これ買いました15年11月


15.11.30 あと6日で休める・・・。

宮村優子

ケンカ番長

CD ビクター VICL758  声優もの。どれも特になし。「こどものうた」の長谷部徹のシャンソン風のトラック作りはちょっと情緒があるなとは思ったが。話題の「根性戦隊ガッツマン」はドラマ部分の住専(←一発変換した)ネタこそ懐かしいが、歌自体は極めて平平凡凡。
V.A.

アングラポップ イン 大須Vol.1

CD ジ・アザー TOTR001  いまさらだが、スキャッツとかシロップとかフレアオッズとか。なんと申し侍るや、良くも悪くもまさに「アングラ」。いや、ムシ声多用のコミックソングという意味ではなく、まさに原義で。いい意味で言えば、音質の悪さがいい方に出ていて、雑音混じりのチープな音が架空の70年代初頭の地下酒場を思わせる猥雑さを見事に表現している。特にスキャッツ「アイ・ソールド・マイ・ハート」はアルバムのものより音のぼやけが嵌っていて格段に出来がいいように思う。悪い意味で言えば、どれも歌謡情緒に著しく欠けている。俺はどうしたって根がメジャー・歌謡指向なのでどうしようもないが、まずまず演奏は達者なのもあるのに対して、著しくボーカルの声量や技術が不足していたり、寧ろこっちの方が重大なのだが、全く情緒がなかったりするものばかりに感ぜられた。結果、全体としてバランスの悪さばかりが耳につき、アルバム全体を通しても自分とってはあまり魅力を感じなかった。歌謡はセンチメンタリズムを旨とするべきだと思うが、それがここでは表層的なところに留まっていて、各歌の本質に泣きの精神が見いだせず、ためにその中途半端さが非常に気持ち悪く感じさせる。まぁ、「これがアングラです」と言われりゃ「はい、そうですか」と言うしかないが。七十年代以後のロック音楽に自分があまりいい顔をしない、そのエッセンスだけがしぼり込まれているようで、まるでステーキにホイップクリームが塗りたくられて出てきたような、悲しい空しさが拒否感を募らせる。結局ボーカルのあり方というものの考え方が全く違うのだろう。同じくボーカルが不安定ながらそれを魅力に結びつけている、デビィーズやサマーズなどのGSの偉大さを改めて思い知る。

15.11.27 今音楽聞く暇が全くない。

ザ・クエスツ

リコレクティング・ザ・クエスツ

CD EMI 072435961224  シンガポールGSの最高峰のベスト。チャオさま有難うございました。バンド経歴的には歌ものにも手を出すようになったエレキ・バンドと言った線だろう。昭和で言うと三十九年から四十五年まで年代順に並んでいるが、当初はロック色は極めて薄く、それより前のティーンポップスの影響が極めて強い。選曲も映画音楽をやるなど、楽団のりの作品も見られたりする。要するにビートルズよりもハーマンズ・ハーミッツぽく、ブルージーンズよりもエレキの方のレンジャーズっぽい。ビートルズ神格化前の、一時的にポップスバンドがビートルズを追い抜いていた当時の状況が如実に出ているような気がする。また、エレキのスタイルはベンチャーズなどのワイルドさと言うよりは繊細な北欧系エレキバンドの音に近いと思う。始めはそんな感じなのだが、1枚目の後半ぐらいから歌もの、それもビートものが主戦になり、ポップなカバー曲へ移り、2枚目の後半に至ってデ・スーナーズを思わせるニューロック風の楽曲へと移り変わるのも当時の現地の音楽状況が偲べて面白い。ちなみに数曲を除き歌謡色は無く、寧ろかなり洗練されており、国際都市国家のバンドらしい研ぎ澄まされた感覚が激しく耳をくすぐる。そう言うことでバンドの全体的な雰囲気は日本のザ・フィンガーズに近いかも。内容的には、カバー曲は「サウンド・オブ・ミュージック」「ジョージー・ガール」「サニー」「ハバナギラ」と妙に自分の好きな曲ばかり選んでいてくれて、しかも、良い出来なので嬉しい。カバーセンスの良さは特筆もの。中でも何でこんな時期にカバーしたのかよくわからないが「ムスターファ(悲しき六十歳)」の出来が抜群で、ファズギターや全体的な雰囲気はバニーズの「ウスクダラ」を思わせる。オリジナル曲では、解説ではデビュー曲「シャンティー」について厚いが(日本で言うと「青い瞳」みたいな感じなのだろう。)、個人的には「ザ・シャドウズ・オブ・ユア・スマイル」と「ザ・ダンサー」「ジェサミン」の3曲が、曲自体も、歌唱演奏その他の表現もかなり良質で思わず手を叩いた。

15.11.25 奴らはやはり「日本一運の悪いバンド」のようだ。なんでこんな時に入院するんだよ・・・。

V.A.

