これ買いました15年6月

ザ・カッペーズ/夜霧のガイコツ今晩は

ある意味ヴィジュアル系


15.6.30 丸ビルに初めて入ったが小綺麗なだけで雑多なパワーを感じず。

ディック・ミネ

メモリアル大全集

2CD テイチク TECE38403〜4  始めにこれ出してくれたら無駄な買い物しなくて済んだのに・・・。買うと言ったもんは意地でも買います。テイチクといえば原盤紛失の代名詞みたいな所でもあるのでディックミネのオリジナル音源なんぞ全く残っていないのかと思っていたが、実はあったらしい。
 何度でも言うが、ディックミネほど戦前から活躍した歌手の中で洋楽的なセンスのある歌手はいない。ジャズが高級品だった時代に天下って庶民とジャズの架け橋になって下さったのだ。あの今普通に歌番組で歌ったとしてもそれ程変ではないノリのある「ダイナ」の小粋なスイングに体を揺する体育館一面の80、90からの御老人というあの弥が上にも素晴らしく上気させる光景にディックミネという大歌手の威光を見せつけられたあの日以来、神様二村定一先生と並ぶ存在に少なくとも自分の中ではなった。中学時代その唯一現行のベストカセットを買ったもののその収録曲は再録音ばかり。(あ、でも「ダイナ」は珍しく再録の方が出来が良かったけど。)しかも二、三曲だけ原盤使用してるのがむかつくというかより焦燥感を募らせた。で、この間買ったCDも聞いてみたらほぼその再録の音源。でテイチクの原盤の状況も含めて考えるに原盤はもう存在しないし、板起こしも採算の都合上出来ないんじゃないかと思ってたんである。内容は代表曲をややカバー偏重気味に収録しており良し。で、思ったんだが、古賀政男は確かにディックミネの歌手生命を長くしたと思う。古賀メロ以下の歌謡曲が無ければ如何に生粋の日本人だったので戦中に国外追放みたいな目にあわなかったとは言え、川畑文子や二村先生たちみたいにその栄光ある歌手生命は極めて短く追ってしまったであろうが、じゃあこれが合っていたのかというとやはり保留せざるを得ない。とは言えそういった曲でも破綻しているわけではなく、それどころか、明らかにディックミネという才能にこそその曲の壷が存在している曲もある。解説でも触れられている通り、戦前と戦後で意図的に歌い方を変えているのが職人気質を強く感じる。しかし本当に芸名がチ○コから採られていたとは・・・。
チャカと昆虫採集

うたの引力実験室

CD ソニー SRCL1950  サイズの人。ポップ/ロックが昭和歌謡復古を目指した最古の例と言えるかも知れないが、単なるアコースティック・ライヴ盤で、本人が書いたライナーの内容ほどには、演奏、歌唱に歌謡曲その他に対する愛情を感じなかった。チチ松村らゲストやバックの面子などからしても当時としては精一杯の冒険だったのかも知れないが、今の耳にはサウンド面においての拘りの無さが古色蒼然とした印象を与えるだけで、面白みは全くなし。「ライヴのネタとして取り上げてみましたが、なかなかいいところ突いてるでしょ」という自慢げな顔が脳裏に浮かんでしょうがない。気のせいか客席が全く盛り上がってないというか、まな板と客席との間に壁があるような気がするが、こんな芸術鑑賞会みたいな空滑りした流行歌ショーには行きとうないな。僅かに「明日があるさ」と「大きな古時計」がカバーされているのには先見の明を感じる。こんだけ否定的な見解には俺が松田聖子大嫌いとかそういうのも影響してるとは思うが。ぺケ。
ザ・シロップ

