これ買いました15年2月

伊藤久男/憂国

↑総毛立ちのジャケット。これで剣舞されたらそりゃ小便ちびる。


15.2.28 ・・・人生の転機(か)。これ以外にMD一枚頂く。

V.A.

オズディスク・サンプラー 青盤

2CD 徳間 TKCU77099  突然段ボールとか水中、それは苦しいとかとうじ魔とうじとか湯浅湾とか。田口史人氏がほとんど個人運営している自主制作レーベル「オズ・ディスク」のベスト盤。ロック・唄物は同「赤盤」に収められているとかでこちらはその他のジャンルに含まれるバンドなどを収めている。・・・ごめん、はっきり言ってよくわかりませんでした。ただしつまらなさや反発は不思議となかったけど。かわいらしい曲がかなり多い。ようやく聞いた突然段ボールととうじ魔とうじの収録作品はばっちり自分の歌謡曲のストライクゾーンに入ってたので、今度から集めてみようかと思います。田口氏ご本人の「フォーミーク」も音の隙間に深遠さを感じさせる音響リフサウンドでグッド。
 こうしてみると、うちの知り合いとか後輩のバンドでもこういう風に切ればかなり良いとこに行ってたバンドもあったのだな。つくづく音楽というのは結局は人との巡り会い、伯楽に出会うかどうかだと思う。
 フリーボって聞いたことないので赤盤の方も探してみよう。エモンズは大っ嫌いだけどな。

15.2.27 連日の飲み会は疲れる。

次朗

男の番外

シングルカセット キング KISX371  二次会でいったステーキハウス(といいつつ殆ど飲み屋みたいなもんだった)の親爺さんが数年前にリリースした演歌のシングル。一応ちゃんとしたメジャー品番帯。店内に山積みしてあったので取ってきた。いかにも飲み屋なショータイムとかやっててびびった。うちの大学の先輩らしい。いかにも最近作った然とした任侠演歌だが、なかなか不思議な展開をする所謂「いい顔」系の唄。B面はテクノがかったアダルトポップスだが、なんにせよミスターワイルドっぽい。

15.2.21 「テレビヤンネット」で取り上げるドラマって必ず転けるな。

V.A.

昭和キッズTVシングルスVol.3

2CD コロムビア COCX3217→8  コロムビアで子供向けのアニメ主題歌やオリジナル曲ばかりをリリースしていたSCS品番代他からチョイスしたシングル集。アニメ関係はほぼ既に持っているがオリジナル企画が目玉で、特に白木みのる「!(オッタマゲ)のスキャット」が各所で話題となっている。ただし、自分にとっては唯一アニメもので持っていなかった、アニメおたくの検定試験とまで言われる「どうぶつ宝島」の挿入歌である、東映メールハーモニー「海賊のうた」の方がそのダイナミックさに感動し、最大の山場に感じられた。やはり自分は軍歌が音楽体験の根幹にあるのでこういう張り上げ系の男声合唱団ものは琴線に触れる。そのうえこれはビートが効いているのでGSものとしてもイカス。さすがうちの地域の小学校の合同音楽鑑賞会に来てうちらの態度の悪さに怒って途中で帰った山本直純の作品だ。ほぼ同じ意味でボンクールバージョンの「マグマ大使」も最高だ。なお、ワンダースとエコーズの関係について解説にミスあり。正解はうちのページに書いてあるので何とか言わない。もう今月分の金が侍らず。
水中、それは苦しい

ひとりで生きる

CD オズディスク OZD47  バイオリンがいる異端バンドのアルバム。バイオリンはハモニカみたいな使われ方をしている。ほぶらきんをもうちょっと音楽にしたような音。暴走音楽。阿呆音楽。だが、これがかっこいいのだ。叫き立てるボーカル、チープ極まりない演奏、置いてけぼりにする歌詞。こういうの結構好きです。全編に渡り崩壊感若しくはくだらなさが堪能できるが、中でも「遠藤賢司」のやけくそにも程がある歌詞や「もげもげ先輩」で聞ける言葉を失う突き放したベースプレイには物を言わさせない程の衝撃が詰まっている。圧巻は「トラック上走行演奏」で、そのままボアダムスとかのライヴ会場にトラックで突っ込んでそのトラックの上で演奏し倒しているのだが、これがぶっ壊れていて演奏が頭の上でぐるぐる回る。それよりもなによりも前半のそのトラックと電柱の間に挟まったという女性の悲鳴による空間の切り裂き具合が、期せずしてこのバンドの奇形ぶりを象徴している気がする。後半は主戦メンバーになる前の音源が収められているがそれほど変わらない。グッド。もっともほぶらきんの方が凄い気もするが。
V.A.

