これ買いました平成21年7月

21.7.31 体調が不良である。

松田京子

おとこぎらい

EP 東芝 TP1590

聴取中。B面CD化済。着物キューティーポップ。この人はローヤルレコードにいたころは司京子といっていたのである。

古城たかしとブルータッシュ

東京の夜に泣いている

EP 東芝 LP1218

関西ナンバーワンのロックバンドと謳われたムードコーラスグループのデビュー盤。盤のみ。A面はCD化済。B面はどこがロックバンドなのかと唖然とするサックスとボンゴが鳴りまくるいなたいラテン歌謡。ムードコーラス曲としては上出来なのだが、グループサウンドの末期でもここまで濃厚なムードコーラスものはない。一体本当にこのバンドはロックバンドだったのだろうか。

21.7.30 親だろうが田舎者の言うことは信用ならない。

寺内タケシとブルージーンズ

真赤は危険

EP キング HIT770

A面CD化済。日本ブルースの最高峰。B面はライチャスブラザーズやキングトーンズを思わせるしっとりとしたスローな歌い上げブルース。寺内のギターも「ブルースター」などのような泣きのギター路線。ブレスと過剰なビブラートが気にならぬでもないが、これを考えてもルイ高橋のフィーリングが素晴らしい。詞がやや軽いのが残念。

ファイブ・キャンドルズ

はてなき旅

EP テイチク US630J

ある程度枚数を出しているGSの全部のシングルをレコードで揃えたのは実は初めてであります。コロムビアのフォークシンガーであるヘンリーの作曲していることもあり、ヴィレッジシンガーズの「ブルーロビン」風に始まるが、その後はフォークバラードとも純歌謡ともぬめっとしたソフトロックとも言いがたい何ともつかみ所のない曲が歌われる。バリトンボーカルにハーモニカが絡むが少しキーがあっていない部分が見受けられる。よくはない。B面は落ち着いたクラシカルなアレンジのバラードで外国曲の台詞入り日本語カバーだがオリジナルがよくわからない。ややべた付いたボーカルが気になるが、ハーモニーが付けられるという強みを生かした曲。ソフトロックブームに乗った曲であろう。

松浦健

思いきれずにいられない

EP コロムビア P95

聴取中。A面CD化済。筒美京平の最高傑作の一。

井上ひとみ

恋の花咲くハイランド

EP キング BS986

聴取中。キューティーポップス。

あさおみち

涙のストライク

EP RCA JRT1213

A面CD化済。「幻の名盤」。ボーリングものの大傑作。B面はA面を上回るビート感を持つ喪失感のある純歌謡。疾走する喪失。整っていないボーカルがちぢ乱れる女心の熱い情熱を見事に表している。こちらの方がよく出来た歌だと思うが、どっちも一般受けしなさそうではある。

青山ミチ

湖のバラード

EP クラウン CW1239

聴取中。CD化から漏れたがクラウン時代では最も人気の高いレコードでB面がグルーヴもの。

21.7.29 クリーニング調査中。

平尾昌晃・秋篠美帆

恋人たちの港

EP ソニー 07SH920

聴取中。ポートピアランド関連。

松原隆と東京エコーズ/あかね道子

東京バカ踊り

EP テイチク SN937

A面CD化済。B面はあかね道子は入らず自分たちだけが参加。えらく古くさいのかやたらに新しいのかよくわからない、「西海ブルース」のような後期ムードコーラス風の楽曲を加山雄三や梓みちよ辺りの60年代ナベプロ所属歌手が歌うポップバラードのようなアレンジで処理した作品。どうもこのバンドは出自のハワイアンの味が殆どない作品が多い。所謂カルトなムードコーラスグループと言えば彼らだろう。

叶修二

太陽にキッスを

EP ポリドール SDR1164

サックス入りエレキ歌謡で青春歌謡色が大変に強いけれどもテケテケなども入っていてギターの使い方が鋭い。スペイスメンにそっくりなビート(要はロックなビートではないリズム)が入っているので何らかの人脈が関係しているかもしれない。ガレージ歌謡と言っても通用するかも。B面はバイヨンとエレキ歌謡の結合。ギター弾きまくりで、このアレンジがブラックストーンズの「ヘイミスターブルーバード」に繋がっていくのだろうか。編曲は中島安敏である。こちらもA面と同じ演奏陣だと思われるが、こちらの手癖からするとオールスターズ・ワゴンの匿名演奏に松浦ヤスノブあたりのサックスをかけたものなのかも知れない。イントロにはベンチャーズの影響が感じられる。いずれにしても両面ともロックでないエレキ歌謡の醍醐味の詰まった曲と言えよう。

八泉鮎子

女の嘘

EP 大映 D51

聴取中。佐々木早苗、緑川アコそしてこの人が60年代の三大歌手だと思う。

21.7.28 演歌と歌謡曲は別だから。

V.A.

