これ買いました14年5月

ジョニー誠/ボウリングで行こう

↑自我の塊としか言いようのない自主制作としては異常に豪華な一枚。これでも当時27歳。

14.5.26

V.A.

キン肉マン超人大全集

3CD コロムビア COCX31776→78  俺がはじめて買ったLPの全音源が含まれているので。(針飛びもひどかったし。)俺の原点中の原点。いまや地上波での再放送は不可能と言われるキン肉マンだが、そのブームはすざまじかった。裏があったっていいじゃない。
 さて、これはそのキン肉マンシリーズで使われた挿入歌等を集めたボーカルコレクション。どうも当初はこんなにヒットするとは思っていなかったらしく最初に作られた所謂正義超人編の楽曲は作り飛ばしたような曲が多く、その超人ならではの地方色や謡回しなどがまったく見られないテキトーな作りになっている。戦犯を曝し上げるぞ!作詞森雪之丞、作曲・芹沢廣明。そんなこんなで人気が出た後に出た悪魔超人編は打って変わって結構手が込んでいる。特にザ・ニンジャのテーマ「ジャパニーズ・マジック」は「赤胴鈴の介」の秀逸なパロディになっており特筆もの。他にもあの荒川務が歌う退廃アイドル歌謡の系譜「恐怖の惑星バルカン」やエジプシャン歌謡なんて概念がないので単なる純歌謡になってしまった「ファラオの呪い」などは比較的出来がいい。あとはまたどうでもよくなるのだが、ケントデリカットなどの登用などチャレンジブルなのか手先が狂ったのかよくわからない軌道も見られる。
 それにしても声優の兼任の多いこと。例えばロビンマスクとアシュラマンとブラックホールなんて全然タイプ違うけど全部郷里大輔さんがやってはります。この時代の声優の職人ぶりにただ脱帽。
深田恭子&ツートーンズ

ルート246

CD+DVD  ポニーキャニオン PCCA01686  何だかんだ言って深田恭子は全部買ってる。ファンじゃないのになぁ。(よく考えたらピアノの奴とか最初のほうのシングルとか無いわ。)
 ピチカート臭も強烈なガレージ系統のテケテケ入りビート歌謡。「ビタースイート・サンバ」も混じっているが。前作に続いて小西康陽作品。ちなみに喧伝されているようなモッズものじゃないと思う。ごてごてした演奏が60年代前半から中盤にかけてのイタリアンポップスを思わせる。詩も邪魔にならない湿り気があって好感。極めて幸せな過去と現代の出会いが現出している。巷で話題の「昭和にワープ」精神の見本品のような珠玉ぶり。相変わらずの歌の下手さが楽曲の良さと60年代色を引き出していて素晴らしい。佳曲。カップリングは「B面でうなずいて」路線のド派手なリミックスもの。バカバカ言われるけどSM歌謡なんて俺は言わない。DVD付き。
クレイジー・ケン・バンド

まっぴらロック

マキシ ビクター BSCL35002  メジャー昇格第一弾。非常にポップ。「マシュケナダ」のようなイントロからはじまる「花嫁人形」のような日本情緒を感じさせるストレンジなメロディーの曲だが「箱根八里の半次郎」や「マリリンモンローノーリターン」などをもぶち込んだ一種のスタミナ・ソング。ちなみにまだほかにも入ってる。コミック味が強く同じくビクターだった全盛期の嘉門達夫の味も感じさせる。押しこそ弱い代わりに斬新な曲。ロックではなくどっちかというとボッサです。カップリングはジャズをベースにした急流な曲と青山ミチとは同名異曲のフュージョンより中庸ポップス。前者の演奏のクールさは特筆ものだが、この曲の上に乗る日本語メロディーの斬新さにはたまげた。各曲ともアレンジにはいろいろなギミックが施してあり、わかる人ならにやりと出来る。しかし、繰り返しになるが全体的にコミックな面がかなり(過大なほど)拡大されたきらいがあり、ちょっと丸すぎるかも。のると言うより学ぶと言った感覚のほうが強いように思われた。こりゃでも自分の個人的な嗜好の問題だな。
バカ殿様とミニモニ姫。