ハンナ・バーベラ日本語版主題歌レコードコレクション

CD 東芝 TOCT24832  ハンナバーベラ作成アニメ主題歌のレコードバージョンを集めたCD。以前テレビサイズの主題歌を集めたものがありこれがまあまあ良かったので買ってみたのだが・・・。ハンナバーベラ作品って実際の所アニメとしては微妙なのが多い気がするが、それはこの主題歌集にもそのまま比例している。はっきり言って既に持っている曲を除くと「ジョニークエスト」ぐらいしか聞き物がなかった。中島そのみが聞けたのが唯一の収穫。なお「大魔王シャザーン」の歌本編はそうでもないが、イントロは好きです。

15.2.19 おとといより更に腹立つことがあった。電話してくんな日○生命。

V.A.

オールスター青春歌謡

12CD ソニー FVCL3961〜FZCL3972  青春歌謡の12枚組ボックス。聴いたことのない曲が聴ければいいかと思って注文したら詳細なディスコグラフィー集などがついた歌詞冊子に度肝を抜かれた。
 さて、これ聴いてやはり青春歌謡というものも音楽的実体のないジャンルだなということが改めて確認できた。というか、青春歌謡というものの厳密な定義は何なのか解らなくなったと言う方が近いかもしれない。ということで演歌臭すぎる11とポップスに依りすぎた12以外は青春歌謡情緒に満足出来た。殊、久保浩、高田美和、安達明といった人達は青春歌謡という言葉がしっくりとくる。逆に、ピーナッツ、新川二郎、坂本九、恵とも子といった辺りをもそう言うのはどうも違和感があるのだが、さりとて大間違いとも言い切れないのがこの青春歌謡という言葉の魔力であろう。ビクター時代のいしだあゆみ、進一彦、永井秀和といった珍し組も多数収録。
 さて、どうしても自分的にはこの手の曲となるとエレキ歌謡を重要視してしまうのでかなり偏った見方となってしまうのだが、望月浩と美樹克彦、そして西郷輝彦の三人のエレキっぷりと、ジャズ臭が強いジャニーズの楽曲が特に印象深く感じられた。
 西郷輝彦はビッグネームの再発見。適応範囲の広さに度肝を抜かされる。望月浩は本人と言うよりも萩原哲晶のサウンドメイクに目を剥かされる。この人こそ紛れもなく天賦の才のある人だ。若さ弾けるボーカルが楽しげに鋭いエレキに絡みつく。キャッチフレーズではエレキ演歌と侍れども、まさにエレキ歌謡にしかないカタルシスを内包している曲群にメロメロだ。美樹克彦もカバーポップス時代の経験を発展的に発露させ慟哭という点においては凡百の自称ロックシンガーにはお呼びも付かない絶唱をいとも簡単に叩付ける。「赤いヘルメット」は何だかんだと言って初めて聴いたのだが、これが痛快すぎる程痛快なエレキ歌謡で、西郷輝彦から、ジェノバ、レンジャースそして現在のサイコルシェイムにまで連綿と続くグッドヤングボーカル、形式的ロックを嘲笑う色物と見えてその実精神的な破壊衝動を強く含んだロックチューンの系譜を内包しており、クラウンという会社自体の持つの持つ因果性を強く感じさせる。ジャニーズは山下毅雄作曲の「若い夜」の前衛ぶりが素晴らしい。これがアートだの作品だのとかでも何でもなく歌謡曲の一商品として店頭に並び、普通にヒットしたのだから、この頃辺りまでのまさに歌謡曲黄金時代というものの勢いの凄まじさを偲べる。
V.A.

薔薇門

CD 天井桟敷 TENJ99003  寺山修二、とうごうけん、ハプニングスフォー、JAシーザー、加藤ヒロシ、田中未知、篠山紀信ととんでもなく豪華な面子が絡むゲイ・レボリューション運動絡みの自主制作アルバムの復刻。丁寧な作りのアルバムとは言い難いが、いかにも1970年代前半な雑多な磁場をひしひしと感じる。ナチスの演説と軍歌の音に東郷健のアジ演説が被さる「おかまの政治演説」は結果としてコラボレーション音楽になっており、その時代の先進性に驚かされる。演説自体はよく聞くと実は右派左派両方に配慮がありますな。それを受けるのが「可愛いスーちゃん」の替え歌なのが所詮倭の伝統の上に生きる人間に過ぎないという諦観っぷりを示している。どこかから持ってきたらしいクラシックの演奏に強引に歌詞をつけて勢いまかせに歌ったり、語りに特化したトラックもあるが、純粋に楽曲としてはベースが唸りまくるグルーヴ満点のバッキングトラックに同時期のニューロックよりも好感が持てた。アルバム自体は各曲の質の高低はあるが奇妙に統一感が高くトータルアルバムとして苦なく聞けた。

