これ買いました14年2月

ザ・ロイヤル・フィンガーズほか/東京ハレンチ天国さよならのブルース・サウンドトラック

↑長野県人は変人が多いと思う。

14.2.28

MD1枚を頂く。

14.2.26

加山雄三

太陽の恋

CD ドリーミュージック MUCD1008  この人の初期音源には珍しく全くランチャーズが絡まない、続「ハワイの休日」といった感じのアルバム。実際には殆ど「南太平洋の若大将」のサントラみたいなもんなんだが。エレキを期待すると全く肩透かしを食らうアルバムである。全曲弾厚作=加山雄三作曲。
 A面部分は一応ハワイアンぽく始まるがタヒチというよりアルプスが想い浮かぶいかにも映画音楽「タヒチの夕陽」のあとはひたすらハワイアン調やタムレ調の曲が続く。B面部分はいわゆる加山メロディー。三連譜ものが多いが、すばらしい和製ラテン曲「ア・サンバ」とワイルドワンズと絡むフォークロックの「二人だけの海」が目玉。「君のために」はもはや反復のギャグ。
 まあ、ひどいという曲もなく加山のこのころの音楽的充実振りを見るにはいいが、何とも万人のニーズから外れ、俺にとってもどうでもいいアルバム。
加山雄三

大空の彼方

CD ドリーミュージック MUCD1013  これでソノシート以外のランチャーズ音源コンプリ。(映画等除く。)加山の60年代最後のアルバム。既にうだつの上がらない70年代の音が忍び込んできている。もはやランチャーズは添え物。
 絶望的なメロディーの英詩曲「サムディ・サムタイム」から始まり、バラエティに富んだ曲が続く。軽快な(しかし今ひとつ精彩のない)「麦わらの指輪」には僅かにエレキ色がある。またGSを引きずった純歌謡「まぼろしの虹」はイントロと本編のギャップが意表をつく佳曲。パープルシャドウズみたいな「いい娘だから」も情緒いっぱい。「オーバーチュア」はオケによるインストだがこれもこれで素晴らしい。後半は先駆性は薄れているがニューミュージックの芽も僅かに見られる。「再会の渚」はGSとしてのランチャーズ臭が強烈。「雨にぬれて」は近代的な歌謡曲として完成しているが、正直後ろ向きの謗りは免れない。
 加山雄三の後定的なイメージを切り離せばまずまず面白いアルバムだが、二度目聞くかなぁ?
吾妻光良&スウィンギン・バッパーズ

スキュージン・アンド・ブロウイン

CD ビクター VICL60848  社会人バンドの鏡、日本最高のジャンプ(ジャイブ?)バンドの新作。といってもそもそもジャンプとは何かというのがよくわかってないので自分なりの机の引き出しに無理に当てはめてコアーなジャズバンドてな感じで聞いてるのだが。しかし私このバンドかなり好きです。名前ぐらいはみんなに知っていてほしいバンド。
 前作までに比べると無茶苦茶ド派手な演奏が多く、このバンドの最高傑作になったような気がする。このバンドは凡百のバンドとは桁違いのグルーヴと表現力がある。ベースもホーンもピアノも全部ひっくるめても自分の中でのこのジャンルの理想にかなり近い演奏をたたき出す。ボーカルも特に上手いわけではないが鬼のように味がある。今回に限って言えば二人のゲストボーカル(吾妻さんじゃないという意味よ!)の出来も双肩でよい。あと人によっては否定要因になるかもしれないが、なかなか遊び心があってしょうもないこと(主にこのバンドは歌詞内容がいい意味でしょうもない。)をとんでもなく高い技術を使ってやってて琴線に触れる。「やっぱり肉を喰おう」では丸大ハンバーグのフレーズが出たりするが特に「小学校のあの子」はもっともこのバンドらしい演奏をしてくれて感動。捨て曲なし!完全に日本語使いに転向したみたい。なんだかんだいっても楽しそうに演奏するのが一番やね。
東京パノラママンボボーイズ

完全盤

CD テイチク TECN35767〜68  結局買い換えた。ビデオついてたし、前の売っ払えばトントンかな。言っときますが内容は最高です。ビバ!ビッグ・バンド!
V.A

