これ買いました16年4月

16.4.29 旧天長節・・・はいいのだが本当に全く全然金がない。首くくらな。

V.A.

サーフビート・ビハインド・ザ・アイアン・カーテン

CD アーカイヴ・インテル・プロダクション AIPCD1057  持ってる奴だけど音が出なくなり、修理に出しても埒があかなかったので買い換え。日本のバニーズ、ルーマニアのシンクロンなど東欧中心にその他の地域のエレキバンドの名演を集めた名作アルバム。ちなみに誤り多いので敢て触れればソビエトのバンドは収録されていない。鎌とハンマーのマークがついているのは東独とチェッコのバンド。
ファイヴ・キャンドルズ

愛をあげよう

EP コロムビア P52  セカンド。ビートのあるカレッジフォーク曲。無垢な青年の心情を歌い上げる。トニーズあたりに感触が近い。マラカスが入っているところでムードコーラスなのかグループサウンズなのかよく解らなくさせている。B面はぬめっとした歌い方には確かに苦しいものがあるが、よくビートが効いていてグループサウンズど真ん中。特にイントロのドラムとコーラスが調和した爆発力のある始まり方はGS者にはただ涙。ちょっと曲としてまとまっていないというか、けったいなのが何とも惜しいが、オルガンのソロパートとかもあって満足。まあ、愛の偉大さは伝わってくる歌である。ちなみに椿もとみ=子門真人作詞作曲。結局このバンドの曲全部GSじゃないか。
しん&ブルー・キャロット

EP ビクター SV1050  A面は「キューティーポップスコレクション」収録済み。ジャケットは革ジャンの女性ボーカル+最末期のGSといった趣。と言うわけでB面だけ。チコとビーグルズが水森英夫の「たった二年と二ヶ月で」を歌っているような曲。ドゥーワップが下敷きになっているものと思われるワワワコーラスが過剰なほどやたらに被さってきてムードコーラス情緒満点でさほど出来の悪い曲ではないが、全然ルックスと曲が調和していない。
三浦正弘とアロハ・ブラザーズ

ブルー・ナイト池袋

EP ポリドール SDR1406  ムードコーラスの至宝の二番目に有名なシングル。ギターとスチールギターがツインリードを執るジャズ系ムードコーラス曲。ハワイアンの色はさほど高くないが、マヒナスターズを手本にしているのはよく解る。ムードコーラス曲としてはクールでそれなりの曲だがハワイアンバンドとしてはかなりの実力者だった割にそれが余り生かされていないのは残念。B面は「幻の名盤解放歌集」収録済み。
ジョージ山下とドライ・ボーンズ/鹿取美葉

サッチョン・ブルース

EP コロムビア SAS1182  ここもムードコーラスの至宝。A面は普通の歌ながら喘ぎ声が凄いが、既CD化。B面のみ。中島安敏作詞作曲とはとても思えない御座敷ソング。演奏に余り和の要素がないところにマヒナとの差別化を感じる。どうでもいいが歌詞の意味がよくわからん。
キャンドルナイツ&ハニー

今夜だけララバイ

EP キング K07S411  よく見たら持ってた。もっとも自分はこの曲はムードコーラス曲としてはさほど高い評価はしていない。

16.4.24 プレイヤーもいよいよ駄目になってきた。

V.A.

沢たまき&プレイガールミュージックコレクション

2CD ビクター VICL61369〜70  先頃薨じた沢たまき議員のベストアルバムに桑原幸子、緑魔子ら「プレイガール」出演者の楽曲を会社を跨って集めたオムニバス盤(一部サントラ)をくっつけたもの。沢たまき編ではいかにもGS旋風吹き荒れる下でリリースされた「凍土」とグルーヴィーな「東京プレイ・マップ」がよい。特に後者は小粋で、ド派手なベース使いが印象深い。この手の路線の曲をもっとやるべきだったのでは。基本的にはどの曲もあまりしっくりいっているようには聞こえないが、「脚(ソウ・ザ・ブルース)」はジャズ歌手としての血を呼び起こしたようで俄にえらいテンションで歌い倒しているのが面白い。プレイガール・レア・トラック編では緑魔子のビート路線と宮園純子の任侠演歌路線が印象深い。他は特にないが、この手のお色気歌謡には元来自分は冷たいのでその辺を参酌して頂きたい。楽曲の解説では結構編曲に関してマニアックなことが書かれているが、いまいち同意できないのもあって云々。
ディック・ミネ