15.2.17 腹立つ。

ジミー竹内とザ・エキサイターズ

ドラム・ドラム・ドラム ブルーライト・ヨコハマ

LP 東芝 TP7308  言わずと知れたグルーヴ大王・ジミー竹内による歌謡曲インストカバーアルバム。一曲目の「ブルーライトヨコハマ」からのりのり。相変わらずドラムをしばく、しばく、しばく。シェイクのリズムが心を揺さぶる。この人の壺を衝くドラムに勝てるドラマーというのはそうそういまい。脇を固めるサックスとギターの掛け合いも痺れる。例に漏れず素晴らしい出来の曲が多く、この頃の映画のサントラを聴いているような気になってくる。その中でも一番出来がいいのは「涙の季節」で原曲の持つもっさり感がすっぱりと廃されていて痛快の一言。また、「涙のオルフェ」も泣ける。「マンチェスターとリバプール」などの外国曲のカバーには物足りなさも残るが、彼の外人請けの良さも聞けば納得。
敏いとうとハッピー&ブルー

よせばいいのに

EP キャニオン C142  あまりCD化されないキャニオン時代の、言わずと知れた三浦弘作の大ヒット曲。ラテン発想の楽曲がディスコ発想の演奏で奏でられる。コーラス、演奏共にテイチクでの音源などに比べてより厚く音数が多い。B面は敏いとう作曲のサックスの鳴り響く正統派の楽曲。ブルートレイン「札幌ブルース」に少し似ている。
のぶこ&よりこ

つくりばなし

EP エヌ・エイチ・エス N.H.S001  キンキンした声ではあるもののなかなかムードのあるロッカバラード系演歌。と思いきやさびでの二人の合唱部分の入り始めがメタメタ。それ以外は特に欠点らしい欠点がないだけにおしい。詞がフェイクでいい。B面は全編合唱。は良いのだがこれがメタメタ。OYAJI組の少女版みたい。こりゃ萎える。というか声が若く聞こえない。ヤケクソな詞はグッド。
ハニーナイツ

ミュンヘンへの道

EP ビクター KV542  阿久悠。誰が何と言おうとハニーナイツはいい。溌剌とした歌を歌わせたら右に出るものなし。完璧。どうでもいいが歌詞の誤植多すぎ。B面はグッド・グルーヴ歌謡。やや音が浅いもののブンブンうなるベースがマイナー調のメロディーを引き立てる。少し「ドラドラ子猫とチャカチャカ娘」を思わせる音使い。文句なしの佳作。
沖田浩之

E気持ち

EP ソニー 07SH892  筒美京平。ギターソロの活きがいいが、他は特になし。ジャクソンファイブということはないと思う。B面は中島みゆき「時代」にちょっと似ているスローバラードだが、こちらも特に感想なし。この時代の「売れる」感覚が全然わからん。
沖田浩之

お前にマラリア

EP ソニー 07SH1374  有名。グッドブギウギ。暴走した詞さえ気にしなければアイドルロックの最高峰としても良いだろう。ブンブン唸るベースをはじめとしたリズム隊が気持ちいい。勢いだけで突っ走っているような疾走感が最高。曲が短いのも良い。B面も同じような路線の曲だが、一度立ち止まって考え直したようで、A面ほどの疾走感はないが、それでもアイドルロックのカタルシスは健在。
ずうとるび

あの娘は宇宙人

EP 東芝 TP10426  ヒット曲。あおきあいと並べたいジャケット。井上忠夫による目まぐるしくダイナミックな展開をもつポップス。ムシ声、アースウインドアンドファイヤ風ブラス、ロックンロール、典型的男性アイドルポップスとぶち込みすぎ。但し全体的にはだらだらとした空気が包んでおり、快感に繋がらない。B面はいかにも井上忠夫なロックンロール魂のあるディスコ調アイドルポップス。感想の台詞では彼らのルーツたる芸人としての面も確認できる。というかモップス「月光仮面」と被ってるが。こっちの方がいい曲。

15.2.14 

V.A.

スーパー・ユーロ・トレイン

CD キティ UMCK4031/2  やる気なさ気なパラパラ・ユーロへのカバーもの。選曲が謎で新旧洋楽に混じって邦楽も収録されているのは良いとして、しかもエイベックスの作品は良いとしても、ピンクレディーや嘉門達夫のカバーまで入っているのは何故だ。こういうのも今は殆どお笑いの対象でしかないが、未来には、現在歌謡曲などの喫茶店BGM用インストアルバムが和もの等と言って珍重されているのと同じような扱いになるような気がする。邦楽ものは日本語で歌っているものと英訳されて歌われているものが何故か混ざっている。まあ、こんなものに整合性を持たせたってしゃあないのだが。俺が好きなキーヤキッスの「私の彼は石油王」も日本語でカバーされているが、なんだか軽さが吹き飛んで、レディースが屯しているようなブラッキーさが滲み出てて怖いよぅ。気楽に聞けるグッド企画物。やっぱり基本的に俺はパラパラものが好きや。

15.2.13 貰った。

V.A.