TVアニメ・グレイテスト・ヒッツ2

CD テイチク TECD25470  なんかいきなり1に比べるととんでもなくマイナーになってる様な気もするが、気のせいか?テレビで流れなかった挿入歌の類とパチモンが目玉なのは流石にちょっと・・・。
 初めて聞いた曲の中では「バンパイヤ」が群抜で素晴らしい。ぐだぐだだがぎりぎりのところで品位を保ち続けているのは流石本職。他に「わんぱく探偵団」も興味深い。「紅洋の旗」はこんな応援歌のある学校があったら見てみたい。(ワンダース=)エコーズ=アンサンブルポッカ説はやっぱり間違いなのね。なお、ライナーにこの曲が初CD化の如く書いてあるがこれは間違いで3度目のCD化。レコードバージョンの「サスケ」も初めて聴いたような気もする。最後のパチ5連発はいかがわしさ爆発、被破壊的、どチープ。「ヒデバロソング」が久しぶりに聞けるのがありがたい。
V.A

80’sTVヒッツ・コレクション

CD テイチク TECD25471  俺は孤児だ。音楽的孤児だ。80年代と言えば俺の3歳から13歳にあたる。当然意識的にせよ無意識的にせよ音楽嗜好を形作る最底辺部にこのぐらいの年齢に聞いた歌謡曲(流行歌)がどんな形であれ何がしかの痕跡を残すはずだ。だがここにある多くの曲はただただ俺に空虚な風を送るだけだ。時代に生きながら大勢との時代の共有のない俺。血縁地縁と同じく同時代を生きたという「時縁」とでもいうべきものが俺には欠落しているのだ。いかにこの時期信濃の山奥で当時の「都会の」若者の流行に隔絶された生活をしていたからとはいえ、この点で些かの充足もない自分自身に愕然とする。俺にはこのCDの収録曲の殆どには面白いともつまらないとも他のいかなる感想すらも浮かばない。ただただ自分の欠落がきりきりと痛むだけだ。馴染みに馴染んだ「てれぱしいください」と「ショウ・ミー」を除けば、ただ一曲、高橋達也と東京ユニオンの「ワンダフルガイズ」の胸がすく演奏だけが救いだ。
V.A

ザ・ノースウエスト・バトル・オブ・バンズ Vol.1 フラッシュ・アンド・クラッシュ

CD サンデイズド BRCD128  ソニックスやグッドタイムスなど60年代中盤の米国北西部のガレージ系バンドの曲を集めたオムニバス盤。
 いきなり鳴り響くソニックスのワイルドなギター・アタック。息もつかせぬ壊れっぷり。この曲は初めて聞いた。他もやっぱり格が違うよ。ガレージの大帝に続けとばかり度胸だけでやってるようなというか女にもてようとしてやってるような「「やおい」なローカルガレージ曲がずらり。シャウト、ファズ、ハモンド、ドンドコドラム!グッド!GS的な曲やどこかで聞いたような突っ込みどころ満載な曲もちらほらあるがどれもこれもついつい顔がほころんでしまう。中でも特にところどころGSフレーズが出てくるバンデッツ「リトルサリーウォーカー」とやたらにキャッチーなトロリー「ブレイクダウン」、いなたいマイナーパンクバラードのダイナミックス「アイル・ビー・スタンディング・ゼア」、ビーバーズが通俗的になったようなニューヨーカーズ「ミスター・キルビィ」、これぞビートなディメンションズ「ペニー」が印象に残った。
 しかし、最近買う洋盤サンデイズドのばっかりやなぁ。
上原あずみ

バイ・バイ・マイ・ブルー・スカイ

CD ギザ GZCA2027  ちらと聞いたらこの人絶妙に歌下手なので買った。実際聞いたら歌唱力とパンチのなさがいい具合に作用していて好感。
 さびを除きスネアがずれるビートにのって歌われる岩崎直美「タッチ」あたりを念頭においた戦慄のスパイサウンド復古エレキ歌謡。詩も陳腐でいい!不自然なビートからのさびの開放感が爽快。いしのようこの「テディーボーイブルース」にかなり近い感触。いわゆるイタリアン・ツイストの正統的な後裔。B面は現代的サウンドのバッキングながらザードに色目を使いつつ80年代初期を意識した復古歌謡。続くリミックスは表題曲をさびだけ残してばっさり切り落とした(というか作・編曲者の苦労を叩き潰してるだけな気もする。)大胆なものでなかなか面白かった。
 アーティスティックで気取った「歌謡曲」ものである↑エゴラッピンとかよりも歌謡曲の本質に近いのはこちらです。今年の俺レコード大賞は決定しました。(と、思ったがその後次々これを凌駕する新曲が発表されたので今や歯牙にもかからない位置に・・・。)

