これ買いました15年10月

高瀬みのると東京ラブコール/ハーさん

有名なので。


15.10.26 え、プロデューサーいんの?

ソールド・アウト

ソールド・アウト

CD ソニー SECL19  CCCDだと思ったら違った。関係者の方にはお詫びいたします。ちらっと聴いたところでは歌謡曲がヒップホップを飲み込んだ決定的瞬間ぽかったので買った。往古のソウル/ディスコサウンドを下敷きにした情緒ある歌謡。ビージーズ風とかもあり。なんだかんだいって今の日本人が流行ものに弱い一方で安定志向があるために安心して聴ける懐かしき、また哀愁ある曲調に、いかにも今風のヒップホップを被せながら、その実、歌の根元が二村定一先生以来の神世からの歌謡曲の基本に忠実なのがヒットの要因であろう。要するにビリケンとかあの辺のただ古い歌を適当に今風にしたら売れるだろという売り方と方向性は同じだが、巧妙に保守性を裸のまま提供しないでアップデイト感を強く打ち出したと言うことが特筆すべき歌謡曲のモードの転換点たりうる作品を生みだし得たと言うことであり、ドラゴンアッシュら討ち死にした和製ラップ〜ヒップホップを標榜したの先達の遺産と昭和歌謡/カバーブームの伝統的歌謡曲の延長線上での幸運な結合とも言えよう。むろんこれが凡百の同路線の連中に比べてこの意味で作品自体の出来が良いのは言うまでもない。ボーカルの声質がなかなかいいが、全く意図していないのだろうが、気を抜くと(?)浄瑠璃や「木遣りくずし」に相通ずる歌い回しが見られたりして面白い。考えてみれば脱メロディーを目指したラップ/ヒップホップに再びメロディーの要素を付け加えて日本の大衆音楽に近づけるというある意味退化でもある大革命を最初にしたのはmcATではなかったのかと今更ながら懐古する気分におそわれる。大倭ではヒップホップよりも歌謡曲の方がやはり強かったと言うことを明示した、今年の歌謡曲のモードを象徴する一枚。こんな事言われても本人たちは全く嬉しくないと思うけど。
紫苑

ロマンチック・ゴーゴー

マキシ BMG BVCR19915  王子さま系ヴィジュアルバンド。ロマンティックでなくロマン「チ」ックってのがいいじゃないか。ヴィジュアルらしくグラムロックが下敷きにあるが、曲調は良くできた復古「70年代のGSを勘違いしたアイドルバンドによる頭の悪いポップス」歌謡で、そういう意味ではパフォーマンスとパッケージで完璧。神経を逆なでするほどのサービス精神に溢れた演奏をしていたが、アマバンドでもこのぐらいのパフォーマンスをするバンドが見たい。ちなみに、何気にボーカルがむちゃくちゃ上手い。ビート感も十分。歌謡ロックの真髄が解っている。たまたまこれを演奏しているところをテレビで見たが、一緒に出てきたネイビーズとかの線の細さが可愛そうに見えた。カップリングの「愛の弾丸」も典型的なヴィジュアル歌謡で、題名の通り爆発するような程良いロックビートと過剰なほどの歌謡魂が見事に炸裂しており、まことに泣ける曲に仕上がっておりやられたの一言。もう一つのカップリングは箸休めといった感じで、グレイあたりにありそうなちょっと前の流行の曲調のポップバラードだが、ボーカルの立ち方が上手すぎる。これは演奏がちょっと荒すぎるけど。なかなか。「考えるヒット」あたりに取り上げられそうな予感。
史上最低エド・ウッズ

ギャラクシー・アタック

マキシ ラウド・マウス LOUD005  今から三年ぐらい前にちょっとだけ流行ったパンクバンドのファースト。トップは三味線みたいな音色のギターとサンプリングによるパーカッションが目立つラウドなパンクロック。万力あたりを思い出させるところもあるが、音が貧乏、キレは今一歩、煽り方は不完全燃焼と言うところ。全編聴くと効果音を入れたもさ目のパンクバンドと言う感じ。近代パンクなのでグルーヴィーさが全くなくても別に構わないが、自分の趣味の中ではどうしても傍系だな。ただし、3曲目の「ロカビリー・ジャンキーマン」はガレージの方にかなり傾いており、グルーヴィーかつ叫びまくりで、チェットアトキンスを意識していると思われるギタープレーもあり、機嫌良く聴けた。バンド名からわかるとおりの映画秘宝なネタも「セックス・モンキー・オイル」で聴ける。「トラッシュアクション2000」はブレイクビーツを入れてヒップホップに挑戦しているがどうしても粗め。まずまず。
ニュートン・サークス

