これ買いました15年4月

ムタンチス/ムタンチス

いや、まあ、そんなにマニアックじゃないと思います。


15.4.26 「黒猫のタンゴ」ってハニーナイツむけの曲だと思うがカバーしてるのかしら。

V.A.

ナポレオン・コンプレックス?

CD ヴァンパイラ 番号なし  世紀の奇曲「狂ったナポレオン、ヒヒ、ハハ・・・」のアンサーソング、カバー、その他関連曲集。ラップの走りみたいな曲だが、こう一同に会してみると、本当に馬鹿ばっかりだ。スペイン語でカバーしてみたり(すげぇ似合わなくて笑える)アンサーソングでジ・エンペラーとかいう人が「正常です」なんて歌を歌っていたりする。フゴ・デ・グルート(と読むのだろうか)によるドイツ語バージョンはヒトラーを思わせて余計に面白いが、こりゃ狙ったんだろう。当時日本語カバーバージョンも作っていてくれたらと思うと真に悔しい。インヒューマン・オーケストラのディスコ・バージョンも、素っ気無い行進曲風のアレンジが続く中いきなりホーンセクションとかまともな編曲がしてあるトラックが出てきて驚くが、これが無駄にソウルフルで笑える。オリジナルのB面曲「・・・ハハ、ヒヒ、ンオレポナたっ狂」がクレジットされてなかったので買うかどうか迷ったが、なんのことはない、シークレットトラックで入ってた。・・・やっぱり馬鹿だわ、この歌。
モーニング娘。

アズ・フォー・ワン・デイ

CD ゼティマ EPCE5208  いかにもな歌いまわしの出てくる典型的つんく作品だが、基本的には初期エイベックス風哀愁のラテン系ユーロビート歌謡で、その儚い雰囲気に思わず涙が出てくる。80年代の残り香がぷんぷん。詩には臭すぎて惜しい言葉もあるが、のっけと終わりの石川梨華の囁く様なソロが胸を締め付け、細かいところは気にもならず、泣ける事に支障なし。モーニング娘。本体の曲でいいと思ったのは4年ぶりぐらいだが、終わりかけの人の最後の一撃みたいな曲調なので心配といえば心配。カップリングは卒業記念ということで保田圭のソロ。ロックバージョンとなっているが松田聖子を思わせるバラード。中ジャケはなぜかチロル。
三浦みちゆきとザ・プラネッツ

女の未練

EP キング BS532  A面は「ムードコーラス・スペシャル」収録済み。B面はボサノバリズムを使っているもののロシア民謡と紛う寒々としたコーラスの沈鬱な楽曲で、聞いていると塞ぎ込みたくなるのがいいが、全体的には今ひとつといったところ。
三浦みちゆきとザ・プラネッツ

好きなひと

EP キング BS814  世志凡太作詞。スチールギターを中心にしたファルセットを駆使したマヒナスターズ風の楽曲。気高いが灰汁足らずといったところ。根来ジョージ「平和の誓い」に似てる。B面もマヒナ路線だが無理しているのが滲んでいる。キングお得意の「女心の歌」とか「東京流れ者」とかの流行歌路線。
藤武士とシックス・ロマン

マルゲリータ

EP フィリップス FS11  サックスの咽び泣く沈鬱なロス・プリモス風のラテン系の楽曲だが、さびだけはビートものっぽい。時代の割りにホスト系ムードコーラスの芽が感じられる先進性もあり、コーラスも効果的に使われていて満足。B面はやや演歌っぽ過ぎるのが難だが、ファルセットなどがいかにもビクターのグループらしくマヒナやマハロエコーズの伝統を感じる。サイケな絵入りジャケット。昭和43年。
バーブ佐竹

星が云ったよ

EP キング BS637  有名レコード。両面とも御本人自ら作曲のハワイアン歌謡。シックな雰囲気があるが普通。B面は伝説的な「青いゴムゾーリ」だが聞いた限りでは別に如何という事もない、普通のよくできた歌謡曲でちょっとがっかり。

