これ買いました15年12月


15.12.26 今年の買い納めがこれかぁ・・・。今年を象徴してるな。

キャットファイターNCP

ペッパー警部/ディス・イズ・マイ・ライフ

CD ニューセンチュリー NCCP30821  完全にファンアイテム。キャットファイトの人達による歌ものCD。何かもう、八十年代の事務所の税金対策で仕方なく売り出されたような偽おニャン娘っぽいダメアイドルユニットのレコードを聴いているような気分になる。何につけ覇気がない。肉体を売りにしている人達らしい快活さを感じないばかりか、やはりアングラの領域の住人の手によるものなのだなという気にさせる。オリジナルもカバーも関係ない。久し振りにこんな豪快に当落線のはるか下を走っているCDを聞いた。ただし、「カメレオン・アーミー」はその手のB級アイドル情緒があって、これだけは歌謡曲好きなら十分聴けるレベルに仕上がっている。どうでもいいが選曲の意図がまったくもって不明。ピンクレディなら徹底してピンクレディ、受けを狙うなら徹底して受けを狙うとどっちかにして欲しい。最後はファンアイテムらしく「野球けん」(←重要)にのって女の子一人一人がスリーサイズ(←重要)とかを自己紹介。フォローしとくと、始めからこういうものだと割り切ったファンアイテムとしては特に不誠実なものではないとは思うけど。まあ、一般流通が極端に少ないわけもそこに。・・・3千円・・・。

15.12.24 眠い。

O.S.T

UFO

2CD ネオプリックス NPPX20  やっと見つけた。往年の英製SFTVドラマ「謎の円盤UFO」のサントラ盤。ただし、完全に再吹き込みされたもの。近未来的な響きのキーボードの掛け合いが印象的なモッド系インストである主題歌は名曲中の名曲。しかし同じスタッフによる「サンダーバード」からの流用曲(要はおまけ)を除き、モッド精神は貫かれているものの殆ど主題歌のアレンジバージョンばかり。まあ、サントラというものはそう言うものといえば、それっきりだが。80曲入っているのはいいのだが、そういうことではちょっと高いよ。
V.A.

昭和コミックソング大行進−笑いのギフト・パック−

CD コロムビア COCP32519  コロムビアのコミックソング集。殆ど聞いたことがあることもあって、何ともおとなしいという印象のみ。というか、コミックソングじゃない曲もあるし。沖山優司「東京キケン野郎」初CD化と白木みのるのうち3曲が目当てだったが、その「あゝ修身」は軍歌の使い方が上手い皮肉の効いた曲でグッド。他はクレイジーキャッツの影が如実な赤信号「サラリーマン・マーチ」が一番興味深かった。楳図かずおの歌がかなり上手いのは驚いた。細かいことを言うと、また解説が間違ってて、嘉門達夫「あったらコワイセレナーデ」は実はCD化されたことがあります。それも確か複数回。嘉門達夫のラジオで一時常連だった人間が言うんだから間違いない。詳しい人に聞いたらいいのに。高島氏が偉い人なのでみんな怖くて言えないのだろうか。
V.A.

TV時代劇グレイテスト・ヒッツ2

CD テイチク TECD25489  ザ・ワンダース目当て。「黒い編笠」は音はばっちりだけども、曲自体はGSとは似ても似つかない曲で、ある意味剛胆。聴いたことのある曲が多かったが、ささきいさおを思わせる北大路欣也「何故にお前は」と、暴走して帰ってこない山口崇ほかの「川はいいな」が度肝を抜いた。「止めてくれるなおっ母さん」を時代劇の主題歌で言うか。まあ、しかし、それらを含めレベルは流石に高いが、特にこれと言うインパクトの強いものはあまりないような気がした。こう聞いていると、前半の作品は、結果はともかく、色んなものに手を出そうという気概に満ちて故に気持ちが分かる作品が多いのだが、どんどん結局演歌に収斂して精気を失っていってしまうのが、ジャンル自体の不振をそのまま反映しているようだ。まずまず。
ミンミ