ヒット辞典〈ガールポップ編〉

CD キング K30X238

昭和63年に出たえらくカルトな選曲のオムニバス。大体今の「昭和歌謡」再評価の流れは平成8年ごろのCDの再発ラッシュで基礎が築かれたという面が大変に強いけれども、それ以前にCD化されてそれっきりと言う歌謡曲の名曲も多く、見過ごせない重要なコンピレーションも結構多いのだけれども、これもその一枚。こういう早すぎたコンピはキングに多い気がする。「虹色の湖」や「折鶴」といった有名どころに混じってマーガレットや篠ヒロコのこの後に再CD化されたマイナーな曲、さらに葉村エツコ、テレフォンシスターズ、中山エミといったこの後一切CD化されていない曲がずらりと並んでいて壮観。このあたりはマニアック一辺倒ではなかなか商品にならないと思われていた時代の遺風であろう。タイトルにはガールポップとあるが、フォーク系から純歌謡系まで広く取り揃えられていてその概念は広い。注目はやはりこのCDでしかCD化されていない曲で、自分が初めて聞いたのは四曲。その中でも葉村エツコの「燃える花びら」は信楽潤作曲でずっと聞きたかったが、案外にしっとりとした純歌謡で驚いてしまった。ほかはマリ・クリスチーヌの「迷子の風船」は前作の路線、中山エミの「でんわ」(この前にテレフォンシスターズ(電電公社の社員で構成されたグループ)の「涙のチェリーボーイ」が並べられている。)は「男の子女の子」風のゴージャスな作り、ニューキラーズの「渚のハーモニー」は見事なニューロック歌謡で、選曲者の見識の高さが光る。ニューキラーズの曲は存在すら知らなかった。

ハープル・シャドウズ

全国深夜放送ベスト14

LP キャニオン C1030

このバンドがロックバンドではなく目指していたところはスイング志向の小編成ギターバンドだったことがよくわかるアルバム。冒頭の「あなたのすべてを」はいわゆるサバービア感覚満点のボサノバ調に仕上げており、このアルバムの色を提示しておって非常に見事である。その後もサックス、ビブラフォン、ストリングスなどのエクストラトラックを効果的に導入しながら、ロックという観念は全くないものの、イージーリスニング、モンドという視点から見た場合過激とも言えるほどスイートな演奏が連なっていて目が覚めるようなというかドリーミィーと言うか、イージーリスニングの深奥に達したような心地が得られる。同じ歌謡曲のイージーリスニング的エレキインスト化したものでもフィリップスで出した前作のアルバムよりも相当に出来がいい。もし「日本ロック紀」がガレージ的視点から描かれずにもっとモンド的な視点から書かれていたらこのアルバムは相当すごい評価を得られていたであろう。すごい。今井久のギターのすごさがようやくわかったような気がする。お勧め。ただ、選曲が明らかに変で、当時の深夜放送を聞いていたティーンにアンケートを取った結果だと言うけれども盟友サベージのヒット「いつまでもいつまでも」など2〜3年、或いはもっと流行に後れている。これもこのアルバムがあまり評価されていなかった原因であろう。本当にこういう結果だったのだろうか。それにしてもこのジャケットはディスカバージャパンのパロディだったのか・・・。

ザ・シャデラックス

緑の地球よどこへ行く

LP ソニー SOLL29

当時の世相を反映したプロテストソング集。黒沢大人はこのグループが「プレイボーイプレイガール」を歌っているのを見て非常な違和感を感じたそうだが、こういうアルバムもあり、それ以外にもプロテスト的な曲、要はいずみたくの思想を代弁したような曲が多くあるから、自分はそれについて違和感を感じたということに却って違和感を感じた。日本列島大改造批判あり、冷戦批判ありだが基底にあるのはエコ志向であろう。もちろん当時はそんな言葉はないが。作詞家も今なら見れば左翼的ではあるが、当時はそうやって世の中に阿る事が芸術家としての保身の道であったので致し方ない。この時代の大衆に対して送られた諸作には思想を前面に打ち出したものもちらほらと見える。これらに類して、このアルバムの楽曲も今から見れば随分陳腐でまた的外れな内容もあるが、当時プロテストとして認識するにはこの内容でないと致し方なかったのであろう。コーラス主体のベテランフォークグループであるから、そのコーラスの出来は言うまでもないが、フォークであることは確かながらその枠には収まりきれない華麗なアレンジが散見され、例えばPPMのようなポップに聞けるプロテストソングと言ったところか。全ていずみたく作曲、大柿隆編曲だが特撮主題歌のような「ついこのあいだのはなし」と大正演歌な「新わからない節」の二曲が飛びぬけて良い。タイトル曲はクラシカルな純歌謡でこのバンドの面目躍如。なお「雨は斜めに降る」がソフトロックドライヴィンシリーズに取られているが、別にこれが最も出来が良いトラックとも思われず、他のトラックの方が余程に良いように思われる。

V.A.

ポップスベスト14

EP 東芝 LTP9045

東芝所属の人たちによる46年ごろのヒット曲オムニバス盤。ただしポップス系に限られ、トワエモア、バニーズ、赤い鳥、ジェーンシェパード、マモル・マヌー、桐山和子らどちらかというと渋いメンバーの楽曲が取られている。とりわけ渋いのはブルータッシュで、セカンドシングルの両面が取られている。このバンドは現在はムードコーラスとして知り扱われているが、その出自やキャッチフレーズ、またここで聞ける「君を忘れるために」のビート感を考慮するとポップスバンドもしくは歌謡ポップスバンドとして取り扱ってやるのが一番良いような気がする。ただ、そう言うバンドが「北帰行」なんて曲をやるのか、と言われると非常に困るが、これもやたらにつんのめった歌い方をしていたりして大変に面白い。約半分は既に持っている曲だったが、全般に透明感のある歌が多く、ポップスらしいポップスが揃っている。トワエモアはやはり上手い。とりわけ「愛の泉」はグルーヴィー。