15.4.21

山下毅雄

黒猫/黒い足音

CD ウルトラヴァイヴ  CDSOL1071  昭和30年代のモダンが凝縮されたコンセプト・ムード集。オリジナルでは二枚のアルバムだったものを一枚にしたもの。主に音楽と効果音を駆使して、「黒猫」「自動エレベーター」「精神病院の一夜」などおどろおどろしいテーマを描き切る。その小編成ジャズバンドの演奏を基本とした瑞々しい表現感覚の鋭さと懐の深さは、眩暈を覚えるほど鮮烈。時代的な制約を考慮するとこの手の作品ではそうこれ以上のものは出来得ないだろう。ここでもビクターのポリティカルコードが作品に暗い影を落としているのが惜しい。作品の粒が揃っており、あまり質の上下はない。一番気に入ったのは交通事故の恐怖を描いた「真夜中のハイウェイ」で粋に奏でられる「可愛い花」が一瞬にして叩き壊され、まるでイタリア映画のカーチェイスシーンのBGMような不安を煽る演奏が始まり、また谷底に突き落とされる戦慄の展開に身震い。グッド。何だかんだ言って土竜団監修のCDって全部買ってるな。

15.4.19 CDR2枚を頂く。

15.4.17 ノーベル賞の田中氏が垢抜けてた。

平井英子/高井ルビー/二村定一

茶目子の一日

CDS ビクター VIDG10027  こんなもんが出ていたとは・・・。何気に新品。凄い歌とは聞いていたがここまで凄い歌だとは思わなかった。平井英子の豆タンクっぷりは相変わらず、聞き手を突き放す高井ルビーの台詞、歌よりも台詞回しや弁士のモノマネに浅草オペラ出身の意地を感じさせる歌謡曲の神様二村定一の大熱演とパフォーマーの素晴らしさはもちろんだが、それ以上に凄いのが曲展開。歌謡曲というものがまだ固まっていなかった時代だからこそできたジェットコースターの如く次々と表情が変わるオペレッタ風のチャレンジブルな壊れっぷりが凄い。まるでプログレ。あまりに歌劇に近づき過ぎてラップ風の歌いまわしなども出てくるが、全体が凄すぎるためまるで気にならないのも凄すぎる。ちなみにオリジナル発売は昭和四年。ってここ七十年歌謡曲はまるで進化してないどころか退化してたんかなという気にさせられる。カップリングの二曲でもその卓越した歌唱センスをバリバリと感じられる。なお、これらのピアノは中山晋平御大自らが弾いている。お勧め。つくづく歌の一部がカットされているのが残念。(モップス「ブラインドバード」と同じ理由。)
坂井真紀

恋のザッツワチャドゥ

CDS 東芝 TODT3271  音使いはこういう所謂メジャーものの作品としては異例なほどよく60年代ものの再現に成功している。イギリスの二線級リバプールサウンドバンドを思わせる。問題は歌唱で、おっかなびっくり上っ面をなぞっているような感じで何とも興ざめ。もっとのり良く歌える人だったらもっともっと売れただろう。そんなに変な歌ではないだけに惜しい。カップリングは薬師丸ひろ子「少しだけやさしく」の路線で、リアルタイムでは丁度谷間になっていた曲調。ちょぼちょぼだがこっちのほうが本人の歌唱には合っている。「おーい中村君」も欲しいな。

15.4.16 駄目だ。病気だ。買いすぎ。反動。

V.A.

ステージ101ヤング青春の日々ゴールデン・ベスト

2CD ソニー MHCL240〜1  また出たステージ101関連作品集。シングアウト、ヤング101、串田アキラ、井口典子ほか。新録を含む全曲初CD化音源との紹介されていたが、以前CD化された音源もあります。出来不出来が結構大きいが、コーラスものにおいて特に顕著ながら、とりあえずそのソフトロック的アプローチの見事さは何度聞いても感心させられる。小林啓子「恋人中心世界」の計算され尽くした楽曲の出来のよさを再認識した。初めて聞いた曲では「故郷を去ってゆく時」「ジャングルジム」「恋人よ飛んでおいでよ」でそれぞれ壁のようなコーラスワークや激しいギターソロ、奇想天外なギミックがあって心を奪われた。なぜかサイモンとガーファンクルに固執したカバー編はこれというほどの傑出したものはないがまあまあ粒が揃っている。これにも「マミーブルー」あります。
東京キューバン・ボーイズ