琉球民謡集 愛唱歌集

LP マルフク FL1002  マルフクのレコードを一枚は欲しかったのでもう満足。そのまま、琉球民謡の有名曲集。「安里屋ユンタ」と「谷茶前節」は、針飛びすぎでわけわからんかったが、それ以外の曲は支障なく聴けた。メイドインジャパンとは書いてあるがまるで本土復帰前の録音のような素朴な歌唱と三線が胸をうつ。こう聞くと軽快さとは無縁な音楽だな。「踊り天川節」で聞ける普久原朝喜の速弾きはフラメンコやエレキインストを思わせ、感動。最後を飾る「パラダイスうるま島」はおそらくハワイあたりからの逆輸入ものだろうが、これなどやたら楽天的な歌詞が逆に移民の苦労をこれでもかと描き出し涙なしには聞いていられない。これと「沖縄育ち」の2曲は倭口で、新作かそれに近いものと思われるが後者も子守唄っぽくて胸に染みた。単なるエキゾとは違う血潮の表出がここにはある。数曲でボーカルを取る城間ひろみという人が少女っぽい声なのだが、本当はどうなのかしら。意外に歳いってるのやろか。

(追加・どうも本当に本土復帰前の音源らしい。普久原朝喜は三線の名人でマルフクレコードの創始者とのこと。城間ひろみは昭和45年前後極めて短期間ながら爆発的な人気を誇ったアイドル民謡歌手とのこと。俺の耳もそれ程的はずれじゃねぇな。)

V.A.

くろしおのうた

17cmLP ボイス UGD2003  これも琉球民謡。こっちはもっと最近の録音のようだ。「安里屋ユンタ」はまったりとした演奏ながら途中で太鼓のソロパートがあり、これがアクセントになっていて奇襲を懸けられて面白かった。「谷茶前節」は琉球民謡のパブリックイメージ通りの実演で愉快。他に「てんさぐの花」「西武門節」。
嘉手苅林昌

海のチンボーラ赤山

EP マルフク FS17  これも。ゴメン、ヒスが強すぎてボーカルが良く聞こえない・・・。だが三線が軽快。B面は城間ひろみで聞いていると引き込まれる声である。まったり。
宜保菊子

浜千鳥節

EP マルフク FD104  特になし。これもレコードの状態のせいで良く聞こえなかった。B面の「金細工節」も不明瞭な再生状態ではあったが、またもや普久原朝喜の速弾きが圧巻。この人の音源集めてみよう。グッド。
津波恒徳、石原節子

ひじ小節

EP マルフク FS20  掛け合い民謡。聞く限りでは琉球民謡としてはやや早め。歌詞の平仮名と発音に微妙なずれがあって何処を歌っているか追えなかったりする。両面とも物騒な言葉が出てくる歌詞だが、その解釈として笑って良いのか怖がればいいのかよくわかんないので、これくれた子に聞いてみよう。
知名定男

太田バンタ

EP マルフク FS64  流石にこの人は知ってる。他の歌手に比べるとジェントルでまっすぐな発声法を持っている気がする。また、演奏それ自体も音の残し方などで幻想的な味を醸し出している。B面は普通。

15.2.12 いくら何でも   買   い   す   ぎ   です。

アローナイツ

北の盛り場流れ唄

LP ワーナー L10073A  北のクールファイブ・アローナイツのフォース(?)・アルバム。アローナイツ独特の演歌がかった男気を強調した捻りを加えたボーカルや闇を引き裂くような鋭いギター、よく聞くとディスコの影響が強いトラックなどは「中の島ブルース」等と共通。オリジナル曲の「東京の雨を札幌で」「ぬれて大阪」等についてはアローナイツの世界以外の何者でもないねちっこい出来になっており、もはや何もいうことはない。「津軽海峡・冬景色」などのカバーについても、大書するまでではないものの、これに準じた一貫した作りになっており、真摯な製作態度が感じ取れる。やや。しかし、あまり北を歌った歌がないにも関わらずこのアルバムタイトルの意図がわからん。
ザ・レンジャーズ