チャンプルーシングルズ Vol.1 ピストン・カチャーシー

CD 東芝 TOCT8985  琉球民謡/歌謡/演芸集で昔テイチクから出た「再発見・ニッポンの音/芸」シリーズにコンセプトが似ているかも。沖縄口は歌詞カードがないと、下手するとあっても聞き取れないものもあったが、全体的には楽しく聴けた。「琉球レアグルーヴ」にはなかった、ジャケット写真、カタログ番号、発売年などの資料も充実。冒頭の漫談「塩屋ぬパーパー」のしゃべくり具合からして圧倒されるが。これからあとも凄い。普通に琉球歌謡として名曲なのにその上で、下げでいきなり大和口でトドメを刺知名定繁「ゼンゼン駄目」、烈火のような三線の速弾きが度肝を抜くがよく考えたらタイトルからして相当アナーキーな大城盛伸「ピストン・カチャーシー」もすごいテンション。以下、屋良ファミリーズ「交通安全数え歌」目当てだったが、これも温くていかにも琉球グルーヴ。またたがの外れたコミックソングである照屋政雄による「政雄のキジムナー」と仲宗根優子とのデュエット「明日からや」の陽気さも魅力。他、物真似芸をフィーチャーしたさくだくにひこ「ありくりぶし」、「おーい中村君」を下敷きにした津波恒徳「仲村君!!」、練り込んだボレロ歌謡山里ゆき子「サロンの花」など魅力的な曲がずらりと並ぶ。しかし、その中でも特に孤高なのは佐川昌夫の漫談「佐川昌夫の二等兵物語」二題で、それぞれ「日露戦争の巻」と「日支事変の巻」とされ、それぞれの戦争の戦闘をネタにしている。とかくスピーディー、かつ壺をつき、何より漫談として面白い。内容は奇想天外ながら強烈な諦観がオチに使われ、驚愕。自分の沖縄感がかなりひっくり返った。思うに集会やらデモ行進やらより、こういうのの方が戦争について考えるきっかけになるのではないかと。思いっきり軍歌「空の勇士」を特に表層的には批判的でなくそのまま使っているのも沖縄の懐の深さを強く感じる。これだけでも聴く価値あり。かなり良いです。なんか沖縄限定発売らしいです。イトカズ有難う。
V.A.

チャンプルーシングルズ Vol.2 平和の願い(戦争と移民)

CD 東芝 TOCT9552  「軍人節」とかの軍事や移民話を元にした所謂トピックソング系の琉球新民謡を集めた上の続編。こちらはメッセージ性を除けばさほど強烈な楽曲はない。ということで詩に情緒しか求めない俺にとってはあまり何と言うこともなし。同。

15.11.23 あの元ハンセン病患者宿泊拒否の話はいろいろと根っこが複雑なようで。

V.A.

渡辺プロオールスター20世紀ポピュラー音楽大全集

4CD ビクター VCS1051−4  渡辺プロに所属していた歌手連による洋楽カバー集。森進一「ラブ・ミー・テンダー」、クールファイブ「マサチューセッツ」、西城慶子「男と女」、リズムエース「ワシントン広場の夜は更けて」など。大まかに各巻毎ジャズ、ロカビリー、ビート、ソフトロックにそれぞれまとめられている。音源のオリジナルについての表記が全くないため、どうもはっきりしないが、アポロンの8トラ音源などから持ってきた音源が多く、昭和30年代以前に流行った曲についてはリアルタイムでのカバー音源はほぼないようだ。ピーナッツと布施明の歌の巧さがとにかく身に染みる。特に布施明の出来のよさは抜群で「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」と「イッツ・ノット・アン・ユージャル」の怒濤の唄いっぷりに改めて唸らされた。もっとも一番印象に残ったのは梓みちよの「恋はリズムに乗せて」で、力強いビート溢れる演奏に対して見事に切って返す切れのいいボーカルにノックアウト。クールファイブは小林他のサブ・ボーカルの大事さを再認識。森進一は、前に聞いた奴ほどではないが、やっぱり洋楽色が強いのだと良さが生きないな。ザ・タイガースは前に出たボックスの売りの2曲がそのまま収録されているが、こういうことは商売としてどうなのかと思った。まあ、面白かったからいいのだが。

15.11.22 何とかしますよ。

レ・フィンガース

コンプリート・シックスティーズ・インスツルメンタル

2CD マジック 3930345  仏蘭西のトップエレキバンドの集成盤。解説とか一切なしの漢らしい仕様。日本のスタジオ系エレキバンドのようなと線の細い演奏と気っ風のいいサベージ的な演奏が同居するバンドが段々スタンダードなエレキバンドになっていったという印象を受けた。前半。自作曲の方が全般に出来が良いようで、「ル・カバリエルス・ドゥ・フ」や「レ・グイタレス・デ・デセムブル」等は如何にも気合いを入れて演奏してますという壷をついた、ギターの弦が太そうな演奏で、ロック不毛の地の号を吹っ飛ばすような流石同地のトップ・エレキ・バンドと舌を巻くような快活でロック的なものが多い。カバー曲などはおとなしめのイエイエあたりの感覚と通じるような大きくポップに傾いた非ロック的な楽曲が多いが、それが洒脱の域にまで達しているものもあって面白い。もっとも、始めからなかなかどうしてロック的な感覚も持ち合わせていたことは確かで例えば「テルスター」のノイズ的パーカッションを塗した演奏やプレ・ガレージ的なリフロック仕上げの「クロスファイヤ」、まるで日本のスペイスメンのような「ティーンエイジ・トラブル」などには特に強くそれが出ている。逆に木村好男のような演歌ギターみたいな曲もあるにはあるけど。まあ、何れにしてもロックの色は後半にいくほど強くなっていっており、ここでもビートルズの衝撃を間接的に感じる。どっちなのかよくわからないが「レ・フェンダンゲス・デ・ラムール」は「雨のバラード」を東欧のバンドがやっているような感覚におそわれ、泣ける。何故かボーカル曲が一曲だけ入っているが、それがラテン的な感覚で乗り切っている「天使のハンマー」というのも面白い。てなことで日本で言ったらまさにサベージやブルージーンズの役割をはたしたバンドと言えるだろう。前半はド派手なギタープレイとか米のマイナーサーフバンドのような破天荒さやビートも案外ないということでわかりやすいエサはなく、エレキ情緒の世界がわからないときついかも。要するに初心者には向かないかもね、ということ。後半は基本的にはスプートニクスにラテンやチェット・アトキンスを加えた路線だが、所謂エレキバンドの音が満載。切れのよさは各国の代表バンドと比べてみても全く謙遜ない。実にロックの情緒がある。もっとも、数曲だけだがチャンプスとかダイナミックエコーズのような妙に古い感覚のロックセンスやむしろ全くロックが根にないと思われる演奏もぶちかましており業の深さを感じて面白い。これも格好いいけどね。例えば「バンジョー・ソング」はグルーヴ満点だがチャーリーとマッシーの「トーキョー・ストーリー」を思わせるほどスピード感とラテン臭が強烈。「朝日のあたる家」は本家やベンチャーズ、バニーズに決して負けていない佳作。通して聞くと、彼らは哀愁のメロディーを奏でると絶品で、それ故に、仏蘭西には一直線なロックというものがやっぱりないのかも、という気になるが。後半の間口はかなり広いと思う。なかなか。
トーケンズ

