これ買いました平成17年8月


17.8.21 嫌いな団体と嫌いな○○と嫌いな雑誌と嫌いなバンドと嫌いな番組が一本線で繋がった。成る程俺も一本線が通っているなぁ。

V.A.

ECD プライヴェート・レッスン・イン・コントロール キング編

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1108  何だか判らないカルト歌謡コンピ。キング編。能書きに曰わく「『踊れない』『希少価値がない』そんな理由からDJからもコレクターからも相手にされない(中略)曲を集めてCDを作ってみようと思いました。」とあるが「逢えば好き好き」(マーガレット)「君なき世界」(ザ・ビーバーズ)「エピタフ」(ザ・ピーナッツ)「イエイエ」(朱里エイコ)などと並べているのだから全く説得力がない。なにこれ。初CD化は数曲に留まる。特に感想なし。
V.A.

ECD プライヴェート・レッスン・イン・コントロール コロムビア編

CD ウルトラヴァイヴ CDSOL1109  同上。コロムビア編。「子供の頃(中略)の(中略)光景とともに思い出す音楽」としてこれらの楽曲を思い出すという人間はよほど特殊な人間だと言わざるを得ず、これも説得力なし。なぜ気になる楽曲とかそういう気楽なくくりで括らず大義名分を掲げようとするのか。本当に何このシリーズ。これもどうと言うことはないがこちらは初CD化作も多い。

17.8.17 見合い話はいいけれどなんで離婚することが前提になってるんだ。

V.A.(阿久悠)

人間万葉歌 阿久悠作詞集

5CD ビクター VICL61631〜35  阿久悠作詞曲の5枚組ベスト。スパイダースから渚ようこまで約四十年に及ぶキャリアをジャンル毎にまとめている。大ヒットと自身の著書などで言及されている本人お気に入りの曲がずらり108曲。六〇年代後半の橋本淳と七〇年代の阿久悠の作詞は神懸かり的なところがあるが、ここではその七〇年代の阿久悠の詞の「最後に聞き手を突き放す」醍醐味が堪能できる。二人に共通するのは普通の言葉かファンタジックな言葉か、またその方向性も違うが言葉の組み合わせの妙というものをよく解っていたということだ。この人の詞が基本的にはドライなものなのだなというのが、特撮主題歌からロック、演歌まで幅広いジャンルに及んでいるが、ムードコーラスだけ一曲も収録されていないことでも端的に象徴されている。演歌にしても情念系のド演歌ではなく演歌のジャンルとしてはあくまで清涼剤・アクセントであるハードボイルドなものばかりだ。本人のインタビューとはちょっと違うが、劇場においてみるような存在だったドライな感覚が世間全般に広がり、日常になってしまったことに八〇年代の急激な阿久悠離れの原因があるのではないかと思う。網羅仕切れていなかった沢田研二の代表曲が手に入れられたので嬉しい。和田アキ子の「あの鐘を鳴らすのはあなた」もこうしてオリジナルにあたれば成る程名曲の誉れあり。南高節とかぐや姫「酔いどれかぐや姫」が珍しい。「90年代に起こった昭和40年代の文化的再検証ムーヴメント」って、実は俺が一番嫌いなものかも知れない。再検証なんて烏滸がましい、あるものをあるものとして認めればよいのだ。そこに再検証なんて作業は要らない。
V.A.(中村八大)

中村八大作品集 上を向いて歩こう

4CD 東芝 TOCT24193−24196  「上を向いて歩こう」の作曲などで知られる中村八大の作品集+名演集の四枚組ボックス。前世紀発売のものが一つだけ売れ残っていた。ジャズを血肉として黄金期のアメリカンポップスをリアルタイムに消化した作品群がやはり印象に残るが、その後のソフトロックやカンツォーネ路線での洗練された作品群の魅力もぴりりとスパイスが利いていて再発見できる。プレイヤー中村八大の奥深さも感じられる。何にせよ上品で、泥臭さのなさが六〇年代中盤という時代の波にのり、その後の狂熱の時代には一歩引いた活動に落ち着かせたのかも知れない。いや六〇年代の作品を集中的に投下しているボックスの選曲がそう言う意図を感じさせようとさせているだけかも知れないが。
小坂一也