14.2.23

小林旭

アキラ1 民謡&俗謡集

CD コロムビア COCP31757  大滝詠一監修シリーズ。「ノーチヨサン節」目当て。
 戦前歌謡の延長戦としての戦後歌謡の集大成ともいえるのがこの小林旭。突然の大シリーズもの発売だが、これはその中の民謡や俗謡のカバーを集めたもの。だが、単純にカバーしているわけではなく、当時のラテン、ジャズ、ツイスト、ロックなどの最先端サウンドで料理しているのが特徴。また元歌をそのまま使うのではなく、メロディーを追加し、さらに替え歌しているのが特徴。例えば筧利夫がユーロアレンジでヒップホップを枕にしてニューミュージックや軍歌をコミックソングに替え歌して歌うのを想像してみて下さい。この辺が微妙にドリフターズとアプローチの仕方が違うのだね。二枚目の大スターからはかけ離れたすっとぼけた味が何ともいえない。高音の魅力。特に掠れ具合が心地いい。未発売曲もいくつか収録されているが、その中の「地底の歌」には驚愕。身を削ったネタを披露している。
 元ねたを知ってるほうが楽しめると思うが知らなくてもぜんぜんいけます。解説がないのがちょっとマイナス。
小林旭

アキラ2 ポップス&カバー集

CD コロムビア COCP31758  同。オリジナル曲を含むポップスと唱歌とかのカバー集。基本的には上の民謡のカバーと同じようなスタンス。(まあ、補作曲はしてないが。)
 初めて聞いた曲の中では意表をついたコーラスの「東京ツイスト」と未発表の「さいはての慕情」、そして浜庫作品の「恋の花に気をつけな」の三曲が中々良かった。今の時点から見て一番二枚目小林旭が楽しめるのがこの盤だろう。
 それにしてもなんで「アキラ“の”ツイスト」じゃなく「アキラ“で”ツイスト」何だろう。(「ひばりのツイスト」もありんす。)
小林旭

アキラ3 主題歌&ヒット集

CD コロムビア COCP31758  同。いわゆる普通のベスト盤だが、これをコロムビア編のトリに持ってくるのは憎い。
 しかし中には「ダイナマイトが百五十屯」のような弾けた曲もあるが、古色蒼然としたマイナー調の「北帰行」路線の楽曲がただただ並ぶといった感じで普通の初めて小林旭を体験する人にとっては辛いと思う。こういう時流を研究し尽くしたヒット作が年代を経ると輝きを失うのはある程度仕方がないところもあるが、それにしてもそういうのばっかりより抜かれると・・・。両輪揃って小林旭ではあるけれども、普通の人はこの盤だけは買わなくてもいいと思います。結局この人はカバーだな。
 そういえばなぜ「大陸浪人の歌」(後から気づいたが普通は「馬賊の歌」っていうな・・・。)のカバーの「俺もゆくから君もゆけ」が2ではなくここに入っているのだろう。
小林旭

アキラ4 ユーモア・ソング集

CD クラウン CRCN40769  同。これだけクラウンから。こういう形での二社共同企画は英断。「ショーがないね節」と「赤いトラクター」目当て。
 最初のほうはコロムビア時代の作品の焼き直しという感じが強く、アイデアも二番煎じ的で正直どうでもいいのだが未発表曲「スピード違反」から状況が一変する。「スピード違反」はいかれてる。「スピード違反も乙なもの」ってそらいかんがな。その後の50年代に録音された三曲、すなわち「恋の山手線(再録)」「ゴルフショー歌」「ショーがないね節」は文句なくバックトラックがすばらしい。それまでのラテンやビッグバンドの系統からロックコンボに演奏が移っているのだ。特にベースがのりにのりまくる「恋の・・・」とキーボードが暴走する(ドラムもいいんだ、これが。)「ショーが・・・」は必聴だ。特に後者は哀愁まで漂わせるのが立派。「赤いトラクター」はトラクターじゃなきゃ普通の歌なんだけど・・・。
東京パノラママンボボーイズ