エレキ・ギターのすべて<第1集>

17cmLP コロムビア JSS33  エレキバンドの方のレンジャーズ。デビュー盤。ライナーに拠れば「演奏の見事さ」が自慢だそうだ。いや、何かとろいんですけど。俺には今ひとつこのバンドの上手さの真髄がよくわからない。どうにも軽い上にグルーヴィーじゃないのよ。良く取れば素朴で朴訥としているともいえるが。「ゴールドフィンガー」はそのとろさがいい方に出て原曲に肉薄している。但し、オルガンとギターの音色はこの時代の無意識でしか出せない音で、満足。
木村好夫とミノルフォンアンサンブル

エレキが唄うヒットメロディ

17cmLP ミノルフォン KA5001  日本三大ギタリストの一角といわれる木村好夫が「小唄」と名が付く歌謡曲をギターインストとして創立間もないミノルフォンで吹き込んだもの。アコーディオンやらサックスが跋扈する所謂軽音楽もの。リズム名が明記されておりダンス用ということで制作されたらしいが、ちょっと哀愁が先に立ちすぎて踊りにくいねぇ。もちろん遠藤実が全面編曲を手がけている。ジャケットは良い。
伊藤久男

憂国

EP コロムビア SAS1581  レコードに書いてある曲のジャンルで「弔魂歌」なんて言うの初めてみた。ちゃんと一般販売。詩吟入りの大東亜戦戦没者追悼のための剣舞曲。昭和46年発売の曲だが、伊藤久男の声量、技術は衰えるどころかますます盛んで、戦前の歌手の鍛え方の違いには身震いすら覚える。なんと、作詞・児玉誉士夫。B面は雅楽をフィーチャーしたイントロで始まる同趣向の舞扇曲だが、小畑実と藤原亮子の「女系図の唄」を思わせる。両面とも古賀政男作曲。ジャケットがかっこいい。
わかばちどり

個人タクシー音頭

EP コロムビア PAS7771  全国個人タクシー連合会創立15周年記念委託制作盤。根本敬人脈のわかばちどりが歌う良い湯加減な音頭。軽快でもっさり。きっちりとした気の抜け方。妙曲。とても昭和52年制作とは思えないのどかさが横行している。B面はカラオケ。振り付き。デンデン虫虫どんと行け。
Jガールズ

あなたが来ない日

EP コロムビア CD20  海外にも紹介された60年代日本を代表する名ガールグループ。B面だけ。夢みるようなヨーロッパ風ポップス。見事なコーラスで歌い上げる大変穏やかな楽曲。歌謡曲としても湿り気も充分。但し大人の色恋を歌う歌詞だが、音そのものは田舎で過ごした少年時代を思い出させるような遙かな郷愁を感じさせる。
伊藤かずえ

17歳のテロル

EP コロムビア AH544  「勝手にカミタマン」では憧れのアイドルということになっていた(←そういう枕詞にするか)伊藤かずえによる見事なテクノ歌謡。大ざっぱに言うとどっちかというと中森明菜の系譜の楽曲。他愛もないがフィーチャーされている言葉が言葉なので今なら販売回避か。レコード会社が歌手の販売戦略の主導権を握っていた時代の遙かな残光感じる。後藤次俊作品らしくベースが強調されている。B面は穏やかないかにもアイドルなスローバラードだが、こちらの方が嵌っている気がする。
三田悠子

雪もよう

EP コロムビア AH142  ヌード写真集出した後。アップディトな八代亜紀風演歌。技術的には比べる迄もないが、とまれ石川さゆりを彷彿とさせる。どうということもなし。B面はディスコの入ったグルーヴのある純歌謡曲で内藤やす子あたりに近い楽曲。よく練られており一気に聞かせる。こっちの方が全然出来が良い。
マハロ・エコーズ

雨の下町

EP ビクター SV747  彼らの出自に忠実なマヒナスターズ調の楽曲。佐々木敢一のファルセットをポイントで使った楽曲。しかし、こんなこというとあれだが、タイトルに負けず劣らず、いかにも売れなさそうな地味な歌。B面もあまり印象は変わらず。
殿さまキングス

雪国

EP ビクター SV9035  いかにも市川昭介なディープな演歌。コーラスは女性コーラスでムードコーラスとしては残念無念。ただし、宮路オサムのボーカルのすざまじさは堪能出来る。B面も多少「涙の操」を意識したところはあるが、同じコンセプト。両面斎藤恒夫編曲。
殿さまキングス

ありがとうおまえ

EP ビクター SV9314  普通の演歌。何も言うことのない普通に完成された曲。多分「大阪しぐれ」が元ネタ。B面もちょっぴり明るいがどうということもない。宮路オサムの歌唱の破天荒さもやや陰っていたりして、何がどうということは全くなし。
殿さまキングス

