これ買いました平成18年5月

 

18.5.31 学生の本分は勉学研鑽なり。

V.A.

佐藤勝ソングブック

CD 東宝 MS00001

 映画音楽の分野で活躍した佐藤勝の作品集。とはいえ、映画主題歌などの歌謡曲集であって映画音楽集ではないので注意。「独立愚連隊マーチ」や(初CD化ではないにしても)「100発100中」が目玉か。とはいえ自分としては一枚物CDとしては初の復刻となるザ・ブルーベル・シンガーズ「昭和ブルース」が非常に嬉しい。というか、この歌はまた復刻されてるというような感じで丁度いいぐらいの名曲かつ大ヒット曲だと思っているので、早く本体から復刻音源が出て欲しい。他は特になし。

18.5.30 家に着いたら所持金3円。

V.A.

ベスト歌謡曲100ザ・ヒット・パレード

5CD 東芝 TOCT26021〜25

 東芝のヒット企画「何とか100」を強引に渡辺プロ50周年に結びつけたもの。昨今何をやらせてもダメな東芝だけでは何とも出来なかったかもしれないが、ナベプロのパワーで何とかなったという感じ。
 大体は定番ものばかりだが各CDに数曲珍しい選曲が。中でも注目なのは泉幸二の「ヤダ・ヤダ!」。パンチの効いたエレキサウンドに何とも頼りのない歌詞を丁寧に歌い込む端正なボーカルが乗るという青春歌謡の無茶さが良く現された佳曲。他にポップス扱いのトリオこいさんずも珍しい。何にせよエセル中田と五十嵐夕紀と大沢誉志幸が一編に聞けるというのは壮観だし渡辺プロの栄光の残滓をよく味わえるというものだ。

まりちゃんズ

三巴狂歌

CD バップ VPCC84550

 伝説化しているファーストアルバム待望のCD化。既に主要曲は散発的にCD化しているので新たな驚きは薄いけれども、こうしてオリジナルの形で再発されたのは目出度い限り。ロックや演歌的なメロディーばかりが耳に触れるが、コミックソング以外の作品では正統派のブルーグラス系フォークの色が強く出ており、海援隊やつボイノリオのレーベルメイトであることに素直に納得できてしまう。聞き終わると意外に穏やかな印象が残るのは不思議の一言。声質などを聞いているとジャックスの影響かと思われるところもあったりするが。

まりちゃんズ

お買得

CD バップ VPCC84551

 同、セカンド。一枚目が「野放図」のアルバムだとしたらこちらはより「自虐」の風が強い。壮大な前・間奏に対してしょうもない本編というネタである「月光仮面の・・・」(長いので以下略)はそのネタであるところの前・間奏がいまだに色褪せず格好良くロックしており、ネタの落差、生命を未だ失っていないのは、出来そうでなかなか出来ないことであって、この部分だけ作曲した川上了に脱帽。「売れれば良いと・・・」(長いので以下略)はギャグとして歌われているが、昔からの自分の持論そのままなのでちょっと苦笑、いや大変に苦笑。

カメカメ合唱団

人生はピエロ

CD バップ VPCC84516

 アナログから買い直し。泉谷しげるとニッポン放送の亀渕社長のいかにも70年代なセンスのコミックソングのアルバム。

渥美清、中村玉緒、ピンキーチックスほか

喜劇初詣列車

DVD 東映 DSTD02563

 一書に曰く日本の誇るドラッグムービーの大傑作。「男はつらいよ」でしか渥美清を知らない人には是非見て欲しい怪作!ラリる渥美清。二回も出てくるピンキーチックスの演奏シーンはこれぞガールズロックというかっこよさ。これだけでも買い!