ジャズ・ソングス

CD テイチク TECH25002  「ダイナ」「上海リル」「スウィングしなけりゃ意味ないね」他外国曲のカバーを集めたアルバム。時を置かないで幾つか同趣向の盤が出ており、殆どはそれらに収録されてはいる。というか目玉と称されているのはそっちにも入っている。とはいえ、初めて聴いた曲も数曲あり、ハイカラな魅力が堪能できた。中でも「南京豆売り」は抜きと差しが絶妙で、まるで昭和一桁の音源とは思えないジャズフィーリングがまさに名人芸。全曲日本語なのも味あり。ステージでは英語でやっていのだろうが、このあたりの人とかロカビリーの人とかが上手すぎたからビートルズとかが日本語に乗るかどうかという論争が巻き起こったんだろうな。と言うわけで我流で築き上げた歌唱の各曲によるバリエーションの変化も興味深いが、スチールギターをフィーチャーしているという特徴(為念、ディックミネはスチールギターの名手。)は全編に渡り見られるものの、バックバンド全体の音の変化が時流を表していて面白かった。戦前のジャズソングの思いの外高い水準がこれで広まればと思う。「キッス・オブ・ファイヤ」で思い出したが、スペイスメンのまともなコンピを出していただきたい。
伊集加代

リヴィング・スキャット・エレガンス

CD ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL1091  スキャットの女王伊集加代(子)が主に映画主題歌、洋楽ヒット曲などをその高度なスキャット技術でで歌い上げる名演集。明記してある通り、買い逃して悔しい思いをしたテイチクの再編集盤の再発。この人のレベルになると、いいとか、調子云々とか言うこと自体が失礼なので言わないが、流石名人芸。技術の一つ一つではそりゃ彼女よりも凄い人はいるかもしれないが、総合力や仕事のこなし方まで含めると空前絶後で不世出の人だろう。演奏陣も鍵盤楽器担当の大野雄二、ヴァイブの松本浩ら当時のジャズシーンにおける代表的プレイヤーがずらりと並んでおり、癖がないのが宿命のイージーリスニングながらその存在感がずしりと来る。「青い影」等ではロック味が前面に出ているが、総じてボサノバなどを基調に涙涙のアレンジで迫っており、どれも文句はなし。敢て言えば「誓いのフーガ」が斬新なジャズアレンジで原曲以上の儚さと輝きを獲得しており、ここでは最高の出来だろう。お勧め。二枚のアルバムを丸々収録しただけなのにこのクオリティーというのは脱帽せざるを得ない。ライナーにリズムとメロディーの関係についての彼女の面白い証言が載っている。
V.A.

TOKYOムーディーナイト

CD テイチク TECH25003  ムードコーラス版「カルトGSコレクション」。選曲としては定番ヒット曲のB面ものが目立つが、中途半端にヒット曲が入っていたり、逆に例えばミラクル・セブンの「ボンボン小唄」(何故かB面の「サンセットブルース」は「ムードコーラススペシャル」に続いて収録されている。)など小ヒットの曲が無視されていたり、若しくは「・・・スペシャル」など既存の盤と重なる収録曲も多いなど、個人的にはもっと先に選ぶべき曲はあるだろうと思うが、取り敢ずこれがムードコーラス界の革命になってほしいと切に願う。とはいえ、初めて聴いた曲もあり、中でもびびったのはフレッシュメンの「夜は流れる」。出出しのボーカルが聞こえにくいこと以外は文句無し。高度な演奏技術を持つグループなだけにその手堅さ自体は驚いたということもないが、その本格的ボサノバ演奏の「雨の赤坂」を思わせるサビが泣ける革新的かつ清新なメロディーに愁いを含んださり気ないボーカルが乗るという度肝を抜く曲で、改めてムードコーラスの奥深さに打ちひしがれてしまった。インストものも含め全部CD化してほしい。それにしてもRCAのムードコーラスグループはどれもこれも一捻りされてて一筋縄でいかないな。クール・ファイブ、ルナ・ジェーナ、ルナ・ロッサ、ハニー・シークレッツ・・・。これ一枚聞いて、初めてムードコーラスを聞く人にその奥深さが感じ取れるか、または魅力を伝えられるかはかなり疑問のところがあるが、二弾、三弾が出るとすればこの辺も解消されよう。個人的な嗜好とはちょっと違う路線の曲が主に収録されているので厳しくなってしまったが、好企画。フルセイルズのベスト盤を出してほしいというのは全く同意見。フルセイルズは、クールファイブがビートルズとしたら対するスペンサーデービスグループみたいな、当時瞬間風速としては天下を取ったグループといえるのに、その評価というかの扱いの凋落ぶりが余りに余りなので本当に何とかしてほしい。他にアロハ・ハワイアンズ、ザ・エックス、クールファイブ、コンソルティーノ、シャディー・モルト、東京ロマンチカ、東京エコーズ、トリオカバジェロス、ハッピー&ブルー、ブルーロマン等を収録。ディ&ナイツの「涙の東京」で終るのは個人的には座りが悪く感じるが、まぁ、いいや。
V.A.