矢野憲一郎とアロー・ナイツ

女の思案橋

EP コロムビア AA95

聴取中。やあ、ずっと聞きたかったので大変に嬉しい。有名な秋庭豊とアロー・ナイツとは全然別のバンドのセカンド。女性メンバーがいなくなっている。

ジョリー・ランバース

白い葉書

EP コロムビア PK161

聴取中。

キャプテン・モジョ・グループ

酋長の娘

EP RCA RVS1163

聴取中。「幻の名盤」。A面CD化済。大正時代のヒット曲のディスコ化。何でもかんでもディスコにすればいいと思っていた時代の産物。

21.7.27 いい職場なのかもしれない。

常田富士男

私のビートルズ

EP コロムビア SAS1469

聴取中。有名盤。A面CD化済。

 

21.7.26 充実した休日。

ザ・ピーナッツ

男と女の世界

EP キング BS1157

聴取中。有名盤。沢田研二作曲。

 

21.7.25 いいはいい。

バラクーダー

ゴールデンベスト

CD 徳間 TKCA72790

 バラクーダーはダスターポットのメンバーだった岡本圭二とベートーベン鈴木が結成したグループでいわゆるボーイズ・グループであり、レコードでは漫才系のグループとは違いコミック色を前面に出しムードコーラス的な曲が殆どないのが特徴である。さて、このCDは彼らの昭和時代に出したシングルの全てのA面と一部のB面、アルバム収録曲を収録したベスト盤で、東芝、徳間、ビクターと三つの会社を渡り歩いた彼らのキャリアが俯瞰できるのが大変にありがたい。特に、時代の音を取り上げただけと言ってしまえばそれまでだが、「あららこらら」などは日本の歌謡系の歌手/バンドの中でもかなりテクノの本質に迫った名曲だし、「いる・いる‘83」はあるあるネタの先駆者であることともに鋭いロックに乗ったラップというかダブというか妙に先進的なボーカルが聞き応えがあったり、或いはオールディーズ風のエロ歌「愛しのビニー」があったりする。「チャカポコチャ」もポンチャックなどとの類似性が指摘されており、全くそのとっ散らかった音楽性には驚かされる。一方演歌・ムードコーラス的な曲は殆どなく、わざとその趣向を取り入れたメタ的な「ナイト東京・ふられ酒」と殿さまキングス風の「ふり向かないでラプソディー」があるのみであるが、軍歌や渡辺宙明とジグゾーをあわせたような曲があったり音楽性ということで彼らを語るのは大変に難しいだろう。最近痛感しているのはこの手のボーイズグループや音楽漫談系のグループの系譜の複雑さで、それがムードコーラスの歴史にも複雑に絡まってくるから、いつか何とかまとめてみないとと思っている。詳しい解説があるが何故かレーベルメイトのとんねるずの楽曲からの影響、殆ど悪ふざけに近い「雨の西麻布」への乗っかりで構成されている「異性人」について一言も触れていなかったり、花井真理子とサニーフェローズの「電気ゴマすり音頭」と「ありがとう音頭」の関わりについて述べていないのは何故だろう。

和田弘とマヒナ・スターズ

愛しているよいつまでも

EP 東芝 TP1503

聴取中。鈴木道明。

若原一郎・大空真弓

愛してるかい

EP キング GK287

出門英作曲。ミドルテンポなラテン歌謡。若原一郎の歌唱はやや固く大空真弓の歌唱は脆弱。特にこれという特徴のない曲。B面はヒデとロザンナがやればそれなりに形になったと思われるミドルテンポのバラードだが若原にはやや低すぎたようでサビ前の歌唱が苦しい。歌い上げ部分の歌唱は素晴らしいだけに大変に惜しい。大空の歌唱もこれを補わず。このシングルの意図はなんだったのだろう。

信楽潤

タリラリラン・ブルース

EP コロムビア大映 G11

聴取中。ご本人に拠れば、バックをつけているのは殿さまキングスとハニー・シックス。A面CD化済。有名盤。

高石友也

受験生ブルース

EP ビクター SV681

A面CD化済。B面は同曲がリサイタルで披露された際のライヴ音源で、A面よりも軽快な演奏が聴ける。特に替え歌があったりギミックや客いじりがあるわけでもなく、この歌が「帰って来たヨッパライ」や「ケメ子の歌」を迎撃するために取りも直さずにリリースされたことを物語っている。

守屋浩

大学かぞえうた

EP コロムビア SA944

聴取前に両面CDで入手につき略。

大橋節夫

シバラク

EP キング NCS1323

聴取中。バックは弟子筋に当たるパープル・シャドウズで、この時のメンバーは今井久、田原謙一、中西達治、伊藤康夫。歌舞伎の「暫」とは関係なし。

21.7.24 別に。

深山千里

花の願い

EP ポリドール SDR1420

聴取中。この人は何故か華やかなイメージがあり。

葉村エツコ

おねがい!おねがい!