インターコース

CD ディスクユニオン DR0002  「ライオンは寝ている」で有名なグループによる、イメージとかけ離れたソフトロックなアルバムとの事だが、その看板に偽りなし。R&Bやバブルガムポップ、或いはアカペラと多彩な音楽スタイルのトラックに流麗なコーラスが被さる。音は昭和43年という世界的に音楽が栄光に包まれていた時代をそのまま体現したような輝きがあり、瑞々しい。また曲間の繋ぎには短い曲が置かれているなど、アルバム全体を一つの作品にしようと言う気概が溢れていて、この点その力の入れ方具合というものが強く感じさせる。実はこれは、当時はお蔵入りし、つい数年前にようやく日の目を見たというもので、また、付属の解説では触れられていないがドラッグなどの退廃的風俗が織り込まれているとのことで、諸々の事情を含めまさにトーケンズ版「スマイル」と言える。ただ、一方で曲一個一個はお蔵入りしたこともあるかも知れないが、今ひとつ盛り上がりかけているところで終ってしまう曲が多くて食い足りない部分が残る。ぼちぼち。
チップマンクス

チップマンクス・ショウ

CD 東芝 TOCP67280  ムシ声と言ったらチップマンクス。子供向けの看板だが、中身は全く妥協なしの真っ向勝負。そうでないと四半世紀以上は生き残れないとも言えるが。極めて良くできたポップス集である。カバーも多く含むとは言えその楽曲の作り方は懇切丁寧で、ボーカルを取り去っても上質なイージーリスニング集として使えそうな豪勢なオーケストラやバンドの演奏ぶりにアメリカの底力をひしひしと感じる。そこにムシ声がかわいらしく歌い上げるのだから堪らない。とにかく愛らしい。もっとも、真の壷はセヴィルの怒濤のつっこみの暴発具合で、いたずらに走るネタも含め、そう言う意味ではキュートになった(日本の)ドリフターズという印象もある。一応子供向けのはずなのにロックはおろか放禁ものでもある「パフ」をやっているのが個人的には驚いた。「シー・ラヴズ・ユー」のけたたましさもほほえましい。なかなか。オリジナル・ジャケットも掲載されているが、初期のシマリスそのままの姿の3匹は確かに怖い。それからすると、今の姿は変わりすぎだが、まぁ。
V.A.

オンリー・イン・アメリカ・ボリューム2

CD アルフアルフ AA092  米モンド集。いきなり他は割にまともなのにスチールギターのチューニングを全くしていない(んだろうな、わざとやっているようには聞こえない・・・。)カントリーものジェームス・「レベル」・オレーリーの「レベルスター」が凄い。つか弦緩みすぎ。誰か何とかしてやれよと誰もが突っ込むこと請けあい。カントリー界のシャッグスとか言われているらしい。といいつつ、この後は自分のストライクゾーンが広すぎるのか、凡庸かなという曲が結構続く。その中でも強烈な楽曲もいくつかあった。ミリアム「イン・1967」は女性版「狂ったナポレオン、ヒヒ、ハハ・・・」といった作品で何ともダウナーでドラッギーな仕上がりが面白い。テープ逆回転を使用した不安定なサイケポップMSRシンガース「アイム・ジャスト・ザ・アザー・ウーマン」も進退極まっていていい。モップスにスマイルレコードを被せたようなザ・ワールド(アイ・ウィッシュ)「ラフサーパートワン」は普通にかっこいい。まるで中国の地場歌謡のようなインデアンものメルビン・カイザー「へープ・リル・インジン」は意表をつく懐かしさが。そんなこんななのだが、後半にいくに従ってますますドラッギーになっていき、捨て曲がなく、狂気の楽曲が固まっている。ロスト・ディメンション「パープル・ヘイズ」はもちろんジミヘンのカバーだが、穏当なポップス的な解釈をしようとしてパートの全員が音を外してカバーするという荒唐無稽ぶり。隣で練習してるのが入ってしまったかのようなサックスは、何これ。只これは(俺にはまだまともに)聴こえる。一番凄いのがその次のラッキーチャームス「ワイプアウト」で圧巻のダメっぷりが感動を通り越して茫然自失に陥らせる超ガレージ演奏。ベースはいるのかこれ。ドラムのしばき方だけが妙に上手くて浮いているが、このドラムも本質的にはド下手だ。こういうのをどういう形であれ、ちゃんと文化的財産として評価するのだから、やはりアメリカという国は懐が深い。どうしようもなくしょぼいガレージ好きは是非聴いてください。それを受けてのエド・「ムース」・サベージの「ゲット」もえらいものだが。あ、「ザ・スパイダー・アンド・ザ・フライ」とか「エリーネ・ザ・ナルク」みたいに普通に格好いい曲も間々あります。最後はザ・デシベルズのジミヘン風米国歌で締め。
V.A.