アナザー・ワールド

マキシ ビクター VICL35572  サビに行くまではなかなか辛く、声の伸びやかさにも欠けるところがある。そうは言ってもサビの、特に掛け合いは、よい。全体的にバックの音が厚すぎてボーカルを食っている気がするが、CMではそんなことはないし、ミックスが違うのかしら。これを通常のCDで出して昭和歌謡ものをCCCDで出すビクターの戦略がわからん。売れ線というものを勘違いしているような気がする。

15.12.23 雲一つない。

ピンクレディーX

ホーリィ・ビートをもう一度

CDS クラウン MEDP11041  あの。これも伊秩メロディーでまるっきり後のスピードの習作になっている。打ち込みをかなり強調したユーロビート歌謡で、感じとしてはピアノがピンポイントで先導したりしてXとかのグラムの影響を受けた編曲なのだが、思いの外ロック濃度が高く、前作の面影もないぐらい本格的な路線。但し、なんともまとも過ぎてというか、ストレートな作り過ぎて今ひとつ売れ線としては引っかかるものが無い。編曲は小西貴雄だからこれがモーニング娘に化けてた可能性もなきにしもあらずなのだが。歌詞に「『イノセントワールド』を聴いてたあの頃が・・・」というのが出てくるが、これはあの「イノセントワールド」と解釈して宜しいや。カップリングは彼女達らしい荒削りながらもキュートな歌唱が戻ってきていて安心させるが、冒頭・曲間・終盤にラップを使用していてなかなか完成度が高い。何げに「マイガール」やら色んなものを引用しているのもなかなか通好みと言えば通好み。実は自分にとって彼女たちの一番の馴染みがこのカップリング曲だと言うことが聞きながら判った。
PLX

ゴーイン・バック・トゥ・チャイナ

CDS クラウン MEDP11110  伊秩氏も手を退いて、完全に迷走してる・・・。前作から一作目へ先祖返りの様相。普通のユーロビート歌謡。余りに練りこみ不足。それ以上でもそれ以下でもない。戦隊ものの主題歌でこんなのがあった気がするが思い出せない。しかしなんだって彼女たちはピンクレディーの名前を暴発的に使用した上にビクターではなくクラウンメルダックからのデビューになったのか、全くもってよくわからない。これはプロデューサーの責任を追及されかねないと思う。カップリングはレゲエ調とテクノ調でのリミックス。元が元だけにどうなとなるものではなかったようで、単なるアレンジ違いのレゲエ調は轟沈。仕方なく歌部分をフィーチャーしましたという主張が強烈なテクノ調の方が遙かに出来がよい。ただし、ボーカルが完全に音を外しているのが丸わかりになるので、歌手にとっては鬼門のようなバージョンになっている。ちなみにカバーじゃなかった。
安達祐実

どーした!安達

CDS ビクター VIDL10488  今頃某所で騒がれているようだが、既に有名曲。いや、発売当時も耳には馴染んでいたのだが、いわゆるネタの一つとして結構前に再評価されている。テクノの文脈で語るべき達者なラップ歌謡。年の割に異様に上手い。ラップ本体はちょっとたどたどしくて、これと言うこともないのだが、ライムの歌いこなし方が尋常でない。高田浩吉かと思った。半分嘘だが、小唄や端唄をやってもこなせてしまいそうだ。韻の踏み方も平成六年の水準から言えばかなり高い方だろう。ちなみに作詞は森若香織だ。さびの元ネタはもちろん「バナナ・ボート・ソング」。カップリングは矢野顕子作詞作曲だが、見るべき部分なし。・・・これを聴くとトップはフロックだとしか思えなくなる。続編があるらしいのでそれも聴いてみたいものだ。
牧秀夫とロス・フラミンゴス

