町子

恋して愛してけんかして

EP ワーナー L1021W

 いや、上のと並べてみたかっただけ。浜松出身デュオによるまあまあビートのある楽曲に乗りながら歌われるキャッチーな演歌よりポップス。ぼろぼろなところもあるがなかなか聞ける。ホーンが軽快。B面も同じコンセプト。俺にはいける。ギターがニューロックしてて水谷公生っぽい。両面とも60年代っぽい。

ザ・パンチャーズ

可愛い女

EP ビクター SV2437

 ようやく現物入手。ミスターオクレがもといたという事以外は有名じゃないのか?完全に当野のソロだけで進行する「人妻椿」路線の極めて演歌色の強い歌。B面は渋くギターが歪むなかなかよくまとまったバラード。

神保史郎/村上舞

ウッキンウッキン

EP アルティ AY077

 有名曲。アナログシンセと無機質なリズム隊、エキセントリックな歌メロ、破壊的なコーラスと何拍子もそろった中道なテクノ歌謡。なかなかのりがいい。B面はバブル直前らしい軽薄さに溢れた旧来型歌謡曲。なかなか面白かった。ふたりとも本職の歌手っぽくない歌い方だ。

北原千琴

愛すれど悲し

EP CBSソニー 06SH536

 穏やかなバラードの日本語カバー。B面「ヘイ・ポーラ」は宝塚の同僚と娘役と男役を振り分けてカバー。でもどっちも糞。

ただものでないガキスターズ

大人ってむずかしい

EP フォーライフ 7K229

 森雪之丞の理に適い過ぎた詩と三木たかしによる保守的な曲を間下このみやカケフくんらが破壊する。別に楽曲的にどうということはない。単なるなつかしもの。ちなみにウエスタンを導入した鷺巣詩郎の編曲は奮闘している。B面はバスギャルなるアイドルグループによる三木たかしお得意の哀愁のラテン歌謡。こっちはかなり出来がいい。初めて聞いた。アイドル然とした歌唱が素晴らしい。

エリアナ

サルサ・ボニータ

EP パライソ YK531AX

 ブラジル人アイドル。なんか肉食っぽい顔。バックの演奏はうまくそれなりのグルーヴがあるいものの情熱的というより流していて、ボーカルは熱情的になろうとしつつも引きずられて今ひとつのりの悪いサンバ歌謡。B面は打って変わってサックスが先導して活気付き一丸の熱演を見せる情熱のラテン歌謡。しかし、いまひとつ物足りないのはなぜだろう。

モダン・プレイボーイズ

月光のノクターン

EP ポリドール DP1319

 普通の楽団によるムードもの。

14.3.2

V.A

搖滾北京

CD Pヴァイン PCD14003

 1994年ごろの中共のロックバンドのオムニバス。ファンキー末吉のせいで今の中共のバンドはみんなピンクフロイドに影響を受けてるらしいが、これはその前。
 80年代的な雰囲気が横行し、初期衝動というのとは縁遠いように思う。あんまり自分の好みの曲はなかったが眼鏡蛇女子楽隊「自己的天堂」は激流のような構成でなかなか面白かった。続く王勇「安魂進行曲」も始まりこそしょうもないが途中でシリアスな「本願寺ブルース」になる展開はまずまず。注目はAGAIN楽隊「烽火傭州字」で古い漢詩をハードロックにしたものだが、この出来が異常によく、当時の日本の水準に並ぶ突然変異的な一曲。この曲あたりの発想はエレキ時代の日本に通じるところがあると思う。不思議なことに無意識に出るその国らしさ(エキゾ)があまり感じられなかった。何か日本のロックの悪いところばかり受け継いでいる曲が多いのは残念。

松岡弘

とびだせヤクルトスワローズ

EP 東芝 TP20186

 みすず児童合唱団と安いエレキギター一本を従えて悲劇の大投手松岡が味のある声で歌う昔ながらの軍歌調の歌。燃えるぜ!歌詞が球団歌の中で一番すごい。鈴木淳作曲。B面にいたってはさびは一応英語なのに(「ガッツ」とかだけど)突撃ラッパまで登場する軍歌っぷり。そういえば「歩兵の本領」に似てるな。ファンキーベースボールよ永遠に。そこそこ。

久美悦子

アリューシャン小唄

EP テイチク SN156

 ヒット曲だが聴いたことなかったので。一応本当は三沢あけみの歌。俗曲。どうということもない。高月ことば作詞。B面はSP以後エレキ以前のこの時期に特有の音の演歌。まとまっているがそれだけ。ちょっと塩まさるの「母子船頭唄」を思わせるところがある。珍しくディレクターのクレジットがある。駄目。

ジョージ西川口とヒマなスターズ

0時25分新宿発は赤羽止まり

EP ファンハウス 07FA1033

 最古のヒップホップ歌謡「みっちゃんとキョーちゃんの場合」のB面でフィーチャーされてる曲。演歌のパロディー。三連ロッカバラード。B面はカラオケだがネタ。両面ともセンス結構好きなんですが、何か。

市川染五郎

聞いておくれ僕の願い

EP 東芝 CP1008

買い替え。これで「キャピトル・ヤング・フェスティバル」が売っ払える。

潮健二

神戸にゃお前がいるからさ

EP テイチク SN1068

 「仁義なき戦い」の「仮面ライダー」のあの故潮健二さんらしいです。何ということもないいかにもテイチクな歌謡曲。B面は夜のクラブにふさわしいダンサブルなラテン流れの都会派歌謡。そんなに。