マンボ天国

CD テイチク TECN15324  ・・・みんな知ってますよね、このバンド。コモエスタ八重樫らがいたラテンバンドが平成3年に出したアルバム(の再発。)。
 正統派のマンボからちょっとひねった曲までバラエティーに富んだ選曲。乗りに乗りまくったマンボ・ビートに絡む熱情的なホーン!マニアック!昭和30年代の「音」にちゃんとなっているのが素晴らしい。後半は力尽きたのかロック編成になっているのが玉に瑕だが、これも過去の音源研究の成果の賜物だろう。とにかく一曲目の「マンボ・ボンド」の冒頭から一気に最後の「ティン・ティン・ティオ」まで聞き通せた。特に「ボンゴ天国」はオリジナルと双肩の出来。「太陽の彼方に」はなぜかゴールデンハーフバージョンを下敷きにしてある。
 しかし、たった四年前に正規発売されたCDをあっさり廉価版で出すかぁ?でも「真っ赤な太陽」の元ねたがわかったしいいや。と思ったら今月発売のベスト盤に全曲入ってた、キーッ!
V.A.

お・し・え・てアイドルリスペクト 日本コロムビア・リクエスト編

CD Pヴァイン PCD1398  また、嘆く羽目に。高見知佳の筒美京平らしい「シークレット・エイジェントマン」を下敷きにした「シルエット」と同じく戸川純によるおよそアイドルとはかけ離れた歌詞の「怒涛の恋愛」以外は別に何ということもなし。損金。
 ところで手打ちはちゃんと出来たんですか?ブックレットのほう「制作・製造・発売元:ビクターエンタテイメント株式会社」って致命的な誤記がありますが、大丈夫ですか?
V.A.

お・し・え・てアイドルリスペクト ビクター・リクエスト編

CD Pヴァイン PCD1394  上と同シリーズ。こっちは正しいクレジット。MIEの「コールガール」と「ブラームスはロックがお好き」が聞きたかったから。しかし、正直ぱっとした曲がない。目当ての曲もがっかりした。なんだろう。そんなにアイドル嫌いじゃないんだけどなぁ。うーん。損金。
バート・バカラック

バート・バカラック・プレイズ・ヒズ・ヒッツ

CD MCA MVCE22001  音楽の魔術師バカラックのセルフ・カバーを収録した幻のファーストアルバムを中心に編集された初期録音集。筒美京平の心の師であるのも納得の甘美なメロディー。華麗なオーケストラに厚いコーラスがかぶさる曲が多く、バックミュージックには最適。特にサックスやホーンがソロを採るとムードがあってよい。ピアノもいい味をさせている。まさにドリーミィ。ただ女性コーラスの素晴らしさに比してちょっと男声ソロ・ボーカル陣が濃く、その部分だけ夢から覚めてしまうのが残念。
ジ・オリジナル・サーファリス

ボンボラ!

CD ヴィヴィッド VSCD1173(I)  彼らのようにならないためにもバンド名をつけたらGoogleで同名のバンドや間抜け物がないか検索してみることをお勧めする。 サックスの入ったサーフバンド。ごちゃごちゃとした音作りがいかにもガレージ的で素晴らしい。サックスを除けば我々が想像するサーフ・サウンドを裏切らない音。もっともサックスも美味く調和しているのでそんなに気にならず全体をみてみても印象は変わらない。どの曲もかなりの高水準でまとめられている。ただ、逆にそれが強烈なこれという曲がないという印象につながり、残念無念。「ワイプアウト」は同名バンドの同名ヒット曲とは別曲なので注意。
ワッツ・ラヴ?

あの鐘を鳴らすのはあなた

マキシ ワーナー WPC610170  まえチラッと聞いたときは横山剣が死ぬほどかっこよかったので買った。
 和田アキ子の代表曲のカバー。このぐらいまでの和田アキ子はまあまあいい。シンプルな曲をスカバンドらしくサックスが大暴れするアレンジで料理。殺伐とした緊張感と南国的間抜け感の鬩ぎあいが楽しい。別にボーカルが一人で歌いきってもいいような気がするが、横山剣とのデュエット(歌い方似てる)は暑苦しさ満点、小島真由美とのバージョンも普段の彼女の曲の俺の嫌い具合からすると聞けるほうでよかった。

