これ買いました平成18年9月

18.9.22 田舎から帰ってきたさ。

V.A.

SFアンソロジー

CD ビクター VICL62124〜6

ビクターの70年代のフォークレーベル「SF」の名曲を集めたコンピ。リリース時期とあわせた順番で並んでいて、前半はアングラフォークそのものではないにしても、URCの音源を含むため、その流れを感じるが後半にいくに従って次第に歌謡とコミックソングの色が強くなっていくことが手に取れる。もっともこれが本当にレーベルの流れとしてそういうものなのか、そういう趣向で選んだのかよくわからない。初CD化も多く、最後を飾る山本正之を髣髴とさせる竹内緑郎と旅行かばん「江古田スケッチ」が特に印象に残った。よく考えれば山本正之がジ・アルフィーに提供した「府中捕物控」はこのレーベルから出すことになっていた(結局中止)のでこの辺り方向がそっちに向いていていたのかなと思わせる。(印象批評。)通して聞くと森雪之丞の曲だけがえらく浮いている。

V.A

ナウなヤングだ!エレキ歌謡でGO!GO!GO!

2CD ビクター VICL62127〜28

いわゆる60年代に頻繁に見られたエレキ歌謡をレーベルを超えて集めたもの。多くは既にCD化されていておそらく仲宗根美樹の一曲だけが初CD化作品。ただし、これを含めてエレキ歌謡と言うよりはアメリアッチなどを使ったリズム歌謡といったほうが適切であろうと思われる作品が多く、確かにエレキの音が聞こえるということでエレキ歌謡と言うのであれば、演歌も全てエレキ歌謡になってしまう。仲宗根の「明日を抱きしめよう」もエレキというよりはエレキギターの音が大きめなラテン歌謡といった方がよく、もっと選曲に余地があったのではないか。

個人的にはレコードでしか持ってない作品がいくつかあったので、このあたり助かった。

近田春夫&ハルヲフォン

LIVE!1975〜77

CD ブリッジ CARA3017

丁度自分が生まれたころに繰り広げられた異色の名バンドのライヴ音源集。当時の主流のロックからは外れたステージを行ないながら、そのくせ他のどのバンドよりもロックというものを体現して名が高かったバンドであるだけに、実力は折り紙付であるし、ステージも当時の他のロックバンドのような権威主義的なところがない。しかもストレートにかっこいいいわゆる表部分と共に一癖も二癖もあるマニア向けの裏部分も同時に提供しており至上のバンドのひとつならん。今回のCDでは、スタジオ録音だけではなかなか伝わらないとてつもないテクニックと遊び心満載のステージが繰り広げられている。確かに音質自体は上下もあって万全とは言い難い面が多いが、しかしどうあれ高速、高テンション、好テンポでバリバリと演奏を進めていく様は圧巻の一言。絶対的な自信に裏打ちされた実力がなくてはこうは行かない。それにしてもバンドというものはコーラスをしないといかんとここでも感じた。お勧め。

V.A.

カルトGSコレクション日活編

CD ウルトララヴァイヴ CDSOL1145

 日活映画のサントラ音源から麻生レミ、フラワーズ、黛ジュン、ワンズ、モップス、ブルコメ、ヴィレッジ、ヤング&フレッシュ等。麻生レミのジャケがフラワー。過去にフラワーズの作品などではCD化されている作品もあるが、ヴィレッジ、モップスらの収録が嬉しい。ことヴィレッジはこういうことでもないと拾われないので今後も積極的にやって欲しい。多分フラワーズが販売対策で、あとの麻生レミがいかにも井上忠夫な歌謡曲を歌ってるのと後半の大人しい系のバンドの曲などが真の目玉か。こう聞くと、麻生レミはまことに歌謡曲的な曲の中で声質が合っており、ロックに行かなかった方が良かったようにしか聞こえない。また、解説(黒沢氏)でフラワーズがスチールギターを使った理由の推定がなされているが、あまり書く人がいなかったけれども、これが正解だろう。通して聞くとヴィレッジの「バラ色の雲」の演奏歌唱の出来がこれ以上ないほど素晴らしい出来で、生き生きとしており人気絶頂時の勢いを感じる。レコード発売前のブルコメの「ブルーシャトウ」は逆にこなれていない感じが出ていて興味深い。なおこれらはいずれもオーケストラをすっぱりと排除して自分たちだけの演奏を行っている。
 どうでもいいが「モンスターズ」ではなく「コレクション」をタイトルに選んだのかというのがちょいと不思議。ちなみに「君恋し」の作曲に二村定一がクレジットされているというとんでもない誤植があるけれども、まあそれはそれとして、聞いたことのないGS音源と言うのはそれだけで嬉しい。

V.A.