18.5.23 「昭和ブルース」CD化は夢幻の如く。

白木秀雄

ステレオ・ドラム&ブラック・モード

CD テイチク THCD010

 下のフレッシュメンとかのシリーズ。日本を代表する名ジャズドラマーが36年に出したアルバムの復刻で、曲順こそ違えど、同じ曲をステレオ、モノの2バージョンで聞き比べることが出来る。スタンダードの他松本英彦によるオリジナル曲等も含み、小編成ながら名うてのプレイヤーを揃えた演奏は緊迫感に富む。とりわけ完全にドラムソロたる「ステレオドラム」では彼のスタイルと実力がストレートに伝わってくる。

つボイノリオ

ジョーズ ヘタ

CD バップ VPCC84546

 伝説化しているファーストアルバム待望のCD化。既に主要曲は散発的にCD化しているので新たな驚きは薄いけれども、こうしてオリジナルの形で再発されたのは目出度い限り。編曲のせいか大きく分けるとブルーグラス系のフォーク歌手であることが伝わってくる。
 どうでもいいが「金太の大冒険」をリリースした会社はおかしくなるというジンクスがあるので何としてもバップにはその凶例をうち破っていただきたい。

V.A.

琉球レアグルーヴ2

CD MS VCCM2022

 異例の大ヒットをした60〜70年代琉球歌謡の名曲集「琉球レアグルーヴ」の続編。
 前半は前作に劣らぬ高いテンションで、とりわけ冒頭を飾る賑やかなディキシーのバンドが島唄を演奏しているかのような高安六郎「むる判からん」と日本の戦前以来のムーディーな洋楽魂が伝わっている木下秀夫と楽団ブルーリズム「軽音楽てぃんさぐぬ花」、平悌子「ニイマの主」の三連発はレア・グルーヴの名に恥じない名演、好選曲で一気に心を持っていく。ただし後半にいくにしたがって単にロック、ポップス的なエッセンスが強い曲というだけになっていき、CDのタイトルから乖離、正直ネタ切れ感が漂う。他にも名演が埋もれているだけに惜しい。結局価値観の軸がそこにあるのだということが判って悲しみを覚えた。他では「県道節」が小品で可愛らしく趣味のよいインストに仕上がっていて好感。

V.A.

やさぐれ歌謡最前線 みなしごのブルース ユニバーサル編

CD ユニバーサル UPCH1491

 アウトロー歌謡(そうか?)を集めたもの女声編。玉石混淆の選曲。所謂和モノレアグルーヴを多分に意識した選曲ではあって例えば黛ジュン「とても不幸な朝が来た」のようにベースに特徴ある曲が多め。アワネ麻里の表題曲は既にCDされており、そんなに大書するような曲とも思えない。
 一方で秋吉久美子の2曲は凄い。菊池章子と西田佐知子のカバーだが、まさにこのCDのタイトルに相違ないやさぐれを体現したような出来。「星の流れに」なんてのは焼け跡の風景が思い浮かぶ荒んだ曲だが、実に一人の女声の人生を反映したつぶやきにいい意味で矮小化されていて捨て鉢そのもの。続く「エリカの花散るとき」は原曲を遠く離れたアナログシンセ満開のファンキーなディスコチューンを冴えず不安げなボーカルが渡っていくスリリングな対比が個の孤独を強調して技あり。グルーヴィーであってこのCDのハイライト。
 桃井かおりは自作詞の2曲を収録。た行の発音に特徴のある歌唱を披露しているが、このぐらいであろうというラインのとおりの歌唱。「尻軽女ブルース」は荒木一郎作曲の軽いポップスだがまずまず歌いこなしていて彼女のパブリックイメージの通りの歌内容で成る程と膝を打つ。いいかといわれると困る。
 梶芽衣子「恨み節」はレコード会社移籍後の再録音音源で、こちらの方が出来がよいか。もう一つの「欲しいものは」は典型的な昭和50年代演歌の音が懐かしい。
 ガールズが3曲も収録されていて、前に復刻されたときに買えなかったので凄く楽しみにしていたが、このCDのコンセプトと違うだろう。和製ランナウェイズたらんとして作られた、ゴージャスかつハリボテ的なロックサウンドはツッパリ具合とあまりに「そのまま」な世界観を提示しており愛おしい。単独盤の「再」復刻を強く望む。彼女たちは、ライヴ音源が残っていたら本当はどういう音だったのかのが判るので、そういう蔵出し音源によるCDが出てこないと全体が掴めなさそう。
 どうでもいいが、解説というかライナーの文章が酷く杜撰でいちいちどこがおかしいとか書かないけどもこういういい加減なことで世の中いいのかと思った。

V.A.