〈ナイト・クラブ・ベスト・ヒット〉ウナ・セラ・ディ東京

LP コロムビア ALS4069  ジャケットがかっこいい。グランドキャバレーで酒を飲んでいるような気分に襲われる、ピアノとビブラフォンを重点的に使用したラテンアレンジでヒット曲とラテンのスタンダードをムーディーに歌い上げるグッドなアルバム。とにかくコーラスが巧い。昭和40年時点でこれだけ演奏・歌唱・コーラスのどれもが揃っているというのは驚異的。特に「その名はフジヤマ」のストレートな解釈による演奏はもともと好きなこともあって完璧。東京ロマンチカに極めて近い演奏のような気がする。
ロス・インディオス

生活変えなきゃ

EP ポリドール DR1694  カバー。サンバ調の編曲で、歌詞も過去を振り切った前向きなものだが、今ひとつ突き抜け感にかけ、欲求不満が募る。B面はフォルクローレ調で詞の世界も南米民謡を取ってきたといわれても全く違和感のない完成度の高いオリジナル曲。こちらの方が断然出来が良いように思われる。
秋しげるとビューティフル・ロマン

よせばいいのに

EP BMG RVS1046  これがオリジナルだった筈。別ジャケもある。出来は悪くなく、このバージョンがヒットしていたとしても別に不思議ではないが、敢て言えば平板で引っかかりが足りないような気もする。B面は石坂まさをが「女のブルース」の夢よもう一度という感じで書き上げたと思われる、如何にも石坂まさをな唄だが、破綻気味。
栗田一美&レインボー

浮気ならいいわ

EP バップ 1020307  グリーングラスと同じ曲。同時期かこちらの方がやや古いかぐらいだと思う。ムードコーラスの女性ボーカルに上手なしの法則(キャラクターズとかワイン&ローズとか例外もちょこちょことあることはあるのだが。)通りの出来。曲自体の良さに救われているという感じ。B面はテレサ・テン「愛人」のカバーだが、これも女性ボーカルの出来が散々でオリジナルとは比べものにならない。
NAO&ヒューマンカンパニー

ヨコハマ物語

EP コロムビア AH859  アンジェラスとは別曲。ハードロックのような激しいギターソロから始まるため一瞬驚くが、するするとニックニューサのようなアダルトポップスへよっていく。結局最初のフレーズは俺達ギター弾けますというアピール以外何の役も果たしていないのが凄まじい。ということで、本来的な意味のムードコーラスではなかろう。女性ボーカルは内藤やすこを思わせる。B面は歌詞の意味がよくわからない。いや、文法が間違っていることはさておいて、意味は通っているけど朝五時に別れる夜の密会というシチュエーションが奇想天外にしか聞こえない。
ザ・コミックス

夫婦春秋

EP ビクター SV1222  有名なコントグループ。普通の演歌。特になし。B面は所謂癒し系の曲で、良くできたララバイだが自分の趣味じゃないので、なんとも、どうにも云々。

15.12.20 事情聴取は生涯3度目。

V.A.

ティーン・ポップ ベスト30

2CD 東芝 TOCT0255−6  殆ど持ってるけど、尾藤イサオ「匕首マッキー」目当て。しかし、内田裕也とともに、ここではどうにもおとなしくてぱっとせんな。エレキ時代の前とかなので仕方ないのだが。まあ、聞きたかったスリーファンキーズ「ナカナカ見つからない」が聞けて良かった。弘田三枝子はモチロンだが、パラダイスキングのやっている仕事の質の高さに改めて触れ、もう一度彼らを再評価すべきではないかと思った。そう言うことでパラキンのベストをまた出して欲しい(出来たら「甲府ブルース」と「飛べない小鳥」を入れた奴がいいな。)。ぼつぼつ。
三田明