愛のシビレ〜ザ・シロップアルバム第2集

CD ジアザー TOTR005  買うと言ったもんは意地でも買います。復古サウンドを標榜した現役バンドではセンスナンバーワンというか、鑑であり至宝。ここまで凝れるのは↑と比べるのもどうかとは思うが、隔世の感というか、土下座するしかないです。当時出た楽曲に混ぜたとしてもそうそう簡単には抽出できまい。サウンドも凄いが「当時の」グルーヴの出し方の素晴しさは唯一無二。キーボードの動き方も解ってるとしか言いようがない。で、このバンドが凄いのは、そこで終わらず、もう一歩突っ込んで(バラードものは研究の余地がまだありだが)自作曲がそれっぽく、しかも踊れる曲に仕上げているということ。本当にこういうバンドが出来るのは羨ましい。つくづくボーカルの深みの無さが惜しい(ボーカルだけ昭和が終わりそうな感じなので)。こんなもん、お勧めするに決まってる。というか、少しでも所謂「昭和」グルーヴを本気で解する奴なら、絶対否定できない出来ない。もう、凄すぎて反則に近い。

15.6.21 サーバの限界か上手く更新できない・・・。

ザ・タイガース

CD−BOX

5CD ビクターファミリークラブ VCS1046〜50  通販商品。一応一通りのタイガースの作品が収録されている。もっとも「ミレニアム・ボックス」や「レア&モア・コレクション」シリーズを持っていると被りまくりだが。自分はもろにそうで6枚目に収録されているライヴの4曲だけのために買った。結論から言うと値段のことはおいておくと、この4曲については大満足。中でも、轟健二に優るとも劣らない沢田研二の絶叫が聞ける「アイム・ダウン」が出色。バッキングはもう少しな所もあるものの、はっきり言ってこんなにガレージ的な感覚があるとはと見直しました。また、「雨のレクイエム」はメンバーのソロパートこそ不安定なものの、コーラスパートでは当時から定評のあった音域の広さがライヴでもしっかりと発揮されていたことを見せつけられ、最全盛期のタイガースの、とりわけ加橋かつみの眩しいばかりの輝きが胸を締め付ける。写真とかも少し載ってる。丁装は簡素。
佐井好子

「萬花鏡」+「密航」

2CD ソリッド CDSOL0018〜19  カレッジフォーク以後のソロの女性フォーク歌手でしっくりと来たのはこの人ぐらいしかいないなあ。思うのは聴く音楽というものの中には必然として用意されてしまっている音楽があるということなのだが、この人の「二十歳になれば」もそのひとつだったんじゃないかと言うこと。初めて聞いたときは強烈な衝撃を受けた。これはその彼女のファースト「萬華鏡」(全編曲・大野雄二)とセカンド「密航」(全編曲・クニ河内)の2枚組。自分はそれ程詩というものを重要視せず、あくまでも付加価値(但し詩のせいで全部がぶち壊しという曲もあることはあるが。)という考え方が強く、藤本卓也、ジャックス、60年代の橋本淳とたまに阿久悠ぐらいしか詩世界を積極的に愉しむという感じの人はいないのだが(高田渡もそうだが、これはまた別)、このファーストは彼らに匹敵する素晴らしい詩世界が繰り広げられている。横溝正史やつげ義春に影響を受けているとのことだが、この退廃的で、しかも脳味噌に寒風をビュウビュウ吹付けやがて全てを埋没させてしまう猛吹雪ような、空間を持った曲群は、聞く者がいい加減に聞き始めても最後にはきっちりと正対して聞いてしまわせるだけの世界を提供している。曲の方もこの強烈な毒を喰らって、それを邪魔せずストレートに吐き出しており、編曲もこれを受け無茶な武骨さや折れもなく、彼女の世界をさらに色つきにしており奥ゆかしいながらも完璧なサポートぶりを見せつける。70年代女性ソロフォークという、どこからどう切っても自分が嫌いで、琴線に触れる訳がないジャンルなのに、この引き込み様というのは尋常でなく世界が素晴らしいということ以外自分に対して説明が付かない。なお、セカンドは「天使のように」がポップとして何とか聞けるものの、あとはどうでもいい単なる暗めのニューミュージックもので何がいいのかさっぱり解らない。もっとも、自分にとってはこっちの方がこの手のものに対する普通の感想なのでこの手のが好きな人にはいいのかも知れない。本人の詩からしてダメで、この時代のニューミュージックのこうあるべきという規範のクソっぷりに毒され、自分の世界の独自の真の高貴さを自ら離脱させそこらの「高級」志向になってしまっているのは、余りにも前作が素晴らしいだけに惜しいったらありゃしない。ディスク1だけならお勧めする。
V.A

