これ買いました平成17年3月

 


17.3.31 いくら異動が嬉しいと言って浮かれているばかりでは困ったことだ。これでは先が危うい。世界が注目しているというのに。

V.A.

流行歌百年

5CD テイチク TFC1711−1715  明治元年からの百年間の流行歌をアポロンのテープ音源をベースにナベプロ、テイチク、ビクター所属の歌手達がカバー。ただし一部はオリジナル音源。あまりポリシーがあっての選曲とも思えず、珍しい音源があったので適当に水増ししちゃれという心意気で編まれているような気がしないでもない。明治元年の「宮さん宮さん」から次の「東雲節」までいきなり30年飛ぶので三十年ずらせばよかったのではないかという気もしないではない。
 解説に細かいミスが多く、首を捻る。特に固有名詞の潰滅ぶりはちょっと凄いものがあって、歌手の名前ならともかく太平洋なんてのを間違えるとは悶絶もの。全て筒「見」京平と間違えていたりするので誤植ではなく確信的にやっているようである。
 収録曲を見ていくと、ブルコメ、ワンズともなんで彼等がやっているのか判らない、持ち味が活かせていない曲になっており、「今は幸せかい」に「こころの虹」の面影を見るばかりで淋しい出来。もっとも軍歌や寮歌という普段はレパートリーにも入っていなかったろう曲が聴けるのは有難いが。
 これに限らずどの歌手もカバーものはぼちぼちといったところ。例外的に水準を大きく超える出来を安定して見せているのはザ・ピーナッツ、園まり、奥村チヨの3人。ザ。ピーナッツはまったくいつもの調子で流麗にどれも自分たちのオリジナルのように唄いこなしている。園まりはセルフカバーを含め女を前面に出した歌唱の冴えが原曲を凌駕。奥村チヨはさぁこれからという清新さとそれから現在まで続くチャーミングさが満ちており趣深い。
 それ以外では木の実ナナは出来不出来が酷い。ディック・ミネ「ダイナ」は自分の一番好きな再録バージョンで収録されており嬉しい。ビート感は僅かに奥村チヨと布施明による「真っ赤な太陽」に見るのみである。

17.3.26 他にフィフティーズハイティーンズのCDR二枚。一枚には洋楽曲5曲の原語でのカバー、もう一枚は同じ曲の日本語バージョンで聞き比べできるという面白い企画だと思う。やや重厚でハードながらもガレージバンドらしい荒々しい演奏歌唱。ちょいと録音の関係でボーカルは聞きづらいが演奏自体はよくできている。肉食感覚は最初に聞いたときの衝撃の儘。まあ、よかったのではないか。

V.A.

コカ・コーラCMソング集1962−89

2CD ジェネオン GNCP1005  そのまま。コカコーラのラジオ、TV等で使われた歴代のCMソングを一枚に会したもの。自分にとって昔のコカコーラのCMとして大きなインパクトを持つフォーコインズのバージョンが聞けたのがまず嬉しい。
 GS関係ではここでもファズギターを駆使し先進的なサウンドを見せつける加山雄三とランチャーズ、2曲それぞれにハードなGSサウンドとソフトなフォークサウンドでせまり二つの魅力をみせるワイルド・ワンズ、いつもの調子の楽曲を溌剌と唄うヴィレッジシンガーズの3組を収録している。彼等の登用は若くかつ清潔の象徴と言うことでのことであろう。
 GS時代を越えると結構バラバラ。清々しさを強調してかピンキーとキラーズ、赤い鳥、サーカスといったソフトロックや流麗なコーラスを得意としたグループが続く。その手の音楽が大得意の村井邦彦の音楽的センスがよく出ている。そうかと思えば、布施明、朱里エイコ、西郷輝彦といった実力派がパワーで押したり、やはり洋もののイメージを強調しようとしたのかダイアナ・ロスやスタイリスティクス、BJトーマスといった割に泥臭い米国の歌手達が起用されたりもしている。さらにトランザムや矢沢永吉などのマイナー過ぎないロック、その後はテクノやニューミュージックの代表的歌手が次々登場し、時代の若者の音楽の潮流を映す鏡のようである。子供の頃によく聞いていた楠木勇有行のバージョンは個人的に懐かしかった。殆どが初CD化とのことだが、そうでなくとも何とも貴重な好企画盤であると思われる。海外の同趣旨企画盤あり。
弘田三枝子

スタンダードを唄う

CD ヴィヴィド VSCD3461  ミコが「ジョージア・オン・マイ・マインド」「オーバー・ザ・レインボー」などのスタンダード曲を歌う。モノ・ステレオの2バージョンを収録のほかボーナス一曲。野に過ぎるが若々しさに溢れる歌唱に胸がすく。何故か盤おこしのステレオ部分の方が音がよい。
 してみるとこの人も歌謡曲に押し込まれてしまったのが不幸だった口のように思えてくる。と言うよりも、そもそもカバー・ポップスの隆盛もどちらかと言えばこの人の特性をねじ曲げてしまったムーブメントで、ハードコアなジャズでこそ本当の実力が発揮出来えたのではないかという思いが強くする。その意味では今の方が幸福なのかもしれない。