自動車野郎

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1069  珠玉の職人ラテン楽団プラス水谷公生ほか。悪いわけがない。しかも編曲は前田憲男。自動車の爆音から現れるサンタナ、シカゴ、ムーディーブルースなど当時の洋楽ロックヒット曲インスト集。これを聞くとロックが若者の音楽などというのは偏見でしかないことがよくわかる。当時にしたって二周りほど下の海外の若者たちの音楽に対して真摯に、そしていい意味で反骨心を剥き出しにしてぶつかり、しかも力を見せ付ける姿は感動とかそんなんじゃなくて、素直にかっこいい。明治男が率いるバンドがこの熱気をたたき出すのだから、すごい。まさに職人バンド。水谷公生の硬質のエレキギターもよく立っていて両者の職人気質が確認できる。「マミーブルー」も入ってますよ。
三保敬太郎と彼のグループ

サウンド・ポエジー“サチオ”

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1068  昭和大衆音楽の超人の一人・三保敬太郎による福沢幸雄追悼アルバム。福沢幸雄という人はレーサーだったんだが、なかなか欧州に行ったりする事のなかった60年代当時、リアルタイムでスパイダースほか芸能人、文化人にファッション、音楽その他の流行を伝える役割を担っていた人だが事故により早世してしまった人である。しかも、その感覚は相当に研ぎ澄まされたものであって、彼の影響の大きさというものは計り知れないものがある。まあ、しかしブックレットの写真見るといい男やね。確か福沢諭吉の孫かなんかだったはず。ちなみに加山雄三は岩倉具視の曾孫だったな。ということで、このアルバムもその彼の趣味のよさに沿ったものになっており、カバー、オリジナルを問わず、どれも洒脱な出来となっている。灰汁は無いが流麗で、演奏、スキャットなどの使い方もお洒落。また、趣味の良さは至極である生前の彼の会話をコラージュした「パリの想い出」の久しぶりのCD化も注目点。
浜口庫之助

トーキョー・モダン・レコーディング・コレクション ゲット・スマート・シンガー

CD キング KICS866  この人も昭和大衆音楽の超人の一人だな。自ら紅白に歌手として出るは「有難や節」「愛して愛して愛しちゃったのよ」「社長さんはいい気持ち」「夕陽が泣いている」「愛のさざなみ」「奪われたいの」「人生いろいろ」と、まるで毛色の違う、しかも良質の曲を生み出すわ、挙句にむちゃくちゃ年下の美人の奥さんを貰うはの正体不明のだらけ親父。これはこれも昭和大衆音楽の超人の一人・伊集加代子と組んだアルバム「僕だって歌いたい」収録曲を中心に同じコンビのサントラ音源、彼が作ったクラウディアの2曲を含む全15曲でとにかくお洒落。「サティスファクション」のような意外な曲も収録されているが、外れなし。「マシュケナダ」も突っ込めるけど、それを些細な問題にしてしまうほどその出来は良い。名曲「ドライヴィング・ラヴ」は販促のナレーションが入ったもの。なお、再CD化されたもの。グッド。
澤田駿吾

トーキョー・モダン・レコーディング・コレクション ゴー・ゴー・スキャット・ボッサ

CD キング KICS867  ルビーズの「恋のピストル」でギターを弾いていることが判明した澤田駿吾だが、彼の曲の出来やベンチャーズ嫌いということからも判るとおり、ロックは慣れない余技の余技。しかし本職のジャズ仕事(まあ、これも余技っちゃあ余技なのだが)ではさすが渋いプレイを効かせる。こういうフィーリングで聞くと「真っ赤な太陽」が本来ジャズの発想の曲だというのがよくわかる。あまり波長は合わなかったが、「バットマン」ではほんのちょっとだがエレキバンドっぽいプレイもしてくれて満足。こっちの「ドライヴィング・ラヴ」は発売されたバージョン。なお、再CD化されたもの。まあまあ。
ジミー時田