EP キング BS580

聴取中。有名盤。

若草ジャイアンツ

ディスコベイビーちゃん

EP ポリドール DR6088

聴取中。A面CD化済。

21.7.23 色々と嫌になってきた。

ザ・キングトーンズ&マリエ

失われた街

EP 東芝 ETP10477

ディスコ路線。マリエは今のセレブモデルで売り出している人とは別。旧編成での末期のころのシングルで突っかかるようなマリエと控えめな内田の掛け合い。サビは内田が掻っ攫うが何とも盛り上がりそうで盛り上がらない曲。B面はチーク用のバラード。女性ボーカルを売り出そうとしていたのだろうがなんとも声がトラックに没入している。またボーカルの声量が足らないから声が揺れていて聞きがたいのである。内田のボーカルが立っているだけに一層冴えなさが協調されてしまい何とも残酷。東芝時代のキングトーンズは聞き手が何を求めているのがわかっておらないようなシングルが並んでいるから困る。

鮎川由美

私達

EP ポリドール DR1740

聴取中。一部でブレークビーツ歌謡として有名。

21.7.21 かわいそうなは。

スカイライナーズ、スパイダース

64年ヒット・パレード

LP コロムビア PS1102JC

スパイダースが4曲、スカイライナーズが8曲を昭和39年のヒット曲を演奏。洋楽のカバーばかりだがビートルズ、シャンソン、ジャズ、映画音楽、カンツォーネとジャンルは多岐にわたる。ビートルズ、アストロノウツ、プレスリーがスパイダースの担当で、演奏メンバーが誰なのかは書いていないので一人二人はGS時代のメンバーとは違う時代に入るのかもしれない。初期スパイダースは田辺の豪放なドラミング、井上の跳ね回るギター、大野のスチールなどが特徴的だが、そのどれも見られず、せいぜいが元気のいいエレキバンドという程度の比較的に平板な演奏ではあるが、不思議に荒々しく、整っていてセンスの良さはにじみ出ている。スカイライナーズは一流のビックバンドだけあってジャズ度が高いものからオーケストラ的な演奏までこなしていてその対応能力の高さに改めて驚く。グルーヴ的な部分もよくしまっているが、ビートとしては薄い。エレキギターの入っている何曲かは合奏しているかもしれない。

桑原まゆみ

北の伝説

EP トリオ 3B705

聴取中。「幻の名盤」。A面CD化済。

21.7.20 タイミングを失う。

原トシハルとBアンドB7

雪国の女ごころ

EP ビクター SV576

あと一枚でコンプリ。民謡系エレキ歌謡。このサウンドならばGSだと言い張っても通用しそう。寂れたオルガンの音色が泣かせる。B面はタイトルに反して寧ろこちらの方がポップス的な曲だが、ポップスというよりもロシア民謡やマヒナスターズ、フルセイルズらの楽曲に近い曲でこれもしみじみとしてしまう。

21.7.19 久しぶりにものが干せた。

克美しける

北京の55日

EP 東芝 JP5260

有名盤。義和団事件を扱った流行歌はこれだけだと言われているが、要は同名の映画主題歌に日本語詞をつけたもの。勇壮な行進曲で、気風のいい克美のボーカルとよくあっている。B面も有名な「エイトマン」でここまで有名な歌手がアニメの主題歌を歌ったというのは確かに空前かもしれない。これも勇壮なマーチもの。どちらもなんだかんだと有名なので耳にお馴染み。放送禁止扱いなのはともかく、全く復刻されないのは東芝がマスターを廃棄したからと言われているが、これは誤りで、「エイトマン」は復刻されたこともあることから、少なくとも作品の一部は明らかにテープが現存しているものと思われる。

チャーリー石黒と東京パンチョス

乙女の祈り

EP ポリドール DJ14

クラシックのラテン化。バイヨン化。南国的な暢気な雰囲気が横溢している。「ラスベガス万歳」に似たような編曲だが、こちらの方が早いはずだからおそらく偶然だろう。B面は「エリーゼのために」でボレロで料理して入るが原曲の味を生かしてピアノがほぼ前面的に活躍。夜のBGMにふさわしい。当然ながら両面ともインストで所謂軽音楽盤である。

21.7.18 今年は総じて平和なり。

立花京子・アイドルス

嫁ゆかば

EP ポリドール SDR1418

本体入手。B面はGS屈指の大名曲。

森雄二とサザンクロス

今は仲良くやってます

EP クラウン CWA3

谷間のような曲。後期のサザンクロスの特徴である軽いディスコと過激な浮揚感がよく出ている曲。ただし楽曲としての練りこみは足らないように思うが、これが「三宮ブルース」や「好きですサッポロ」といったカルト的な曲に繋がっていくのかと思うと感慨深い。B面はA面の浮ついた雰囲気を鎮めるアンカーのようなマイナー調の正統派のムード歌謡でハーバーナイツの「東京イレブンラブコール」などの一連の作品を髣髴とさせる。こちらの方がよく取りまとまっている。

キューティーQ

プロポーズ・ロックンロール

EP 東芝 TP1268

聴取中。A面CD化済。歌謡史に残る大名曲。

眉なみこ

銀座物語

EP キング BS969

聴取中。一部で大変有名なレコード。

亜里ひろみ

博多の夜

EP 東芝 TP2957

聴取中。

21.7.17 常識はありてなきをなく思うもの。

藤武士とシックス・ロマン

ロマン演歌デラックス

LP フィリップス ES8030

シックス・ロマンは「GSのレーベル」フィリップスでGSが軒並み壊滅していくなかGSを数多く手懸けた本城氏が手懸けたグループとして知られている。武蔵野音大出の藤武士を中心に結成されたハワイアン系のグループで、ハワイアン出というには実に太いボーカルが特徴的。あまりに太すぎてフィリップスでシングルを一枚出した後に東芝へ移籍、スプレンダースとしてR&B系のムードコーラスグループとしてシングルを出したのであった。このアルバムはフィリップスにおけるおそらく唯一のアルバムで、先行シングルのAB面のほか懐メロ2曲、10年以内にヒットした曲9曲(多くは昭和40年の声を聞いてからの曲である。)、録り下ろしのオリジナル一曲となっている。標準的な選曲といえよう。GSでも自演を貫こうとした本城氏の制作だけにこのアルバムもおそらく本人たちによる演奏であろう。ハマクラ門下なだけに演奏は上手いいものの、やや整っていないところがあり、それが却って生々しい。ただ渋くまとまってしまっていてあと一つキャッチーさに欠けるかも知れない。