三田明

CD ビクター VICL41054  ご存じ、伝説の元祖美少年。青春歌謡御三家に次ぐ四番手。ある音楽ジャンルの真髄を知るには、往々にしてトップアーティストではなく、その次ぐらいに位置するアーティストの作品を聞いた方が解りやすい事が多いが、これもそう。青春歌謡が主として若手男性ピン歌手により、文字通り青春の諸群像を「作詞家による詩で」、純歌謡とロシア民謡とロックを中心にして編み上げられたトラックをバック伸びやかに歌い上げるという極めて曖昧な楽曲群であることがよくわかる。吉永小百合との2曲は互いに相手の歌い方にあまり配慮していなそうで、得体の知れない魅力がある。まあ、聞いているとやはり、御三家の代表曲のようなキャッチーな曲は少なく、売れ線としての魅力はやや劣るかなとは感じた。吉田正が天才だと言うことがよくわかるが、グループサウンド登場まで一人で大御所が超王道と歌謡のカウンターカルチャーの両方を面倒見ていたという事実の方が重くのしかかる。ぼちぼち。
K−SAMA・ロマンフィルム

密室天国

CD+DVD ユニヴァーサル POCE3021  メジャー第一作。以前インディーズで出した「ダイエット天国」他にも収録されていた曲ばかりでおそらく同じトラックだろう。写真での印象がその時と随分違うなあ。この手の華のあるフェイクなバンド、大好き。他愛もないエロ歌謡で、時折ミックスの拙さが目立つところ、特にボーカルがトラックに押し切られてしまうところが何とも惜しいが、それ以上に雰囲気が良い。メロディーと編曲は歌謡の猥雑さが上手く出ていて良いが、個人的には詩が直截過ぎるように思うので、婉曲した物言いで艶が表現できる、言い換えれば川内康範先生による一連の奥村チヨ作品みたいな一つ一つの表現はNHKには出られる程度だけれども通して聞くと無茶苦茶エロいみたいな詩が出来るようになると、本気でレコード大賞獲ってもおかしくないというそのぐらいのタマであると感じる。ユーモアもある「池袋H系」代表としてウォッチをして行こうかと思う。なお、演奏には魅惑の東京サロンの連中が絡んでいる。これも若者文化が渋谷から池袋へ流れていることの一つか。つうことは三年経ったらモードは巣鴨系とかになるんかな。

15.12.17 MXでやってるハワイアンの番組の緩さは。

V.A.

笑タイム

6CD 東芝ファミリー GSD11701−6  東芝ファミリーのコミックソング6枚組通販用ボックス第3弾。と言いつつ芸人による貴重音源という方に重点がある曲もあり、コミックソングとくくるのはちょっと無理があるか。古い音源や例のコミックソング本に出ている音源が入っているのが編者の趣味が反映されているけれども、コメントなどに体裁は前2作を踏襲しようとしている努力を見て取れる。もっとも、内容的にはやはり前2作のたがが外れた状態からするとかなり重箱に入っているような雰囲気は出ているが。かなり持っている曲が多かったこともあって、強烈なネタはなかったが、その中でもいくつか。初手の朝丘雪路「当世アルファベット節」の解説では織井茂子「横文字ギンザ節」の話題に触れて欲しかった。荒井注「ザ・花ざかり」は後半の童謡を次々引用する展開が面白い。榎本健一「雨の日の子守唄」はガレージ・サイケと解説してあるが、いやいや、これは所謂ひとりGSではあってもガレージ・サイケとは口が裂けても言えなかろう。ちなみにかなり素晴らしい純歌謡でお歳を考える異常にのりがいい。やはりいろいろと注釈は付けたいが、とりあえず天才だ。通して聞いて一番出来がいいのは何と言ってもダチョウ倶楽部の「ダチョウダンス」だろう。美空ひばりは「川の流れのように」なんてキャリアをスポイルするような曲じゃなくて、こういう曲が出来上がってくることを望んで秋元・見岳両氏に依頼したのではないかとか考えてしまった。他は竹中直人「ドクトクくん」がえらいディープな作りになってて面白かったぐらいか。まあ、「ディスコ・ケンコー」とか「うどんの歌」とか聴けたのでよし。寧ろ伊集加代子がコーラスに使われている曲の多さにビックリで、そっちの方が気になってしゃあなかった。