勝ち抜きエレキ合戦〜エレキギターの達人

CD ビクター VICL61154  やっとビクターがやってくれた。エレキブーム当時の和製エレキバンドとその周辺の名演を集めたもの。特に渇望していたバニーズ/ブルージーンズとシャープ・ファイブは置いておくと日本最高のエレキバンドだと思っているザ・スペイスメンの大量CD化が実現して感謝感激。これを聞いてわかるのは田代久勝のエレキの感覚の鋭さ。この隙があるようでいて実は全くない、独特にして孤高のギターワークの素晴しさはもっと知られるべきだ。というか本当にザ・スペイスメン単独のベスト盤出して欲しい。他に前出のキングのブルージーンズ、バニーズ、シャープファイブ、東芝のランチャーズらの大御所に混じってロータス、旧ジャイアンツといった珍し組の収録もグッド。解説も流石佐々木雄三氏で詳しく、目から鱗の落ちるようなエピソードもぽろりと書いてあるなど充実の内容でかなり勉強になった。ライナーのモト冬樹氏も思い入れたっぷり。えらいゾ、ビクター。ジャケットはちょっと賛同しかねるが。
寺内タケシとブルージーンズ

ジャパニーズ・グラフィティ

LP キング SKD449  ブルージーンズによるメジャーGS楽曲カバー集。相変わらずコスプレジャケットだがひとり余分なのが混じってるぞ。こういう音になっているだろうな、という予想通りの音で意外な点は無かったが70年の声を聞くや絶えて久しき烈火の如きアドリブプレイが聞けて満足。「太陽の花」の再演はネオGS以前のGSカバーとしては精一杯に鋭く、なかなか聞けて満足。逆に「太陽野郎」は肝心の重厚さを失っているのが全く裏目。「ロールオーバーGS」と名付けられた「サティスファクション」「ナナナ」(「ラララ」)「ノーノーノー」「ダンス天国」はノリ、選曲ともリアルタイムでステージの上にいた人でないと出ない味があり、満足。
ザ・キャラクターズ

パッパヤー平尾昌晃を歌う

LP キング SKD(L)112  「港町シャンソン」の再録音を除き全曲平尾作品で固めたおそらくキングでのファースト。一部の人がこのバンドをムードコーラスではなくソフトロックとして捉えているらしいが、確かに、サウンドそれ自体はこれを聴くとそういう捉え方をしても可笑しくないかも。但しボーカル、特に男のメインボーカルはロス・プリモスを彷彿とさせる歌い方なので自分にとっては紛れもなくムードコーラスだわな。A面のオリジナルはどれも清潔さが先に立つ歌唱に好感が持てるが、特にこれという楽曲はない。しかしB面のカバー集は凄い。上田力編曲の三曲、五木ひろし「よこはま・たそがれ」と平尾自身の「おもいで」「星は何でも知っている」はきっちりとグルーヴ歌謡になっている。こう聴いていると和ものDJのいう「インストもののアルバムには1、2曲いい歌が入っている」というのは別にインストものだからとかじゃなくムードコーラスや歌謡曲のアルバムにも殆ど当てはまるような気がする。むしろGS、ニューロックの方が外れが多い気もする。他の小谷充編曲による「愛するってこわい」などB面の4曲も出来がよい。
原トシハルとB&Bス

