これ買いました平成17年10月

 


17.10.29 なるほど、悟りの境地に至らないのに情よりも論理を優先するから形ばかりの演奏になるのだなぁ。しかし、GSというものはそういうものではない。

V.A.

戦後50年企画歌謡で辿る昭和の痕跡 軍歌戦時歌謡大全集

8CD ビクター VICG58101〜8  ビクターに残る昭和初期から昭和20年代前半までの音源で綴る軍歌・戦時歌謡ボックス。小野巡、徳山l、灰田勝彦といった歌手陣の通常盤では余り収録されない曲から乃木希典、東郷平八郎、東条英機、火野葦平らの肉声まで。
 徳山lの八面六臂の活躍ぶりがとにかく目立つ。日本歌謡史上最高の名歌手の一人なのにさっさと亡くなってしまったので今や評価は殆どないが、正統派のクラシックからぶっ壊れたコミックソングまで何でもこなせる実力派で、軍歌・戦時歌謡においても勇壮な曲は勇壮に、陽気な曲は陽気に、悲壮な曲は悲壮にと自在に表情を付けて歌い上げる。徳山が一線を退き亡くなったあとは藤井典明や波岡惣一郎が多用されるがやはりちょいとタマが違う。他に田舎風の歌声を聞かせて和ませる鈴木正夫が印象に残った。
 昭和13年発表の楽曲で固めたディスク3が凄い。この時分はまだ戦争も其程激しくなく、コミカルな戦時歌謡が多い。凄まじいスピード感で疾走して下町情緒をぶちあげる古川緑波「江戸っ兒部隊」、検閲の伏せ字を逆手に取った徳山l「○○ぶし」、スイングと戦時歌謡をミックスした岸井明「進軍スイング」、コミカルさと勇壮さの両方を備え現在も愛唱される東京リーダー・ターフェル・フェラインの「荒鷲の歌」、その他掛け合いが楽しい「兵隊床屋」、題材からして明るい「野球選手の兵隊さん」「髭に未練はないけれど」と凄い曲が目白押し。
 ネット上で話題の「万歳ヒットラーユーゲント」も収録されているが、これは戦時歌謡としては凡作でそんなに騒がれる意味が分からない。それよりも底が抜けてしまった躁的な馬鹿囃子の「ニッポン勝った」の方が余程凄い。鉄兜など一部の歌詞を変えれば今でもそのまま通用しそうだ。他には「満州国国歌」や「暁の交換船」が珍しい。
 陸軍大臣東条英機の「戦陣訓」朗読は訥々と慎重に読んでいくが、先の大戦で一番の悲劇のもととなった「生きて虜囚の辱めを受けず」の部分を唯一噛んでいるのが印象的。最後の「分裂行進曲扶桑歌」は同じく陸軍外山学校軍楽隊が演奏するコロムビアのバージョンよりもパワーがあって出来が良かった。
V.A.

ドラム!ドラム!ドラム!天国

6CD テイチク TFC1741〜1746  ジミー竹内、ジョージ川口、石川晶、猪俣猛、田畑貞一、日野元彦、田中清司、岡山和義、原田イサム、白木秀雄と10人の主にジャズ系名ドラマーがテイチク、フィリップスなどに残した名演を集めたもの。各巻R&B、ロック、ジャズ&スタンダード、歌謡&軍歌などテーマにまとめられている。最近のテイチクは先行となるCDを一・二枚出しておいてボックスセットを被せてくることが多いが、これもそのパターン。殆どジャズドラマーである彼らが何故8ビートものを手がけ、それがその後にどのような影響を与えたかが簡潔にまとめられているブックレットが大変有り難い。ジミー竹内やジョージ川口が凄いのは言うまでもないが、目から鱗が落ちたのは田畑貞一の演奏。「ハイウェイ・スター」は演奏の上手い人間が限界に挑んで玉砕し逆に情が出ているし「ファイヤー」はグルーヴィーなことこの上ない。今までそれほど意識していなかったがこれは凄い。集めてみたくなった。軍歌ものはニューハードの演奏によるものだが、軍楽隊そのままな「軍艦行進曲」からジャズっぽい「同期の桜」まで、解釈と演奏の自在さに改めて感服。
ジミー・ドーシーと彼のオーケストラ