SP原盤による古賀政男名曲集〈上巻〉

CD テイチク TECH25459  事実上コロムビア退社後の古賀政男のワンマン廉価レーベルとして勃興したテイチクの初期名曲集。かつて世の中にこんなに全盛期の楠木繁夫の楽曲がたっぷり含まれた一枚物のCDがあっただろうか。なんと二十曲中九曲!伸びゆく高音の魅力、無限の名前を持つ男、幻の大歌手・楠木繁夫もどうしてベスト盤が出ないんだろう。さて、何故か一般的には古賀政男は純和風の作曲家のイメージがあるようだが、自分にはあまりそういうイメージはない。むしろ、自分の立脚するところを変えないままに、初期は積極的に洋楽を取り入れた風味の楽曲を作っていたが、服部良一ら更に洋楽色を強めた作家が表れたことにより開拓する分野を朝鮮風〜和風の分野に鞍替えするという異常に嗅覚の鋭い人であったというイメージがある。一般に古賀メロディーと称される独特のメロディーセンスがくり返し表れ、使用楽器もマンドリンの多用され、いかにもこの人のパブリック・イメージに忠実な作品が並ぶ。やはり楠木繁夫との相性は抜群で、時に軽妙に時に踏みしめるようにやすやすと歌いこなすボーカルが、元々情緒深い古賀メロディーの喜怒哀楽を一層際だたせる。天才というのはこういう人のことをいうのだなぁ。ディックミネの余り洋楽的でない曲でもジャズ・フィーリングを崩さない歌い方には職人の気迫を感じる。他に有島通男、杉狂児の収録も珍しい。
V.A.

SP原盤による古賀政男名曲集〈下巻〉

CD テイチク TECH25460  同。これも幻の大歌手楠木繁夫が5曲も。これならベスト盤も出せるじゃん。この時期としては驚異的にたがの外れたコミックソング「のばせばのびる」が収録されている。最近歌手はコミックソングを歌えて一人前という考えが強くなってきたが、笑わそうとしているのか天然なのか解らない曲も有るのでここでは何とも言わない。そういうわけで楠木繁夫のベスト盤については小野巡とともにテイチクさんにお願いしたい。こちらでは奥田英子、由利あけみが珍しいが、後者の「黒いパイプ」は服部メロディー風の綺麗なジャズソングで異彩を放っており、歌手の長所を見抜く酔眼の高さに脱帽するばかり。戦時歌謡の傑作「軍国の母」にはただ涙。出来たら「大楠公」も入れてほしかったが、其程のヒット曲じゃないので仕方なし。それにしても古賀先生が一人で作曲に経営に大車輪の活躍を見せながらさっさと尻をまくらせてしまったテイチクは、なんというか、それから60年経ってもあんまり体質が変わっていないというか云々。最後に楠木繁夫・ディックミネという夢のタッグによる御座敷歌風「弥次喜多道中記」で締めているのに心あり。
V.A.

リヴィング・ハーモニー

CD ウルトラ・ヴァイヴ CDSOL1092  リッキー中山とアイヴィー・ファイブ(珍しい!)、ナベサダほか国産イージーリスニングのハイライト集。乱暴に言い切ると小編成クラブジャズ演奏名演集。選曲も歌手もクラシックものあり、流行洋楽物あり(「スループ・ジョン・ビー」って日本でそんなに流行ったっけ)、ジャズものありとバラエティに富んでいるが、統一感が素晴らしい。大橋保郎とプレイメイツや江川真澄が自分好みのプレイで泣けた。チープなオルガンというのはグループサウンドにもカレッジフォークにもムードコーラスにも海外ガレージにも和モノグルーヴにも共通する音なので個人的に思い入れが深い。プレイメイツは、これぞジャズという演奏で、非常に満足。なんでこういう演奏スタイルがなくなってしまったのか非常に疑問符。「ミニミニロック」では破壊力のあるシンガーズスリーのコーラスと共に絶妙な冴えを見せている。何れにしてもこの頃の仏蘭西映画のサントラを聴いているような気分に襲われた。ここでも伊集加代の名人芸が爆発。なお、キング音源。
V.A.

ラヴ・サウンズ・スタイル

CD 東芝 TOCT25367  事実上、上のと同じシリーズ。足並みを揃えるのが嫌いな東芝らしくウルトラヴァイヴからのリリースを回避したものか。ジャズそのままと言うよりクラシックにジャズを落としたような本来の意味でのイージーリスニングものに近い演奏が多い。伊集加代がいいのは当然なので置いておくが、他もタイムファイブ、筒美京平、デュークエイセス、岡崎広志、山下毅雄などと名人芸揃い。それぞれ筒美京平自ら弾いていると思しき「ルックオブラブ」でのチェンバロや「モア」での山下毅雄お得意の口笛、タイムファイブの流麗なコーラスとデュークエイセスの重厚なコーラスの対比など得意技を織り込んでいてくれるのが嬉しい。