アイーン体操

マキシ ソニー EPCE5156  言っとくがカップリングのほう目当てよ。わかっているから会社も両A面にしたんだろうし。
 トップの曲はいきなり埋め草だが、どうもたかしま“ヒゲダンス”あきひこ先生作品を前面に出そうとしたからみたい。歌謡曲を破壊したソニーのくせにいい曲しかなかったミニモニ初の糞曲。共同プロデューサーの温情が裏目に。
 注目はこっち、「アイーン!ダンスの唄」。つんく詩曲のトランス歌謡。こっちはいつもの鋭いミニモニが戻ってきており安心。名曲。今回も独特の混乱したわけのわからなさが炸裂!越後獅子のように強制されながら混沌とした世界を構築するミニモニの無自覚ゆえの孤高さ若しくは無間世界。これぞ歌謡曲の真髄。事務所の介入からいつもながら逃れている彼女たちの楽曲の果敢さ。・・・いや、ミニモニそれ自体は別にどうでもいいんだけど・・・。ほんとにつんくが好き勝手にやったときに感じる闇雲なパワーには頭が下がる。
 それにしても今年は発売される楽曲のレベルが全体的に高いような気がする。俺レコ大は大混戦だ。
高石ともや

ホー・チ・ミンのバラード

EP URC URS0014  こういうの聞くと結局60年代の反ベトナム戦争の連帯というのは単なるエキゾでしかなかったのではないかという思いが強くする。フォークもカレッジフォークと初期のアングラフォークの一部以外どうも体が受け付けない。
ピンク・ピクルス

僕にさわらせておくれ

EP テイチク SN1087  茶木みやこのいたギャルフォークデュオ。
 詩の艶かしさを清らなサウンドが打ち消し。結果無味無臭。B面もシモンズ路線のどうでもいい清楚なだけのギャルフォーク。駄目。

14.5.17 酒を飲んで気分が大きくなって買ったら大変なことに。今月はあとプティ・マミ以外買わないようにするけど明日大阪へ行かなければいけないのできっと何か買って給料日の前に貯金崩すことになるだろう。でも後悔しない!しかし今日のラインナップまるめろさんみたい。

ゆず

恋の歌謡日

マキシ トイズ・ファクトリー SNCC88989  みんな買え買えというので50円になるのを待って買ってみました。
 テケテケとかせりふとか入ってるけどアコギが前面に出たアリス路線のニューミュージック歌謡。所詮遊びの歌謡曲。(寺岡呼人のような)興味のない人にとっちゃGSもムード歌謡もくさめのニューミュージックも同じなのさ。リュシフェルのような無自覚なエレキ歌謡ぶりなど期待してはいないがこれが純歌謡とは笑わせるな。カップリングは小品だがぜんぜんこなれたゆずのパブリックイメージに近いアコギだけで奏でられるコミックソングと陳腐でボーカルが外れるのがすごく気になるけどかなり聞けるハードロックの二曲。表題曲が一番どうしようもない。
 多分全部ギャグだと思うけど本気でやってたらかなり危険だし、そうでも聞いてるほうが本気にしてるのが結構多い。日本人はユーモアのセンスなんてこれっぽっちもないんだからこういうの作るときは要注意だ。(最強のコミックソングは「メリージェーン」だよ。)
松浦亜弥

桃色片想い

マキシ ゼティマ EPCE5141  正統的な80年代前半ぐらいのアイドル歌謡を狙っている。ということは60年代ポップス流れだ。濃くはないが、ヒット狙いの制約の中でこれは冒険しているうえ、十分敢闘し、しかも成功している。この辺を捕まえて糞歌謡とか言ってる人はそんなに身を入れて歌謡曲聴いてない人だと思う。まずまずええ歌。つんく本人のコーラスが相変わらず邪魔。カップリングはいかにもJpopと言われるようになったあとの曲らしい哀愁路線。50円なら損はなし。人がいうほど下手ではない。
原みつるとシャネル・ファイブ

稚内ブルース

EP キング BS1390  幻の名盤。大好きなグループだがようやく現物入手。というわけでB面だけ。クールファイブの影響下にあるのは明白だが「盛り場ブルース」臭が強烈な三連ロッカバラード。藤本卓也。天を衝くような間奏のコーラスが印象的。適度な灰汁の強さを持った典型的中庸ムードコーラス。
かずみあい