ウエスタン・ムード・ヒッツ

CD キング NKCD1149  ギター寺内タケシ、ベースいかりや長介、マンドリンジャイアント吉田の最強布陣時代のマウンテンプレイボーイズのアルバムの復刻盤。ウエスタンスタイルによる西部劇主題歌集。ウエスタンでもきらりと光るテリーのギタープレイにはただただ唖然とするばかりだが、さすが凄腕揃いのバンドで、ボーカルを含めそれが傑出しているように聞こえないのが凄い。原曲に忠実なスタイルに乗って、英語で歌われる。既に聞いたことのある曲も多かったが、バロネッツの「恋人たちの森」が「遥かなるアラモ」の下敷きの上にあるとわかったのが発見。音質がいいのも嬉しい。
園まり

まりちゃんのヒットアルバム

CD Pヴァイン PCD1557  ナベプロ三人娘。レア曲集。声質としては西田佐知子の系統だが、つめの甘さが目立つ歌唱が何とも惜しい。はっきり言ってパワーが必要とされる曲については「マッシュポテトタイム」「グッバイジョー」を除いてどうよと思わせる楽曲が多い。ただし、「燃える太陽」など囁き路線の曲では儚さが哀愁に繫がっており、成功しているものもないことはない。やはりこの人は純粋な歌謡曲が一番向いていると想う。もっともこのCDに収録されている歌謡曲ものは曲自体の出来が今一つなので普通のベスト盤も聞かないといけないな。
伊東ゆかり

ラリパップ

CD Pヴァイン PCD1558  この人も。不遇のポップシンガー時代の音源。上手い。だが上手過ぎて全く若さゆえの溌剌さを感じさせないのが難点である。もっといえば弘田三枝子のようなパワーも森山加代子のような脆弱さも、中尾ミエや木の実ナナのようなこしゃまっくれ感もない。要するに歳の割りにこじんまりと完成されてしまっているのである。一番売るのに困るタイプである。だが魅力がないかというとそうでもなく、特に「ラリパップ」の一人多重コーラスの部分で顕著なのだが、湿った表現をさせたときの切れ味の鋭さが感じられる。結局、この歌声と実年齢が合った時、即ち、妙な違和感が払拭されるにいたり、それがようやくプラスに働き、三人娘の他の二人が落ち目であったにも関わらず歌謡歌手としてただ一人成功することの出来た大きな要因になったものと思われる。サンレモ入賞は伊達ではない。
渡辺マリ

マリのドドンパ

CD Pヴァイン PCD1560  ドドンパの女王も終わってみたら一発屋。声がよろしい。青山ミチの路線の先達になっており、当時の江利チエミの再来との声はあながち間違ってはいないと思われる。もっとも「東京レジャー娘」とかパッと見インパクトのある曲はないこともないが、正統派歌謡曲として決定的にこれと言える歌がなく、この辺が一発屋で終わってしまった遠因であろう。ジャズのカバーも粋があまり感じられず、真の実力の四分の一も出ていない録音で残念無念。
テレサ・テン

モア・ゴーゴー・テレサ

CD トーラス TACL2433  本体入手。内容は最高だけど解説がなぁ・・・。いくらなんでも。明らかな橋幸夫のカバーとか「シャンラン節」とかを含めて、全曲作詞曲者不詳で押し通してるし、解説も元は何と言う曲かとかそんなのもなく全曲感想の範囲。しかし、もう一度言うが、音は最高。
藤圭子

ポップス・コレクション

CD BMG BVCK37033  邦洋ひっくるめたポップス曲のカバー集(オリジナル二曲、ライヴ音源あり)。「クラリネットこわしちゃった」とか。初っ端の西田佐知子「涙のかわくまで」のカバーには何とファズギターが使われていて、オリジナル発表の五年前にタイムスリップ。ブリブリ唸るベースを中心にしたバッキングもなかなかかっこいいが、つづく「恋のハレルヤ」ともども、元はGSオリーブのグルーピーだった人なのでひとりGSものも違和感はないし、バックの編曲や演奏もグッとくるものが多いにも拘らず、あと一つが足らない歌唱が死ぬほど惜しい。このあと一つ足らないというのが常にどの曲にもついて回る。一言で言うと浅いんである。結局前述二曲にしろ「雨がやんだら」にしろ「遠くへ行きたい」にしろどの曲もオリジナルに近付いているものはない。僅かに「霧のエトランゼ」に同時期のグルーヴ歌謡との共通点が見出せるぐらいだが、これもようやく合格点という程度の出来。やっぱりこの人の本質は実力派でも革命児でも何でもなく、単なるアイドルでしかない。蓋し、彼女が担がれ、ブルコメをぶっ壊した「怨歌」思想ってのは歌謡曲を滅ぼした大元凶だった。あんな歌謡曲を何にもわかっていない人間の妄言に付き合うことなんてなかったのだ。大衆の名を使いながら大衆から歌謡曲を奪っててんと恥じず、あたかもそれが神代からの流れであるかのように思い込ませたその罪はあまりに重い。つーか俺何で藤圭子のCDこんなに買ってんだ、こういう感想になることはわかっていたのに。あ、「クラリネットこわしちゃった」は単なるゲテもの。これ聞くと明らかに娘のほうが格段に唄が巧いのがわかる。
ザ・リッター