16.4.18 結局行けなんだ。

千日前ちなつ&ちあき

あきのくりづくしメニュー

マキシ ポニーキャニオン MRCA20022  ウゴウゴルーガ。千秋と大坪千夏。近田春夫作品。表題曲の打ち込みながらJB風のファンキーなダンスアレンジ並びにヘビーなダンスアレンジの他、漫才など。本当にあの番組が怪物番組だったことがよく解る。漫才はネタが始めから古くさい事を狙ったネタということもあって普通に面白い。ちなみにドリフの「ノーエ節」見たいな曲をバックにネタをしゃべくるタイプ。「二十一世紀にも聞く人が・・・」俺だ。マガロマのフロント二人には実はこういうイメージがある(但し奴らは天然だが)。最後は千秋が自ら演奏するアコーディオンに乗って歌謡漫談のテーマ風岸井明と平井英子「煙草屋の娘」のカバー。渋い。悪くはない。
池田実とグリーンアイズ

おふくろ談義

CDS トーラス TADL7372  ベテランバンドの比較的最近のシングル。ってったって十年前のシングルだが。鳥井実先生の30周年記念作品。尺八や三味線(これは多分打ち込みだろう)を入れて田舎情緒を強調した台詞入り演歌で、コーラスは一箇所を除き全くかからない。個人的にはこういう曲をムードコーラスバンドでやる意味がよく解らない。カップリングも演歌色が強いが、こちらはイントロなどでサックスのソロがあったり、ファルセットがリードを執るパートがあったり、メインボーカルとファルセットのデュエットの上に更にコーラスが被さったりするところがあったりしてムードコーラスの醍醐味がまだしも堪能できる。てなことでムードコーラスとして聞くと肩すかしなところもあるが、どちらも始めから演歌として聞けば作り込まれていてなかなかの佳曲。どうでもいいが「歌入りカラオケ」って表現は変じゃね?ジャケットの写真が渋い。
美森あきら&ニューパート

銀座のボニータ

CDS キング KIDD1127  前にフクダさんから聞かせていただいていたが、まさに九十年代にムードコーラスの灯を守ろうとしていた名曲中の名曲。ピアノとフルートが先導する、ラテン系のムードコーラスはこうじゃないとという壷を突きまくる絶妙の大名曲。前のマスターズの曲と共通の編曲は鈴木英明。この人注目してみよう。こういうのを聞くと曲の出来のよさが売れる売れないに全く関係がないと言うことを感じ、世知辛さが身に沁みる。想像してたのとルックスや編成がえらく違ったのでびびった。カップリングはレキントギターを強調した演歌でムードコーラスとしてはショボい出来。トップの出来が良すぎると言うこともあるが、大した曲ならず。
森高千里

臭いものにはフタをしろ!!

CDS パイオニア WPDL4148  森高千里の伝説の幕開けになった本人作詞の軽快なロックンロールナンバー。90年=平成三年というと中学の時だが、実は留守電のCMで使われたのを聞いてショックを受け、森高千里だとは解ったが当時は家も貧乏で田舎故に情報もなかったため、なんという歌なのか皆目解らなかった。森高ファンはいたが教えてくれなかったしな、ケッ。そんなこんなで数ヶ月前にようやく曲とタイトルが一致した。名作。カップリングはこれも本人の才気が爆発した歌詞も眩しいテクノ歌謡。すげぇ歌詞。ベースの使い方が格好いい。今更な話で申し訳ない。ステッカーは欠落、というかレンタル落ち。
わさびーず

木曽の花嫁さん

EP ビクター SF97  何かメンバーの一人がうちの母親の同級生らしい。まるっきり民謡風のボーカルの他は印象の薄い和風フォークで起伏のないのんべんだらりとした曲。音にマイナー指向以外のポリシーが感じられない。B面はさらに気が滅入る四畳半フォークだが、無理にポップ調へ持っていこうとしているのが余計に完成度が低く感じさせる。ダークダックスあたりが歌っていたら感動作になるかもしれないが、取り敢ずこれには歌唱に演劇性を感じない。君何以為歌心乎。
敏いとうとハッピー&ブルー

星降る街角

EP トリオ 3B115  自らのヒット曲の再録音ものだが、このバージョンもヒット。しかも確かトリオレコードの最大のヒットだったはず。この曲のパブリックイメージである「ウォンチュー」という掛け声や「踊ろうよ」の部分の引っかけ方などはこれが初出。ちなみに「ウォンチュー」というのは「ワン・ツー」がなまったものという。もとはボサノバ曲だったのだが、ここではラテン色が大変強い。アナログシンセの音色の使い方が印象的だがラストでは竜崎先生らしいハードロック趣味のギターも聞ける。B面はムードコーラス・クールな純歌謡で、ホストっぽいボーカルと男前なコーラスの絡みが情緒深い。流石名盤。
津江不二男とコンソルティーノ