ヴェルヴェット・ヴォイス

LP コロムビア YS10051J  B&B7の後身。森田公一がとにかく若い。森田の曲の他、三木たかし、小林亜星、小田啓義らの作品を収録しているが編曲は7割方森田の仕事。ビクター時代の快活さに比べるとあまりに穏やかで、肩すかしだったが、来ましたA面の最後!小林亜星作曲の「こころの恋人」!グッドビートチューン。(クーガーズとは別曲。)また、B面も穏やかな夜のムードを紡ぎ出す曲が多いが、中では「初めて君を見たとき」は何とのちにブルーベルシンガーズがシングルカットした曲の原曲で驚いた。全体的にはハイカラなGSから転んだような軽いビートサウンドで、寧ろベタとも言えるクールファイブ調の「恋にふるえて」の方が浮いている感じ。ムードコーラスバンドとしては極めて統一性のあるサウンドが心地よく、まずまず満足。あ、ボーカルはむちゃくちゃ上手いです。
ザ・ファントム・ギフト

魔法のタンバリン

17cmLP ソリッド SOLID2  よく考えたら第一次ネオGSで好きなバンドって彼らぐらいだな。しかも、本人たちが否定しているところが好きなわけだが。何と言ってもネオGSで唯一音がかっこいい。サリー久保田のよくうねるベースにはウットリ。オリジナルの「リバノールの季節」は「作り飛ばしたような」60’sガレージの真髄にかなり近い所にまで切り込んだ奮闘作。早川義夫作品「海と女の子」は少しボーカルが引っ張りすぎなような気もする。
井上宗孝とシャープファイブ

海の想い出

EP コロムビア P66  自分でGSのシングルスをテープかなんかにまとめると直後に空いていた音源が手にはいることが多い気がする。コロムビアでのラストシングル。B面のみ。テリーズの「二人だけの恋」がマカロニウエスタンに転び、その上で青春歌謡に繋げたような唄。ギターをかき鳴らすイントロがわくわくさせるが、えらく録音が薄い。余り上手くないボーカルと玉砕するコーラスが残念ではあるが、トラックの方は紛れもなくシャープ・ファイブの音で嬉しい。
ザ・カッペーズ

夜霧のガイコツ今晩は

EP ポリドール SDP2014  カレッジフォーク界最強のカルトバンドの一つ。元祖ヴィジュアル系。未だにテレビに彼らのこのジャケットが映ると反響が大きい。よく見ると真ん中で思いっきり目を瞑ってるぞ。もとはルビーズのオリジナル曲として録音されていたことで有名。はっきり申しましてルビーズより出来はいいです。演歌がかったメインボーカルと犬の遠吠えを思わせるコーラス、またわびしさが先に立つ素っ気ない演奏と全てが中庸でよろしい。B面はまさにカレッジフォークにしか表現出来得ない、素朴で清々しい典型的作品。但しどちらも灰汁がない。
風間ひろしとメロディー・クィーン

君が欲しい

EP キャニオン A290  というか幻の名盤。つーわけでB面のみ。こちらも藤本卓也作品で、その穏やかな面が出たバラード。「愛の旅路を」を縮小再生産したかのような、彼の作品としては小品の域だが、しかし、「ひたすらに海をさがし川は流れる」なんていう名フレーズがひっそりと紛れ込んでいるのが恐ろしい。穏やかな曲の中で悶えるメインボーカルが仁王立ち。まあまあ。

15.6.15 サーバの限界か上手く更新できない・・・。

V.A

ロッキン・トーキョー

CD 東芝 TOCT6387  発売当時あまりにも監修者の名前が大きかったので一部で話題になった盤。弘田三枝子、パラキン、尾藤イサオとかのカバーポップス、ロカビリーのややマイナー気味な作品を集めたもの。当時アメリカで発売された日本人によるロカビリーオムニバス「ロック・イン・トーキョー」のジャケットが使われているが、それをそのままCD化したものではない。半分ぐらいは聞いたことのある曲だったが、ブルーコメッツをバックに従えた尾藤イサオ「なかせるあの娘」は文字通り泣かせるグッドチューン。この人のベスト盤がいまだにない不思議。しかし何と言っても一番凄いのは弘田三枝子で格が違う。14才とは思えないパンチの効いた、ナパーム弾のような歌声は驚異の一言。特に探していた「悲しき片想い」では力がこもっていながら一方で情緒を紬出す技術の高等さがよくわかる。そういえば山下敬二郎もPヴァイン盤を買い逃したままだな。