あまのじゃく

EP ビクター SV9239  チェッカーズを思わせるイタリアンツイストなロックチューン。曲もそういうおったまげものなのだが、ボーカルはいつもの通りというミスマッチが度肝を抜く。といって曲の魅力をぶちこしているわけではないのが素晴らしい。それにしても、流行を取り入れるにしてもあまりにストレート。何故にチェッカーズ?しかし、グッド。B面も派手にホーンをちりばめた、イタリアンツイストを下敷きにしたコミックソング。こちらも豪放でグッド。いくら何でも両面とも果敢すぎ。当時話題にならなかったのは何故だ?殿キンの底力のすざまじさを見た。
愛川こうじ

酒場酔唄

EP ビクター PRA10734  あの愛川こうじであるが、巻き舌が入っているもののまずまず上手い。但し曲はベースが太鼓みたいな音をしている以外は特筆することもない普通の演歌。片面は本来こちらがA面らしいあいだけんじの「スナックの姉ちゃん」という唄だが、こちらはナゲヤリなタイトル同様、著しく消化不良。これはあの愛田健二なんだろうか。
小松おさむとダークフェローズ

小雨のアムール

EP クラウン CW824  A面は言わずと知れた名曲。B面だけ。スタンダードのカバー。全く和風の所がない、若いバンドらしくビートの利いた狂おしいムード溢れる演奏が愛おしい。サックスの音色、コーラス、ストリングスの絡め方、ボーカルの声のひっくり返し方など、その全てが計算され尽くしており、ムードコーラスの耽美に触れられる。
黒沢明とロス・プリモス

誘蛾灯

EP クラウン CWA105  結成十五周年記念盤。それらしく、バンドの代表曲ふまえて、銀座のホステスの想い出話しに自らを重ねる。全編に付いて回るコーラスと快調な森のボーカル、壺を外さないギターなど大外しもない割にホームランもないような印象。B面は近代的な曲展開の良くできたボサノバもので、上手い具合に女の憂いが表現されていて、なかなか。いま。
浜野美砂/ロス・プリモス

三国慕情

EP クラウン CWA396  ロスプリはコーラスのみ。普通の演歌だが、あまり整っていない主唱に気が滅入る。B面は鳥羽一郎による林伊佐緒「高原の旅愁」っぽいワルツ演歌。流石上手いが保守的な曲本体に萎える。
ロス・プリモス

湯本ブルース

EP クラウン CWA420  張りのある森の歌唱、全編を覆うコーラスの出来は良いが、ロスプリモスにはこういう演歌そのものみたいな歌は似合わない。後期はともかく、前期の演歌とムードコーラスは全く別物と捉える俺には辛い曲。B面は特にこれと書くこと等はないが、サックスやギター、リズム、まったりとした歌いまわしなど、ムードコーラスの醍醐味をまだ微かに感じることが出来て満足。
黒木憲

とまり木もよう

EP 東芝 TP10529  ええ声。ただし地味で特徴の侍らざる曲。スウィングウエスト「レッツダンス」の吉田旺作詞。「盛り場ブルース」路線の詞。B面ではさらに安定したボーカルが聞ける。レキントギターも快調で、演歌の基本に忠実。こちらの方がいい唄。ジャケットが怖い。
ザ・レイディーズ

ワン・モア・チャンス

EP 東芝 ETP10688  みんなごついので最初ニューハーフの人かと思ったが、よくみたら前田美波里と今陽子とあの鹿島とも子だった。宝塚の人が出す曲みたいなアップテンポなポップス。特になし。B面もアップデイトなレビュー風ポップスで特になし。
北野玲子

わたしつくします

EP 東芝 TP10672  遅れてきた青春歌謡。西川峰子「あなたにあげる」のフォロワーというか、殆どそのまま。歌自体はこちらの方が上手いような気がするが、流石にこれでは引きます。ところが、B面は快活なイントロからマイナーな本編になだれ込み、また快活なさびを奏でるアップデイトなアイドルポップスで、どう考えてもこっちの方が売れ筋なうえ完成度や情緒も上。ちなみに美樹克彦作曲。ただし伸ばすところで拳が回りすぎるのがアイドルとしてはちょいと興醒めさせてしまい、惜しい。けどグッドソングには変わりない。
麻生よう子

恋のサバイバル2

EP ポリドール DR6306  グロリア・ゲイナーのヒット・ディスコ曲のカバー。B面はほぼ同じオケで「恋のサバイバル1」。訳詞藤公之介というセンスはどうよ、という感じだがなかなか成功しており、ロック情緒充分。文句なく格好いい。
内山田洋とクール・ファイブ&HIROMI