15.12.16 ロマンフィルムってそんなに売れているのか。情緒が増せば近いうちにレコ大とってもおかしくはないけど。

萬Z(量産型)

日本ブレイク工業社歌

マキシ リーランド RLD0101  話題の楽曲。初めて聞いたが、歌が上手い。水木一郎が好きなんだろうな。細かいとこ言えば声のエッジが整っていないのだが、今回に限ればそれがいい方に向いている。トップは極めて良くできた特撮主題歌もの系歌謡でメリハリが利いているし、壷の押さえ方も素人技にはとても思えない。佳曲也。確かに社歌にこれを持ってこられたらイヤだが、それを考えなければ極めて真っ当。素晴らしい。カップリングも解ってるとしか言いようがない、見事なバラード。70年代フォークが根底にあるのだろうが、それがニューミュージック味にも臭い歌謡にも落ちず、作者の意図するところに着地しているのは見事の一言。欲を言えばこちらの方は打ち込み全くなしでやって欲しかったところだが、まあ、そうも行くまい。もちろん、かなりグッド。どうぞ、第二弾とかそういうことを言い出さないように、伝説は伝説としてこのまま在られん事を願いたい。
ラブ・ストーリー

マミー・ブルー

EP フィリップス FS1232  GSザ・リリーズの後身グループによるポップトップスのカバー。詞はオリーヴのものと一人称を一箇所変えている以外は同じものを使用。大野克夫編曲ながら、特にこれというアレンジ上の特徴はなく極めてオーソドックスな仕上がり。女性ボーカルが全面的にソロを執っているが演歌がかっている上に素っ頓狂。オリーヴのバージョンの足下にも及ばず。また、前身のリリーズらしさも微塵もない。B面も何かのカバー。こちらにはポップで雛で振り切り足りないコーラスと言うリリーズらしさが強く出ていて、女性ボーカルもポップスらしい歌い回し。コーラスも聴けて満足。もっとも唄自体の盛り上がりが今ひとつ欠けるので微妙な出来といえば微妙な出来なのだが。

15.12.15 「戦争する身はかねてから捨てる覚悟でいるものを鳴いてくれるな草の虫」←この悲愴がわからん批評家は批評家に値しない。

後藤喜男と悪いお友達

僕の名前を知ってるかい?

CDS ユニヴァーサル MVDH9020  無かったことにされているセガの販促ソング。こんなもんを販促に選ぶセガのセンスは流石セガと言うほかない。地獄から響く宴会芸。こんなもんが販促になるわけはない。こういうのは酒の席とかで思いついても次の日あたりに誰かストップを掛けるものだが、歯止めが利かないのは流石セガ。カップリングはゴーグルエース「洋ナシはいかが」によく似たいなたいエレキ歌謡。ギターが少しブルージーンズを思わせ、哀愁いっぱいでスラップスティックのような疑似GSものとしてかなり出来がよいが、ボーカルが今ひとつ力不足なのと曲自体の押しがやや弱いのが何とも残念。ミックスバージョンはトラックをいじっただけで捻りも何にもないが、ダンスものとしてかなり聴ける。こっちの方が出来がいい。ぼちぼち。
まんたんシスターズ

すてきな地方ラッキー、ハッピー、玉の輿

CDS バップ VPDC20635  ジャケ買い。知らん人達。(調べたら東京FMの「まんたんミュージック」のMC陣らしい。奥井亜紀と水谷純子と沖直美までは解ったが、後もう一人と男がわからん。)イントロは一瞬サニーファイブの「太陽のジュディー」を思わせるが、中身は怒濤のラップ歌謡。結構上手い。単調なユーロビート調だが、効果音のせいでのりが半端に悪い部分があるのが逆に笑える。心が入っているのか入っていないのか解らない全国縦断地方自慢を延々と捲し立てる。要するに東京でいるより地方に行った方が結婚しやすいというだけの歌なのだが、何故それをラップにという発想になったのかよくわからない。手が付けられないというか制御不能というか行ったまんま帰ってこないとかそういう言葉が思い浮かぶ。フクダさんに受けるかも。カップリングはトップと似ても似つかない小室全盛期以前にありがちなしょうもないアイドル歌謡。グルーヴィーではあるが。これはぼつぼつ。
まんたんシスターズ