サイケデリック・ステイツ アラバマVol.2

CD ガラ・ファブ GF192  米オリジナルサイケ=歌謡という認識が自分の中で形成されつつある。しかし、これは歌謡ものはあまりなく、これという強烈な曲もなかったのでちょっと肩すかしだった。そんな中では、ザ・シタションズ「ベター・ストップ・ユア・ライイング」が比較的歌謡よりで、一応認識を保てた。ジ・アウター・モンゴリアン・へードが「ヘイ・ジョー」をやっているのも収穫。
V.A.

ショウ・ワ!バラエティー・レボリューション

CD ポリスター MTCC1002  テレビ番組のテーマとコミック・ソングなどを混ぜ込んだよくわからない選曲のコンピ。殆ど持ってるが「ザ・タケチャンマン〜タケちゃんマンの歌〜」目当てで。なんとこの曲は元GSザ・ボルテージの橘洋介関連とのこと。(まるめろさまありがとうございました。)東京おとぼけキャッツの「偽りのDJ」のコーラスは山下達郎本人のような気がする。それにしても俺は本当にこの辺のシティポップスと言うものが全く理解できない。他に持ってないのはザ・パンダくらい。ところで、このシリーズでもう一枚出ているが、こっちはますます持って理解できない選曲だったりする。自分にとっての懐メロもの。
V.A.

美少女遊戯歌謡集一号

マキシ コロムビア OMCP3  エロゲー主題歌集。伝説の南ピル子「メイドさんロックンロール」収録。どれも金が掛かってないのがまるわかりの音が鼻につき、中にはボーカルが聞こえにくい曲もあるにはあるが、声優(キャラ)ものとしての曲のクオリティーとしては標準といったところか。B’zっぽいアレンジもあったりして奮闘しているとは思うが。目当ての「メイドさん・・・」にまったく普通によくできた歌手の個性に頼った情緒のある曲だと言うこと以上には特に感想がない私は感覚がおかしいんだろうか。歌詞は確かに暴走しているが、そんなに「気が狂った」だのというようには聞こえず、至極真っ当な曲だと思った。事前の期待が大きすぎたかなという気もする。何故かこれの英語バージョンがついているが本編以上に本格的なのは面白かったが。どうでもいいが、なんでオーマガトキからこれが出ているのかしら。某さん有難うございました。(こんなとこで名前出すのもあれなので「某さん」で勘弁してください。)

 他に別の方からMD二枚とビデオ四本を頂く。MDはアダムスのライヴとダーツとかリンガースとかタックスマンとかの放送音源。「ハイウェー・ラヴ」も「淋しいジェニー」も「恋はふりむかない」もちゃんとレコードでしかやれなさそうなことをちゃんと処理してライヴでやってて、グループサウンズの偉大さを改めて痛感。フローラルのオリジナルのモンキーズ賛歌の出来の良さにびびる。それにしても「次はシャープファイブの『網走子守唄』です。」「キャー!」(←うっすらだけど)ってのは凄い世界だ。ビデオでは、アウトキャストがむちゃくちゃGSらしい動きをしていて面白かった。ヤング&フレッシュは板によく立っていて流石俳優集団。ヴィレッジもやっぱりかっこいい。フラワーズの「君恋し」もやけくそな麻生レミが素晴らしく退廃的。レインジャーズはもう想像通りの動きをしていて、感心した。何故か知らないがバンドによるステージでの出し物はこういう(GSのステージ)ものという観念が幼少の頃からあるので、MCとか立ち振る舞いが拙いバンドというのはそれだけでうわーっと思ってしまう。あとリズム隊がしっくりいってるかの2点しか基本的にライブの上手い下手の判断基準がないな、自分の場合。ギターなんてのは飾りです、偉い人はそれがわからんのです、とかいうと言い過ぎだが。有難うございました。

15.11.17 正月潰れ決定。

電気グルーヴ

カラテカ

CD キューンソニー KSC218  その電グル。「スネークフィンガー」は幼心に宜しき歌であると思っていたが、当時は情報もなく、また貧乏でだったため題名や歌手がわからないまま買い逃す羽目になっていたため、いまに至って穴埋めのようにそういう懐かしの歌を買っていっている。このバンドのユーモアセンスというのは好きだし、曲の作り自体も大変素晴らしいものが多いと思っているが、客観的な評価でなかろうから何とも言えない。

15.11.15 「渡る世間」のテーマと「夢みる愛天使」のメロディーは似ている。

ウエスト・エンド×ユキ

ソ・ヤ・ナ・グレーテストヒッツ

CD エピック ESCB1692  廃盤セールで。今田・東野・OPD竹内による本邦最高のラップグループのベストというか文字通り全曲集。何度聞いても「フォークでソ・ヤ・ナ」は凄い。不条理と人情ものの妙な相の子具合が堪らない。それぞれアレンジャーは別だが「フォーク」の梶善則はじめ、石野卓球の冴えに冴えたループっぷりも阿部充泰の妙な投げやりさも心地良い。特にシングルに入っていない「ロックにソ・ヤ・ナ」の破れかぶれさは、本職では絶対無理な素っ頓狂さでの突っ走り方と併せて、一面どうしようもないかっこよさを秘めている。最後に突き放したように終り、呆気にとられる「ユーロよソ・ヤ・ナ」も大胆不敵。とどめの「テクノでソ・ヤ・ナ」の大胆なリミックスもプロデューサーの石野卓球(ミックスは別の人だが。)の到達点をよく表していて見事の一言。電グル時代の石野卓球に隙なし。
KOJI12000