やさぐれ歌謡最前線 男の対決 ユニバーサル編

CD ユニバーサル UPCH1492

 アウトロー歌謡(そうか?)を集めたもの男声編。というか俳優歌唱集ですな。特になし。

18.5.21 新幹線が通っている都道府県の中で唯一新幹線の駅がないのは、どこでしょう。

白木秀雄

プレイ・ザ・ファンキー!

CD キング KICS2471

 下のスカイライナーズとかのシリーズ。日本を代表する名ジャズドラマーのベスト。バラエティに富む選曲。昭和35年前後の音源が多めだが、まさに、それこそアメリカの名だたるグループの演奏の中に入れ込んでも全く謙遜のないモダンな演奏で、かつ録音/リマスターの状態も好調で、俺が幼い頃に感じたジャズへの不信を完全にふっとばす名演ばかりである。この緊迫感、強烈かつ的確なドラミングは、何か固形のエネルギーをぶつけられているような感覚。ファンキーが売りであったけれども、その名に恥じず、それ以上の統制感が素晴らしい。後半には東京キューバンボーイズとの共演音源や丸山清子のボーカルを乗せた曲等も含む。
 個人的には曲が好きなのも手伝って、ホーンセクションとアップテンポなピアノ、ドラムの競演が都会的な喧噪と淋しさを同時に紡ぎだしている「赤坂の夜は更けて」が最も印象に残った。お勧め。

V.A.

ヤマタケTVヒッツ山下毅雄TVテーマ作品集

CD テイチク TECH25112

 ジャズづいている最近なだけに、この人のジャズ濃度の高さが心地良い。加えてこの人の持つ重苦しさをや。過去の麻疹のようなCDリリースで殆どの曲は既にCD化されており新味はさほどないけれども、初めて聞いた「二十面相は歌う」のアダルトテイストは何たることか!この人は風体はいかがわしいけれども、作る曲はいかがわしさがないわけではないが何をしたいかが明確でかつ実現の方法が突飛だ。何度聞いても「冒険ガボテン島」は名曲。「ジャイアントロボ」のソノシート版も貴重。

V.A.

スポ根TVヒッツ!

CD テイチク TECH25111

 パチものを含むスポ根アニメ/ドラマ主題歌集。「ガッツ・ジュン」のカバーのフルートが細かくて吃驚した。「がんばれドカベン」のカバーは多分実物を聞かぬまま譜面を渡されて吹き込んだものらしく譜割が思いっきり間違っているのがすごい。こういうカバーものの人達はクラシックの人が多いのかな。譜面は読めるが必要以上に歌い上げてしまう人が多いように見受けられる。

メル・ブルックス、ドム・デイルズ、マダリーン・カーンほか

珍説世界史PART1

DVD フォックス FXBS1114

 名の知れたコメディ映画だが見たことがなかったので。石器時代、ローマ帝国、宗教裁判、フランス革命を題材に取った短いギャグとやや長めのドラマ部分で構成されているコメディー映画。ショートものでは原始人の結婚とモーゼの十戒のネタに大笑い。ロング部分ではミュージカルショータイプの宗教裁判がブラックかつ手抜きのなさが偉く面白かった。
 字幕と日本語吹き替えの選択が出来るが、字幕版では曇りのないものでも、吹き替え版だとはっきり言って面白くないネタに成り下がるものもあって、意外に結構な違いがあるものだなと感じ入った。特に語呂合わせネタとか音楽ネタとかは歴然としたものがあったが細かいギャグはやはり原語の方が意図が解りやすくていいのかも知れない。
 あと題材が題材なだけにキリスト教とユダヤ教のネタが多いので、最低限の情報はいるのかもしれない。
 ラストの収拾のつかないネタを強引にまとめ上げるギャグもこれ以外どうしようもないかと思った。
 架空のPART2の予告編もヒトラーのフィギュア・スケートとかしょうもなくて最高。お勧め。