恋はまんたん

CDS バップ VPDC20636  初期スピードっぽい始まりで外れかと思わせるが、そこからこちらも怒濤のラップへ。サビは普通のメロディーものになるというコペルニクス的な発想を提供した和製ラップにおけるM.C.A.T.の影響の大きさを偲ぶ。メロディー部分を含め中庸に過ぎるところはあるがなかなかグルーヴィー。カップリングはクリスマスソング。ジャズを借用したブレイクビートもの。さり気なくオルゴールで挿入される「もろびとこぞりて」などの既成のクリスマスソングも心地良い。再生機のスピーカーをガタガタ言わすような怒濤のラップに関西のりの漫才(奥井らしい)まで挿入されるという傍若無人振り。若いのか結構年いってるのかもよくわからないが、ラップの腕は達者でなかなか凄い。こりゃ力入れて音源を集めてみようかと思う。上のも下のもラップものは出来がよくて、意外にかっこいいかも。

15.12.14 林明日香の音楽を炊飯器のCMに使うというのは、安室奈美恵の「キャンユーセレブレイト」並のキャリアの積極的自殺だと思うのだが、所属事務所はどういうつもりで話を了承したのだろう。この人はいい玉なのにつくづく事務方につけ音楽につけ戦略につけスタッフに恵まれていないと思う。平成生まれは積極的に打ち出すとしても、歌が上手いことは事務所側としては積極的に打ち出すべきではない。今更遅いけどな。

マスターズ

笑って−さよなら−

CDS ビクター VIDS30064  世紀末のムードコーラス。シルバースターズの「行きずり同志」に少し似ている。ファルセットが嬉しいホスト系ムードコーラスではあるけれども、メインボーカルが不安定で何ともへなへななのが残念無念。カップリングは急ぎ足でフレンズとかレモンパイとかあたりのアイドルバンドっぽいロックチューン。もちろんボーカルはホスト系だが、小刻みなホーンや歪みまくるギターの音色とコーラスの乗せ方や歌いっぷりが特撮ものの主題歌を思わせる。強引なまとめ方過ぎてボーカルが崩れるサビにも痺れる。ハニーナイツに感触が似ていなくもないが、基本的にはもっさりしたムードコーラスなので、こんなチューンをぶつけてきたのはアナーキーの一言。作曲の川島潤一と編曲の鈴木英明を顕彰する。何だかわからん迫力があってグッド。

15.12.9 CDR10枚を頂く。やっと全部聞いた。「ビートルズに首ったけ」とか「月光仮面は誰でしょう」のインストとか「あの町この町京の町」とか「野球少年三平君」とか、宜しいなぁ。・・・偏ってますか。「テキサス・・・」は聞いていると誘っていただけたのは光栄なものの、自分はとてもこの中でどうこうできる玉じゃないとも思われた。全員凄い!冷や汗をかきながら、結果として場に引き出されなかったことで恥をかかなくて済んだと思った。こういうコラージュ的な持って行き方自分にはとてもじゃないが出来ないです。