17.3.20 熱が引かない。それにしても、福岡・佐賀地方の地震の被災者方にはお見舞い申し上げる。

寺内タケシとブルージーンズ

ギターとともに50年寺内タケシ大全集9子供大集合

CD キング C30509  本来は通販用の十枚組みだかの寺内タケシ大全集の内の一枚。これだけ中古で置いてあった。「ゲゲゲの鬼太郎」「タイガーマスク」など、懐かしの子供向けアニメ番組の主題歌を中心に「エレキ一本子供で勝負」(←このオリジナルタイトルもどうかと思うが)等からチョイスしたもの。比較的原曲通り引いている物が多いとは言えムシ声のコーラスというよりチャチャが入った作品も間々見受けられ、意欲の高さが伺える。特に「おれは怪物くんだ」ではムシ声と普通の声を併用しており、普通にブルージーンズの音世界が繰り広げられてしまい無茶さが際だっており印象深い。なんでもいいが「赤胴鈴之助」のオープニングのねじ曲り具合は何なんだ。「宇宙戦艦ヤマト」では川島和子のスキャットをフィーチャー。ただ一曲、「タイガーマスク」にはバニーズ時代の「レッツゴー運命」の諸曲に通じるガレージ的な無茶な弾き方の名残がある。あくまで名残だが。ここでも「月光仮面は誰でしょう」が・・・。最近川内康範に憑かれているのかもしれない。

17.3.19 奉祝ついで。

森山加代子

しんぐるこれくしょん

2CD コロムビア COCP33086→87  森山加代子のコロムビア時代のシングル、アルバム収録曲、コロムビア離脱後他社から出したシングル曲を網羅したもの。「白い蝶のサンバ」はそれ以前のキャリアを捨て去るようにして掴んだ決死の覚悟の曲であったのにも関わらず、結局はこのサンバ路線とカバー・ポップス路線の両面作戦という非常に狭い安全パイ的な視野でしか作品を送り出せなかったという印象を受け、社長業を行い一時失速したことがまことに深い影を落としている。声質の問題があるとしても、結果として弘田三枝子や朱里エイコ、山本リンダのようなパワー路線に乗らなかったプロモートの仕方がまことに惜しまれる。ただ、演奏にはこの時代特有のグルーヴィーなベースも何曲かで聞くことが出来る。
柳田ヒロ

七才の老人天国

CD ワーナー WPC68456  もとフローラルで日本の七十年代を代表する鍵盤奏者、柳田ヒロの個性が爆発する傑作サイケ・アルバム。自分はこれをサイケとプログレの橋渡しみたいなイメージで捉えているが、日本のニューロックにありがちなブルースっぽい部分が少なくとも表面的には皆無で、自己撞着に陥っていないので非常に聞きやすい。また、オルガンが主役を張るような曲ばかりではなく、ギターやフルートがリードをとったり、ボーカル曲があったりと曲の装飾がバラエティに富んでおり、曲調もゴリゴリのロック一辺倒ではないのも気に入っている理由なのだと思う。と言うわけで、この時代の日本のロック・アルバムとしては一番好きかも知らない。そういえば人の言うサイケと自分の思うサイケにはどうも乖離があるらしい。
エルキンコライ

エレクトロニック・タークラー

CD レコード会社名クレジットなし WPC68461  土耳古を代表するニューロッカー。しかし基本的には地場歌謡でアラブとかあの辺りっぽい旋律をファズギターと小編成ロックコンボで弾いたらたまたまサイケが出てきたと言うような感じを受けた。素朴かつ熱っぽい歌唱も聞けるが、重苦しい語りものも。これも結果として非常にサイケっぽい。歌唱よりもインストに対する気の配り具合が高い。ぼつぼつ。
YMCK

ファミリー・ミュージック

CD ウサギチャン USG008  知らない人達だがジャケ買い。まさしくファミコン的な音な、エイトビットな音で、某有名ゲームの効果音を思わせるギミックがあったりして、まあテクノの範疇なんだろうが曲自体はジャズが基本になっているようでポップス的な、或いは電気グルーヴ的な曲の組み立て方とは無縁の曲調に感ぜられた。一曲二曲がそうなのだったら単なるギミックなのだろうが、全編貫いているので、根がジャズ屋なんだろう。ロリータ・ヴォイスが売りのように書いているが、邪魔にもならないがエキセントリックな個性もないという感じで、流し聞きにはいいかもしれない。その割りにピコピコが結構強烈なので、バランスがよく計算されていると言った方が適切なのかもしれない。
V.A.

ガールズ・イン・ザ・ガレージVolume9

CD ロムラン UFOX27  本体入手。凌雲とかナンシーシットとかと東南アジアのガール・ガレージ・ポップ集。詳しくは「リンク集」からチャオさんの「プリティーフラミンゴ2」へゴー。
V.A.