ワゴンマスター1954

2CD コロムビア COCA6715→16  ウエスタンを中心にこの人のベスト。プレスリーナンバーが軽視されているのは、この人の評価としては正しいが、この人の残したものを全て伝えるには歪められているような気がする。この高度情報化社会が進み、素人でもテレビの映り方が判る時代においてはこのような歌手は不世出だろう。牧歌的な時代の牧歌的な音なのに、その隙間から当時のウエスタンに対するファンの熱狂が伝わってくるのが面白い。斜に構えたカバーものと戦前の藤山一郎あたりの国民歌謡の域から全然一歩もでていない健全なオリジナルが平然と同居しているのも凄い。
弘田三枝子

日本民謡を唄う

CD ヴィヴィド VSCD3472  絶頂期のミコちゃんが残した民謡をジャズに料理した痛快盤の初CD化。荒削りな点ややりすぎな点も見受けられるが、彼女の歌唱のお手本は美空ひばりであると思われる節回しが頻出し歌謡史を大きな流れを感じられて、聴きごたえあり。宮間利之とニューハードオーケストラのアレンジも快調。

17.8.12 関西方面の人間は奴の物言いを信じないように。

片山ブレイカーズ&ザ・ロケンローパーティ

月猫ガール

CD ヤマハ YCCZ40001  身内みたいなものだが、とにかくこういうものが出たのは嬉しい。俺が勝手にフーやオックスに例えているライヴでの滅茶苦茶さは影を潜めているが、その分テンポをやや落としているかいがあってか、思ったよりも音がまとまっていてまろやかな聞き触りになっており、ひとまず安心した。ボーカルがやや演奏に埋もれがちな録音になっているのはボーカルが非常にしっかりしたこのバンドの音盤としては悔やまれることこの上ない。ヤマハといえば昔は貧乏人の音楽家に冷たい会社だったが、今はその辺は改善されているんだろうか。
見砂直照と東京キューバンボーイズ

東京ラテンブラス

CD CTA SHC43  職人バンドによるラテン名曲集。「闘牛士のマンボ」「グァンタメナラ」とか。まさにBGM音楽。耳を劈くようでもなく、かといって淡泊でもない。これを生BGMにしてビールとかを飲めた往古の人物達はまことに贅沢の極み。ただ、東京パノラママンボボーイズがデビューしたときに彼らと比べられて全然駄目だという論評が在ったらしいが、ここに収録されている両者の共通曲を聞く限りではその論評は全くおかしい様に思える。もちろんこのアルバムが駄目だ、と言っているわけではない。
V.A.

鉄格子哀歌

CD CTA SHC11  「と学会年鑑」でも紹介された服役囚ソング集。兵隊節や任侠歌謡、流行歌の替え歌も多く、この手の幽囚ものが共通とするペーソスが垣間見えて面白い。特にレイプ犯?が被害者にひたすらわびる「どうしてあの娘に詫びようか」は大城晋「資本論のブルース」と通じるものがある。昭和四十年代に録音された音源らしく「檻の中の博多節」は大野進「ニャロメの歌」などのグルーヴ歌謡のアレンジの影響があり聴きごたえ十分。DJの機会とかがあったら流してみたい。なかなか面白い。
V.A.