ディストーションズ

CD arfarf AA077  60’s米国ガレージの最右翼のひとつだが、案外ポップ。日本のグループサウンドと共通するカバーの選曲センスをもっており、中でもカップスと同じモチーフの「ヘイ・ジョー」が印象的。もっとも、一番ぐっときたのは寺内タケシを思わせるインスト「ザ・マミー」だった。
V.A.

エレキ若大将2002

CD ワン・ミリオン・ドラー DOLLAR055  現代日本のガレージバンドオムニバス。5678ツ「レッツ・ゴー・ブガルー」(オリジナルと英題と綴りが違うが寺内タケシとバニーズのカバー)、ノックアウツ「逢えば好き好き」、ロイヤルフィンガーズ「東京・ア・ゴーゴー」といったカバー曲のほか東京ブラボー、ゴーグル・エース、ブルー・ホライズンとこの手の世界では有名人たちの演奏を収録。ハンク・レイがロ軍と共演したものがボーナストラック。
 私は歌謡曲というものは結局泣けなければならないと思ってるのだが、インストもののサーフビートは泣ける作品が多い気がする。ここでもその印象は変わらず。特にサーフエレキサウンドのおいしいところを全部ぶち込んだスタミナチューンの東京ブラボー「エレキでスイム」が出色!こんな曲がやりたかったな。これを含めゴーグルエースで一番出来のいい「シャープカットマンvs.ワイルド・ドライヴマン」(ちなみにフィンランドのエレキマニアに今日本のバンドのサーフ物で一番出来のいい歌って言ったことがある。)などどれもいい。それに比べて歌ものはどれもあまり見るべきものがない気がする。何で歌が入るとこんなにグルーヴが無くなるんかな?というかギターやオルガンは出色なのにドラミングに不満が残る曲が多い。ちなみに輸入盤。
大西ユカリと新世界

五曲入

CD ビクター BSCL30010  なんつーストレートなタイトルだ。どうでもいいが裏の写真が保田圭に似てる。内容。前二作ほどの衝撃はなし。はっきり言ってどのオリジナル曲も曲自体に不満が残る。どうにも散漫な印象が強く、後味が悪い。ただし、唯一例外的にCKBのカバー「タイガー&ドラゴン」はオリジナルを凌駕する出来で、このアルバムのほかの曲にはない凄みが感じられ、救いとなっている。
ソニン

東京ミッドナイトロンリネス

CDS+DVD トイズファクトリー TFCC89067  やっとそれなりの歌をもらえた、現代の女鹿村浩司。まあ、それでもこっちの方が全然メジャーだが。ずっと、今一な歌しか貰っていなかったのを不憫に思っていたので、素直に喜ぶ。(単なる判官びいき。)典型的つんく作品で後藤真紀やモーニング娘。らの作品と共通する歌いまわしが頻出するが、その使い方がうまいので耳障りにはならない。荻野目洋子を思わせる湿った古典的ユーロ歌謡で、この人の持つアップディト感のなさをよく生かした渾身の楽曲。とても21世紀に発売された曲とは思えない適度な古さが逆にイカス。B面はある意味ライバルのBoAに対抗しているように見えて、その実は大黒摩季へのアンサーソングになっているのがどうしても現在という時空に存在し得ない彼女の特異な個性をよくわかっていてグッド。
ザ・ハングリィ・ボーイズ