タイ・ビート・ア・ゴー・ゴーVolume1

CD サブリミナル・サウンズ subcd11  60年代泰王国ビート歌謡傑作集で、時代としては前後するが日本でいえば「東京ビートニクス」に収録されているような感じの音源が並ぶ。年代表記はほぼないが、「デイトリッパー」のカバーがあるかと思えば「カウ・ライジャ」のカバーがあったり「元気出せジャック」のカバーや「ホワッド・アイ・セイ」もどきがあったりして混沌としている。早くて63年から70年代の早暁ぐらいの間の音源だろう。その割に音にはざらついた統一感があり、オリジナル曲も日本のエレキ歌謡よりガレージしている印象で、どれも洗練されていない、自分好みの音像。中でもタイの伝統音楽色とエレキ・インストが上手いこと結びついたジャニーズ・ギターはエキゾの趣が高い。ルイス・ケネディーは泰のエミー・ジャクソンか?どうでもいいがカバー曲ぐらいはちゃんとした原題表記をしてほしい。
V.A.

タイ・ビート・ア・ゴー・ゴーVolume2

CD サブリミナル・サウンズ subcd13  同上第二弾。数あわせかボーカルが完全にオッサンなエレキ歌謡とかが入っていて余計に愉しい。トニーズみたいな曲とかトラッシュメン「サーフィンバード」を思わせるイントロから素っ頓狂なコーラスものに突入する曲やら韓国の歌謡GSみたいな曲やらプレスリー風やらロリータポップスやらと強烈な並び。「ビューティフルサンデー」のカバーとかも入っているのだが、これがえらくフラワー感じだったり、ビクター時代のパラダイスキングのような音だったりでいつ頃の曲なのかまったく掴めない。こういうGSが始まるか始まらないか位の時代の音というのが個人的にグッと来るのであろう。三波春夫がエレキ歌謡を歌っているかのような趣の曲もあり、前作よりも歌謡度は高くなっているがパワーに謙遜なし。チャイ・ミンシャン「ピー・コー・ピー・オーク」は強引なボーカルのビート感といきなり間奏で飛び出すブラックナイトのリフ、最後の民謡風音使いと手に汗握る展開が度肝を抜く。タイにもニューロック風の演奏を繰り広げるバンドがいたことにも驚き。

17.3.17 CDR1枚を頂く。「不能者」「ある女子校医の記録・初体験」「フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)」の映画サントラからヴァンドックスっぽいモッドなインスト、レコード未発売GSブラックなど。かっこいい。特に「不能者」のどこの馬の骨とも判らないのぺっとした武骨な演奏は素晴らしい。もし今後俺がバンドをやる機会があるとしたらこういう誰も望んでいないような不気味な音を奏でるバンドをやりたい。凡百のネオGS路線はどうも・・・。

17.3.3 今日は早く寝る。

平田隆夫とセルスターズ

ハチのムサシは死んだのさ

CD CTA SHC46  来歴不明の謎の駅売りCD。再吹き込みのオリジナル曲の他「スピニングホイール」とか「アドロ」とかをやっているが、切れがないというかトロいというか、踏ん切りがついていないと言うか、そんな感じ。演奏はニューロック調な部分が前に出ていたりしたが、やはりきつい。もっともこのバンドの洋楽へのアプローチの仕方が垣間見えたのは収穫で「マイ・プレーヤー」など重厚な曲の方がやりなれている。みみんあいが去った後の女性ボーカル一人時代の作品で男女の絡んだボーカルを見せてくれるのは新味。
沖山優司

HAKONIWA

CD ソリッド CDSOL1020  ミニ・アルバム。特にないが、全体的にシュールな雰囲気が漂っていて、音の傾向が統一されている。
V.A.

五大ドラマー夢の競演

CD CTA SHC3  猪俣猛とジョージ大塚と田端貞一とジョージ川口と石川晶が各2曲づつ。「サニー」とか「ドラマーマン」とかやってはる。まさに夢の競演だがえらいちゃっちいジャケット。一切情報がないのでどういう録音なのかさっぱり判らない。聞く限りではどれも六十年代末から遅くて七十年代中盤ぐらいまでに録音されたものらしく、大方、この会社でかはともかく、量産されたインストアルバムから取ってきたものであろう。しかし、名のあるドラマーがずらりと揃っているだけにグルーヴィーに刻まれるリズムと豪快というか派手すぎて曲の流れを断ち切っているドラムソロが並立する黄金パターンが殆どの曲で聞け、まさに好演が並んでいると言っても過言ではなく、アルバムタイトルに偽りなし。お勧め。
ザ・ブルーベル・シンガーズ

月光仮面の歌

EP ポリドール DR1603  モップスやシャープファイブらとともに月光仮面ブーム?このバンドもすっかり寂れメンバーは僅かに3人に。原田実の編曲そのままブルーグラス系フォーク・グループへ先祖帰り。ファルセットを重点的に使用していることはいかにもこのバンドらしいが、コーラスが上手すぎてうたごえ運動にしか聞こえない。B面は和のテイストが異常に高い沈鬱なフォークバラード。絞り出すように呟く歌唱が重苦しい。

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