ワン・モア・チャンス

EP ポリドール DR6306  前川清脱退後。サックスが咽び泣く内山田洋作曲のキングトーンズに近いR&B系本格的バラード。デュエットで淡々と進むが男女ボーカル共に詰めの甘さが目立ち、さびでの合唱では良いところで二人の息があっていないのが至極残念。B面もリーダー作品。こちらはクールファィブだけの歌唱で、前川清を強く意識したボーカルなど、全盛期を彷彿とさせる敢闘曲。こちらには、控えめながらもコーラスもちゃんと入っており満足。
敏いとうとハッピー&ブルー

我慢できないわ

EP キャニオン C165  A面は三浦弘の作品で、いかにも彼の作品らしい曲調、歌詞世界だが、編曲にはニューミュージックの影響が強く見て取れる。特にベースの音色の妙な太さが目立つ。森本がしっとり誠実に歌い上げる。このバンドとしては中庸な出来。B面は敏いとう御大自らの書き下ろしで「宗右衛門町ブルース」をヨーロッパ調にしたような穏やかな曲。新沼謙治を彷彿とさせる。
鶴岡雅義と東京ロマンチカ

酔待人

EP キャニオン 7RC0080  彼らもキャニオンにいたことがあったとは知らなかった。「マスター・・・」というさびが心に残るが、基本的には堀内孝男みたいないかにも昭和最末期のニューミュージック系演歌。ギターは聞けるが、鶴岡先生の作曲している曲っぽくなく、竜崎先生の隠れたハードロック趣味も聞けない。B面は古賀政男直系のワルツでいかにも鶴岡作品。正統派のこのバンドのファン向け。
鶴岡雅義と東京ロマンチカ

明日からあなたは

EP ソニー 06SH695  このバンドとしてはややアップテンポな正統派ムードコーラス曲。アコーディオンのアクセントが効いている。舐めるようなボーカルは心揺さぶるが、さびでの多重録音などで気が抜けたような印象があるのが惜しすぎる。イントロ出出しが一瞬「恋の片道切符」かと思わせる。B面は作曲の鶴岡の速射砲のようなギターが炸裂する熱情的なラテン歌謡。さびでの感情の爆発のさせ方が見事な佳作。
ブルートレイン

花から花へと

EP トリオ 3B178  A面は演歌に大きく傾き、彼らの「函館ブルース」など既に聴いていた曲などと同じくややダイナミックさに欠けるきらいのある、全盛期を過ぎたムードコーラスの楽曲群にありがちな曲。ヨドコウのCMソングを思わせる。しかし、B面は正統派のムードコーラスの傑作。何故かこのバンドの曲はどう聴いてもボーカルのキーがあっていない曲が多かったが、この曲はそんなこともなく、もしこのバンドの中で最初にこの曲を聴いていたら彼らのファンになっていたことだろう。曲調はムードコーラス以外の何者でもないが、詞の世界では戦前歌謡やGSの影もちらちらちらつくなど、情緒に優る、泣ける大健闘曲。
仲宗根美樹

夜の熱帯魚

EP キング BS879  ひとりGSっぽいジャケットとは裏腹に、夜の印象の強い中道歌謡曲。ただし、イントロにはエレキが大フィーチャーされているが。歌い出しが三条町子の「かりそめの恋」に似ている。B面は湿っぽさとタンゴ臭こそ気になるものの軽くGSが入っており、ビートガールに加えてあげても別に違和感はない哀愁のマイナービート歌謡。こちらは詞の内容や曲の長さもひとりGSに相応しい。よし。

15.2.10 CDR二枚を頂く。はじらいエコーズ、くだらももずみ、ザ・クエッションマークとか。

15.2.4 即興の「テルミー」の方が出来がいいのはどういうわけだ。

風間杜夫

ディスターブ・ユー

LP コロムビア AF7265  「100℃でハートビート」目当て。A面は自分にとってはどうでもいい、ジャズがかったAOR系ニューミュージック作品。本職の歌手ではないのでしょうがないが、おぼつかない歌唱がいかんともしがたい。ところが、B面には激しいロックチューンも含まれており、これらの曲ではおぼつかない歌唱も強弁すれば荒削りな歌唱と言えなくもないレベルにまで引き上げられており、何とか聞ける。「ミステリアス・レディ」ではここまで閉塞したスキャットというのはそうそう聞けないというスキャットがB級感を煽る。お目当ての「100℃でハートビート」はシンセサイザーを全面に出した良く出来たテクノ歌謡で、蛙を潰したようなシャウトは少し面白かったが、言われているほど奇妙な曲ではなかった。なお、「100℃でハートビート」以外のB面曲のキーボードで元アダムスの武部聡志が参加している。

15.2.2 結局八時間ぐらい自転車こいでた。

V.A.