もう少しだけ

マキシ BMG BVCS29912  全然知らん人達。おそらくセカンド・マキシ。「70年代グルーヴを21世紀に濃縮還元」というキャッチフレーズだったが、ボーカルや基本的な曲調、コーラスは久保田利伸の曲を思わせ完全に現代的。それでもランニングベースやブラス、オルガンの音づくりがなかなか上手く、しっかりとしたシカゴを手本とした当時風のブラスロックになっており、なかなか心地よく聴けた。カップリングはファンキーなグルーヴィー・ジャズ・インスト。こちらは邪魔なボーカルなどが全く入っておらず、キャッチフレーズに誤りなし。踊れること間違いなしのDJ向け佳曲。ちょっと長いのが玉に瑕。定価で買ってもお釣りが来るくらいの出来で、50円だったことを思えば完全に拾いもの。なかなか良かった。
永森加代子

ああサハリンの海

CDS ビクター VNC3127  樺太もの。サハリンの海の藻屑と消えた子を慕う呼子演歌。さびと間奏が子守唄になっている事以外は普通の演歌で、ダメ歌謡はダメ歌謡ですが。はっきり申しまして歌唱は、なんとも辿々しくて、いくら何でも私の方が上手いと思います。ただし間奏に挿入される絵に描いたような弱々しい「まさおー」という呼び声が虚をついており何故か鮮烈。カップリングは「暴れ太鼓」風のいわゆるド演歌の系譜だが、ボーカルが力強さに欠け、香西かおりとか長山洋子とか、若しくは大月みやことか金沢明子とかはやっぱり上手いなと思う。他の人が歌えばそれなりの評価は得られる可能性ある曲。イントロのストリングスは定番と言えば定番だが「風が泣いている」を思わせ、なかなか情緒あり。太鼓入り。
ザ・クエッションマーク

月光仮面は誰でしょう

EP キャニオン CA54  本体入手。相場よりちょっと安かった。遅れてきたアングラソング。傑作中の傑作。三根信宏のギターの冴えが無駄に素晴らしいのが正しいGSアングラ。
片山ブレイカーズ&ザ・ロケンローパーティ

輩に穴

CDR 自主 番号なし  身内みたいなものなので評は避けるが、本人にはメールで感想を送っておく。一言、普段のステージの方がかっこいいと思う。

15.10.23 タレントとしてはともかく、歌手の和田アキ子は好きになれんなぁ。

V.A.

トーキョーソウルフル歌謡

CD BMG CPNT1006  解説や選曲が薄いとかちょっと間違ってるとか、その表現に問題があるとか、オリジナル音源なのか再録音音源なのかの明示がない(「グッドナイト・ベイビー」は再録)とか、データも何も全く書いてないとか、色々と言いたいことはあるが、うちみたいな弱小サイトにわざわざ宣伝に来てくれたりしたので、あまり言わない。まあ、そうは言っても初めて聴いた曲も弱い昭和50年代の曲を中心になくはなく、有り難いCDと言えるのだが、自分にとっては昭和50年代は歌謡曲暗黒時代そのもの、この頃の曲はろくでもない曲、だから何だという曲がやたらに多い。多分リアルタイムでこの時代に青春を送っていたら、やはりろくでもないけどそこまででもない洋楽しか聴かなくなっていたのではないだろうかと思う。まあ、それは置いといて、素直にクック・ニック&チャッキー「可愛いい人よ」ナナとおさみ「最高なのさ」ほかの初CD化を祝う。「最高なのさ」は不安定な音が不穏なグッド・サイケデリック・グルーヴ・チューンで、この手のものが好きな人は聴くに越したことはなかろう。あと、ヘドバとダビデ「ナオミの夢」はレコードよりえらいエコーが深く、ドラムも浅いが、まあ、トラックではなくミックスの解釈の違いだけだろう。他に密かに元オックス岡田史郎が共作曲の「六本木ララバイ」が収録されているのが拾いもの。もっとも解説ではそのことには一言も触れられていないが。

15.10.21 ローマ法王の尊称は台下でいいのか。聖下じゃないのか。←これでもめた。

ザ・スウィング・ウエスト

雨のバラード/ザ・スウィング・ウエスト・オン・ステージ

CD テイチク TECN20943  まるめろさん、買いました。GS五大名盤最後の一角、ついにCD化。疑似ライヴ故に歓声が被せられていた4曲から歓声を抜き取ったバージョンとこのバンドの中でもとりわけワイルドな演奏の「ファイヤ」「君の唇を」のカラオケがついているのもバラード看板のバンドイメージをひっくり返されるであろう音源が入っているのも有り難い。しかし、何といっても「恋のジザベル」(アルバムバージョン)の初CD化が最大の収穫。多分どうにもならないと思うのでここに書いときますが、渋谷公会堂ワンマンリサイタルの音源も凄いです。