あなたはいない

EP 大映 D109  テイチクから大映に移籍しての第一弾。さびに入る前はボーカルのか細さに大丈夫かと思うがさびで一気に大爆発。もっともすぐに引っ込むけど。スチールギターの有無以外は同じ大映のロマネスク・セブンの「札幌ブルース」を思わせるサウンド。冬の空の寒々とした表現を見事に描き出している。B面は全般にビッグバンドジャズっぽいが落ち着いた演奏に乗って繊細な情景を切々と歌い語るように始まりながら、サビで突然ベースが暴走してグルーヴものに突入するというジェットコースターのような曲。佳曲。コミックソングでもないのに「とんかつ」なんて言葉が出てきて、しかもそれが歌謡情緒に結びついているのは見事。このバンドはしかし音の傾向がバラバラだな。
リコ福村とアリーバ

銀座の見栄っぱり

EP キャニオン 7A0594  名前を聞いて以来気になっていた人達。秋元・見岳の黄金コンビによるだけに期待大。ニューミュージックの棚にあったが完全にムードコーラス。ムードコーラス崩壊期だけに、ボーカルには変なアクセントや節回しが見られるが曲自体は正統派。ボーカルのタメとコーラスのツッコミの正統派っぷりが感動を呼ぶ。ハーバーナイツの「トーキョー・イレブン・ラブ・コール」のボーカルを軟弱にしたような曲。B面はラテンがかった軽いディスコ・サウンドで、サザンクロスを思わせるヘロヘロしたボーカルがまったりと歌い上げるホスト系ムードコーラス曲。こちらもなかなかよい。シンセによるソロが昭和61年という時局を偲ばせて涙。

16.4.12 京都暑い。

トシ伊藤とザ・プレイズメン

だから愛して

EP ミノルフォン KA166  ジェノバへ行く西田のいた事実上のハッピー&ブルーの前々身。サックス一発から始まり、ファルセットがリードを執った後、渋いメインボーカルが歌い上げるというマヒナフォロワーな楽曲。チープなオルガンやコンガがなどのまるっきり吉田メロディーのアレンジのような音がロスプリモスによるムードコーラス革命以前のムードコーラスの古い形をそのまま表していて興味深い。音自体は同じミノルフォンのトリオ・ザイゴンズ「四人の刑事」に似ている。B面はジャズがベースにあるものと推察される夜のサウンドが聞けて満足。軽快なのに沈鬱なギターが泣ける。これも三原さと志がリードのマヒナを聞いているような気になる。
ガッツ&リップ

あなたが恋しくて

EP 東宝 AS1050  「ムードコーラス界最狂の一枚」と称せられる奇盤。初めて聞いたB面についてのみ。ボーカルには演奏を伴わないグループらしくややグルーヴに劣るところはあるが、奇抜なコーラスや歌い回し方が印象深いことこの上ない。何かね、おかしいよ、どう考えても、着地点がこういう歌い方になるというのは。曲自体はビートもまずまず効いてて六十年代らしい、三浦礼子の「マーメイド・ラヴ」に通じる曲調で美しいけども、コーラスの強烈さに全部吹っ飛ぶ。まあ、こっちの方がA面よりも全てに於いて上だと思う。この上とともにパンジーさんありがとうございました。

16.4.10 イラクの人質については何か言うと人間性を疑われると思うので何も言わない。

近田春夫

考えるベスト

CD キング KICS1082  ハルヲフォン、ソロ、ビブラトーンズ、ビブラストーン等を通じた近田春夫のベスト。特にない。一言だけ言うと初めて聴いた曲の中ではトランスの楽曲に情緒あり。歌謡曲という言葉の定義が全然違うんだなと思った。解説も感覚が全然違う切り込み方で書いてあり、よく解らなかった。歌詞カードなどが全然ついていないのは不満。
近田春夫&ハルヲフォン

カモン、レッツゴー

CD キング KICS1083  ハルヲフォンのファースト。日本のロック屈指の問題作。後追いで往古の音楽を聞く人間の特権の一つに、当時の露出したイメージにとらわれずに聞くことが出来るという事があるが、このアルバムも当時の評である「楽しいアルバム」という感じは全く受けなかった。解説でも的確に触れられているので深く言わないが、全編にわたり絶望に彩られている。早川義夫は「歌は悲しみを忘れさせないためにある」と曰ったが、自分もそこまでは言い切らないが「泣けることこそ歌謡の真髄」だと思っているのでこの切なさの抽出の仕方は流石と唸らざるを得ない。セックスのことを歌った詞もあり、他愛もないと言えば他愛もないが、現在のバンドまで流れている感覚が前面に出ており、その先進性に驚かされる。音楽的な擽りも解説に詳しいので特に言うことはないが、実力に裏付けられた遊びごころに江戸情緒を感じる。日本人が「外国から見た日本感」を積極的に打ち出すと江戸町人文化が顔を出すのはなぜなのかしら。何にしろ残された音源からはほぼ「真面目一辺倒」か「芸能一辺倒」のどっちかしかなかった和製ロックの世界での孤軍奮闘ぶりが音の濃密さから伝わってくる。
近田春夫&ハルヲフォン