15.6.14 やけくそでタイガースボックス予約してきた。もうなんでもいいや。

ジャッキー吉川とブルー・コメッツ

ブルー・コメッツの素晴らしき音の殿堂

LP ビクター SKX138  再編・ビクター移籍後のファースト。小田と都倉俊一の作品を中心に組み立てられたアルバムで、他の作家は一曲ずつ提供されているだけだが、井上忠夫作品あり。シングル曲とアルバムのみ収録曲の傾向にかなり深い断絶があるようだが、紛れもなくアルバムトータルとしては日本のバブルガム・ミュージックの頂点の一つと強弁可能。基本的には時折男性コーラスが絡む当時のディスカバージャパンの風潮も受けたもの悲しくも軟弱なガールポップデュオと言った感じ。しかし、個々みていくとプログレッシブな小唄調ソフトフォークポップな「初恋は枯葉いろ」や、まるでフィンガーファイブなド派手なアレンジのグルーヴチューン但し軽めの「おませな恋」、「ヴィーナス」のように始まるビートが思いっきり効いているが何とも言えない、山本正之を思わせる日本情緒が絡みついて郷愁を誘うロックンロールチューンになってしまった「ひとりぼっちの男の子」といったあたりが耳目を引く。この時代の彼らの本質は強硬なビート性だと思うのだが、本人たちからも世間からもそういう点からの評価が皆無だったのは不幸と言わざるを得ない。ビッグネームの看板も災いしたか。

15.6.9 続けて金がない・・・。ゴールデンカップスは今日予約したけど買い逃しが多いな・・・。

K−SAMA・ロマンフィルム

ダイエット天国

マキシ ネオプラックス NPMC84  フェイクなコスプレバンド。最近PV見て買う例が多い。思うに彼らみたいなバンドこそムードコーラスの現在的体現なのではないだろうか。ブラスとかの入った、解りやすく言えばエゴラッピンのサウンドから気取りを取っ払ったようなホーンをサウンドの中心に据えたサウンド。ロックを根にしていなさそうなので、すんなりと聞けた。ボーカルは21世紀の若い子特有の変な歌い方の癖があるのが玉に瑕だがかなり上手いです。フリルの「夢みる愛天使」を思わせる所がある胸に染み入る情緒に優る純歌謡。歌に関しては自分はお色気ものとかエロとかに重きを全く置かないのであれだが、諄みがないエロ歌謡。グッド。カップリングは「ピーターガン」を下敷きにしてピチカートファイブを多分に意識したらしいグルーヴ満点の好純歌謡。継ぎ接ぎしたような曲展開も聞いてるうちに快感になってきた。音が非常にいい。ただ、こちらではボーカルがやや不安定な部分が肝心の所で出てくるのが惜しいが、全然合格の出来。ボトムの曲を聴くとここでもホーンを使ったりしているがテクノやヒップホップの要素を取り入れたりして、やはりスパイスガールズを通過したあとの「今の」バンドなんだなというのがばっちり感じさせてくれる。この曲でのボーカルもいいにはいいが一曲目と比べるとテンションが落ちていて残念。見た目も楽しそうなので、生で一回見てみたい。
アロハ・スターズ

ブルースを囁いて

CDS キング FBDX1021  元マヒナのメンバーによるムードコーラスグループ。昨日の東スポによれば和田弘氏と喧嘩しているとのことで、まあ、細かいことは避けるが、何だか泥沼そう。で、はっきり申しまして、この歌はメンバーの殆どが70前後のお歳というのに、この出来は凄いです。多少発音がぼやけている所が気になるものの、松平、三原の両リードボーカルともかつてよりもまろみが出ており、佐々木のファルセットも健在。まさに正統派のムードコーラス曲。ローリングストーンズより全盛時代のテンションの保持という点から見ると上のような気がする。輪をかけて凄いのがカップリング曲で「カイマナヒラ」を下敷きにした、ハワイアンの裏付けがなければ絶対に出来ない、演歌発想のグループとは完全に一線を画している絶滅したタイプの歌謡曲。今の歌謡曲としてはかなりの異端なのに違和感なく構築しているのは流石というか何というか想像を絶している。歳を全く感じさせない。春日八郎先生が最後の方で歌唱がヘロヘロだったことを思うと精進の度合いの高さにびっくり。上のバンドとは☆繋がりでついでに買ってみたのだが思わぬ大当たり。