おんな花

EP MCA E1016  ルックスがいい。基本的にはヤング演歌で前川清のようなビブラート過多の歌唱と独特な歌いまわし方が気になる。完成度も高いはねるリズムだがサビだけ普通の8ビートになるのが急流くだりしているようで楽しい。ただそれだけ。B面は西田佐知子がクールファイブをカバーしたような歌。歌詞の「清」はそれを意識か?
津々井まり

人魚の恋

EP RCA JRT1065  石原プロ所属のセクシーダイナマイト第一弾。ビーバーズの「泣かないで泣かないで」を思わせるチェンバロで始まるが中身もそんな感じの荒んだ中庸ビート歌謡。微妙なボーカルの揺れが面白いが別に普通。B面はブラスも華やかなピアノ主戦のぶっきらぼうな歌唱の映える村井邦彦らしいいかにも日本のR&B。さびが「黒い花びら」に似てる。こっちはカッコええ、合格。DJに使えそう。
津々井まり

首ったけ

EP RCA JRT1091  セクシージャケ。奥村チヨの「恋の奴隷」あたりを狙ったような遠くで日本情緒を感じさせる村井邦彦歌謡。同時代の歌謡曲に顕著な華やかなバッキングが心地いい。ため息交じりの歌唱がいい。B面はキャバレーにいるような気分になるバック(特にベースとピアノ)がなかなかいいが、あっさりしすぎているのが難。両面とも典型的70年代歌謡。レコード袋の日本人タレントの変遷が上と比べると刹那で悲しい。
ペア・スズラン

あげてよかった

EP コロムビア SAS1316  有名曲。ビートに乗ったため息セクシー歌謡。叩きつける様なさびと触ったら折れてしまいそうなフェロモン過多のそれ以外の対象が見事。適度に憂いを含んだオーケストラによる控えめな演奏もすばらしい。お勧め。「秘宝館」買おう。B面は正体見たりのこまどり姉妹そっくりののどかなワルツ。こっちは別に。
サボテン麻紀

恋のハッシャバイ

EP テイチク UC66  有名盤。八代亜紀「雨の慕情」に南沙織「春の予感」を混ぜたような荒んだ純歌謡。基本的にはニューミュージック流れだと思うがその手によくあるとおり、なんとも湿りすぎて精気に欠ける。今ひとつ何を狙ったのかよくわからない。B面も似たような傾向。ちょっと当時のアイドルよりだが地味なワルツ。
岸ユキ

すみれ咲く頃

EP テイチク A19  これも有名。シタールとマンドリンに彩れた典型的キューティーポップスだがいきなりサビだけ「蘇州夜曲」を思わせる中国情緒満点なアレンジになるのが妙味。ちょっと突っ込み足りないなぁ。B面は男性コーラスが気になる憂いを湛えたマイナービート歌謡。よく出来てるが、中庸。
賀川雪絵

やさぐれブルース

EP ポリドール DR1769  ごめん、これも有名。ミーハー。フンドシ女優もしくはアマゾネス。男言葉歌われる「東京流れ者」の後裔にあたる退廃ブルース歌謡。鍛冶屋が刃を焼き付けているかのようなぶった切る歌唱法が特異極まりない。「え」の伸ばし方が特徴ありすぎ。やさぐりいーぶるうすう。B面は普通の歌唱だが同じ路線でより東京流れ者色が強い。オルガンとシタール然としたエレキ、大正琴が織り成す倒錯した任侠世界。でもどっちもものたんない。
平野レミ

誘惑のバイヨン

EP コロムビア SAS1402  これもセクシージャケ。藤井隆と絡んではる料理のおばさん。あんまりないバイヨン歌謡。落ち着きはないが、さりげないさびがいい。短くあっさりしているがよくできた歌謡曲。ストリングスの使い方がいい。B面はA面をベースにしてもっと湿っぽくディープな歌謡にシフトしたような歌。バラをバラを・・・の押し捲るサビが胸に迫る。どっちもまずまず。
紅京子