15.12.7 本棚買わな。つーか最近全然歌謡曲を買ってない気がする。

ヘイマーケット・スクウェア

マジック・ランタン

CD ゲアファブ GF176  女性ボーカルのスカスカオリジナルサイケということだったが女性ボーカルは控えめで、あと通常の意味でのサイケではなかった。昭和43年と言えばシスコ・サイケも飽和期だが、その手のというよりはビートガレージに近いように思う。何とも簡素でスカスカという言葉以外表現が出来ないサウンドに、気の強い女性ボーカルが乗ったマカロニウエスタンを思わせる「エレヴェーター」からしていきなり虚無感が体中を襲い涙を誘う。7分もある曲だが全く冗長さは感じない。続く「ザ・トレイン・ケプト・ア・ローリン」もスカスカだが実直なベースが何処までもビートを引っ張り、下手だが情緒のあるボーカルがのる。イタリアのイ・バリッタスの「ノン・ウチデレ」に通じる情緒、実に歌謡の本質がここにある。これも7分以上あるが単純さの割に全く飽きが来ない。というか、どれも長めで、サウンドはギリギリ最小限の音だけのスカスカさ、かつ大した山も、これ見よがしなかっこよさもないのに、(例えば「アヒムサ」で長大なドラムソロがあるが、もの凄く地味でかっこよさよりも伝統芸能の太鼓芸を聞いているような気分に襲われる。)どれもこれもこれだけ耳を引きつけるものがあるというのは理屈以上の魂があるからと言わざるを得ない。大変に自分の壷を突いたサウンドであった。実にグッド。推薦可。
ナンシー・シナトラ

グレイテスト・ヒッツ〜恋のひとこと

CD エムエスアイ MSIG0064  所謂アイドル路線からドロドロな情念ものに転じて成功したフランク・シナトラの娘。特に「サマーワイン」に顕著なのだが、日本の「怨歌」の根元というのは、実はこの人の翻案である。翻案に過ぎないのに、五木寛之が変なこと書くから。基本的にはポップス路線なのではあるのだが、独特のダークさが溢れている「007は二度死ぬ」や「ザ・ラスト・オブ・ザ・シークレット・エージェンツ」といった作品がやはり泣けて心地良い。巷では「恋のひとこと」が話題らしいが、別に自分はカバーしてる某人に何も感じないので別にその関連でもないし、そっちに興味もない。どうでもいいが、解説のところのタイトルに豪快な誤植あり。それじゃ江戸時代だ。
V.A.

ラヴ、ピース&ポエトリー メキシカン・サイケデリック・ミュージック

CD ノーマル CD045  「シェリル」シリーズのメヒコ編。音使いやビートの乗せ方などが日本の後期GSからニューロック時代に雰囲気そっくり。もっとも「ガレージ」の要素は皆無。成る程あの辺りの音楽が世界的普遍性のあるものなのだなと感じさせ、逆に、歌謡的な共通性から親しみやすい。強烈な曲はなく、その意味ではBGM的であるとも言えるが、逆に穴になるような曲もなく、編者の見識の高さが伺われる。中でもザ・カレイドスコープ「ハング・アウト」とザ・フライング・カーペッツ「ビハインド・ア・ヤング・ガール・スマイル」の2曲が特に歌謡情緒があって印象に残った。日本のと同名のザ・スパイダースによる「イッツ・ユー」はえらい湿った楽曲でギャップが面白かったが、楽曲自体云々ではないので略。

15.12.3 博多の例のライヴのノベルティーCDR一枚を貰う。簡単に。マガロマは渚ようこみたいである。ボーカル、崩れもあるがけっこう上手いやないの。まあ、俺の方が上手いけどな。ギターのフレーズが淡泊なのと曲のキャッチーさに欠けるところが惜しいが、取り敢ず、合格点。東京でライヴやってもオーケーなレベルはある。ただし、まだ他人だったらけちょんけちょんにするところ。ザ・スピンドルズは東南アジアのGSっぽい。フィフティーズ・ハイティーンズはこれを商品として売るには録音レベルがあれすぎるが、取り敢ず「ヒッキーヒッキー」はバンドの一体感があり、「私の愛に・・・」も情緒高し。ザ・ヤングはライヴ盤らしい伸びやかさがあり、また客のノリの良さも収録されており、彼ららしさが出ていると思う。最後にシークレットトラックが付いているけど、これ何?

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