ローヤル・ローズ

マンハッタンの夜

EP ローヤル RQ711

聴取中。A面がニューヨークでB面が京都。

和田弘とマヒナスターズ

悲しい渡り鳥

EP ビクター PV26

聴取中。B面は平野こうじの「初恋の並木道」。

21.7.16 すっぽん。

ゴールド

美少女天使のテーマ

CDS ビクター VNC4009

ダンスユニットっぽい3人組女性グループ。というか、なにか非常に裏のありそうなシングルであります。平成9年のシングルだが、感覚が詞と曲が昭和だ。今なら1回転してこれはこれで聞けるが、当時はダサいこと致し方なかっただろう。ボーカルは自分には許容できるが、昭和末のオールナイターズやおニャン子クラブのころの感覚だと思う。B面はさらに感覚の古いアイドル歌謡で、高田みづえやらヤング101やらの楽曲に近い日本情緒を深めた曲。トラックを聞くとグローリィロマンの「予期せぬ出来事」にも似ているが、いずれにしてもこういう格好の現代的なものを狙っているユニットが歌うのはどうなのよ。「恋人塚」というタイトルも何気に狂っていると思う。まあ聞く前の予想よりは悪くなかったが、芸能界にデビューしようとして集まった生徒にこれを聞かせて生徒がその気になるのかといったら大変に疑問。この作詞者は昔ジャニーズの某ユニットのデビュー映画を作ったことで知られるけれども、色々と噂がある人のようである。

カルーセル麻紀

日本列島日が暮れて・・・

EP ビクター SV6176

聴取中。この人は何枚あるの?四枚?

21.7.15 すごい。

ジョージ山下とドライ・ボーンズ、香取美葉

魅惑のムード歌謡コーラス 年上の女

LP コロムビア ALS4413

白人女のヌードジャケだが、企画ものというよりも真っ当な正規のアルバムの風格が漂う。ドライボーンズの演奏自体はやや大時代的なところがあるが、なんと言っても特徴は香取美葉という女性ボーカルをバンドに取り込んでいることである。このアルバムでは「サッチョン・ブルース」「サヨナラ大阪」という香取が大看板を背負っているシングル曲と当時のヒット歌謡曲のカバーをやっている。最も出来がいいのは「愛のさざなみ」で、島倉千代子が大分この曲を咀嚼できた頃の、即ちこぶしを転がさないポップスとしてこの曲が理解できたときの解釈で歌われており、レコードに現れたものとしては原曲を凌駕している。これ以外も香取の出来が大変に良くドライボーンズの実力と相俟って大変に素晴らしい効果を生んでいる。こうなると逆にヌードジャケが大変に邪魔である。

瀬川洋一とザ・クール・キャッツ

ゴキゲン野郎

EP コロムビア SAS847

聴取中。ああ、バンドになってからのシングルがやっと全部揃った。

クレジットなし

幸子

EP コロムビア SAS1656

このシングルにはまったくどこにも歌手名の記載がなく、当時の新譜案内を見てもただ「覆面コーラスグループ(男性)」とあるだけで全然正体がわからないようなつくりになっておるのであります。これは画期的というか徹底的というか、覆面商法ここに極まれりといった風情であります。各レコード小売店でも歌手名を幸子と解釈したり歌手名を???としたり取り扱いに苦労をしておるとのことであります。さてさて、現在ではその正体はわかっておって、森本卓夫・井田ひろしとラ・カンパーニャが歌っているのである。彼らの二枚目でラストシングルだが、ムードコーラス屈指の名曲たり。A面CD化済。B面はサックスが鳴り響く重ったるいジ・アーズがボーカルだけ軽くなったような情念演歌。ラ・カンパーニャの軽快なサウンドとはかなり離れていてこればかり聞いても正体は絶対わからなかろう。ジ・アーズの「いもうと」と藤圭子の「圭子の夢は夜開く」を一緒にしたような曲調。実はこっそりと発売している会社名が誤植されているということの方が特筆されるべきことだったりする。

21.7.14 NHKの歌謡コンサートを生バンドでやっていた。いい。

ダイヤモンド・ファニー

知らない知らない

EP テイチク SN501

葉子とクリケットと並び女性ばかりのムードコーラスグループとして有名でマヒナスターズの女性版を目指して結成された。その二枚目。そこはかとないお色気を前面に出したハワイアン系の小唄調ソング。雰囲気が良い。ヴィレッジ・シンガーズの「星が降るまで」を彷彿とさせる。B面もスリーキャッツを髣髴とさせる穏やかな歌謡バラード。「悲しき雨音」が念頭にあるか。両面とも演奏歌唱の当たりが柔らかく好感が持てる。一枚目の両面がCD化されているが、総じてこちらの方が出来が良い。

21.7.13 忘れた。

ロス・プリモス

あなたのためなのよ

CDS クラウン CRDN239

 わざとバラけたコーラスをぶち当ててリスナーの興味を引いたところで森のソロで引っ張り、サビでいきなりラテン色を強めるという油断がならない中庸なラテン歌謡。スタッフも初期のムードコーラスに関わった人ばかり揃っているからムードコーラスらしい情緒があるけれども、フックが足らない。カップリングも同じスタッフによる作品だが、こちらはよりニューミューック色の強いバラード。後期というか中だるみの頃のサザンクロスの曲っぽい。どちらも凡庸。