坂本スミ子

おおさか音頭

EP フィリップス FS2067

 なんと昭和52年発表曲なのに両面とも服部良一作曲。今ひとつ和風でないのはさすが。「弾むディスコのロックも楽し」だそうです。ギターの音がかっこいい。でもそれだけ。B面は募集詩らしいが吉川昌英って聞いたことあるような。平庸だがとってもアップデイトなポップス曲は作者の年のことを考えると改めてそのすごさが認識できる。でもぱっと聞いて面白いかというと・・・。

トリオ・ザ・ミミック

あなたの女で死にたいわ

EP 大阪ローオン RR19

 ようやく現物入手。芸人グループらしい「なみだの操」路線の演歌流れの歌。何だかあんまり自分好みではない曲調だ。B面は「ネオンドドイツ」路線のコミックソングだが寂れて荒んだ雰囲気が素晴らしい。男の哀愁を余すところなく表現した佳曲。

藤丸葉一

モニカの瞳

EP マーキュリー M1006

 ビッグ・マイナーレーベルから出たいかにもGS時代なタイトルの歌謡曲。ドンドコドラムと申し訳程度のエレキの典型的な青春歌謡。ムードのある声。B面はのどかなバラード。どっちも押し弱し。駄目。

斉藤ゆう子

僕も男だ

EP フィリップス 7PL114

 バックがムーンライダーズだったような気もするがどうでもいい。いま何してはるのやろ。いわゆるニューウェーブ歌謡だがエキセントリックなさびが興を削ぐ。B面はまるで違う工夫のあるアレンジだがいずれにしても別に。アイドルで売り出すつもりだったのか・・・。

してちょボーイズ

名古屋人の館’87(星野中日応援歌)

17cmLP キンシャチ WTT1002F

 4曲入り。聖飢魔IIの「蝋人形の館」に対抗してるらしい。(何処が?)東芝EMIの宣伝部の人が絡んでる。表題曲はクラシック(第九)にしょうもない歌詞をつけた馬鹿歌。できは悪い。「シーサイドブリーズ」は短いがまずまずのファンク。B面は替え歌。「ライク・ア・まあじゃん」は語る気もしない。元ねたわかりますよね。「悲しき宣伝マン」はこのレコードで唯一まともに聞ける歌。「悲しき鉄道員」のハードロック的なカバーだかピロピロするギターが出自の確かさを匂わせる。演奏以外はどうしようもないセンスだけど。しかし宣伝部の人がこのセンスならそりゃ出てくるもんのセンスもその程度になるわな。

14.3.1

V.A

DJロマン・ポルシェ。のニューウェイヴ愚連隊2 邦楽編

CD ミュージックマイン IDidcl1002

 説教で有名なロマンポルシェの二人が選曲した80年代ニューウェーブ系統楽曲のコンピレーション。ソフトバレェとかサロンミュージックとか戸川純とか黒木香とか。曲の並びが悪い。
 やっぱり自分の「80年代の喪失」は大きい。とはいっても「80’sTVヒッツ・コレクション」よりは全然楽しめたが。みんなこういうのを聞いた契機はどういうもんだったのか。ほんとに知りたい。
 内容。何といっても大槻ケンヂが際立つ。この人が歌うにあっては可哀相に周りの人の存在が霞んでしまうが、ここでもその才能が爆発!対抗しようとして対抗できるもんではない。空手バカボンの悲劇からの教訓は手に余るほどの天才と手を組むなということだ。また、戸川純はもちろんだがその後継者と騒がれていた泯比佐子もそのボーカルの存在感は方向がまるで逆なもののそのすざまじさに言葉はつきない。ルインズもこうきくといいなぁ。ただ「行け行け飛雄馬」が入ったことで完全にコンセプトが捻じ曲がってしまっている。(確かに強烈な楽曲だが。)この場合それでいいともいえる。ほかにサロンミュージック、立花ハジメ、ボアダムス(彼らで終わってたらまあまあ綺麗にまとまった印象があったのかもしれないなぁとも思う。)とかも入ってる。しかも楽曲として一番出来がいいのは「極虎一家なめんなよ」だったりするが、計算してそうだとしたらロマンポルシェすごい。多分違うと思うが。
 しかし結局聞き終わったら21世紀まで発売の遅れた「あの人がこんな歌を」シリーズを聞いたような感じの妙な薄さを覚えたのは何故だろう。多社音源同居は画期的。

V.A

ディスコ歌謡BMGファンハウス編

CD Pヴァイン PCD7222

 館ひろし「青い山脈’88」目当てだったがどうということも無かった。半分ぐらい持ってるからあれだけど、特にこれという音源はなし。LAソウルドライバーズが聞けるのが有り難い位。ザ・カミカゼも別に普通だし。ニック・ニューサの二曲は流れを著しく途切れさせていて納得いかん。良くも悪くもBMGの生真面目さが出たCDだ。

グッチ裕三とグッチーズ

ベスト・オブ・江戸川・サリバン・ショー

CD ワーナー WRC710128

 「ハッチ・ポッチ・ステーション」のサントラ第二弾。相変わらずファーストの予告にあったまま漏れた音源が漏れたまんまだが、今回は不可解な収録曲なし。(前作のメキシコ民謡は何だったのさ。)オリジナル曲のほか洋楽曲、GSなどのひねったものストレートなものひっくるめたカバー(「音」は違うけど色々考えるとこれはこれでいいような気がする。)などもあるが、何と言っても「母さんのうた〜宇宙のファンタジー」のようなぶっ飛びもんの童謡が聴き所。俺は凡百のアルバムより全然いいと思うけど。結構元ねたが偏ってるような気もするが、がんばれ。まだ続き出せ!

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