どうかなっちゃうわ

EP ポリドール SDR1460  タイトルで買った。「松の木小唄」みたいな歌。粘りつくような歌唱がお色気マニアにはいけるかも。B面はスチールギターとオルガンが特徴的なお色気歌謡。こっちのほうが出来がいいけどいずれにしても別にどうという曲でもない。
大宮恵子

もう云わないで

EP カノン K45101  独特の雰囲気のあるレコード盤。やっぱり自主制作。伊東ゆかりの「恋のしずく」みたいな始まり方をするが思ったほど変な曲ではなかった。高音部で少し音が外れるがそんなに気にはならない。ギターのフレーズなどがレオビーツの「別れの歌」を思わせる。B面は「恋の季節」そっくりなフレーズで始まるシャックリ唱法の歌い上げ歌謡。ピンキラというよりはテレサテンのカバーバージョンのほうに近い。こっちはビートが効いているうえよく練られていててなかなかよい。ちなみにどっちも自作。合格。苦労人のその後が気になる。
佐井好子

二十才になれば

EP テイチク B43  ブラックなるレーベルから。その名のとおり何から何まで真っ黒な。ジャケットに不穏なものを感じさせる。自作による浅川マキやら山崎ハコやらその辺の路線の退廃的なワルツ。つーか殆ど民謡。専門外の曲だがこの手の曲を聞くとよくある悪い感情も起こらなかったのでよかった。前向きな詩なのに絶望を感じさせる。まあまあよく出来てると思う。B面は初潮歌謡。なんだか現実的な詩なのにサイケデリック。夢野久作みたい。森田童子よりはいいかも知らん。
三井俊吾

手紙を下さい。

EP CBSソニー SONA86072  クニ河内編曲の初期ソニー盤。ウエスタンアレンジの遠くでのどかな哀愁歌謡だが、さびで番地まで歌う。実在の土地なのかしら。まあ本人とは関係なさそう。B面もアップテンポだがウエスタン歌謡。人がよくて実直そうだが下手なのが玉に瑕。なんと言うか8年ぐらい出てくるのが遅かったね。
ラヴ・アップル

子供と風船

EP ポリドール DR1687  特に山らしい山もなく淡々と進むえらい幻想的で虚飾の一切ない南米的な響きを持つ典型的カレッジフォーク。ギターのみの演奏に好感。B面も同じような感触の歌。カレッジフォークの割には幻想的でメッセージのある詩が珍しい。ハーモニーを重ねるところはそんなに気にもならないがソロになるとちょっと弱い。それにしてもポリドールにもカッぺーズ以外にカレッジフォークがいたとは知らなかった。
フォーク・キャンパーズ

誰かがどこかで

EP テイチク US574J  カレッヂフォークとアングラフォークの掛け橋になった人たち。A面だけ。「レコード買うならユニオン」という歌詞が引っかかった放送禁止盤。フォークゲリラ的ないかにも素人が作りましたというような歌。問題の歌詞はどう聞いてもテイチクに喧嘩を売ってるとしか思えん文脈で出てくる。ギミック入り。女の子のコーラスが若いんだかおばちゃんなんだか判んない声してる。多分若いんだろうが、「大根一本・・・」のとこはとてもそうは思えない。「私だって」を重ねていくところは楽しい。って本人たちはどうでもいいんかいという突っ込みが入りそうですが、そのとおりです。
浜田光夫とザ・スパイダース

青春ア・ゴーゴー

EP テイチク SN325  流石に古臭い青春歌謡的な歌唱であることは否めないが、それを補って余りあるスパイダースの演奏のかっこよさ。イントロや間奏が全く違う。特に間奏のギターとオルガンの絡み合いは絶妙。またコーラスも「ゴーゴーゴー」だけはスパイダースが担当(他はなんと東京ボーカルグループ。)して元気丸出し。B面はもっとどろどろな青春歌謡だがシャープなスパイダースの演奏がそれを必死に支えている。中でもイノヤンのギターによる突込みが鋭すぎる。この時期のスパのガレージ感覚の突出振りはすごい。田辺さんのドラムに珍しく灰汁がない。よい。