ロス・プリモス

人妻夜曲

CDS クラウン CRDN239

 トップは所持済み。某オムニバスで聞いたときから、えらく地味な歌だと思っていたが印象変わらず。これも編曲以外は上と同じスタッフだが、ロス・プリモスがビクターに行っている間にクラウンのムードコーラスの主流はサザンクロスになってしまっていたのがまざまざとわかる。カップリングはロス・プリモスらしいといえばロス・プリモスらしい曲だが、どちらかといえばtokyo99あたりがやりそうな曲である。そもそもこじんまりとまとまっていてここぞという部分がどうにも見つけづらい中庸な歌謡バラード。

ロス・プリモス

いつまでも銀座

CDS クラウン CRDN349

何故か何度も復刻されていて後期のシングルでは一番有名な曲。第一次クラウン時代の銀座三部作を踏襲した作品だが、非常に消極的保守に傾いた内向きの楽曲で、一部に人気があるのがよくわからない。カップリングは、昔のラテン歌謡の色を強く残した楽曲だが、ロス・インディオスっぽい曲。平成以降のロス・プリモスはムードコーラスという規範が余りにも強すぎて自分たちの色というものがどういうものなのかを完全に見失っているように思う。何枚かに一度はアッと驚くような楽曲を出してくるのがロス・プリモスだったのだが、もう別にどんな曲を出そうがイメージやブランドが壊れることもないと思うので、度肝を抜くような曲をリリースして欲しい。今なんか週に1万枚も売れればオリコン1位なのだから、もう一度頂点に立って欲しいと切に願います。

原トシヒルとBアンドB7

二人で踊ろう

EP ビクター SV651

伝説的名盤。A面CD化済。B面もボサノバ風の曲で更に悲しみが深い作品だが、完成度は落ちる。鈴木邦彦作曲ながら編曲が寺岡真三なので上手く両者の意思疎通がいかなかったのかもしれない。本来はロシア民謡調の曲であろう。しかしこの年のB&B7はやたらにレコードを出しまくった挙句に翌年には改造の上コロムビアへ移籍しているが一体どういう事情があったのだろう。

大宮恵子

小さな花

EP カノン K45102

聴取中。「幻の名盤」。

司京子

雨の青山通り

EP ローヤル RA1125

聴取中。有名盤。

21.7.12 投票。

松井久とシルバースターズ

明日はきっと

EP JM 番号なし

あとでメジャーから同じ歌を出す(「砂の愛」のB面。)が、こちらはジャンゴ松井自らがソロを取っている。少し抜けた声ではあるがコーラスが多用されておりアレンジ自体はメジャー盤と甲乙付けがたい。B面はA面よりも演歌色の高い作品だがこれもコーラスが要綱に使われていて声色を使い分けて曲の表情に変化をつけている。JMとはジャンゴ松井、即ち松井久の頭文字であろう。

ロス・インディオス&シルヴィア

あなたにほの字

EP 味の素 番号なし

 味の素の「ほんだし」のCMソング。「別れても好きな人」をもじったようなAメロから始まるが何とも盛り上がりに欠けて、印象が弱くCMソングとして成功しているのか心配になってくる。変なリズムの取り方なのはいいとしてもシルビアの歌に荒っぽいところがあり相当な強行軍で仕上げたものと思われる。編曲は「別れても好きな人」を踏襲して終わりなどごく一部にだけハープが挿入される。平尾昌章作曲。B面はガイドメロディーをシンセサイザーで弾いたカラオケ。

鹿内タカシ、ミッドナイト・フォー

気になる男

EP ソニー SONA86164

聴取中。トヨタカリーナのCMソング。

千波果代

ジーンズ踊り

EP キング NCS767

聴取中。「幻の名盤」。

 

21.7.11 ミュージック。

ザ・シャデラックス

メリークリスマス!!シャデラックスと歌おう

LP ソニー SOND66043

クリスマスソング集。フォークグループというよりも端正なコーラスグループとしてのハーモニーを聞かせるアルバムといった位置づけだろう。安心して聞ける安定感がある。演奏のほうは完全にオーケストレーションされており、彼らの初期カレッジフォーク的な演奏は全く聞けない。選曲はベタと言っても全く差し支えない定番曲ばかりで日本語英語チャンポンで歌われている。カタカナ英語がほほえましい。クリスマスアルバムに特別な地位があった時代からは既に遅れているから、天地真理登場以前のソニーの混乱ぶりを示す一アイテムと言えるかもしれない。

牧秀夫とロス・フラミンゴス

ナイト・スポットの夜は更けて

LP コロムビア ALS4042

一体同じコロムビアでも太田幸夫とハミングバードばかりが称揚されて、それよりも量質勝る録音を残したこのバンドが省みられないのは、偏にあちらが有名人を伯楽とし、こちらはそういったものを持たなかったという、ただそれだけのことだ。そしてさらにこのバンドにとって悪かったのは数年前に復刻されたこのバンドの音源がどうにもぱっとしないものばかりであったことであり、せっかく多くの人に聞かれる機会をみすみす損じたことであった。しかし、このバンドこそ昭和40年代モダンの最大の具現者であり、最大の小編成ラテンバンドの最高峰であるから、是非とも復刻が進んで欲しい。これは童謡・唱歌のジャズ・ラテン化。インストものボーカルものが半々。今まで聞いたこのバンドのアルバムの中で最も出来の良いアルバムであることは間違いなし。特にボーカルものは霊妙なるハーモニーと優雅な演奏が相俟って「花嫁人形」「夕焼け小焼け」「月の砂漠」「早春譜」と大傑作の連続する心地よい眩暈のするような感覚が強烈なアルバム。大傑作!