星降る渚

EP クラウン CW680  最初期のカレッジフォークの人たちだがこのジャケットじゃ流しの演歌師みたいだな。A面だけ。マイナー調の典型的初期カレッジ・フォーク。何度も聞いているうちにカレッジフォークの本質である「無垢」「耽美」「下手」の三つが上手く絡んでいるのが解ってきた。ということで、名曲。
ウィローズ

また逢えるその日のために

EP テイチク SN859  テイチクのカレッジフォークはまるでなかったことにされているような気がする。両面とも特になし。あまり女性ボーカルが立っていないのが謎といえば謎。
ガンバ一座

じゅげむ

EP エピック ECLB11  有名レコード。落語のジュゲムを元にしたコミックソングだが果てしなく音が貧乏。B面「ガンバ節」は冒頭でわざわざオーディオチェックさせるパートを作っておきなから、むちゃくちゃアナログ録音のトラックを使用するという大時代的なギミックが聞けるのが収穫。

15.4.6 家の裏にある江戸アケミの言葉を大書した看板のある廃屋みたいなとこが気になる。

スピードグルー&シンキ

スピードグルー&シンキ

2CD ワーナー WPC68453〜54  基本的には前作「イヴ 前夜」を踏襲したブルース色がかなり強く出た所謂ニューロックだが、ニューロックの中では比較的後期GSに近い音だと思う。それも当然でメンバーに加えキーボードにワンズの渡辺、ドラムにテンプの大口が参加しているとのこと。そんな中でその渡辺の愛称を冠したチェンバロ独奏曲「チャッピー」は異色も異色大異色なナンバーでピリッとしたスパイスとしてよく効いている。またメドレーも早過ぎた音響ものってな感じで、浮遊感たっぷり。まあ、押えで。と言いつつ「ラン・アンド・ハイド」は名曲。片山と話した途端。
ムタンチス

ムタンチス

CD ボンバ BOM22004  これも。ブラジル最高のロックバンドと謳われているらしいオス・ムタンチスのセカンド。あんまり経歴とかはよく知らないが、昔から好きなバンドである。プログレ的というかいきなりテンポが変わったり、余りに音楽的傾向がとっ散らかっていたりして得体が知れないのが良い。このアルバムでもその味は健在で音楽的傾向はバラバラ。美しいクラシカルロックがあるかと思えばビリビリなサイケ、ビートルズ風、民謡風も仲良く並んでいる。しかもそのどれもが高水準なのだから恐れ入る。「月影のナポリ」のむちゃくちゃかっこいいカバーあり。グッド。
櫻井潔とその楽団

サクライ・イ・ス・オルケストラ 1940〜43

CD ビクター VICG60175  喫茶店「フロリダ」を本拠地に戦前から戦中に大活躍し、歌手なしのビッグバンドによる演奏を興業という形にまで高めることに成功したサクライ・イ・ス・オルケストラのベスト・アルバム。アルゼンチン・タンゴとかラテンの色が強くて、自分の趣味とはちょっとずれるが、戦前のものとは思えないそのがっちりとした演奏には素直に驚嘆。
ザ・ポテトチップス

自主制作

CD ソリッド SCCD5007  バンドのほうのポテトチップス。即座にイカ天という言葉が脳裏に浮かぶような、80年代の匂いがぷんぷんとする音である。一応平成3年発売で90年代なのだが。割とポップだが、明らかにパンクの系統。高い実力は一見凡百のネオGSのような演奏という袈裟の下からはっきりと垣間見ることができるが、ボーカルのピッチの外れ具合がはっきり言って邪魔。まあ、しかし全体としては別に如何と言うこともなし。
V.A.