任侠歌謡傑作集

CD CTA SHC45  大映音源による任侠歌謡オムニバス。14曲中3曲が「幻の名盤解放歌集大映レコード野望編」と被る。三条魔子が珍しい。駅売りCDということもあって歌手名と曲名以外のデータが全くないうえに歌詞カードには派手な誤植が。確かめていないがフェイド・アウトのタイミングが早すぎるような気がする。それは置いておくとして、やはり八泉鮎子の強烈な歌唱法は耳に残る。演歌というジャンルが未分化であったからこそ出来たスウィングと任侠演歌の入り交じった「さいころ化粧」では青山ミチかと思わせるポップ且つディープな真っ黒な歌唱が聴ける。所謂ド演歌の歌手の中では俺の殆ど唯一のお気に入りシンガーだったりするが、どうにも世間的にはさほど有名でもないので何とかしていきたい。他では藤巻潤の美声なのにつっかかるような歌唱の存在感は数ある俳優歌謡の中でも異質。

17.8.6 いかにも休みらしい休みだった。意外な出逢いに吃驚仰天。

V.A.

ペブルスVOL.24

LP AIP AIP10043  何故かUFOクラブで売っていた。大量にあったが、全部買うわけにもいかないので、一枚だけ選ぶ。ドイツのバンドの方のラットルズをそう言えばまともに聞いたことなかったのでドイツ編のこれ。ドイツのオリジナルガレージビートが一番トランスワールドものでは性に合っているような気がする。と言いつつ北欧のバンドも混じってないか、これ。一番印象に残ったのは冒頭を飾るキャセイ・ジョーンズとザ・ガバナーズによる「ハハハ」のカバー。力任せに正面突破しようとしている無駄な若さの燃やしっぷりがガレージ情緒を感じさせる。

17.8.5 5時前は最悪の日、5時以降はいい日。

V.A.

ワンステップ・フェスティバル

4CD アイドル・ジャパン JRDF0008/11  昭和49年に福島県郡山市で開かれた野外ライヴイベントのCD化。ゴールデンカップスやサンハウス、はちみつぱい、外道、クリエイション、四人囃子、センチメンタル・シティ・ロマンスなど当時からビッグネームだったバンドの他、宿屋の飯盛、信天翁など近年急激に評価の上がったバンドまで超豪華な面子の残した貴重音源。しかし、自分の守備範囲から明らかに外れており何とも言えない。もし俺がリアルタイムで、かつこのイベントの生ステージに立ち会ったとして、何かを感じられたのだろうかと考えるとそうも思えない。結局イエローのドラムソロが一番印象に残った。ゴールデンカップスの「長い髪の少女」はこれ以後の音源でよく聞くデイヴ平尾のよれよれなボーカルスタイルがすでに出来ていて笑った。冷静に客に注意事項を説明する内田裕也やかまやつひろしのMCに今の大規模ロックコンサートに感じる小便臭さと対極のものを感じる。異邦人は同名異人のグループの疑いが強い。なお、音源の状態はこの手のものとしては異常なほど状態がいい。
オリオンズ

涙に消えて アマリリスの恋

CDR  京都の復古GSバンドの初音源。というかもともとは俺が作ったバンドなのだが。ジャケット、中袋の凝りようの凄さは商業ベースでは考えられない高いレベルに達している。
 音の方も凄い。まずテンプタースのソノシートのようなご挨拶が最初に入るがこれがもうGSGSしていることこの上ない。間髪入れずに始まる「涙に消えて」は「プディの詩」をシャープファイブがカバーしたようなGS歌謡の中でウエスタンの味を織り込んだような曲で、凄まじい絶叫とプレイボーイのようなボーカルにやけくそなコーラスがからむ、凡百のネオGSが束になっても出てこなかった喪失感のある泥沼のような暗黒面がある。詞も橋本淳が書いたと言っても信じる人がいると思われるいかにもGS然としたものでよく練られている。つづく「アマリリスの恋」は「トインキーリー」のような始まりをするファズがかったブルコメ調歌謡で、感触としてはザ・プレイボーイの「燃える恋」をビートに乗せたような感じに近い。よく解っているひとが録音・ミックスをちゃんとやれば、歌謡GSの一番格好いいところを世の中に問える。初音源にしてかなりとんでもなくよい音源になっているので末が恐ろしい。

 

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