14.5.12

岸野雄一

A to 2

CD OZ OZD080  初めて聞いた。とにかくいい声しておられる。正直よくわからなかったがかなりポップだと思う。ほんわかした曲が多い。聞き込めば違うのかもしれないけどこの人のイメージである攻撃的な部分はよく取れなかった。「死後校長」は権威化したロックに対抗するということで精神的なパンクとして軍歌の意匠を借りたのはわかったけど、結局その考えでいくと落ち着く道が一つしか道がないのが日本のポップミュージックの壁だと思う。ちなみに電気グルーヴの「ドリルキング」に似てる。まあ、そのまま普通のポップスとして聞いたけど・・・。やっぱり頭で再構築しないといけないような音楽は苦手だ。シークレットトラックあり。
スキャッツ

スキャット・コール

CD アザー TOTR004  びっくりした。松石ゲル&ヒズ・フレンズ(命名はクニ河内を意識?)の演奏の素晴らしさよ!何という心あるバッキング!昭和45年ぐらいのジャズ流れのスタジオミュージシャンによるサントラ集みたい。ザ・モージョを思わせる「アイ・ソールド・マイ・ハート」から始まり息もつかせず壷を抑えまくったダイナマイトなグルーヴで最後まで一気に聞かせる。この緊張感。ハモンド、ギターはじめどれをとっても研究しつくされた音!お洒落。こういう演奏を聞きたかった!本当にすばらしい!ヒノテルあたりと並べてかけてもまるで違和感はない。
 本体のザ・スキャッツの方は平成のシンガーズ・スリーというには切れがなく滲んだ様な感じがしており、ちょっと下品な声。緊迫感にかけるのとソロになったときの舌っ足らずさがなんとも惜しい。ということで一部を除いて「平成のシンガーズスリー」の称号は今のところ重すぎる。余裕もない感じだし。考えるに彼女たちのキャッチフレーズは「平成のキューティーQ」こそふさわしい。(キャッチとしてインパクトにかけるけど。)頭からキューティーQとしてだったら100点満点で90点代後半をつけられるぐらいの出来。前述のとおりな訳で基本的には60年代後半から70年ごろ位のガールポップものこそ力が発揮できると思うが、「ブラックイズビューティフル」などで見られる眩しいダークさは新しい。今後、シンガーズスリーのクールビューティーに行き着くかキューティーQの下世話に行き着くかが注目される。
 声を大きくしてお勧め!今年の俺レコード大賞は混沌としてきたなぁ。ジャケはあまり良くない。(もられすさま、ご教示ありがとうございました。)
V.A,

京大軽音ニューウェイブ黄金時代

CD いぬん堂 WC025  そのまま、どんととかがいたころの京大軽音所属バンドのオムニバス。奇想天外な血が沸きあがるような曲が皆無でがっくり。というか何だかわかんなかった。京大ということで知性的なものやその逆の無意味な切れ方を期待したが空振り。タイトルが凄く良くても中身がそこまでいかない。もっともマヴォあたりはそれなりにのれて聞けた。カタカナ英語で少し安心したが(そりゃコンプレックスあるさ)それ以上にこういうもんは人間の出会い次第だなとしみじみ感じる。というかね、何か大学時代思い出して悔しくなってくる。どうでもいいがザ・ベストテン「GSメドレー」は邪魔っけだ。事前に聞けてたら買わなかった。
森田真伍

夜霧に消えた恋

CDS バンダイ APDA2001  「わたし祈ってます」みたいなイントロから始まるまさに夜霧に包まれたような重厚なエコーがかかったムード歌謡。曲自体は「小樽のひとよ」あたりを狙ったような曲だがかなり完成度が高い。サックスが咽び泣きピアノとオルガンがもりたてる典型的ラテン流れ純歌謡。カップリングは10年ぐらい感覚が古い「浮草」路線の演歌。多分こっちが本質。歌はうまいが小技が利かないのが難。なかなか。
 バンダイにも演歌部門があったとは知らなかった。
ならだりょう