15.10.19 「キルビル」見に行こうかな。見てもわからんかな。

沢田駿吾&伊集加代

リヴィング・ボッサ

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1079  ジャズギタリスト・沢田駿吾が日野元彦・日野皓正ら腕利きのジャズメンを引き連れて録音したボサノバ名曲/ボサノバアレンジの有名曲集。この時代の有名プレーヤーによる所謂イージーリスニングのアルバムの類は独特の輝きに充ちているが、これもそう。どの曲もこんなグッド・ミュージックがのが埋もれていたとは何とも惜しすぎるというくらい素晴らしい演奏が並ぶ。とりわけ、滑らかな沢田のギターと天下一品の伊集加代(子)のスキャットの瑞々しさは録音から30年経った今も全く色褪せていない。この時代のものにしか聴くことの出来ない、瞬間を切り取ったような音である。どれも良いが、特に「おいしい水」「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」がぐっと来た。なお、原盤はコロムビア。グッド。
伊集加代

リヴィング・スキャット

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1080  天下一品の天才スキャット使い、歌謡曲界の偉人・伊集加代(子)のスキャット名唱集。もっともやっつけでやったため、他に誰が参加していたのか解らないような録音などもあり、出来はこの人としてはまずまずと言ったところ。あくまでこの人としては、だが。注目はネスカフェ・コーヒーのCMソングとして、だれもにお馴染みの「めざめ」、あのダバダーってやつがフルバージョンで聞けるのが有り難い。筒美京平のオーケストラがバカラックの方向を向いているのは当然としても、それ以外の作品もその線上にあってなかなか楽しめた。まずまず。原盤・ビクター。
ステージ101

ステージ101

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1077  日本の昭和四十年代のソフトロック・ムーブメントにおいて最重要なものの一つがNHKの「ステージ101」であるが、その出演者たちによるオムニバス・ファースト・アルバムである。初めて聴いたのは「再びのワルツ」だけだが、全体にパブリックイメージより歌謡濃度が高く、親しみやすかった。
ステージ101

赤い屋根の家

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1078  同、セカンド。こちらは、約半分が初めて聞くものだった。ジョン・レノンが2曲も収録されているのが特徴と言えば特徴。ジョン・レノンの線の深さを揺らぎのあるデュオに転換しているのはアイデアだ。外国曲が多いこともあるが、日本の曲も和風度の著しく低いフォーク/筒美/村井作品などで、かなり歌謡色が薄く、パブリックイメージ通りのステージ101が楽しめた。帯に「怪獣のうた」収録って書いてあるが、もちろん、間違い。
V.A.

ラヴ、ピース&ポエトリィ ブラジリアン・サイケデリック・ミュージック

CD ノーマル CD043  「シェリル」シリーズのブラジル篇。毎度このシリーズはサイケデリックという言葉のカバー範囲の広さを思い知らさせられる。ここでも純歌謡からガレージ、ボサノバまで何でもあり。チープなオルガンやファズギターが基調になっているとは言え、何とも凄い。ただし、やや薄目の曲が多く、これと言うのがないので、印象もこれに倣い薄い。強いて言えばオス・ブラゾエズ「タオ・ロンゲ・デ・ミム」が一番GSっぽくて面白かった。まあ、まずまず。
V.A.

サイケデリック・ステイツ・テキサスVol.1

CD ゲアファブ GF197  テキサスのオリジナル60年代ガレージサイケ曲集。英米の正統派ガレージ/サイケは苦手で最近は一枚のコンピに1、2曲ある歌謡情緒のある曲目当てでガレージものを買うようになってきている。ここではザ・バブル・パピィ「セクレッツ・オブ・ザ・ゴールデン・シリン」がそれで、ビートとラテンが上手く結合しており、もの悲しいマイナーチューンになっており、落涙を誘う。なお、もう一曲入っている「キープ・ユア・マウス・シュット・ワンス・イン・ア・ホワイル」はシタール入りだが良くできたコーラスをフィチャーしたビートもので、歌謡色はないが、グッド・ポップス。また、ザ・パリジャン・マーケット「シャイン・ユア・モンキー」も「暁の空中戦」を彷彿とさせる行進曲調歌謡でとことん陽気。逆にしみったれたザ・クラブス「バイ・バイ・マイ・リトル・ガール」のうだつのあがらなさもダメ人間の心臓を直撃する哀愁歌謡の味。もっとも、テキサス・ガレージはもともとなぜか東京で作ったものと同じ空気が流れているものが結構多く、この盤では歌謡もの以外も拾いものが多いので、普通の米製ガレージよりはずっと聞きやすかった。例えば、ラッパ、ムシ声、チェンバロが次々に挿入され、本編はどポップスというジェットコースターのような目まぐるしい展開の英国風どサイケをそのまま演奏したようなA440「マレンセリア・グロウズ・イン・ザ・ダーク」も聴いていて楽しく、また、力技だけで押し通しているザ・リーゾンズ・ホワイ「ドント・ビー・ザット・ウェイ」はガレージの真髄にかなり近いと思う。ほかにエコーの嵐の中で近代ロックへの萌芽のみられるエアヘッド「ユー・ノック・ミー・ダウン」、展開が阿呆なロイ・ヘッド「オールモスト・タフ・イナフ」、だらけたサイケ演奏に唐突にムシ声が割り込んでくるネイル・フォードとザ・ファナティックス「シー・イズ・オール・ゼア・イズ」なども聞き物。ということで、聞き所が多くて、なかなか良かった。どうでもいいが、ところどころ近代的な音が紛れ込んでいるような気がするのだが、どうか。
V.A.