ストップ・ルック・アンド・リスン

CD ジャスミン JASMCD2587  のちにフランク・シナトラを見出すことになるジミー・ドーシーのベスト。一流の中の末席らしく本格的ながらもキッチュな味が溢れている演奏。飛び抜けてはいないが比較的均衡のとれた演奏とその力の抜け具合が興味深い。まあしかし灰汁があるようでもないのでBGM用という感じか。諸事情による。
ガンズ・アンド・ローゼズ

グレイテスト・ヒッツ

CD ユニバーサル UICZ1120  諸事情による。聴く段には別に感想もないというかどうでもいいが、カバーしろということだったので心労が祟って辞退させてもらった。全体的に灰汁がなく、こぢんまりとまとまっている印象。今後聞き返す機会は少ないだろう。「ウェルカム・トゥー・ジャングル」はザ・ピーナッツに、「ユー・クド・ビー・マイン」は一世風靡セピアっぽいと思った。「シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー」は実はグルーヴやモチベーションがムードコーラスに近い。

17.10.25 問・何故某バンドのことをこき下ろすのですか。答・俺の方がボーカルは上手いのに、悔しいから。

V.A.

漣健児コレクション

2CD 東芝 TOCT25823〜4  先頃お亡くなりになった漣健児による訳詞作品集。殆ど持っているけど望月浩が入っているとあっては手に入れないわけにはいかない。ミーナ、ニール・セダカ、ナット・キング・コールと弘田三枝子、飯田久彦、山下敬二郎らが入り交じっているのが新機軸か。
V.A.

漣健児ソングブック

CD テイチク TECH25081  これも。最近クロニクルの出してくる盤は他社と企画が被ることが多い気がする。尤も上と被りはないので良かったが。藤本好一、藤木孝が各2曲入っているのは画期的。一方でリアルタイムでのカバーと後年のカバーが入り交じっている。未発表曲もあるが、ぼちぼち。

17.10.22 人脈がないと言うことは、要するにもうグループサウンドとか歌謡曲を聴くなという意味なのかも知れない。

ザ・フー

ゼン・アンド・ナウ1964−2004

CD ユニバーサル UICP1053  勉強のため。長年このグループの曲を聴くことが課題だった。60年代の音は自分にもいけそうだ。自分はまだ、勉強が足らない。

17.10.8 やっぱり準禁治産みたいなものなので。

高橋名人

ソングコレクション〜16連射20thアニバーサリー〜

CD サイトロンデジタルコンテンツ SCDC00464  松山千春と並ぶ北海道二大美声、16連射の高橋名人の全曲集。今では信じられないかも知れないが鈴木保奈美と共演したりそりゃもう時代の寵児だったんです。80年代屈指の名曲「愛はメリーゴーランド」(小林亜星・作曲)がようやくCD化されたので目出度い。16連射にちなみ16曲収録。うち9曲が80年代の曲、6曲はカラオケ。上手く、美声とはいえ基本的には素人なので特に初期楽曲などでは音程の震えなども見られるが、後半に行くにしたがって段々安定していくのが手に取るように解って面白い。本人がライナーで語るように、フォーク(というよりニューミュージック)にかなり親しみを持って歌ってきているのがよく現れている。そんな中、やはり哀愁味溢れる「愛はメリーゴーランド」はピカイチの出来。名人と「名人の妹」はるな友香の二人のいい意味での田舎臭さが純朴さを感じさせ、過不足ない作り込み具合と相俟ってノスタルジーを感じさせる。一部に猛反発がある新録音の「ハートに16連射」もよく出来たトランス歌謡に仕上がっていて、又場慣れした歌声が聞けるので自分としては聴きどころであると言い切りたい。ちなみに、16連射はガチですので。

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