デュエット

CDS ワーナー AMDY5134  同じく。今田耕司二連発。テイ・トウワ作詞作曲(今田耕司共作詞)で自分にとって理想的なコミックソング。まずアレンジがクラブ・テクノとして完璧な出来であり、しかも哀愁ある歌謡にちゃんとなっている。ボーカルも実に雰囲気に合っていて、こと今田耕司の意外な技術の高さに舌を巻く。もう一人のマキコって誰?この人は上手くはないが調子の合わせ方がいいよいいよー。で、歌詞もベタな「ケメ子の歌」路線で押し通していて、それでいて曲から少しも浮いておらず、完璧にマッチしているのも素晴らしい。テイ・トウワが意図した結果なのかは今ひとつ判然としないところはあるが。よし。まあ、腹を抱えて笑えるかと言えば、ちょっと難しいかも知れないが、観念的なコミックソングの傑作ということで。

15.11.14 久し振りにレコード屋が開いてる時間に帰れた。ベンチャースのクリスマスアルバムを買おうとしたがCCCDだったのであきらめた。

ザ・ファントムギフト

ファントムギフトの奇跡

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1085  昭和最末期のネオGSブームを引っ張った日本屈指のカルトバンドのお蔵入りしたセカンドアルバムのデモやインディーズ時代の音源、ライヴ音源等をまとめたもの。このバンドはボーカルのキーが合っていない曲が多いというか何というかで、リズム隊如何で曲の出来不出来が全く変わるというのが玉に瑕だが、ガレージという新たな視点でGSをほじくり返して、それ以降のインフレ的とも称されるGS再評価の起爆剤となったバンドであり、言い切ってしまうが今のところこの手のバンドで演奏技術と情緒の両方が備わった唯一のバンドである。まあ、ガレージ一辺倒な視点は功罪相半ばのところはあるが、近代GS史最大のバンドであることは間違いない。もっとも自分にとっては彼らの全盛期というのも信州の片隅の小学生で、リアルタイムで知っているわけもないし、知っていたところで当時の自分にどうこうというはないのだろうが。ジャケット完全復刻が嬉しい。シングル音源は本人は不本意だろうが、アップアップしているというかやや気が抜けていて、アルバムバージョンの方が断然いい。「夜空に消えたシンデレラ」もそうなのだが、これはドラムの妙な生々しさに泣ける。「トンネル天国」の妙な突っかかりの悪さは何なのかしら。一方文句なしの名曲が「魔法のタンバリン」と「幻の午前零時」。これは今回が初復刻ではないが、この二曲のためだけにもこのアルバムを買う価値はある。また、曰く付きのヤンガースのカバー「離したくない」も名演中の名演。これを聴いて、結局自主制作盤時代はミキサーが全くツボを解っていなかったんでは、と推測してみる。さて、「虚無のささやき」以降は未発表曲と未発表ライヴ音源。これを聴いてみるとチャーリー森田のドラムが昭和62年から63年の間に飛躍的にグルーヴィーになっており、サリー久保田のベースもこれに呼応して激しくランニングベースに磨きが掛かっており、ナポレオン山岸のギターのセンスもより素晴らしく、楽曲のポップさと切れの良さもこれ以上ないほどで、泉アキのアルバムのバックを付けたあとぐらいにもう一発オリジナルアルバムを発表できていたら、商業的にも、純粋な音楽史的にももっと大きな足跡を残すことが出来たのではないかという充実振り。昭和最末期最高峰のサイケデリック音源が15年以上も埋まっていたのは誠に惜しいことであったと言わざるを得ない。とってもグッド。
朱里エイコ

パーティー

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1081  ソフトロックやらシャンソンやらと雑多な音楽性を誇る女心を描くコンセプトアルバム。正直、よく解らなかった。装飾過多で胃にもたれる。思うに俺はこういうあからさまなコンセプトアルバムが肌に合わないみたい。伊藤きよ子の「23時の女」も「狂女」を含めてさほど面白く思わなかったしな。オールスターズ・ワゴンの「レッツゴー軍歌」までいくとよく聴けるが・・・。ただ、この間50スさんを見に行ったときにサミー前田さんのDJで懸かった曲で、度肝を抜かれた「ディープパープルはどこ?」が収録されていたのが、めっけもん。この一曲だけで、もう許す。しかし、舟木一夫「高校三年生」とハミング・バーズのプロデューサーが同じ人で、その人がキング・クリムゾンやボブ・マーリィを日本に紹介したというのはつくづく面白いことだ。
岡崎広志

リヴィング・ジャズ

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1083  名コーラスグループ・スターゲイザーズの末期の音源と思いきやもはやグループは空中分解してて、名義だけ、岡崎広志一人の多重録音なんだそうだ。60年代最末期〜70年代初頭の洋楽ヒット曲を切れのいいコーラスとグルーヴィーなアレンジで料理した絶品。ジャズが根底にある人によるこの手のイージーリスニングものは珠玉の作品が多いが、これも最上位とまでは行かないが、かなり素晴らしい。捨て曲なし。その中でも特に素晴らしい出来なのが、いきなりぶち切れたように始まる冒頭の「スピニングホイール」の力強さはハプニングスフォーを凌駕する。また「雨にぬれても」「恋よさようなら」「イエスタディ・アイ・ハード・ザ・レイン」の透き通ったような技術の確かさから来る緊張感や艶も文句を付けるところが全くない。こういう人間が表舞台へ押し出されるでもなくひたすら裏方に徹していた昭和40年代とはいったいどういう時代だったのだろう。グッド。
アリ・プロジェクト