愛のジャンクション−分岐点−

CDS クラウン CRDN572  作詞はならだ。・・・なぜ姓でとめる。
 郷ひろみのバラード路線に酷似した曲。ビートが利いている。ピアノが主戦だがシタールが飛び出したりクラシカルなストリングスが入ったりして結構攻撃的。所謂演歌ではない。B面もどっちかというとポップスだがあおい輝彦の「あなただけを」かと思った。これも郷ひろみの影響大。ギターが主戦。ちなみに両方とも作編曲・北原”死ね死ね団/サハリン”じゅん。両方とも押しが今ひとつ弱くて無念。
ライラックス

シルバーナイトイン札幌

CDS クラウン CRDW3081  また見つけた。今回は一人減っておじさんと美少年のデュオになってます。そっち系統ですか?(などとおちゃらけて書いてたら実はお亡くなりになったらしい。合掌。)内容。エレクトーンとレキントギターで綴るホスト系ムードコーラス。リードボーカルは時折外れるし表現力もはっきり言ってそんなにないが、森雄二を思わせる声質とハーモ二ー、曲のよさが支えている。詩は甘甘。カップリングは欽どこ関連曲や「北国行きで」を思わせるよく出来た哀愁歌謡で詩もまずまずだが「あなたにバレンタイン」というタイトルはさすがにやる気を疑う。どっちもキャッチーでまずまず。たぶん自作。
くるーず

あぁ人生

CDS キング KIDD1741  微妙なルックスの二人組み。作詞作曲は奥村”帰り道”英夫。そういや最近奥村先生の弟子のアイドルグループが「帰り道は遠かった」をカバーしてるはず。
 それはどうでもいいので内容。この歌はやたら大仰なイントロから始まるニューミュージック物で河島英吾の「酒と涙と男と女」に美空ひばりの「愛燦燦」を足してキッパーズの「夜明けのファンタジー」で割ったような歌。やたら歌詞が長い。カップリングはさだまさし風狩人という感じだが弦アレンジに少し工夫があるブルークリスマスもの。基本的にはアダルトポップスだがさびが英語(カタカナ英語だけど)だったりしてどういう購買層を狙っているのかよくわからん。駄目。
キョンタ

おっちゃんどこ行くの

CDS 日本エンカフォン SVDA69  なんじゃ、こりゃ。リチャードパワーズの「パチンコ」みたいな歌。さびこそ演歌だがダンスミュージック基調の歌。笠置シヅ子の「買物ブギ」を思わせる騒乱物。よく聞くとメロは「ギザギザハートの子守唄」みたいだし。意表をついた詩だが、意味不明。何、自殺しに行くってこと?「どうせこの世はやぼ天ぷらさつま揚げ竹輪にかまぼこ人参ごぼう」ってところは野暮天にかけてあるのはわかるがそんなに羅列する意味がわからん。こういう捻りも何にもないのに天然に変な曲というのは一番対処に困る。カップリングは埋め草くさい。犬みたいな名前だが多分韓国の人。(調べたら日本人で本名が清美とか言うそうです。)かなり歌下手です。しかし、レーベル名、わざわざ日本つけなくても演歌なんて日本にしかないって。
ヘブン・パートナー

最高最高最高

CDS バースディアドベンチャー BAPR0015  作詞・福永法源。作曲は石坂まさを。何故に?こういう新興宗教系のうたはなぜか軍歌調の歌が多いが、ちょっとひねって「ラ・マルセイエーズ」を思わせるヨーロッパの軍歌みたいな歌。最高の連呼がキャッチーで意外と聞ける。だがいつ「御玉杓子は蛙の子」と変わるのかと思わせてスリリング。(^^;カップリングはヤング101を思わせるソフティディケィテッドされたワルツ。「カノン」の影響下にあるがまあ国民歌謡の系譜。石坂先生狙ってやってますか?歌手は単なる混声合唱団。まあまあ。