オリジナル・サーフィン・ヒッツ

CD キング KICP2161  米サーフィンオムニバス。ってあんまり有名なバンドがいないな。デルタズとかブレーカーズとか。殆どの曲ではサックスがリードとっており、サーフィンのメジャーチューンからはなかなかわからないサーフィンの一面である「ラテンミュージックのヤング版」という側面がよく把握できる。センチネルズ「ラティニア」「トーチュラ」とかリズム・キングス「エキゾティック」あたりがその代表格。デルタズ「ソウルビートパート2」は緩いダンス・チューンで好感。鋭さよりもまったりという言葉がよく似合う。どちらもサックスがリードをとるもののソウル・キングス「パチューコ・ソウル」サーフトーンズ「チャーチ・キー」には鋭いサーフィンビートが感じられた。

15.4.5

ザ・フォーク・クルセダーズ

フェアウェル・コンサート

CD エイベックス IOCD40031  60年代当時の真の解散記念コンサートのライヴ音源。タイガースのラストライヴと同様、泣ける。あれだけの絶頂を極めたグループの割りに、このライブでの豪いアットホームな雰囲気は彼らのホームグランドに近い上現在迄脈々と続く関西独特ののりの故か。芦田、平沼両氏が加わっての「ハレンチ」時代の編成で始まり、いかにも学生バンド的なバタバタした進行とユーモアと鋭い批評眼を備えたライヴ運びの両立は流石の一言。圧巻は初期編成での「イムジン河」で、イントロが始まったとたんに劈くような悲鳴が・・・。この曲のインパクトの大きさがわかろうというもの。エネルギッシュというかどっちかというとパンキッシュな北山修の箍の外れた暴れっぷりが凄いが、その彼が感極まってしまうところで俺も涙が噴出した。俺は涙腺が弱いんだ。CDエクストラとして「イムジン河」でテレビ出演した時の映像つき。グッド。
藤圭子

新宿の女

CD BMG BVCK3856  ファーストアルバム=最全盛期。これを聞くと彼女はやはり緑川アコという存在を手本にして売り出そうとしていたということがよくわかる。深いダークさという共通点からだけではなく、緑川でヒットした2曲(「夢は夜開く」「カスバの女」)をこのファーストアルバムでカバーしていることからもそれが窺える。またもうひとつのコンセプトである森進一、矢吹健、前川清といった搾り出す系統の演歌歌唱の女版という点もそれぞれ一曲づつカバーしており、それが明確になっている。ただし、何度も言ってて恐縮だが、どうしても突っ込みの浅さが気になり、彼ら四人の域にはまるで達していない。
スナガ・t・エクスペリエンス

ダブル・スタンダード

CD レディメイド RMCA1010  衝動買い。沖縄民謡を取り入れた作品とかもあるが基本的にはモンド/ジャズ系統の典型的クラブ音楽。灰汁はないがお洒落な聞き流し用BGM音楽。歌謡曲濃度は皆無ではないが限りなく低め。付属のブックレット見るとなんかDJ界って殺伐としてるのねぇ。まずまずグッド。
三島敏夫

夜のムードを歌う 俺はお前に弱いんだ

LP コロムビア ALS4264  カバー曲が大部を占めるいかにも昔のアルバムってな構成。ソロ名義で完全に「そのグループ」のクレジットのある曲は少ないが、スチールギターが鳴り響いたり、パーカッションやピアノなどラテンバンド的なグルーヴが渦巻いたり、クールなコーラスが絡んだりしてムードコーラス濃度は高い。軽妙洒脱に囁き掛ける独特の歌唱は、フランク永井や水原弘といった他のどちらかというと突っ込みが深い都会派歌謡の担い手たちとは違う魅力がある。自作自演曲があるのは珍しいがその「ロンリーブルーナイト」の出来が素晴らしく、まさに泣ける楽曲。園まりのカバーが二曲続いているのはなぜ。
殿さまキングス

パロッタ・クラシック

LP ビクター SJX30201  幻の名盤。クラシックの名盤に日本語の歌詞を乗っけてムード歌謡化させたトータルコンセプトアルバム。演奏はオーケストラにリズム隊を加えた編成になっており、心意気は早すぎたボンドか?(←いや、そりゃいくらなんでも。)ともかく宮路オサムの声がなければ1950年代のヨーロッパ映画のサントラかと思わせる美しさがある。ところがここにあのボーカルが乗って来るのだから大変なことになる。「たそがれ海峡」(白鳥の湖)を除けば肩の凝らない軽めの作品が多いが、総じて出来はよく、特に「原宿行進曲」(美中の美)ではその軽さが特に成功を収めている。7分の大作「運命組曲」はイーグルスの「あー神さま」に通じる深遠なコミックソング。尤も「お前はピューマ」(軽騎兵行進曲)は幾らなんでも浮いてる。なお既CD化二曲。まずまず。
今井久とパープル・シャドウズ