月蝕グランギニョル

マキシ ビクター VICL35577  渋谷のタワレコで今更ながら平積みになっていたが、そこまで売れるとも思えない。・・・まさかうちを見てますか。(なんて書いてたらオリコンのデイリー・チャートで島谷ひとみより上だったらしい。これが凄いのか、島谷の販促が情けないのか判らない。)アニメ「アベンジャー」の主題歌。内容。タイトルからして椎名林檎で、詩も知るや知らずやその影響下にあることは明白なので、メロディーもその影響が強いと思いきや、実はエキセントリックな「恋のダンスサイト」。椎名林檎のフォロワーは揃いも揃って本家に似ても似つかない歌謡曲歌手になるのが面白い。急ぎ気味な中近東風メロディーに今風の歌い方のたがの外れたボーカルが振り回されながら必死についていくという、今のモードの歌謡曲。歌謡の本道。息継ぎの仕方がおかしく、上方への息の抜き方も上手くいっていないが、それが往古の歌が下手な故に人を上気させるアイドル歌謡を思わせる。というか、両面に言えるが歌詞の乗せ方無茶しすぎ。カップリングは小室先生全盛期のエイベックスの一連の曲にアレンジがそっくりで、曲自体もその線を狙っているのだろうが、単純にメロディーだけ聴くと四家文子あたりが歌いそうな戦前の歌謡曲的な面が意外に強く、サビでは青春歌謡的なフレーズもあったりして意外な湿り気が面白い。これもボーカルが歌い切れていないのが妙味になっている。両面とも、打ち込みのドラムの音とかがグラムっぽいし、直接的にはプログレ流れのヴィジュアル・バンドを通過した発想なんだろうが、何で受ける印象が舟木一夫に近くなるのか、不思議。グッド。

15.11.13 うちの後輩のやってるバンド「オーディオ・サファリ」のCDR一枚を貰う。内容。幻想的な前衛もの。本人はデモのデモみたいな事を言っていたが、これなら金を取ってもいいと思うし、その程度の完成度はあると思う。上手い具合に浮遊感が出ている。特にボーカルの出来が出色で、アイルランドのバンドとか言っても通用すると思う。演奏も多少だれるところはあるが、全体的には緊張感があってこの手の音楽に必要なものは一揃いしていると思う。この手の専門家ではないので、曲の出来はいい方だろう(イギリス英語で言うところのNot Bad)ぐらいしか言えないが、自分なりに注文を出す。まず、ドラムの音が立ちすぎているのでもっと重くぼやっとさせたほうがいいのではないかと思う。ミックス的にはなんか手前にドラムがあるような気がして、気が散る。意図的だとしたらそれはそれでいいのだが、正統的な勝負でも君らいけるから、変な工夫はいらんよ、と言っとく。ベースは逆に引っ込みすぎで意図不明な箇所が散見されるのが玉に瑕。それから一箇所の男声コーラスはいくら何でももっと腹から声を出した方がいいと思う。あと、曲調のバリエーションをもうちょい増やした方が良かろうが、それはこれからの活動で自然に解消される点であろう。取り敢ず700円送っとくが、店頭で1500円ぐらいで掴まされたとしても別に腹は立たなかろう出来だと思う。というか、プロのバンドでも既にこれ以下のバンドは多々いる。色々と厳しいことを書いたが、商業的な成功は見込めないが、その筋での評価を得ることは十分可能であろうと思うので、積極的に各所へ売り込みをするがよかろうと思う。取り敢ず40分ぐらいある曲を聴いてみたい。(私信)手紙は捨てた。

15.11.7 MD1枚を頂く。「オジャパメン・ラップ」も噂に違わず凄かった。

15.11.5 だから、シャイニング娘。もムーディーズ娘。も普通の人は知らないと言うに。

越後屋

ユー・リリース・ジ・ユニバース

CD ノイズ・マッカートニー NMR003  うちの後輩がやってるバンドです。(直接知ってるのは一人だけだが。)みなさん、どうぞ宜しくお願いします。で、内容だが即興の要素の大変強いかなりポップ寄りの歌入りプログレバンドといったところか。ミックスに不満があるが・・・。というか、意図は分かるが全般に創造/想像力と破天荒さにも緻密さにも欠けなんとも平凡。一言で言うと「あぁー、そう来たかー」ってのがない。少なくとも、俺はお前のもっとええ演奏を何回も聴いている。この程度では、俺は許さん。次回若しくはファーストに期待す。俺は信じているぞ。もっとも、こういうの好きな人にとってどうなのかは知ったこっちゃないけど。あと、解説というか紹介文があまりに的外れな内容でがっくり。