18.5.14 いいものを見たり。

hitomi

ゴー・マイ・ウェイ

マキシ エイベックス AVCD30958

 某ドラマの主題歌と承る。純歌謡なり。エイベックスでは結構野放図にされているからか、hitomiと言う人はたまに凄い純歌謡を出してくるので油断ならない。というかポルノグラフィティの本間昭光の作るメロディーラインに自分が弱いだけなのかも知れない。ビズィの「パシオン」とかどうにもこうにも自分の壷を突いて仕方のない曲だったのだが世間では盛り上がった気配がないしなぁ。と言うわけでこれもサビの歌謡っぷりがなかなか凄い。そこにいくまでが少々辛いが。カップリングは自らによる作詞作曲で、この人がデビューした頃の音楽事情が脳裏に浮かんでノスタルジックな思いに浸らせるユーロ調歌謡。

18.5.9 いやいやあんたが提出せぇというたんや。

チコとビーグルス

オンボロ汽車ポッポ

EP ビクター SV2066

 殆ど言及されたことのないチコビーのラスト・シングル?石坂まさをの詞によるSF的なコミックソングで呑気なことこの上ない。曲調はカントリーでR&Bは何処へいったんやというような長閑さ。奇襲攻撃的なチコの台詞が赤面もの。しかし、これでは売れないよ。B面は所謂世間でいうところの「昭和歌謡」の典型的な曲で、場合によってはDJユースも可能なベースの唸るグルーヴィーな歌。これも石坂作品で、それらしく捨て鉢なことこの上ない。

ペア・アップル

二人だけの径

EP コロムビア PES7122

 ゆうたろう似のツイン女性デュオが残した超有名シングル。強烈なビィジュアルを忘れればピーナッツやすずらん姉妹を思わせるような真っ当で清楚かつ可愛らしい跳ねるリズムを使った哀愁ポップスで特におかしな曲ではない。さびの高音部で少しコーラスが乱れるのは自主制作の悲しさ。B面はフルートをフィーチャーしたボサノバ歌謡で悲しみを湛えた60年代にありがちな歌謡ポップス。凡庸で物足りなさは残るがつっこみどころなどといって聞いている人にはお呼びでない、真っ当なよくまとまった小品。

18.5.7 知子のロックってやっぱり良いバンドだったなぁ。

ザ・シロップ

ハダカになっちゃおうかな

CD+DVD ダイキサウンド gladi001

 和モノサウンドを代表する名古屋のアングラバンドの最新作/サードアルバム。このバンドの演奏は全く何も云うことがない。完璧。今回も揺るぎなし。47年ぐらいのロックの人とジャズの人が入り交じった企画もののスタジオグループの音を完全に再現している。徳にベースの使い方に舌を巻くが、全般通して作詞作編曲と複数の楽器を受け持つ松石ゲルの才気に舌を巻く限り。全くお世辞抜きで日本の至宝だ。詞は自分の志と方向が違うが、これは許容しなければならない。ちなみにボーカルは相変わらず。楽曲に比して声の輪郭がややふやけていて細かい処理が出来ていないのがすげぇ気になるけど、儚すぎるのと音程の高低が激しいのをやらせると不安定この上ないのとで、ボサノバとか専門にやった方が向いているのでは、とかいうとボサノバの人に怒られるかなぁ。
 DVDにはミニドラマとステージ(と言っても客を入れていない疑似ライヴ)の様子を収録。まだ実物を見ていないのであれだが、もし目の前でこんな演奏をされたらステージの前でかぶりつきながら身悶えして大粒の涙を流しながらいろいろと複雑なことを考えながら腰から落ちていくことであろう。お勧め。

YMCK

ファミリーレーシング

CD ウサギチャン USG012

 前作の出来がえらく良かったので購入。テクノサウンドを全面に展開した良き若手ジャズバンドのセカンド。完全にファミコンチックな音色による儚いロリータヴォイスによるスイング路線が定着。今回も完全に成功を収めているけれども、やはりジャズを前面に出した曲の方が決まっている。自分が最近ジャズずいているからかもしれないが。このバンドがもし純粋なジャズをやったとしたらボーカルの弱さが致命的なところになるところだが、こういうチープなテクノに「逃げた」のは大変賢明なる判断としか言いようがなく、能力の限界を楽曲とグループの魅力に転化させた発想が凄い。一回ライヴを見てみたい。高橋名人が「ロックンロールランデブー」にボーカルでゲスト参加しているが、ますます上手くなっていて、普通に歌手で飯を食っていても全く文句がない素晴らしい歌唱。これもよい。

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