竹村健一

「ぼくなんかこれだけですよ。」竹村健一の手帳

LP SMS SM285078

有名政治評論家を玩具にして弄んだ世紀の奇盤。特に「愛のコリーダ」のカバー「MOU CORI GORI DA」はかなり早い時期にグルーヴィーなコミックソングとして認識せられておったのであります。本人の協力がないと絶対に出来ないアルバムで、本人が予備校で講演したり、結婚式でスピーチを述べたり、人生相談をしたりして場をぶち壊しにするネタと当時の有名洋楽曲をバックにサウンドコラージュをした楽曲、CMパロディ、オカマバーでアコーディオンとマンドリンを演奏してみたり(本人が弾いているという設定になっているが、あまりに上手いのでネタだと思うけれども本気で弾いていたら恐ろしい。)とやりたい放題。音に奇妙な勢いを感じる。サンプラーなき時代にこれだけハチャメチャなことをやれたのは特筆に価する。やけくそ気味ながら結構リベラルな事を言っていたりして、面白いオッサンだなという印象を受けた。この人は小さい頃から自分の仲で結構年上の人だという認識があったからいつまで経っても年寄りという変な観念がある。良くも悪くも奇盤。坂本龍一のコンプリートを目指している人はこれも対象になるのだろうか。

21.7.10 クラウン。

長浜勇二/山下洋治とムーディ・スターズ

新橋の雨

EP クラウン CW915

ムーディスターズも全然手に入らない。エレピを派手にフィーチャーした寂れた日本のブルース。過激なボーカルのよれ具合にムードコーラス戦国時代の中で必死に特徴を出そうと奮闘する彼らの苦労が偲ばれる。相変わらず音が良い。B面は上高地ということでアルペン風に始まるがそこから一気にユニゾンで箱崎晋一郎のような曲が始まるという取ってつけた感が著しい曲。念頭にあるのは「寒い朝」あたりか。

 

21.7.9 ブラッディー。

寺内タケシとブルージーンズ

レッツ・ゴー・歌謡曲!

17cmLP キング SS73

ブルージーンズのフル・アルバムになっていないコンパクト盤の一つで、当時のキングレコードのヒット歌謡曲をエレキ化したもの。歌謡曲の中でも土着感が高い曲が選曲されているから非常に野暮ったく、楽団もののような演奏になっており、ブルージーンズらしい破天荒さにかけるかも知れない。もっとも寺内特有の手癖のようなものは聞けるが。この中では比較的に洋楽よりの「忘れな草をあなたに」はスプートニクス的な哀愁高速ビートものにされており、流石。「返しておくれ今すぐに」はチェットアトキンスを範にとってカントリー風に演奏しているが、上記の印象はひっくり返らない、。しかし、この時期のブルージーンズの作品としては凡庸な部類に入るのではなかろうか。

和田弘とマヒナ・スターズ、多摩幸子

春の名残り

EP ビクター VS592

聴取中。

和田弘とマヒナ・スターズ、多摩幸子

北上夜曲

EP ビクター VS519

聴取中。A面大ヒットCD化済。

フォー・コインズ

雪山讃歌

EP コロムビア SA264

聴取中。

21.7.7 七夕は建武年中行事でやることを確認。

山下洋治とムーディサウンズ

ハワイアンによる歌謡ベスト12

LP クラウン LW5080

スチールギターの名手をフィーチャーしてクラウンの青春歌謡をインスト化。エレピに時代を感じる。昭和40年の発売ということと、青春歌謡が多めに取られていることから、「俺の涙は俺がふく」のようにハワイアンというよりもサーフに近い感触がある曲もある。思うに、エレキブームというのは一方でベンチャーズ、アストロノウツ、スプートニクスの活躍ももちろんあるけれども、一方でこの時期大量に量産された喫茶店BGM用アルバムの影響もあるのであろう。聞けば聞くほどジャズとロックとハワイアンとラテンと或いは純邦楽といったあらゆる音楽が例えば「夢は夜ひらく」とか「南国の夜」だとかをやっていて、その区別が曖昧なり、またその特徴がはっきりとしてくるのである。ちなみにこのジャケットは、あとでミッキーカーチスとザ・サムライズの「風船」のジャケットで使われた写真とモデルや風船の配置が同じで、あのお洒落なクラウンPW番台のジャケットが取りおろしでなかったということがわかって驚愕。これ以外も何故か歌手が写っていないジャケットには同様の使い回しがあるのではないか。ところで、ムーディスターズとムーディサウンズのメンバーは重複しているのであろうか。

真木七奈

アンチキショウのブルース

EP コロムビア SAS1415

聴取中。A面は「ムード秘宝館」でCD化済だが、どうもあのボックスは自分と反りが合わないので、買ったあとに持っているのに気づいた。ミニスカジャケ。この人は実は宝塚出身で後で風さやかという名前になったのである。

21.7.6 もう一度。

東京ルナルース

恋の季節

LP コロムビア YS10055J

「コモエスタ赤坂」の作者である浅野和典のバンドで、もともとは6人組のハワイアングループだったそうだが、デビューはかなり遅れ、いつの間にか三人組のジャズコーラスグループとなっていた。そのデビューアルバムでジャズやシャンソンなど非ロック系の洋楽より歌謡曲のカバーや彼らのオリジナル「カスバのブルース」などがおさめられている。ゲストとして秋元初子という女性ボーカルが参加しており、この人がソロを取る「恋のしぶき」はビートが利きまくるすばらしい一人GSの佳曲。ただしややラテンが入っている。浅野作曲。正直ムードコーラスのアルバムを聴いていてこんなに隙のないひとりGSを聞くとは思わなかった。先人は何故キューティーポップに取らなかったのだろう。これ以外もジャズコーラスを称しながら多分にラテンコーラスの色が強いけれども素晴らしい喉を披露している。60年代のムードコーラスグループらしくない、垢抜けてお洒落なグルーヴが充満している。グッド!