シェイキン・イン・アテネ

CD サウンドストーリー SS010  ギリシャのGS集。俺にとってはガレージは辺境ものだな。哀愁の歌謡ビートものが多く、ぐっと来た。とにかく泣ける、泣ける、泣けると泣ける曲のオンパレード。安いオルガンだらけの泣けるガレージ・コンピ。初球のナックス「デビル・ドール」から来る!しみったれた純歌謡が始まったと思うといきなりダンス天国調になり、サビはまた唐突に哀愁純歌謡に帰ってくるという、おれのために作られたかのようなマイナービート曲。ヘボヘボなコーラスもグッド。クラウンズのチープなオルガンが先導する、軽く、うだつの上がらないちょっとサイケなポップス「ユア・オンリー・マイ・ガール」も泣ける。これもチープなオルガンが何処までも鳴り響き、金井克子の「ミニミニガール」のようなイントロからシャーウッドの「二人の渚」のような曲へ雪崩れ込むニューホープスの「アイ・ファウンド・ア・ラヴ」も泣ける。これも死ぬほど安いオルガンが大活躍する古くさいポップスをこの時代ならではのガレージ感覚で料理したブルーバーズ「ジャスト・リメンバー」も情緒たっぷり。ドギツいファズから始まり安いオルガンに絡んでサヌリムような哀愁を漂わせるヴァイキングスの「アイム・トライング」なんぞは欧羅巴のバンドとはとても思えない歌謡感覚がある。以下、色々と詰め込みすぎているのにそれが大して苦にならない日本のGSに見紛うような純歌謡のオリンピアンズ「ホープレス・エンドレスレイン」、イタリアのバンドっぽいズー「シックス・マイル・フロム・ケイジ」、ズーニーヴーの「九月の出来事」とビーバーズの「波うつ心」を掛け合わせたようなジュニアーズ「ミス・ブルー・ジーン」、リードの「ジャスト・ア・リトル」を彷彿とさせるマイナーパンクバラードの鑑のようなフェニックス「センゼモレ」、日本のパチものインストバンドに歌を被せたようなくせに本家ゾムビーズを完全に凌駕しているアップタイトの「好きさ好きさ好きさ」などなど、驚異のしょぼくれ楽曲がずらり!お勧め。
宮崎美子

だからデザイア

EP フォノグラム 7SS16  まるめろさん、買いました。驚異のラップ歌謡。狂気の打ち込みサウンド。達者なのにどっかで一本ネジが抜けた宮崎美子のラップの存在感は唯一無二。その辺のラッパーそこのけ。畏れ入りました。まさか、日本最古の狙ってやったラップ/ヒップホップ歌謡が宮崎美子で、しかも、こんなにとてつもない作品とは。作詞・作詞センターなどというやる気のないクレジットからは想像もつかない。作編曲の馬飼野康二に乾杯するしかない。そしてさらに驚くべきはB面で、A面を凌駕する顔面蒼白になること間違いなしの恐怖のヒップホップ歌謡!滅茶苦茶格好いい、ドラムとクラッチ音以外全く入っていない、ノリのいいブレイクビーツ。そして、その上でピチピチ跳ねる瑞々しいけどやっぱりネジの一本外れた怒濤のラップが被さり、何度か同じ調子を繰り返して嵐のように過ぎ去る。これは凄いです。あとにはぺんぺん草も生えないような迫力がある。超グッド。

15.10.15 半年でいきなり潰れるライヴハウスってのもすごい。ヤクザと喧嘩したんだろうか。

佐藤よしおとブルー・セブン

新宿発23時50分

EP ポリドール DR6007  キャッチーなホスト系ムードコーラス。サザンクロスの路線だが、ジョイベルス東京や東京ロマンチカといった技術系バンドの色も強く感じる。往古の新宿ホステスの悲哀を鮮烈に描く佳作。まずまず。B面もえらく業が深そうな音を聞かせる。全編に被さるコーラスは俺好みだが、曲自体がえらい薄い。
宮崎憲二とハーバーナイツ