14.5.5 CDR、MD計4枚をいただく。

14.5.2 バンド結成記念

いとう愛子

思い出のメロディー

CD CTA SHC48  英語だったり日本語だったりチャンポンだったり、どういう基準でこの選曲になったのかよくわからなかったりするが、基本的にはカンツォーネを中心にした「懐かしのポップス」もの。
 なんとバックが井上宗孝とシャープ・ファイブ!キャニオン時代のシャープのアルバムにうまい女性ボーカルが乗ったアルバムと思えば間違いない。とにかくまろやかな三根信宏のギターが早弾き、ファズ、センチメンタルと縦横無尽の活躍。このバンドもバッキングこそもっとも活かせた道なのではないかと思わせる充実した演奏ぶり。またそれに充分張り合ういとう愛子のボーカルもすざまじい。なかでも青山ミチや大西ユカリでもお馴染みの「サンライト・ツイスト」(「ゴーカートツイスト」または「恋と涙の17歳」のタイトルで有名)のパンチ力や「サバの女王」での弘田三枝子を思わせる歌唱力は鳥肌もの。大当たり。ちなみにもとあの伊藤アイ子らしい。
木立じゅん

484のブルース

EP テイチク SN677  484円だった。北海道ものだが、曲調は「釜ヶ崎人情」そっくり。結局484なる数字はまったく出てこない。何かの隠語なのか?平田満作詞ということは、通説に従えばシャネルファイブ関連ということになるな。ちなみに補作は高月ことばで、無色無臭の編曲は山倉たかし。テイチクのトップ作家ばかり。で、これですか?B面は上原賢六作曲だが、こっちもパッとせず。それにしてもこれで23歳とは・・・。ジョニー誠↓といい老け過ぎ。
ジョニー誠

ボウリングで行こう

EP オリジナル L104  有名盤。ジャケットの情報量が異常に多い。個人レーベルの癖にJM(ジョニー誠?)レコーディングオーケストラなる楽団がバック。編曲にいたっては森岡賢一郎という豪華さ。おっさん(当時27歳らしい!)金持って侍るなぁ。元デザイナーということでイラストやレイアウトなども本人が担当するスーパーマンぶり。
 内容。スピード感いっぱいの賑やかなブラス入り歌謡曲。嵐が過ぎ去るように一気に燃え上がって去ってゆく圧巻の楽曲。素晴らしい。だが、あまりに不安定なボーカルが聞くものを不安にさせる。オッケー。少なくとも伝説になるにふさわしい歌であることは確か。自作の癖に歌い切れてないのが壷。笠井紀美子の「キャンピングカーキャラベルエアー」と並べたい欲望に駆られる。B面は出出しが「氷雨」にそっくりなムード歌謡だが、こっちは意外に歌が上手く聞こえる。ということでそつがない代わりにあまり面白くない。
 彼の前作「埋心」ほしい。そのうちジャケアップします。
伊藤素道とリリオ・リズム・エアーズ

軍隊のぞき節

EP MCA E1010  史上最高との誉れの高いコーラスグループが有名な兵隊節を真正面からカバー。えらいラフな合いの手が楽しげ。「エリーゼのため」になどを挿入。だけど可もなく不可もなしといったところ。B面はアメリカ民謡のカバーと書いてあるが「ラ・マルセイエーズ」の学生節カバー。ウエスタンのアレンジ。これも別に。
エコノミック・アニマルズ

消えた三億円

EP ミノルフォンKA573  色々ある三億円ものの一つ。のりのいいハードロック的なコミックソング。軽妙でよく出来ているが、それまで。RCサクセションを意識?せりふから二番に入るところが強引。年利7分という歌詞に時代を感じる。B面はウーマントーンを主戦にした70年代に特有な内省的なブルースでまじめなうた。合格手前。調べてみたら荻田光男と佐々木勉と鈴木ミキハルのユニットらしい。なんだやっぱりGS関連か・・・。
パグス

恋してるマリー

CDS コロムビアCODA876  ネオ・サーフな退廃的演奏にラリラリな女性ボーカルが効果音的に絡む意外にいける曲。「ツァラトスツラはかくかたりき」と進軍ラッパが絡むイントロはわけがわからないが曲自体は俺好み。カップリングは弦楽器とファズが主戦でスキャットがからむとはいえ、まるで70年代のスプートニクスのようなウェスタン流れのポップス。どっちも合格。思わぬ拾物。ホッピー神山らがいた、米国ツアーなどもやったバンドらしい。エキセントリックな女性ボーカルが売りだったらしい。見た感じではビジュアル戦略で損した口だと思う。スーツ姿だったらもっと「お茶の間」に有名になったと思われる。

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