14.2.16

トミー・フェブラリー

トミー・フェブラリー6

CD デフスター DFCL1060  正直テレビとかで先行シングルを歌ったりしている姿を見ると暗澹たる気持ちにさせられ、単にソニーが彼女に懸けた金のせいで引っ込みがつかなくなってるのか、何か弱みを握られているのではと思っていたが、ここにきてよさげなアイテムを出してくるとは・・・。なぜか流行の純歌謡もの(日本語に限らない)アルバム。はっきりいいます。今歌謡曲ブームです。なので今歌謡曲っぽいアプローチを試みているバンドは方向を転換するべきです。流れに乗ったころには退潮してます。
 さて内容。80年代の大映ドラマの主題歌みたいな曲が並ぶ。歌下手・退廃・刹那的というアイドルものの基本はばっちり抑えているが、アーティスト風を吹かしているのが鼻についてちょっと興ざめした。森高千里の影響の悪い部分が拡大した歌唱と姿勢。ベタベタな日本語英語なんだからもっとぶりぶり歌えばいいのに。テクノ歌謡とかを意識したような曲が多い。曲自体は80年代を再現しようという狙いだとしたらメロディーもアレンジも狙い通り、いい。(ただ天然だとしたらかなりまずいが。)しかし、それを本人自作ということになっている詩が殺してるのが大問題。要するにプロデューサーが悪いのだ。
 これに関してはほかにもプロデュース的に間違っているところが多く、販売戦略次第ではもっと売れるようにできたはず。まあ売れて何ぼの世界でこんだけ売れたのなら官軍だが。ともかく、ソニーの(純)歌謡曲に対する意識が垣間見えた。がんばれ、他社。
 まあ、純粋な内容としては合格8歩手前ぐらいかな。
連続射殺魔

1978.3.26渋谷屋根裏

CD ヒップ ZIKSBB028  運命の音楽は望まなくとも向こうからやってきます。例えば私が彼らを知ったのは、なんとなくジャケが良かったので中古屋でシングルを抜き出したからだった。GS以後では珍しく好きなバンド。
 現在、琴桃川凛という芸名で活躍している和田哲郎がかつて組んでいたバンドのライブ音源。メンバーはみんな20歳ぐらい。シャリシャリした殆どノイズのようなファズギターが織り成すサイケ的な世界。延々とインプロゼーションが続く曲あり、ずーっとドラムソロが続く曲あり(40分ずっと叩かせてその間に食事をしてきたことがあったらしい。おんなじこと考えてたなんて!)と心地よい酩酊感に襲われること間違いない。ただ「愛して欲しい」はシングル(メンバーが違う)の方が出来がいいと思う。
 和田の文章やホームページを読むと根本的に思考が正反対で、おそらくお会いしたら喧嘩になりそうだが、発露したものが同じ方向を向いているのが面白い。
V.A.

北斗の拳オリジナルソングス

CD キャニオン D32G0065  15年も前のCDなのに普通に新譜で売ってた。というかおそらく京都にタワーレコードができて以来ずっと売れ残ってたのでは。帯にLPの紹介とか書いてあるし。
 単なる自分にとっての懐かしもの。でもトムキャット、クリキン、子供バンドによる番組の各主題歌を聞くと原点はここなのかなとも思ってしまう。どう考えても自分の好きな音楽とは対極にある楽曲のはずだが、やっぱり雀の魂は百まで。気に入るとか判断するとかという話ではないな。
セルジオ・メンデスとブラジル’66

マシュ・ケ・ナダ

CD ポリドール POCM1879  心地いい。聞き流すために聞くBGMにぴったり。ポップの塊のようなアルバム。基本アイテムだが自分は去年ぐらいから洋楽を買い始めたのでこういう本当の本場ものには疎い。どの曲も粒ぞろいでアメリカで2年半もヒットチャートに入っていたのも納得できる。いいと思う。
サイモンとガーファンクル

グレーテスト・ヒット

CD コロムビア CK31350  勉強で。御免だめだ。演奏表現面では文句をつけるところなどないが、合わない。いや、もう耳慣れた曲は別にどうと言う事もないがはじめて聞く曲がそこから先に響いてこない。いっそ「トムとジェリー」時代のCDから聞いたほうがよかったかも。まあ、単に「サウンド・オブ・サイレンス」を手元に置きたかっただけだし、いいか。
ザ・ロイヤル・フィンガーズ他