人間砂漠

EP キャニオン A240  よく考えたら両面ともCDで持ってたわ。
沢田あきらとハーバー・ナイツ

東京待ちぼうけ

EP 東芝 TP17900  有名レコード。B面だけ。ったってバージョン(リマスター)違いなだけだが。実際「ムードコーラス・スペシャル」収録のものと比べても、ちょっとぽやっとしてるかなという程度。
沢田旭とハーバーナイツ

あなたの心を一人占め

EP キング GK408  藤本卓也作品だが何とも散漫。凄みも軽みも中途半端。歌唱は快調だがのりが悪く、曲自体も色々なギミックが空回りしていて、何とも惜しい作品。何が悪いのか。B面はトランペットが鳴り響くロッカバラード。こちらの方が完成度は高いが、それだけ。無茶なコーラスは耳目を引くものの、一部で「断絶のブルース」を思わせるメロディーやサビ展開など藤本卓也らしい所もあるが、地獄に突き落とされるようなまでのインパクトはなし。
ジョージ山下とドライボーンズ

マンションの前で

EP RCA JRT1386  女性ボーカル一掃後。自作曲だが、練りこみ不足。バイオリンが間奏でソロを執るのが極めて珍しいが、それだけ。B面も薄い曲でどうと言うこともなし。
高瀬みのるとニュー・ドライボーンズ

夜のヨコハマ関内ワルツ

EP RCA JRT1455  上の発展らしい。やろうと思えばかなり叙情性が高くなると思うし、実際そういう狙いの編曲なのだが、余りにボーカルが素っ頓狂。特に高音で不安定になるところが余りに惜しい。B面は正統派のホスト系ムードコーラス。開放感溢れるサビやベースや歪んだギターが印象深い厚い編曲、適当に入るコンガなどこちらの方が完全に出来がよい。佳曲。
高瀬みのると東京ラブ・コール

ハーさん

EP フィリップス 6PL1  有名レコード。上の発展らしい。鼓を大フィーチャーした和風メロディー。パンチはないが、それなりに纏った曲であっさりとしているが軽いのが妙味。舞扇風のメロディーがもの珍しい。で、ハーさんって誰なのか結局解らない。B面はニックニューサ「サチコ」路線。冒頭に入る女声の台詞が妙にエロいがそれが毒にも薬にもなっていない。裏ジャケに唐突に「ハーさん(カラオケ)」と書いてあるが、別に収録もされてないしよくわからない。謎レコ。
秋しげる&ビューティフルロマン

夜の蝶

EP アポロン AY0713  玉川良一作詞。ユニゾンで全員が入っておもむろに濃いメインボーカルが入ってくるのが意外に斬新に聞こえた。イントロこそ近代演歌だが、本編はサザンクロスやブルーシャンデリーあたりから流れる伝統を脈々と受け継いでいる曲調。B面はブルーコメッツの「雨の晩夏」を思わせるが、儚いを通り越して不安を募らせるボーカルが何とも。可もなく不可もない曲といったところ。これもサザンクロスっぽいが、妙なタメを作るところが一ヶ所あり、歌舞伎を思い出させた。
ザ・キャラクターズ

天使の家

EP キャニオン A308  有名レコード。台詞入りの下ネタコミックソング。グルーヴィーなバックトラックにのってかぐや姫の「酔いどれかぐや姫」を思わせる歌詞が女声でいなせに歌われる。歌詞自体はコミックソングじゃないので、そのヒットの尻馬に乗ろうとしたんだろうか。作詞は同じ阿久悠。内容としたら要するに天使の家=娼館なんだろうが、それはともかく打ち止めになると赤い玉が出るというネタ。B面はタイトル通り挽歌。慎重な女性ハーモニーとスチールギターによって綴られる、悲しいながらも中庸な曲。まずまず。
ザ・キャラクターズ

みなと町慕情

EP 徳間 KA1037  どんどん寂れて人数が減っていく。「港町シャンソン」にちあきなおみの「喝采」を入れてお湯で薄めたような歌。特になし。B面はレビュー風を基底にしているが、いかにもニューミュージックの風を全面に受けたような精彩の無さが残念。(フォークの方の)タンポポあたりが歌っていたらヒットしたかも。
トリコロール

あなた嘘つき

EP ソニー SOLB345  二人が帯広出身。北原じゅん先生のお弟子さんらしいが、こちらはジェノバらと違い、軽みを感じる。またユニゾンよりも1オクターブ上のコーラスを重ねるなどコーラスを多用しているのも北原一門にしては珍しい。B面は青山ミチとは同名異曲。レキントギターを前に出した「くちなしの花」を思わせる完成度の高い和風のムードコーラス曲。まずまず。
南部直人とラブ・ロマンス