ハルヲフォンレコード

CD キング KICS1084  同・セカンド。悲しみに彩られた曲群とドミノスの「レイラ」を導入したりなどの果敢な遊びはここにも健在。B’zを思わせる編曲もあり、その先駆性には畏れ入る。今更だが「プラスチックムーン」とハルメンズの「電車でGO」は感じが似てなくない?どうでもいいが解説文は前回の復刻に使われたものを注釈もなく使い回したものだと思うので減点。考え込んだよ。
ロス・ヨークス

ロス・ヨークス67

CD スンエム WPC68470  南米GS。確かペルーのバンドだったような気がするが解説一切無し。何故か韓国盤だが、心なしか韓国のGSに通じる危うい青臭さが充満している。また、ラテン言語と言うこともあって日本のGSっぽい節回しもあって興味深い。哀愁味の強い曲が多い。カウベルや木琴がエフェクトがかかったギターに浮かぶ「プロント・ウン・ドクトル」、うだつの上がらない妙なメロディーのガレージ演奏にのってド歌謡曲が歌われる「ヴェテ・アル・インフィエルノ」と「エナモナダ・デ・ウン・アミーゴ・ミオ」、オルガン・パンク歌謡「ロガラス」、リズムの不安定さと勢いだけで何とかなると思っている演奏がいかにもガレージバンドらしい「あの娘のレター」、このバンドの根がポップであることがよく解るオルガン鳴りっぱなしの「エスペランド」、抜けの悪さが泣けるジャガーズを思わせる軽いビート曲「アブラサメ」、モッドをやろうとしたら全然違うものになったんだろうと思われるオルガンソロの泣ける「ノ・プエド・アマル」、ボンゴの入った「サニー」のカバー「シエロ」、泥臭いと言うより垢抜けない歌謡マイナーパンクバラード「ムイ・ファシル」、ポルトガル語による結構鋭いビートの弾ける「ハンキーパンキー」、強引な構成がいかにもなガレージソング「ペンソンド・エストイ」と、強烈な曲はないがどれも良い湯加減でまとまっていて、捨て曲はない。基本的にはモッドの影響下にあることは確かなのだが、その消化のし具合が半端というか何というかかなり独特な、マイナーものが得意なオルガン・ポップ・バンドだと思う。なかなか。
V.A.

アンソニー・レンコントレ・レ・プロブレムス

CD マジック 5295412  アンソニーという歌手のバックを付けたシングルをフィーチャーした2曲を含む仏蘭西のGSレ・プロブレムスのアルバム一枚と同じくアンソニーをフィーチャーしたレ・カーロッツの音源を集めたものらしい。プロブレムスはR&Bを目指していたようだが、聞いてもそう聞こえないのが面白い。所謂フレンチポップの枠に収まる曲もあるが、それとはかけ離れた武骨なゴリゴリしたビート演奏の方が印象に残る。そういう曲ではフランス語も田舎言葉に聞こえる。強烈なノイズ音から始まりファズの使い方が上手いビートチューン「ドデカフォニー」や地獄に突き落とされたような強烈なファズが体を突き抜ける「ジュ・ネ・リエン」のように、ファズを強調したガレージ・サイケ・ビートは仏蘭西がロック不毛の地であるという通説を吹っ飛ばす快演。その他もちろんパンク・バラードもあり。看板のR&Bも「シル・ボウデ」、で聞けるが、リンドの「ハハハ」など日本のバンドを思わせる。「イル・サファライト・ドゥン・リエン」はどうやら「おまえに夢中さ」のカバーらしい。他、以前から聞いていた歌謡曲風の曲群もしっかり収録されている。もともと注目していたバンドだったが音の指向のバラバラさまで含めてほぼ想像通りの演奏だったのでかなり満足。日本のGSを思わせる。アンソニーをフィーチャーした曲も、さほどの出来ではないが攪乱戦法をぶちかましたりしてガレージしている。カーロッツは、アンソニーのバックは呑気な演奏なのだが、以下ハードサイケな演奏、インストながらフィフィザフリー「おやじのロック」系アングラ、ゲンチャーズ風のグルーヴィーな正統派ジャズロック演奏まで披露しその実力の高さが伺えるが、どういう連中なのか正体がさっぱり分からない。何れにしてもかなり格好いい演奏をすると言うことは確かだ。「ヘイ・ジョー」のカバーもやっていて、ボーナストラックとして収録されているが、格好いい軽いビートものなのだが、ロックの臭いが全くしない。テープ逆回転とかも使ってギャグに持っていこうとしている節があるので、スパイクジョーンズみたいな連中なのかしら。ある意味カップスのバージョンの対極。もう一曲のボーナストラックは歌い上げの臭いカンツォーネど真ん中。なんなんだこいつらは。いや、いいバンドだとは思うが。解説がフランス語なので雰囲気もつかめない。
V.A.