15.11.3 明治節。伏見桃山陵では山陵祭が行われたことだろう。

殿さまキングス

殿さまキングス

CD ビクター VICL41051  ビクター最強のムードコーラスバンドのベスト盤。「功」は文句ない実力で良質で幅広い作品を量産し、ムードコーラスというジャンルを延命し、小さな(と言い切ってしまうが)ブームを再び起こしたことであり、「罪」はムードコーラスは演歌と同じジャンルであるという誤った認識を確立させ、助長したことである。もともと彼らがコロムビアのぴんからトリオ「女のみち」に対するビクターからこれと同じく演歌調・芸人・素人臭をコンセプトとした迎撃弾として打ち上げられたと言うことはあるのだが、演歌臭、要するにムードコーラスから遠く離れた雰囲気が彼らから溢れているのは事実ではある。演奏バンドの雰囲気も少なくともレコードからは殆ど感じられない。だが、正統派の楽曲は演歌としてみた場合極めて出来が良い。これを聴いているとこの時期のロックバンドの人気が彼らに適わなかった訳がよくわかる。「ふたりのクラブ」はもちろん「東京ナイトクラブ」のパロディであるという要素は否定できないが、所謂ジャズ系ムードコーラスをやらせても一級品であった事がよくわかる。また、一般には軽視されがちなコミカルな作品でも、その根の芸人根性が大いに発揮され、ダンサブルでヤケクソでたがが外れており、実に素晴らしい作品ばかりである。この質の高さは驚嘆に値する。編曲の面でもベースに不協和音を奏でさせたり、まったくものを考えていないかのようなコーラスが入っていたりでアナーキーさが際だつ。寧ろこちらの方が今となっては重要かも知れない。ほかにもサウンドメイクの点でもここでは未収録だがまるまる一枚分クラシック曲に演歌調の歌詞を付けて歌い上げるというコンセプトアルバムを発表したり、「あまのじゃく」ではチェッカーズ風に挑戦したりと果敢過ぎるほどの注目の動きが見られ、単なる演歌歌いとは一線を画している。もちろん、彼らにとっての最大の武器はボーカル・宮路オサムの孤高なまでの下世話さ(とテクニック)であることは言うまでもない。なお「泪の波止場(釜山港へ帰れ)」はかなり早い段階でのリリースだが、大正流し演歌を思わせるアレンジは今ひとつ。オリジナル発売日のデータぐらいは付けて欲しかったが、まあ、この手のCDにそこまで要望するのもどうかとも思うし。もちろんグッド。グッドだが殿キンはこの一枚では全くフォローできていない部分が大きいので裏ベストみたいなのも出して欲しい。ビクターにはハニーシックスやアーズ、マハロなどもまとめて復刻して欲しいので、ここに要望しとく。
ザ・マタドールズ

ザ・マタドールズ

CD ボントン・ミュージック 7102442  チェッコ・スロバキアのGS。日本のゴールデンカップスに似ている。特にコーラスの声質が似ているのだが、それに限らずサイケデリックの解釈のし具合やリズムのため方、そもそものR&B路線とえらいそっくり。もっとも一部の楽曲は東ドイツやユーゴスラビアのエレキバンドの音と似たところが見受けられ、チェッコの地理的位置を時折思い起こさせてくれる。いずれにせよオリジナルマイナービートチューンと英米のカバーの両面作戦に出ているのが辺境ガレージらしくて良い。共産圏ガレージというだけでモンドだが、ブックレットの写真を見る限りプラハの春より前は案外開けたところだったんだなと思われる。ノリの良いインスト「ペイペイツイスト」、長尺サイケな「エクストラクション」、カップスとの聴き比べも楽しい「ショットガン」が特に印象深い。まずまず。
アネクドテン

グラヴィティー

2CD アーカンジェロ ARC1061  全然知らない人達だったが、ジャケ買い。スウェーデンの現役プログレバンドらしい。一部のヴィジュアル系バンドの曲とタッチが似ている気がする。日本のバンドとさほど差がないとは思ったが、演奏に覇気があり、それなりに歌謡情緒もあったので苦もなく聴けた。というか、コスモス・ファクトリーあたりよりは自分にとってフィット感があり、入門口には良かったかも。オマケに彼らのライヴ音源が入っていたが、こういうバンドの凄いところはスタジオ音源と全く変わらない音が出せることで、この辺は是非見習いたいところだ。この手の曲も無理に避けて行くこともないことが解ったので、聴かず嫌いだったキングクリムゾンでも買ってきて聴こうかと思う。
ジョン・バンダースライス

ライフ・アンド・デス・オブ・アメリカン・フォートレッカーズ

CD ノイズ・マッカートニー NMR002  間違えて買った。くるりの米国ツアーに同行した米国のシンガーソングライターらしい。で、まずいことにおれはくるりが大嫌いなんだよな。はっぴいえんどは別格的に大っ嫌いだが、その次のデキシード・ザ・エモンズの次ぐらいに嫌い。くるりがビクターに拾われたとき、ああ、もうビクターは歌謡曲の本質がわからなくて表層的にしかものを見られないような会社に成り下がったかと思った。もしあの時、宇多田ヒカルと浜崎あゆみとモーニング娘。がいなくて、くるりがわーっといったらせっかくの歌謡曲復興が全部台無しになるところだった。結果は歌謡曲復興は進んでいるわけで、神様というのはいるなと。(最近また森山なんとかとか沖縄ものとかの形ばかりで下らない曲が流行りだしたのでしょーがねーなーとは思っているが。)自分にとって彼らは歌謡曲の敵そのもの。インディーのままだったらそこまで嫌わなんだとは思うけれども。うちのページ見てる人に結構くるりの関係者が多いみたいだが、そういう感じです。
 で、肝心の内容はインド風の編曲が気をそそらないこともないが、俺がニューミュージック大嫌いな理由を実にそのままなぞったような、メリハリがなく、精気に乏しい、何とも内省的な基本的にはアコースティックの作品で、いかにも空虚。外人なんだからしょうがないが歌謡曲の情緒というものがまるでない。まあ、良くて他に選択肢がないときにしょうがなくBGMに使うかもなとかその程度。敢て良く言えば纏っているが特に書くことはないの一言。ということで、全然あわなかった。言っときますが、どんなに好きなジャンルでも、嫌いなジャンルでも合う合わないはあります。これは合わなんだということで。基本的に椎名林檎とか気志團とか「ロッキン・オン」で推すのは自分にはどうしても苦手だ。これもそうだが。
V.A.