キング・ツイスト・ギンザ

CD キング KBZ001

 ちょっと前に出ていたキングのカバーポップス期の楽曲を集めたコンピで買い逃していたもの。殆どCD化されている。自分に踏ん切りをつけるため購入。

V.A.

フォーク歌年鑑‘66

CD テイチク TECH21145

 とてつもない枚数を費やして日本のフォークを編年で集めた大型企画「フォーク歌年鑑」の一枚。そのうちシャデラックスが収録されている二枚を購入。何度も言うけれども、シャデラックスの単独CDが出ない限りは死なないぞ。なぜこれほどの名グループがまったく今や名前を聞かなくなってしまったのか理解に苦しむ。名グループ中の名グループとはこのバンドのことだ。 殆ど持っている(今まで手許になかった音源はダークダックス「銀色の道」とシャデラックス「君についていこう」のみ)上にはじめて聞いた曲はない。
 ちなみにこういうタイトルだが68年版とかはゴールデンカップスなどのGS勢がフォーク扱いされていて、そのあともこれフォークかと首をかしげるような選曲も多く、昔出た「フォーク・ソング・アンソロジー」の反省がまったくなされていないことが泣きたい気分。

V.A.

フォーク歌年鑑‘67

CD ビクター VICL41310

 同上。これもシャデラックス狙いだが高石友也、森山良子、ヘンリーの曲がCDで持てたので良い。しかし肝心のシャデラックス「君の祖国を」はソニー移籍後の再録音物だった・・・。まあ良いけど。

ことばおじさんとアナウンサーズ

これってホメことば?

マキシ NHKエンタープライズ NSCA10302

極々一部で話題になっていた「みんなのうた」の曲だが、個人的には坂上弘よりも最初に聞いたときの衝撃が大きかった。あれほどの話題になっていないのはNHKというまともなブランドの色のせいか。自分のよくいう破壊力のある作品でこればかりは聞いてもらわないとどうしようもない。
 白色テロという言葉があるが、これは既成の体制が巻き起こす白色パンクと言っていい作品で、全てにおいて間違った狂気を感じる。ロックでもなければ技巧を凝らしたと言うものでもないけど、凄絶。

ボーカルは素人が声楽をかじったような朗々とした拙さがあり、キャラが立っている。
 演奏はギターの粘々したモタリ具合が駅前で演奏している名もない高校生パンクバンドを思わせ、切ないコーラスと共に情緒がある。本当にアナウンサー陣が演奏しているのであれば演奏のバランスが非常に危ういところで取れており、手に汗握るスリル感が素晴らしい。
 昨今の青春パンクを踏襲しており、それにのる詞もぼちぼち面白い。
 しかし、これが紅白に出たりするとなれば、怒る。というか、姿勢としてだめだ。

山田優

REAL YOU

マキシ ポニーキャニオン PCCA70157

ちょっと聞いたら意外に情緒があったので・・・。伝統を踏まえた昨今の隆盛の流行歌であって、唄としてはやや盛り上がりに欠けるが、悪いということもない。ただブレスをわざと目立たそうとしているかのような歌唱法が気になる。何でこういう歌い方にさせたのか、演出上の意図がよくわからない。その上、このブレスが録音の編集の粗さを目立たせていて、二重の意味で不思議である。

ジャック、マクガウラン、ロマン・ポランスキーほか

ロマン・ポランスキーの吸血鬼

DVD ワーナー DL65146

自分が映画というものに対して初めて衝撃を受けた想い出の一作。多分小学生の頃に正月深夜にテレビでやっていてやたらに驚いたんだと思う。吸血鬼映画のパロディーの傑作コメディーだが全体を包む深い悲しみがあるのは、この人の映画に共通する人間嫌いが反映しているのかなとも思う。主人公を演じるポランスキーが珍しく普通の人そうなのが却っておかしいが、誰かに似ているのに誰なのか思い出せない。ヒロインはあのシャロン・テイト。

クリストファー・ゲスト、ロブ・ライナーほか

スパイナル・タップ

DVD ユニバーサル UNFC35021

見たくて見たくて仕方のなかった大馬鹿ロックコメディーの待望のDVD化。大笑いというよりは捻りを効かせてにやり、というような映画であって、金字塔の如くなるべし。映画は傑作なるけれども字幕の出来があまりよくない。言ってることと字幕が違うよというようなレベルではなくて誤植とか謎の漢字使いとかが散見される。気がちってよくない。よく聞くと演奏される曲はロックというよりもポップス寄りの凡然とした曲が多いのに気が付かされた。というか俺のハードロックの定義がおかしいだけかもしれない。