ラブ・ザット・ルイ ザ・ルイ・ルイ・ファイルズ

CD マジック 5295412  アッター!ガレージパンクの古典「ルイルイ」一曲をとことん追求した好企画盤。一曲から数曲ずつオリジナル/ネタもと/米国北西部ガレージ/アンサーソングなどなどと8のパートに分け計24曲「ルイルイ」尽くし。元ネタとして収録されている「エル・ロコ・チャ・チャ」では成る程あの特徴的なリフの元であるであろうリフが聞けるが、ラテン→サーフ→ビートと言う流れがこんなところにも表れてくるのだなと感心。数あるカバーではコーラスを厚くしてエキゾに仕上がっているサンドパイパーズのバージョンが意表をつくと言うか異彩を放つ。ソニックスとスワンプ・ラッツは激烈な殺人的ガレージ演奏で流石この部門での大御所と唸らされる。このパワーを再現している今の日本のガレージバンドがどこかにいないものか。ビーチボーイズ、キンクスというビッグネームの演奏や、もちろんキングスメン、レイダースによる代表的バージョンも収録されている。サウンズオーケストラルによるイージーリスニング風「ルイルイ」という奇バージョンもあり。ブルコメあたりが入ってトランスワールドの部があったら最高だったのに。
橘いずみ

サルの歌

CDS ソニー SRDL3779  この人は今何をやっているんだろう。自作自演の普通のバラード曲で、音もいかにも平成当初らしい。歌唱はしっかりしているが、こういうしっとりと歌い上げる曲には声の性質が向いていないのかもしれない。カップリングはフォークバラードだが声のかすれを生かしたいのか殺したいのか中途半端。まあ、平成当初のヒット曲なんでこんなものだろう。
ウインク

トゥインクル・トゥインクル

CDS ポリスター PSDR5065  この人達は今何をやっているんだろう、上とは別の意味で。言わずと知れた元ジャックス水橋氏の弟子の大ヒット曲。涙のダンス歌謡。歌詞やメロディーは中森明菜の路線、アレンジはラテンムードものの発想が出発点と思しきところもあるものの、この2年後の小室サウンドを先取りしているところもあり、古いものと新しいものが共存しているということからも歌謡曲としての完成度は高いと言っていいと思う。カップリングは古いんだか古くないんだか解らないニューミュージック風アイドル歌謡。敢て言えばザード路線。
しろコーラ

男と女のクリスマス

CDS テイチク TEDA80  ビーイングの演歌系男女デュオ。葵司朗はともかく、女性の芸名葉月コーラって・・・。「男と女のラブゲーム」をパロディーというか明確に下敷きにした中道のラテン系掛け合いムード歌謡。馬飼野康二作品らしく換骨奪胎も上手くいっており、「ジングルベル・・・」のフレーズに仄かに泣ける。ムード系クリスマスソングの佳作。アレンジは打ち込み一辺倒。カップリングは長戸大幸が自ら作詞したこ曲。詞がこれ以上ないぐらい恥ずかしいが普通のコミック・ムード歌謡。しかし、ワイルドなギターが唸りをあげるハードなアレンジがむちゃくちゃ格好いい。まさかあの人がギターを弾いてるんじゃないだろうな。ビーイングの底力を見た。ちなみにこちらは織田哲郎作曲。
克美しげる

さすらい

EP 東芝 TR1005  ヒット曲。両面とも豪放な歌いっぷりに頼ったロッカバラード。北原じゅん先生の作品でいかにもなヒット狙いの作品。特に何と言うこともなし。この人に関しては、「罪を憎んで人を憎まず」と言うというのみ。ベスト盤ぐらい出してほしい。
舟木一夫

紫のひと

EP コロムビア SRS1461  ジャズ風のピアノが活躍するものの普通の沈鬱なマイナー歌謡。特になし。B面も一見ジョイベルス東京のようなムード歌謡だがよく聞くとベースラインやドラム使いがなかなかグルーヴィー。筒美京平風の編曲もお洒落で、この退歩的なメロディーにブルージーなんてな単語がほいっと入ってくるとハッとするモノがある。「銭形平次」とほぼ同じ歌いまわし方のボーカルの抜けがもう少し良ければ「和モノ」としてクラブでかかってもそれ程変ではない。尤も発売年の割には一年か二年ほど古くさい曲ではあるが。こちらはまずまず。
甲斐智枝美

誘ってルンナ

EP ビクター SV7191  「月影のナポリ」のカバー。アレンジも構成もくどい。どうも鈴木茂という人とは全く自分の耳が会わない。甲斐智枝美のボーカル自体は大して上手くはないがアイドルとしての情緒があるだけに惜しい。B面のオリジナルはオールディーズを意識しているものの、コーラス以外の音づくりの甘さがひたすら邪魔で気を散らす。ジャケットも八十年代前半らしい過去への侮辱が含まれておりどうしようもない。こういうのを聞くとファントムギフトの「音」に対する真摯な態度に改めて思いを馳せる。
神田広美