東京ハレンチ天国さよならのブルース・サウンドトラック

CD ピーコック PFR0001  ロイヤル・フィンガーズの最後っ屁。もう解散してはります。映画「東京ハレンチ〜」のサウンドトラック。
 細かいことを言えばいろいろとあるのだが、重箱の隅なのでやめとく。ちょっというと「恋はハートで」ってもっと戦慄的でテンポ速いぞとか、どうも「逢えば好き好き」の最初の言ってることが違うような気がするとか、「東京アゴーゴー」はもっと破れかぶれに演奏してしゃくって歌ってほしかったなとか。まあ、全体的にはよくGS時代の雰囲気を掴んでると思います。とにかくロイヤル・フィンガーズの演奏が素晴らしい。特に「逢えば・・・」のトラックなんぞ最高!ボーカルをとる安田美香もまずまず。タイトル曲の「東京ハレンチ天国」はちょっと60年代とは違うなと思うけれども汚いファズが最高。またバンドの既成オリジナル二曲の採録も嬉しい。「さよならのブルース」はこのバンドにこんな引き出しがあるのかとびっくりした哀愁ナンバー。「恋愛旋風」もバンド演奏で聞きたかったな。
 私のほうがはっきりいって歌うまいのになぁ。(選曲大学のとき本当にやりたかったのに蹴られた曲ばかりなので半分やっかみ。)

14.2.9 京都レコード屋案内。八千代館で松本コンチータの映画やってたがピンク映画ってどういう配給システムになってるのだ?

ザ・ゲス・フゥー

シェイキン・オール・オーヴァー

CD サンデイズド SC11113  のちに「アメリカン・ウーマン」の大ヒットを飛ばすカナダの有力バンドのデビュー直後のガレージ時代の音源を集めたもの。といっても恥ずかしながら「アメリカン・ウーマン」って聞いたことない。
 湿っぽいメロディーにファズや日本の初期GSを思わせる線の細いギターサウンドがかぶさる。一方では破れかぶれなのりのいい曲も聞かせて楽しい。基本的にはアメリカローカルガレージバンドが忠実にイギリスのB級バンドの音を出したらこんな感じになるんだろうなというようなバンド。個々ではカナダのチャートで一位を取った表題曲から「オーライ」までのGSっぷりにしびれた。その後も延々としみったれた曲が続いて興味深く聞けた。その中でも特に「ユー・ノー・ヒー・ディド」は「ルイルイ」に「ヘイボーイ」をまぶした様な曲でGSものには嬉。
 外見も初期の細身のスーツにメガネというどっかの大学のあんちゃんみたいな情けなさげな外見から後期はいかにもロックバンドなワイルドな姿になっていて面白い。
 お勧めします。(この「あと」は聞きたくないな。)
V.A.

ラヴ、ピース&ポエトリー ブリティッシュ・サイケデリック・ミュージック

CD Q.D.K CD041  「シェリルのサイケデリック世界一周」シリーズイギリス編。所謂ブリティッシュサイケという感じじゃなくアメリカのサイケに近いような気がする。
 なんかピンと来なかった。うーん、やっぱり俺は70年代の声を聞くとどうもいかんな。なんかこのシリーズ本場ものほど肌に合わない。買って損したということにしとこう。
V.A.

ラヴ、ピース&ポエトリー ジャパニーズ・サイケデリック・ミュージック

CD Q.D.K CD040  同日本編。買っちゃった。あああ。聞いたことないのサウンドブレイカーズだけなのに。殆どCD化されているものばかりなのでレア度は低し。
 GSというより71年ぐらいのはっぴいえんどが出てくる直前ぐらいのバンドの演奏を集めたもの。ガレージじゃなくて完全にサイケものばかりね。インストと英語ものが中心で日本語で歌われるのはGSとジャックス関係、クニ河内関係だけ。といってもこういうのはあんまり気にされないらしい。というかむしろ英語で歌うほうが我々が外国人が日本語で歌うのを聞くように気恥ずかしい気分がおこるような気がするがどうなんだろう。注目はビーバーズ「恋して愛して」で、ほかはまあまあ意外な選曲というほどのことはないのだがこの曲だけは日本人だけが選曲してたらよほどじゃないと選ばれない曲だ。サイケマニアは歌謡曲寄りどころかオーケストラ入りでもいけるのか。ふーん。でも新しい提示のされ方だったので面白かった。
シルバvsユウ・ザ・ロック