ジョージタウン・ララバイ

EP ディスコメイト DSF218  「10番街の殺人」のイントロで始まる吉祥寺のご当地ソング。典型的アダルトポップス。アップディトな曲でGSとしてはまったく聴けないものの、円やかなギターサウンドが随所に聞けて満足。特に終奏のムスタングス「さらばシベリア鉄道」を思わせるギターの引き倒しにはちょっと感動。つくづく本編の保守っぷりが残念。詞が歪んでいる。B面はシャープファイブのボーカル曲のうちの捨て曲みたいな穏やかなバラード。うーん。
レモンパイ

サマーエンジェル

EP コロムビア PK55  GSの尻尾。両面とも典型的男性グループアイドル歌謡で、若さが眩しく、また、軽妙過ぎるほど軽妙。押しは弱いがサウンドとしては心地よく、親しみやすい。広告をみると二枚のアルバムを同時に発売したようだが、そこまで人気のあった人たちだったんだろうか。まずまずといったところ。
ルイス・欽也と他人の関係

嗚呼!教習所

EP ポリスター 7P31  富田勲の息子・勝の作品。映画「免許がない」みたいなコントの入ったしょうもない内容だが、安い打ち込みっぽいラテンっぽいアレンジのあと四畳半フォークっぽいに雪崩れ込んでまた帰ってくる所だけに工夫あり。B面も頭髪関連のしょうもないコント入りのコミックソングだが、こちらの演奏はファンキーでディスコブーム時代のハルヲフォン、クリエイションといったあたりのサウンドに近く、淡々としつつも中々かっこいい。ところで誰でも知ってる桃太郎侍の口上を頭髪関連にした替え歌があるが、それがこういう形で思いっきりレコード化されていたとは・・・。ごめん、この文わかりにくい。
ザ・ハンダース

ハンダースの怨念の館

EP ソニー 06SH571  ピンクレディーの影を踏んだグッド・グルーヴチューン。一発駄洒落だけで広げた大風呂敷の歌詞。ちなみにあのねのね作詞、つのだひろ作曲、萩田光雄編曲。何だこのメンバーは。B面はいかにもこの頃作ったと言う感じの音に拘りがないのが惜しいサーフナンバー、ただし上に「陸」付き。ハワイアンに色目を使ってたりしてなかなか目の付け所は面白いのだが・・・。
大川興業

童貞あずけます

EP 東芝 WTP1787  有名レコード。A面だけ。バブル直前の煌びやかさのある時代をよく反映した小唄歌謡。応援団さながらの大川興行の歌唱は凄みがあるがバックの軽さはカバーしようもない。特になし。B面には売り出し時代の田中美奈子が参加。こちらには無闇にパワーがある。「笑ケース」で聞ける。
テックル&シュガー・キッズ

0909アヒル

EP ビクター KV3030  ガキンチョが歌う普通の新童謡。外国曲らしいが何かのキャラクターの販促用の楽曲らしい。別に何もなし。B面は詩とかまで含めて当時のアイドル歌謡っぽい曲だが、ピッチの外れた子供の歌い方がどうしようもなくしている。振付・中里綴っていうところが唯一のこのレコードの特筆事項。
ジョイ

ザ・出来事

EP キング K07S123  超有名レコード。顔を黒塗りしたおんなシャネルズ。シュープリムスのカバー。無闇な迫力がある。というか除州あたりのクリークに足を突っ込んで歌ってるみたいな足が地に付いた泥臭さにあふれている。B面は上田力編曲でこちらも同様の泥臭さがあり、黒人のフィーリングというより大阪の下町な、要するに大西ユカリのような下世話さに溢れている。まずまず。

15.4.4 頂きもの。

チコとビーグルス

マイ・リコレクション

CD サミー 番号なし  なんと、ビーグルスのシングル4枚分を網羅した自主製作盤。ちゃんとジャスラックを通している。貴重なバファローズ時代の写真やデビューまでの経緯なども掲載されている。曲の内容に関してはビーグルズのページ参照。元メンバー富岡様に感謝。

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