あなた横浜わたしは神戸

EP コロムビア AA177  かっこいいジャケット。ポールアンカ風ロッカバラードだが、随所で聴かれる、意表をついたコーラスの入れ方は特筆もの。もっとも中身はクールファイブの露骨なフォロワーで特にどうと言うこともない。B面はこれが地だと思われる、ラテン歌謡。Bメロの歌い上げ方の熱さに平尾昌晃の影をよく感じる。出来はブルートレインの「想い出の札幌」よりよいが、情緒はややこれに劣るかといった曲。まずまず
叶あきらとキャッツアイ

サヨナラ口紅

EP ワーナー WLS27  女性ボーカルがルーシー・リューに似ている。パンチだけど。なかなか格好いいディスコ歌謡。やけくそな内藤やすこを思わせる力強いボーカルはど歌謡曲だが、そのアンバランスさがよい。スピード感のある一直線の演奏が素晴らしい。B面は普通の歌謡ポップス系ムードコーラスにありがちな曲調のバラードでやや演歌がかっているが特にどうと言うこともなし。遠くでディスコ・アレンジになっているがこれがこのバンドの持ち味なんだろうか。こっちは男のボーカル。
スコッチファイブ

八月の濡れた砂

EP フィリップス FS2107  石川セリとベイ・ビーツのカバー。どういう因果でこのレコードが出たのかさっぱり解らない。沈鬱な雰囲気はしっかり残っているが今ひとつ。B面は派手なディスコサウンドに生まれ変わって良くできたグルーヴものに。アナログシンセとブンブンベースが激走する。拾いもの。フィリップスのムードコーラスはくせ者が多いなぁ。
ロイヤル・ナイツ

四季の歌

EP コロムビア GK501  芹洋子のカバー。ダークダックスを思わせるムードの冠がつかないうたごえ運動的な超正統的なコーラスを聴かせる。中でもベースの佐々木の重低音ぶりが眩しい。B面はロシア民謡。そのままですな。こういう正統派コーラスグループものはもっと聴きまくる必要があるな。
森雄二とサザンクロス

死にもの狂い

EP クラウン CW1904  ヒット曲。A面はCD化済み。B面だけ。いかにもサザンクロス。薄いディスコビートをホストっぽいボーカルがぐいぐい引っ張り薄くコーラスが混ぜ返すというこのバンドの定番を忠実になぞっている。凡曲と言えば凡曲。
グリーン・シャンデリア

噂になんか負けたくないわ

EP ポリドール DR6013  神戸さーん買いましたよーぅ!作詞・ミヤコ蝶々。イントロは完全にポール・アンカを下敷きにしているが、サビは伝統的な演歌路線。泣きのボーカルがかなり効いていてグッド。少しあっさりとしすぎているのが難。B面はコンガの効いた典型的なムードコーラス曲。過分に演歌寄りとは言え、ホスト系のボーカルがここでも楽曲の表情を印象づけていてなかなか面白い。こっちの方が出来がいい。
ラブ・サントス

松山慕情

EP コロムビア AK669  軽いビートが心地良いラテン系ムードコーラス。リードボーカルもホスト系ながらアニメ歌手のような歌いあげを披露してくれたりして、かなりの実力であることがよくわかる。いつもながら幹山のヘアスタイルが気になる。B面はクールファイブというよりアローナイツ路線だが、曲自体は「夜霧よ今夜も有難う」と「高原の宿」を下敷きにしたムードコーラスとして典型的な曲で、明らかに埋め草。両面とも和田香苗作品。
ラブ・サントス

酔いしれてラブ・ナイト

EP コロムビア AH613  何じゃこのジャケットは。そんなイカレポンチなジャケットに比して曲は割とまとも。それでも妙竹林なフレーズが続出して、このバンドの地味な印象がちょいと変わった。陽性の「盛り場ブルース」といった歌で、軽くリズムが強調されている。この手の歌で四国の盛り場に触れるのは結構珍しい気がする。B面はレキント・ギターを前面に押し出した普通のマイナー調のムードコーラスだが、サビで陽性の本格的なラテンに転ぶのが妙味。聴いた中ではこのバンドの最高傑作。なんとなく懐かしめの響きで泣ける。
銀河

港えれじい

EP キャニオン A205  元ジ・アーズ、とジャケットに落書きしてあった。思いっきり森進一フォロアーだが、リードボーカルはえらいソフトな路線に変わっている。普通の歌い方とディープな歌い方が同居しているのはアーズを踏襲しているが。字余りでラップのような無茶なコーラスが聞き所。二音符で「まわしながら」とコーラスが歌いきるのは考えなしで素敵。B面はピアノが目立つ曲で真木ひでとを思わせる。こう聴くと確かに遠くでアーズの音を感じる。ぼちぼち。
コパン・コピン