15.6.1 金がない・・・。

連続射殺魔

玉琴へのジョギング 1977−1987連続射殺魔シングルコレクション

2CD オズ OZD101/102  こんなもんが出ていたとは・・・。全く音楽に対する根元にあるものの水源が自分とはあっちの山とこっちの山ぐらい違うところにある人だなと言う感じを受けたが、流れてくるものに染みこんでいる一貫したものには共感できた。その一貫しているものが本人が狙って出してきているところかどうかは自信がないけど。自分の大嫌いな系統に属する曲もあるがそれを含めて、このニューウェーブを本領として、テクノ、ガレージ、プログレ、ハードロック、捨て鉢ガールポップととっちらかった音楽ジャンルに跨る、恐ろしいまでの鋭い感覚を持つ曲群がただ一人から湧き出していることには驚異の一言。音楽そのものは全く自分にはしっくりとはしないものの全く基壇に共有点のない音楽であり、そういう意味ではむしろしっくりするほうが変なのでそれでいいのだが、そう考えると納得は出来る曲が多く、興味深く聞けた。ブックレットは前に彼のページに載っていたものを下敷きにしているようだが、内容は一昔前のロックやってる人のイメージそのままで、その筆力も相まって非常に面白い。本当に自分のイメージというものを確立している。自分はじゃがたらとかあの辺にものすごく冷淡だと自分ながら思うけども、この人はその周辺というと怒られるかも知れないがその辺にいた人にも関わらず、根本的立脚点が違うという意味で全く異世界の住人であって、その存在感は自分の中で何人かいる孤高の士の一人であるという感触の確信は高まった。
ジャッキー吉川とブルーコメッツ

ベストセレクション

CD 新星堂 WMP30033  付加価値付きのベスト盤。按ニ初CD化曲ハ2曲ナリ。その2曲だけということで。まず「ルシア」。典拠は8トラ音源なのだがこれが素晴らしい。ニューロック的なキーボードの音色の使い方が上手い。というか完全に古典のニューロック化に成功している。元ネタは何だか忘れたが、その立ちまくった演奏の中で更にサックスを先頭に立たせて成功させている。このバンドの技術の高さを再確認すると共に、職人気質の強烈さもまざまざと見せつける。逆に「太陽は燃えている」では以前のバージョンの女性的面をすっぱりと廃し、バニーズのバージョンに近くなっているが、それよりもムード情緒は完全に凌駕し、「ルシア」とは音楽的に正反対の方向性をアピールし、完全に成功している。ここでも職人気質と技術にメロメロ。どうでもいいがボトムのビートルズっぽい写真がかっこいい。
ザ・タイガース

ベストセレクション

CD 新星堂 WMP30032  同。初CD化のライヴ音源3曲だけ。「傷だらけのアイドル」は何と言ってもシャープファイブの荒びまくった名演が頭に浮かんでしまうのであれだが、タイガースとしてはまずまずの出来と言ったところか。曲の途中から収録されているのがちょっと惜しい。ただし観客を巻き込むだけ熱っぽさはひしひしと感じる。「イン・マイ・ルーム」はキーボードの演奏も気に掛かるが、それ以上に沢田研二の艶っぽいボーカルにゾクゾクとさせられる。サビで加橋かつみが絡んでくる所のスリリングさはタイガースの人気の一因が垣間見られたような気がして、後追いのGS好き(俺だ)にとっては勉強になった。フェイドアウトを追いかけたくなる。「淋しい雨」はアレンジのせいか、違う歌のように感じられる。拍手等からシローの人気の無さがよくわかって悲しい。
V.A