18.9.13 研修中・・・。

マヒナ・スターズ

魅惑のバラード 夜のためいき

CD 東芝 TOCT11142

ビクター時代に比べて影が薄い東芝時代だが、オリジナルアルバムの復刻は快挙。
 マヒナスターズはリバプールサウンズに対するトラッシュメン・キングスメンに比するが如く、ムードコーラスそのものというよりはその前段階の形態を残したバンドである。また、その音楽的なルーツもハワイアンであってムードコーラスの多くがラテンやジャズ、ブルースをルーツにしていることから考えると注釈なく一緒には出来ないバンドであると思われる。
 この両アルバムでは、オリジナルのほかラテンやスタンダードを披露しており、当時の上げ潮のムードコーラスに必死に対応して進路を切り開こうとしている意欲をよく感じることは出来る。しかししたがって結果としてはマヒナ独特のサウンドは後退してしまっており、むちゃくちゃ上手くて非常によくまとまったシックだけれども普通のムードコーラスという線に落ち着いてしまっていて、成る程売れ線を狙うにはちょっと渋すぎる。ただし、そうは言っても酷いとかそういうことはなくてもともとこういうバンドがやっているというように思えばよく聞ける。 

そんなことを書いていたら三原さと志さんがお亡くなりなったそうであります。慎んでご冥福をお祈りします。

マシュー・弦也・南

大草原の小さなマシュー

マキシ+DVD コロムビア YRCN10160

藤井隆が某番組で扮する人気キャラクター名義で出したシングルCD。歌謡曲のパロディとして猛烈によく出来た「おきぬけ・ジョーク」が待望のCD化されたのが嬉しいが、これと「なれそめ・ジ・エンド」は藤井隆の歌謡曲に対する造詣の深さがよく反映されており、歌唱の上手さもあって特に難ずるべきところもないが、金のかかっていないトラックがなんとも惜しい。これがちゃんとジャズ系スタジオミュージシャンの演奏によるトラックであったら安っぽさが払拭されてより良いものが出来たのではないか。この他普段の藤井隆色の強い「K.B.」は絶叫調のロックで、歌えるところをまざまざと見せ付けている。全般的に硬質な声である。DVDにはCDに収められた唄のイメージ(番組で放送されたもの)の他番組初期を中心に評判の良かったシーンを収録。懐かしくも面白い。

キグルミ

たらこ・たらこ・たらこ

マキシ ビクター VICL36151

話題のCMソング。哀愁のロシア民謡調で、日本人のロシア民謡好きの伝統がこの期に及んで廃れていないことに却って驚いた。

クレジットを見ると作編曲は上野耕路で、この人はゲルニカというバンドにおった人であって、なるほどこの物悲しいノスタルジックさはゲルニカの世界観と相通じるところがあると納得した。かようなスチームパンクな世界感が、国民の間に広く受け入れられるようになったと言うことを偲べば、ゲルニカ以降の約20年の歴史を偲ばずにはいられない。こういう退廃的極まるバックに販促ソングが展開されるのであるから、非常にミスマッチであってそこが魅力になっているのであろうし、こういう曲を掴んできたキューピーも凄い。
 カップリングもシャンソンを基調をしながらハワイアン風の楽器編成を混入しておってエキゾの本分を捨てておらないのに根性を感じる。これも上野耕路の作編曲である。

 どうでもいいが、歌手の、少女ながらもさほどルックスがよくないのにも趣深い所があって好感を持つ。

18.9.7 10軒目でようやく発見。

内田裕也・尾藤イサオ

ロック、サーフィン、ホット・ロッド+2〜レッツ・ゴー・モンキー

2CD 東芝 TOCT11140・41

「プレGS」時代を代表する名盤の久方ぶりの復刻。バックはブルージーンズ、ブルーコメッツ、そしてその連合軍という豪華版。アメリカだとビートルズ上陸直前をトラッシュメン・キングスメン時代などというと或本にあるけれども、このアルバムはまさにそんな感じ。バックのせいではあるけれども、全体的に音圧が高い。内容としては演奏はビート感が非常にあるが、選曲そのものは「ロック〜」はプレスリーや黒人音楽、「レッツ〜」は大分リバプールサウンドのカバーが中心にあって、この僅かな期間にポピュラー音楽界を襲った大波を追体験したような感覚がある。やはりというか、尾藤イサオの方が一歩進んだ感じをうけ、たとえば「ブルー・スエード・シューズ」あたりを聞くともっとロックの歴史の中で活躍できたのではないかとつくづく思うが、このあたりは時局の巡りあわせであってどうしようもない。ということで、東芝なのでライナーも歌詞も何にもないぞんざいな復刻だが、取り敢えず聞ければいいのだ。あとは奥村チヨと小川知子は買う予定。