二人だけの部屋

EP テイチク B35  未解放幻の名盤。ソフトロックと馬子歌とニューミュージックと純歌謡が入り交じったような派手ではないが静まりかえったひんやりとした感触のある曲。B面はブルーグラス系フォーク曲でチェリッシュあたりを狙った曲と思われるが、こちらの方がスピード感もあり、聴きごたえがある。なかなかの佳曲。
ザ・ビーバー

愛の国際電話

EP エルボン BON1002  同。圭と貴の中身のない愛の会話を絡めた脱力フォーク歌謡。男の声が水島裕に似ている。特になし。B面前半は都倉俊一とは思えない湿った純歌謡でどっちかといえば筒美京平っぽいつくり。こんなもんかといった感じ。後半はA面の端折ったカラオケ。
舞砂里

恋ごころ港町

EP キング 064R10050  あおきあいかと思った。演歌としてはポップでなかなか良くできた曲だとは思うが、余りに歌唱がへなへなしていて興ざめ。全く平成になってからの曲ということを感じさせないのは凄いが。B面はポールアンカ系ムード歌謡でまずまずの曲だが、ここでも歌唱が足を引っ張る。
扇ひろ子

新宿ゴールデン街

EP ビクター SV1248  有名レコード。未解放幻の名盤。全編気だるい語りだけで構成されるこの時期としては斬新な作品。キャッチ・フレーズは「33回転でもお楽しみ下さい」・・・誰が発見したんだろう。(「タモリのオールナイト・ニッポン」らしいです。情報提供・大内真さま)田代まさしがこれでコントしてたが、ようやく音とタイトルが一致。まあ、別に。B面は台詞入りだが普通の所謂怨歌でどうということもなし。
上野山功一とザ・ハーレム

夢のつづき

EP リバスター 7RK1010  ムードコーラスじゃないだろう。ミニスカ。「酒場にて」路線。京本政樹作詞曲。まずまず纏った曲なのにへなちょこな歌唱に脱力。B面はハマクラさんの代表曲「夜の虫」のカバー。ってなんだってこの歌はこんなにいっぱいカバーバージョンが多いのか。ギターの歪み方が格好いい。こっちは高田浩吉みたいに聞こえる。

15.10.13 睡眠時間めちゃくちゃ。池袋いけなかったよう。

金沢明子

おしんの子守唄

EP ビクター SV7612  普通の演歌。間奏に子守唄が挿入される以外は特になし。ジャケットがマーガレット連載時のマンガ。B面は「おしん音頭」。なんじゃこりゃ。わーいう感じで一気に歌い上げるが、こんなんで踊りたくない。ジャケット裏には金沢明子が遠藤実先生から激励でこけしを貰う図が載っているが、こけしって・・・。
宮城順子

東京怨歌

EP クラウン CW1340  ジャケットが怖い。「星の流れに」路線。藤圭子成功による業界の大勘違いの犠牲者。B面は軽いけれども小柳ルミ子あたりが歌ってもおかしくないディスカバージャパン路線の酒場演歌。軽快なピアノが心地良いが、何にしろ中庸。
葵テルヨシ

抱きしめあう愛

EP ポリドール DM2513  有名レコード。両面とも演歌的なフィーリングと適度なポップス的感覚が混じり合ったグッド・ビート・チューン。筒美京平らしい明るさがある作品。時代の色が良く出ていて好感だが、パワーに欠けるのが何とも惜しい。まずまず。

15.10.11 金がないなぁ。

V.A.

決定版ムード歌謡大全集

12CD ソニー・ファミリー・クラブ FTCL4681〜FCCL4690  定番曲に混じって目を剥くような選曲が混じっているマニア向けムード歌謡コンピ。鈴木啓之氏ほかの解説もあり。カラオケの人気上位曲を調べ選曲とか書いてあるが、どう見ても発売の決定権がある人が騙されてるだけだと思う。ロマネスクセブンが2曲も収録されていたり、サムソナイツはマイナーな「世間知らず」が収録されていたりするのが謎。彼らはカラオケに入ってないし、普通こういう場に出てこないのだが。もしかしてうちのサイト見て選曲してませんか。(妄想)ほかにマヒナスターズ、ロス・プリモス、森進一、島和彦、ちあきなおみほか。自分はムードコーラスは好きでもムード歌謡はあまりしっくりこないのかなという感じ。まあ、一日であっさり聴けてしまったので、しんどく思う程嫌いなのではなかろうが。ただ、前述のように異常に渋い選曲とかがあってまずまず楽しめた。あとソニーのこの系統の楽曲がまとめて聴けたのも収穫。キーを下げたようなカラオケCDははっきり言っていらない。何気にキャラクターズの写真に笑った。
V.A.