エル・パピヨン

札幌シティライト

EP クラウン CWA477

マイナーなご当地歌謡ばかり歌っていた男女デュオ。ビジュアルから予想されるよりも歌唱が良いが、ハモり方にやや疑念あり。アップテンポなムード歌謡。B面は水森英夫作曲の軽快かつ強烈なルンバ歌謡で、奈良をオレのような掛け声として使用するのが新奇で面白い。これもノリがかなり良い。タイトルから予想されるような演歌の要素が全くない。まさか「大和平野」などというタイトルの曲がこんなにとんがっているとは。これはすごい。なお奈良県知事に題字の起稿を頼んでいるのにA面を札幌の歌にする非情さも面白い。

和田弘とマヒナスターズ

さくら貝の歌

EP ビクター VS1059

聴取中。B面は松島アキラ「山のけむり」。例のわけのわからない「リバイバル・ブーム」の時の産。

21.7.3 虚像は一度作れば勝ち。

ロス・インディオス

フォルクローレ・アルバム

LP ポリドール MR2282

南米の民謡や流行歌であるフォルクローレを日本のトップラテンバンドであるロス・インディオスが日本語によるカバーで歌うという先祖がえり的なコンセプトのアルバム。この頃にフォルクローレを使ったミュージカルがあって、それのスピンオフで出てきた企画らしい。ライナーが何故これがここに載っているのか全く理解不能な文章なのだが、或いは二人の日系人の生涯を描いたミュージカルだったのかもしれない。「コンドルは飛んで行く」を除いては流石に普通には聞かないけれども、フォルクローレの有名曲が揃っていて入門編にいいかも。演奏は流石に上手い。特に「パハロ・カンパーナ」の激しく打ち寄せる波のようなハープの見事さは特筆に価する。こういう演奏歌唱ともに自分たちでやって、しかも自分の得意なニッチな分野を極めたような良質な作品を作っていた時代には売り上げが落ち込み、これを脱するには通俗的な歌謡曲に転じなければならなかったことは、まあよかったんじゃないの、結果的に。

関口奈保美

泣く子はどこの子

EP ビクター KV102

聴取中。

杉和歌子

さよならは白い花びら

EP テイチク 4894

聴取中。

曽野せつこ

ヨーロッパの恋

EP 東宝 AS1078

聴取中。

早川クリ

GNP小唄

EP ワーナー L1039W

聴取中。有名盤。どうも自分はこの歌は何がいいのかよくわからない。

すみれとさくら

私さみしいわ

EP キング BS1090

聴取中。

21.7.2 世界標準。

ロス・インディオス

ロス・インディオスが歌う 裕次郎ヒットソング集

LP テイチク SL1214

ポリドール移籍前のアルバムで石原裕次郎の名曲をカバーしたアルバム。テイチクは楽団とみると何でもかんでも石原裕次郎を歌わせたり演奏させたりするが、例えばアロハハワイアンズであったりオールスターズ・ワゴンであったりヤング&フレッシュであったり東京ロマンチカであったりというという例があるけれども、その流れ。よく見るとみんなよそに逃げられているような気がするが、気にしない。すべてボーカルものだが演奏も自分たちだけで完結しているようだ。すでにこの時点で完全にロス・インディオスの「音」が完成しており、石原裕次郎の影もなく、ロス・インディオスのオリジナルであるかのように歌いこなしている。演奏も既にハープとギターの掛け合いという基本線が確立されている。ロス・インディオス以外の何者であろうか!ロス・インディオスのそつのなさがいかんなく発揮されたアルバムで、制作者全員が営業というつもりで制作したものと思われ、その姿勢はいっそ清清しい。その意味では大変に素直に作られたアルバムである。

ザ・キング・トーンズ

家へ帰ろう

EP ポリドール SDP2035

A面CD化済。ヒット曲。B面はホーンの入ったポリドールらしい音をした真っ黒な歌謡R&B。同時期の和田アキ子より黒い黒い真っ黒い。ボトムでこんな曲が入っているのはさすがキングトーンズ。バスに撥ねられて死んでしまった男友達を悼む女を内容としており、交通地獄と言われた当時の世相を反映しているといえるが、冗談なのか本気なのか判断がつかない。しかしこれだけ本格的なサウンドはカルピスの原液をいきなり飲むようなもので、却って小ヒットに留まってしまったのは大変な損失であった。今の目で見ればB面の方が出来が良いように思われる。

ミュージカル・ぼーいず

雨の出逢い橋

EP クラウン CW402

A面CD化済。B面は兵隊節の系統の曲で、曲自体はコミックソングではないが、ボーイズグループらしい味付けで無理矢理コミックソングにしている。非常に寂れたサウンドの楽曲。

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