シーン1 思い出の情景

CD 東芝 TOCT24994  大名曲「お別れ公衆電話」目当て。松山恵子はもし少しでもロックに引っかかることをやっていたら、それこそ紛れもない天才芸人なので、今頃朱里エイコや青山ミチ並にはフィーチャーされていたんだろうが、惜しいことしたね。そんな奴しらんとか言う奴は今年の大晦日に必ずテレビ東京の「とし忘れにっぽんのうた」を見るように。小畑実といい、にしきのあきらといい、この人といい、みんな嗅覚鋭いよ。
 東芝は最初の歌手の集め方が阿漕だったからか、一部の歌手を除き再録音の音源が使われている。聞きながら思ったが東芝のスタジオミュージシャンよりテレビ東京の番組のバンドの方がよくわかった格好いい演奏をするのは何でだろう。白根一男「次男坊鴉」はテレビ東京の番組では高速スイング歌謡になっていたので好きなのだが東芝の音源はどれもこれも足下にも及ばない出来なんだよな。
 発見は井沢八郎で軟弱な印象が強かったが伊藤久男っぽい歌い上げの方がむしろ本質なのだと言うこと。特に「北海の満月」は相変わらずのアレンジでアイヌの人は怒るかも知れないが、出色の歌唱。これは凄い。
はなわ

佐賀県

マキシ テイチク TECI50  買いました。テイチクがこういうのを出すのって結構珍しい気がするが、俺の欲しかったのはこういうのとは違うよ。はっきり言ってアレンジなんかいらん。ベースと歌だけのバージョンが欲しかった。ベースの弾き語りと言うところが壺なのに、こう塗り固められたら、只のハードなコミックソングってだけ。あの初めてみたときの衝撃は全くなし。アレンジしてしまったら、この手のネタであるあるネタでは嘉門達夫に、田舎ネタでは吉幾三に勝てるわけがない。はっきりいって肩すかしです。このスタッフは何も解っちゃいない。
ダンディ坂野

オー・ナイス・ゲッツ

マキシ サウンドミッション SMLC0006  昨日見たPVの出来が良かったから。上より全然いいです。というか、神様が本当にいるのならこっちの方が売れないといけないと思う。ものすごく良くできた歌。ゲッツゲッツ言いまくるネタをフィーチャーした正しい芸人コミックソング。全く意味のない完璧なまでの軽薄な歌詞。今時ユーロアレンジで田原俊彦とか少年隊とかその辺の曲調。フォーリーブスにも敬意を払う。(スマップなんかも念頭に置いている可能性あり。)純朴な人柄が伝わるような上滑りする上手くないボーカル。ピンク・ビッキーズを思わせる総崩れしたコーラス。(トミーフェブラリーを意識してるのかな。)全てが完璧。無駄に煽らない絶妙な力の抜け方は計算尽くでは出来ない領域に達している。「マサチューゲッツ」とか「6−4−3のゲッツ」なんて下らなさすぎる歌詞は、煮詰まったあげく夜中に酒でもかっくらいでもしなけりゃ絶対出てこないと思う。今年出た一般売り歌謡曲では最高の出来。寛容の精神がある人にはお勧め。透ける特殊仕様CDなのもなんかうれしい。
アワアワ

NOVAうさぎのうた

マキシ サイトロンデジタルコンテンツ SCDC00248  CMに使われているところはいいんですわ、この歌。ところが完パケは不満あり。例えば展開とか変に考えたギミックとかなんにもなけりゃいいのに→アレンジャーが悪い、さび以外のブリッジの詩が気に入らない→補作詞した奴が悪い。何でもいいけど。アレンジバージョンが二つ入っているが毒にも薬にもなってない。まあ、15秒を前提にして作った曲を無理に伸ばしたもんだからしゃあないのだが。と言うわけで聞き物は「CMバージョン」。サビだけを延々三分。ループの心地よさにトランスというかサイケデリックというか本来の意味でのテクノの陶酔感というか、そういう尋常でない世界が広がる。これ、これ、これが正解。カップリングの「ABCのうた」は80年代の香りのするガーリッシュなテクノ歌謡で出来はまずまず。本編の編曲のまずさが際だってしまっているのがなんとも。エクストラ付き。

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