ドンファン

EP ポリドール DR6220  吉田拓郎の名曲をスター誕生出身アイドルが歌う。この歌は歌詞が良くない。イヴによるカバーの方がやはり出来がいい。アイドルと実力派コーラス(もとはアイドルだけど)を比べるなと言われればそれまでだが。ただし、馬飼野康二によるディスコアレンジはかっこいい。B面はありがちなアイドル歌謡で特にこれと言うことはなし。

16.4.3 どうも十ぐらい年が上の人とは気が合わないな。

V.A.

ヒア・カム・ザ・ガールズ〜60’Sパイ・ガール・ポップス・コレクション〜

CD ビクター VICP5372  日本盤の方。英国の「パイ」レーベルに残された60年代ガールズポップ傑作集。前半は穏やかにしろ煌びやかにしろバカラックを手習いにしているような編曲のポップスがずらりと並んでいるが、自分にとってはカラッとしすぎの曲が多い気がした。何だか英国の楽曲というのは大概性に合わないなぁ。音が濃密すぎるんだろうか。日本の楽曲の方が雑然としていて耳に馴染む。後半はビート・ポップ色が強い。もっとも全般的にベースラインが格好いい曲は多いように感じた。ビートの取り方がビートルズ登場時の熱狂を伝えるジーニー&ザ・ビッグ・ガイズ「アイ・ウォント・ユー」、ザ・ブレイカウェイズ「ヒー・ダズント・ラヴ・ミー」、シャロン・タンディ「アイヴ・ファウンド・ラヴ」等は出来もよく、当時を偲ぶ。全般的に強烈な楽曲はあまりないが、その中ではニタ・ロッシ「アントゥルー・アンフェイシフル」は唯一歌謡味に溢れる佳曲でキラリ。
上海太郎舞踏公司B

交響曲第5番朝ごはん

マキシ ビクター UCCS5001  まるめろ(旧称)さまご推薦の一曲。ベートーベンの「運命」にむりから歌詞を付けたもの。まっとうなクラシックのレーベル制作。完全にアカペラで進行し、高度なコーラスワークで下らない内容を必死に歌い上げる。朝飯が白ご飯だろうが松茸ご飯だろうが何だって宜しい。もの凄い実力を無駄にゴージャスに使っているという、際物コミックソングとして非常に正しいあり方に好感。但しソロパートに際立っているボーカルがいないので、歌謡曲としてはどうも濃さが足りず、パンチが弱いようにも感じる。悪く言えば、冗長で緊張感に欠ける。アーティストの正体が今ひとつ解らないので、何とも言えないが、取り敢ず所謂合唱団が合唱団としてのメンタリティーでこなしているのは確か。嵐のようにさっさと終る「フロイデ」の替歌「風呂屋」も同趣向。ボトムにオーケストラによる正統派の「運命」付。
ラス・ケチャップ

アセレへ〜魔法のケチャップ・ソング〜

マキシ ソニー SICP301  マスコミが煽るだけ煽って転けたグループという印象があるスペインの3姉妹ダンスユニットの世界的ヒット曲だが、少なくともランバダ、マカレナとは並べられない。一言で言うとビートを強調した早足のラテン歌謡で、日本の70年代の少人数女性アイドルグループに通ずる哀愁味がなんとも儚い。ベースラインやギターのフレーズは60年代のエレキバンドっぽいが、メリハリが薄く、この時期の日本の同趣向のグループに圧倒的に優っているところが見あたらない。こういうところにも洋楽の優位が完全に揺らいでいるのが表れている。破綻もなく涙を誘うような楽曲だが、その割に情緒不足で、何ともおとなしく、印象に残らない。カップリングはレゲエを取り入れたミックスだが、良くも悪くもなっていず、ひたすら印象が薄いのみ。本当に流行ったんだろうか。
石井麻由

ナ・キ・ャ・ナ・イ

マキシ UMCイノベーション UMEPS00141  全然知らない人。ギターを強調したイントロで始まる打ち込みアイドルもの。良くも悪くも取っ掛りのない無難なサウンドで、いかにもありがち。詞も「厚底10センチ」なんてのが出てきてヒットを始めから狙っていないとしか思えない。アレンジは完全に小室サウンドの方向を向いているが、平成十二年発売らしいところを考えると遅きに失する。プロデューサーに余程やる気がなかったかセンスがなかったかのどっちか。カップリングの「もうひとりの私」はシンセによるノスタルジックでスローなワルツだが、これもいかにもありがちで印象に残らない。こっちはキーも合っていないように感じる。もっともこちらはそれなりに表現力のある人ならもう少し何とかなりそうな曲だが。

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