決定版哀愁のムードコーラス

6CD コロムビア・ファミリー・クラブ GES31293〜31298  こっちの方が定番の選曲であって、「ムードコーラススペシャル」はやっぱりもう一歩踏み込んだひと向けだと思う。と言いつつこれも珍しい写真とか珍しい選曲もありだが。両者「小樽のひとよ」「長崎ごころ」「母性本能」以外被っていないのが凄い。基本楽曲が並んでいるが、コロムビアのムードコーラスの所は別。いままで全く無視されていた曲が一気にCD化されたのが嬉しいが、コロラティーノ、三島敏夫とそのグループがやたらに偏重されているのに、Jシャングリラ丸無視なのは何でだ。てなことで完全に初めてなのはマヒナアンクルズぐらい。ドライボーンズの「サッチョンブルース」は別に普通の曲だが被さる香取美葉の喘ぎ声が凄すぎ。

15.10.6 実家にあった「昭和歌謡大全集」の録画、全部親に捨てられてた。ていうかビデオテープを燃やすな。

ザ・ターゲッツ

ベスト・オブ・ザ・ターゲッツ

CD Pヴァイン PCD1341  何と古川益雄の関係バンドで時を越えたリンドの兄弟バンドともいえる、職人的シンセサイザーを軸にした男女ポップデュオ・グループ。唯一のボーカル・アルバム全曲と歌謡曲や映画音楽などをテクノ・インスト化したアルバム数枚から何曲かチョイスしたもの。まさしくテクノ版ヴァン・ドッグス。ボーカルものはこの時期の色が良く出ており好感が持てる。いい意味での軽さがあり、これはこれで完成している。まあ、しかし本当に凄いのは「セーラー服と機関銃」「北酒場」「襟裳岬」の三曲。シンセサイザーによる喫茶店用BGMレコードという域を超え、全く手抜きのないテクノサウンドになっており、とりわけ「北酒場」のベースラインはかなりの本格志向で、このバンドの音楽的支柱の河野良のテクノ/シンセのセンスの素晴しさが垣間見られる。まずまずといったところか。
テント

デカメロン

CD MIDI MDCL1441  上岡龍太郎の弟子。幻のカルト芸人として関西では知られるテントのセカンド。前作では、最後の曲がジャケットなどにクレジットはされているのにエンジニアが雑音と勘違いしてまるまるマスターをカットして収録されなかったが誰も気付かなかったという音楽史に残る伝説を残した。三曲のカバーと六曲のオリジナル(というかネタ)、一曲のカラオケを収録。お馴染みのネタがふんだんに聴ける。歌はけして上手くはないが、伝説的とも言えるピュアさが良く出ておりなんだか泣ける。前の「わらびもち」はあんなに空気が暖かかったのに、プロデューサーが変わるとこうも変わるものかというぐらいシュールなものに一変している。はじめにきよし編曲演奏各一曲、大西ユカリ参加曲一曲あり。
キャッツ・アイ/キューピット

キャッツ・アイVSキューピット コンプリート・コレクション

CD テイチク TECN25931  何でクロニクルはこういう重要音盤の広告をうたないのか。やっとキューピットの名前と音とヴィジュアルが一致した。キャッツアイも泣かせる。キャッツアイはピンクレディーとキャンディーズを過激に右往左往していたグループだが、自分には特になし。ツボにはまったのはやはりキューピットで後半の歌謡曲路線は真ん中ストライク。歌謡曲ってものはやはり泣けないといけないと思う。浅野ゆう子の「ラブ・ビート3・3・7」は本家よりも高速且つダンサブルで、オリジナルの持つ奇形的な物足りなさが全く解消しているのが素晴らしい。何れにしても大仕事。
財津一郎&タケモット

タケモトピアノの歌

マキシ+DVD コロムビア BWBA1013  まるめろさん、買いました。騒ぐ子供に聴かせると静かになると言うモーツァルトを超える楽曲。いや、探偵ナイトスクープでやってたんだって、ほんとに。関東で一体何枚売れるんだろう。なんか凄いことになってるらしい。つー訳で聴いてみる。

 ・・・気が狂ってるとしか思えないんですが。

 30分に渡って15秒の二つのバージョンを延々とそれこそ延々と交互に、しかも、音自体には何の付け足しやらリミックスやらもなく、淡々と流される。癒し系の曲が嫌がらせを通り越してドラッグ・ミュージックにまで昇華した狂気の楽曲、ここに誕生せり。無用の迫力を感じる。というか、やりすぎ。意外にビート効いてんだな、この歌。DVDもついているが同じ内容でそれが映像付きになっただけという徹底ぶり。いやはや、白旗上げるしかない・・・。

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