NHKみんなのうたベスト40

2CD コロムビア COCC15176→7  みんなのうたの曲から超定番曲と最近の曲をチョイス。「小さな木の実」は泣ける。いや、別に椎名林檎はどうでもいいのだが。ちなみにここでは別歌手によるリメイク版が収められている。天地聡子は死ぬほど歌がうまいなぁ、ということと「スーパースターを夢みて」のモーニング娘。を想わせるホッピー神山の編曲(詩曲は実川俊晴)に媚びも妥協もなくてほぼ唯一耳目が楽しめたこと以外特に感想なし。正直これなら↓のおはスタの奴の方が情操教育に良いと思う。例えば「出逢えるっていいな」は曲としての完成度はこのCDでも随一だがみんなのうたなのに思いっきり色恋沙汰を歌っていることとかはどうしても受け入れられない。街角で流れている分には気にもならないのだろうけれども・・・。ミッチ版「さとうきび畑」が収穫といえば収穫。
小林万里子

ファースト・アルバム

CD ケンロードミュージック AOCD1011  伝説の「れ・い・ぷフィーリング」収録。とにかく上手い。圧倒的な歌唱技術である。やはりジャズがバックボーンにある人間は強い。泥臭さこそないが、そのどんな曲調でもかかって来やがれの姿勢の果敢さには感動すら覚える。やはり人間を突き動かすものは恨に他ならないと思う。関東の田舎もの風情では出来ない関西ならではの下世話さに満ちあふれているが、根底にはその恨を昇華させた激しいフェミニズムの炎が燃えさかる。もっともそれがストレートに迫ってくるかといえば必ずしもそうとは言えない上、テーマがテーマだけにあまり商品にならなそうなのが足枷。問題の「れ・い・ぷフィーリング」は・・・うーん。
ダンス★マン

ミラーボーリズム

CD ベルファーレ AVCD11651  ダンス馬鹿一代エイベックスの黄金時代の色物路線の結局最後を飾ってしまったダンスマンのファーストアルバム。ディスコ黄金時代の名曲を空耳を元にしてコミック味のある日本語詩でカバーしたものがほとんど。ディスコに辛い人にはどうか知らないが、自分にはかなりの高いレベルで現代的感覚取り入れつつ原曲を再現しているように思われた。流石ダンス馬鹿一代レーベル、よくわかっている。ギターのディスコもの独特のちらし方やグルーヴィーなリズム隊、シンセサイザーの音色には驚嘆。どれもかなり良い出来だが、本歌からして泣ける「夢中の半年」(宇宙のファンタジー)が特にグッド。モーニング娘の曲をはじめこの人の編曲は煽りというものがよくわかっていて好き。
V.A.

マカレナ大行進

CD BMG BVCP2649  一時期パラパラの後継ダンスリズムとして注目されたこともあったのだが、要するに伝統的ラテンリズムを打ち込みでビート強調したものに過ぎないわけですね。ロス・デル・リオのオリジナルバージョンが入っていないので何とも言えないが、やはりあれは「マカレナ」という曲のブームに過ぎなかったということがよくわかる。
V.A.

おはスタベスト vol.2

CD ビクター MVCH30011  山崎邦正とベッキー目当て。小品だらけで、やや流れたような曲が多いが、思ったよりも入り組んだ歌が多く興味深く聴けた。特にわるじぇんぬの歌う歌はピチカートファイブ風を吹かせたりして力の入れ具合を感じた。rub−down「サムディ・レッツ・ゴー・トゥギャザー」が大黒摩季直系のいかにも最近のアニメ主題歌な歌で、歌謡情緒にも富んでおり、なかなか聞かないジャンルなので新鮮に聞けた。このCDで一番完成度が高いかも。もっともこれと元ねたがわかりやすい「ヤマザキ一番」以外のアニメ主題歌ものは歌謡情緒に欠け、従ってあまりつっこみが深くなく、曲に心を落としこめなんだ。粒はそろっているけど、もう一つ押しがないというところか。怪人ゾナーはヴィジュアル曲っぽくてこれはこれでかっこええ。くどいけど。いま。
V.A.

ザ・モッズ・シーン

CD ポリドールPOCD1298  英国モッド名曲集。ヒップスターマイン、ポエッツ、ズートマニー、スモール・フェイセスほかを収録。流行った奴。モッドとガレージとグランジの区別が付かない。これ聞いてるとモッズは聞けるけどGSは全く聞けないという人間がいることが理解できない。ド派手なホーンセクションなどに日本のグループサウンズや歌謡曲の影を感じる。まあ、逆だけどな。特にタイムボックス「ガール・ドント・レット・ミー・ウェイト」やジミー・ウィンストン・アンド・ヒズ・リフレクションズ「イッツ・ノット・ホワット・ユー・ドゥー」は英語であることを除けばまるっきり歌謡曲そのもの。まずまず。

前の月 次の月 最新(戻る)

inserted by FC2 system