18.9.6 内田裕也と尾藤イサオのCDを渋谷の大型店2店で尋ねたらどちらでも30分以上待たされた挙句わからないと言われて疲れた。

ザ・ピーナッツ

シングス宮川泰

2CD キング KICS1258〜9

つい先ごろお亡くなりになった宮川泰がピーナッツのために書いた全39曲(1バージョンずつ)を網羅したマニアックながらも普遍的なアッピールも持つ好企画。(ただし、「東京たそがれ」と「ウナセラディ東京」は別曲としてそれぞれ収録。)結局ザ・ピーナッツのパブリック・イメージというのは宮川サウンドによって作られたところが大きく、和風洋風、悲劇的なバラードからコミックポップスまでジャンルは多岐に渡れると雖も一本貫くものが感じられ、又逆にそれだけのジャンルの広さを鯨飲できるピーナッツの度量の広さにも改めて感じ入る。後半「大人のムード」と称して一つの方向に収斂されて行ってしまうが、最後の最後にそれをひっくり返してしまうような楽曲を発表してしまうのがまたザ・ピーナッツらしいといえばらしい。昔のボックスを持っている人以外には大変に有用なアルバムか。

山下敬二郎

敬ちゃんのロック 涙の紅バラ

CD 東芝 TOCT11135

なぜか軽視され続けているロックの権化・山下敬二郎のオリジナル・アルバム二枚の復刻。とは言っても今考えるロック/ロックンロールという言葉から受けるイメージからすると、このアルバムはカバー・ポップスやスタンダード曲が多くを占め、まったく結びつかないかもしれない。これがこの人の不幸なところで、ロカビリー三人男の中でもっとも融通も利かずにロック一本槍でやってきて、グループサウンドからロックに再び名前が戻るころには「ロックっていうと山下敬二郎みたいだねぇ。」というようなことまで言われていたにもかかわらず、どうにもこうにもなんともかんともなのは、GS以前軽視の悪風とともに、この人の残した音源ということの問題もある。どんなに凄いロックをやっていたとしても、そこに立ち会えなかった人にとっては残った記録だけが頼りなのであって、最大のヒットが「ダイアナ」だったり、結果として甘ったるい曲だけが世の中に存在し続けるということになってしまったというのは、痛恨以外の何者でもなかろう。これは、同時期のほかのロッカビリー歌手にも言えるが、他の歌手はなんだかんだと言っても多少その片鱗が伺われる曲などが残っているので、この人は本当に運が悪いとしか言いようがない。

ジェリー藤尾

 

遠くへ行きたい ダニー・ボーイ

CD 東芝 TOCT11150

全盛期の十吋LP盤二枚を復刻したもの。ただし、重複曲を除く。「遠くに行きたい」ではパラダイスキングという当時の世界最高レベルのバンドを引き連れていたこともあるが、バンド/作家によるオリジナル曲とカバー曲がバランスよく配置されている。ただしブチギレ感は作家(六八コンビ)による作品のほうが全然上で、むしろバンド勢の曲の方がまとまった印象という逆転現象がある。「ダニー・ボーイ」の方は彼の愛唱歌集で要するにステージレパートリー集であろう。無難ではあるが、当時のトップレベルの力量というものが充分に胸に迫ってくる。
 どうでもいいが、このシリーズさぁ、「歌謡曲伝説のアルバムが蘇る!」とかと書いてあるけども、歌謡曲じゃない奴の方が多い。まあ東芝なので。

V.A.

 

ガールズ・オン・ザ・ロック 乙女のロック伝説

CD テイチク TECH25127

ギャルバンを含む女性ボーカルのロックバンド、女性ロッカーの代表曲を集めたコンピ。ガールズの「チェリーボンブ」(←なんで「ボム」じゃないんだろう。)が聞けたのがありがたい。ジュークボックスのプロフィールを知ることが出来たのもありがたい。80〜90年代は全然歌のようなものを聞いていなかったのだが、レベッカやショーヤといったヒットした人たちの曲は自然に歌えてしまった。このあたりが流行歌というものの強さだろう。

18.9.1 DVD四枚を頂く。

いままで音の方はCDで持っていたがMCで何で観客が笑っているのかとか、何をどうしたのか判らなかった部分があったが映像をみたらそのあたりが氷解できて成る程納得できた。ブルコメ、スパイダース、ブルージーンズらのプロ根性に感激。タイガースのセンチメンタルさには涙。そのほか,ダニー飯田とパラダイスキングのスマートなライヴ運びには感心することしきり。Bさまありがとうございました。

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