ビート・イン・ジャーマニー スマッシュ!ブーン!バン!ザ・60’sアンソロジー・ダイ・フランクフルト・シーン

CD ベア・ファミリー BCD16465AR  ドイツGS集。ビートルズ修行の地ということで、ドイツ時代のビートルズを彷彿とさせる曲も数多く含んでいる。ロックとともにラテンやサイケに影響を強く受けている曲が散見され面白い。英語で歌われる歌も多く、へたれたりマイナー調だったりしても歌謡の側面が殆どなくロックの方をどうしても向いていがちで、かつそう言った曲に限ってグルーヴというものが殆ど考慮されていないため、アメリカ(南部以外)の普通のオリジナルガレージコンピを聴いているような気分におそわれた。ちょっとこちらの方が灰汁が強く、ポップの要素が強いような気はしたが。あと、後半はサイケデリック色の強いポップ集になっていってしまうのもなかなか面白かった。ザ・レイヴスの「エブリシングス・オール・ライト」はいい具合にへたれていて、これに情緒を感じるか単にダメ演奏ととるかでガレージ魂の有無が解る。アウト・キャストが如何に凄いかというのも実に身に染みるが。他にもドサイケなファズギターが大攻勢をかけるザ・デティールズ「ホワット・トゥードゥー」やエキセントリックな女性ボーカルを擁した八方破れなポップスのザ・スキンズ「フィーリン」、一直線に突っ走るモッズパンクのザ・タイフンズ「ゴーゴー」も面白い。その他ニューシーカーズの魁のようなピースフルポップ、ザ・レンジャーズ「ラバーズ・オブ・ザ・ワールド・ユナイト」や歌謡寄りながらわざとやってるのかよくわからない音外しがあるグッドマイナービート、ザ・サッド・サック・セット「ナンバー・ワン」も耳を引きつけた。こういうのを聴いてると一回外人向けGSコンピの海賊版を作ってみたいといつも思う。どうでもいいがノベルティーグッズはいらん。なかなか。
V.A.

ビート・イン・ジャーマニー スマッシュ!ブーン!バン!ザ・60’sアンソロジー・ダイ・ミュンヘン・シーン

CD ベア・ファミリー BCD16470AR  同第2集。なんかハーマンズ・ハーミッツとかユニット・フォー・プラス・ツーみたいなビートルズと一緒に出てきた2番手ぐらいのポップ色の強い、ビートルズよりももう少し古い感じの曲調の曲から始まって、どんどんとビートルズのカバーやビート色の強いリバプールサウンド風になって最後はサイケなポップスで終るという、ほぼ時系列にそった60年代中期ドイツのロックヒストリーを俯瞰したようなCDだが、紛れて三曲21世紀のバンドが入っているのが豪放。まあ、あまり違和感はないが。(加筆・よく考えたら未発表曲で初出が二十一世紀と言うことなのかもしれないとふと思った。)ドサイケなポップス、ザ・ラヴァーズ「2000ライト・イアーズ・フロム・ホーム」が一番面白かった。「ワールド」やら「サマーワイン」やらとカバー曲のセンスは日本のGSみたい。まずまず。シリーズ二枚共に「ブラック・イズ・ブラック」が収録されているが、現地ではそんなに流行ったのだろうか。

15.11.2 昨日キャプテンズを初めて見聴したが、俺には縁のなさそうなサウンドだった。

ザ・グールーズ

アー・ヒア!

CD サンディズド SC11130  まるまる一枚分のアルバムを没にされ、結局シングル二枚で消えたサマーラブを彩った米国ガレージサイケバンドの全曲集。日本のヴィップスあたりに極めて近い中近東風異国情緒趣味のマイナービートパンクバラードがずらりと並ぶ。ローリングストーンズを意識したんだろうなというフレーズが散見されるが、それよりも歌謡情緒の方が先についたりして大変なことになっている。コンガが入ったりしているがのも凡百のガレージとは異質。「ルイルイ」はカントリー&ウエスタン風に料理していて面白い。ガレージ・バンドは「ルイルイ」「ヘイジョー」「バラバラ」をやってなんぼ。音が結構いいです。
ショースカ

アタミ・ゴー!ゴー!シックスセブン

マキシ スリー・エー AAA007  本名を湘南スカパラダイスオーケストとかいうらしいスカバンド。美樹克彦の「大怪獣ガッパ」ほかえらい渋いカバー3曲とオリジナル2曲。買ったらケースが割れてた。スカバンドらしい音圧の重さにかけるきらいがあり、穴の空いた風船のような印象。せっかくの素材を生かせているとは思えない。ただ各パートの音一つ一つの意図は分かる。「ミスターBOOインベーダー作戦」が一番出来がいいが、ゲストで茶々を入れてくる広川太一郎が立ちすぎて演奏の方はどうしても霞みがち。演奏の濃さはオリジナルの「ガチョー」がもっとも濃密だが、これもまずまずと言ったところ。トップの「大怪獣ガッパ」はわざと「間抜け感」を狙った演奏のように感じたが、こういうネタ的な曲こそいかにかっこよく仕上げるかという方に向けていくべき。

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