ヴァージン・キラー

マキシ ブーガルー HGCB1019  正直、「ヘイヘイヘイ」で見たときほどのインパクトは感じなかった。80年代のロック系女性ボーカリストの作品の後胤。聞いてるうちに疲れた。くどい。最後のアカペラバージョンって要するにオケ抜いただけでしょ。それにしても長野県出身の音楽関係者は何でこう変人が多いのか。
 ちなみに今までテレビで歌っているのを見てびびったことは四回あってパープルシャドウズ「小さなスナック」中村美津子「人生そこそこ70点」ワンギャル「花吹雪BANG!BANG!BANG!」とこれだが2勝2敗になった。
パラダイス山元と東京ラテンムードデラックス

洋酒天国

CDS インディヴィジュアル IVS101  いわゆるショー歌もの。タイトルどおり洋酒の名前を織り込んでいる。演奏も歌詞も昭和30年代的な雰囲気。お酒を注ぐ音から始まってチープなオルガンにのりのいいラッパが被さる陽気なラテンものだが、何だか覚えにくいメロディーだ。あと、詩の定型が守れてないのもなんとなく嫌だ。まあ、なんだかんだいっても嫌いではないタイプの歌です。
オーラとジャングラーズ

レッツ・ダンス

EP テイチク UP27  何、エアメール・シリーズって。スウェーデンのGS。小ヒット。スウィングウエストより演奏は薄いがのりはいい。安いオルガンとドンドコドラムだけですべて乗り切っているのが素敵。ただなんとなく地味。B面はいきなりノスタルジックなバラードなのはどういうこと?
ロイヤル・ガードメン

暁の空中戦

EP 東芝 SR1663  早すぎた「オブラディ・オブラダ」ミーツ「狂ったナポレオン、ヒヒ、ハハ・・・」。米軍歌風のリズムに乗って明るく楽しいメロディーが歌われる。それもそのはず戦闘機撃墜をテーマにしたコミックソング。タイトルからするとアニメ関係な気もするが。ファズもビートもないが雰囲気的にはGSのイーグルズに極めて近しいと思う。B面はジャズ流れのブルースのまじめな歌。
ラブマシーン

恋のショック

EP ビクター VIP2498  ミラクルズと一緒に来日した黒人セクシーボーカルダンスグループ。ミラクルズ「ラブマシーン」のモデルとなったグループだそうです。
 とても洋楽とは思えない節回しの歌謡的ディスコ。但しそののりはかなりいい。ブンブンベースとサックスを中心としたオケが心地いい。B面はもっと典型的なディスコに近い感触のある曲で転調もあるが「ザッツ・ザ・ウェイ」的な16ビートもので心地いい。B面邦題は事なかれ主義の産物。日和ったな、ビクター。

14.2.4 しめて400円。宴会での普通のレパートリーをつくらにゃ。

バーゲンズ

オレのショー

マキシ ユニバーサル UUCH5030  間違えて買った。
 それにしても、戦犯を探す気にもならない。というかみんな戦犯だな。普通の売れ線狙って失敗した80年代のリバイバル歌謡風作品。カップリングも何とも精彩のないリバイバル調歌謡。三曲目はセンスは古いがまあ聞けるニューミュージックもの。アニメのエンディングみたい。
 総合、駄目。
はっぱ隊

YATTA!

マキシ ポニーキャニオン PCCA01536  いかにもダンスマンな編曲でいろんなディスコ/ダンス曲のエッセンスがわかるように配備された曲。元ねたなんだっけ、タイトル忘れた。良心的な編曲だと思う。だが詩がよくない。もっと意味がなければ、もっとよかったのに・・・。妙にボーカルが引っ込んでるのも実に惜しい。
 カップリングのエクステンデッドバージョンは本編はともかくバックトラックは中々こってるしイントロは見事に再構築していてなかなかいい。
 本人は嫌がるとだろうがダンスマンって今一番のってる歌謡職人だと思う。まずまず。
ポルノグラフィティ

アゲハ蝶

マキシ ソニー SRCL5104  誰に吹き込まれたのか知らないがフォルクローレ歌謡。だが単純に心地いいサビメロといかにも日本人好みの哀愁味のある編曲が歌謡曲として合格。プロデュースの勝利。
 ところがカップリングは後ろ向きな精彩のないニューミュージック調自作曲で何とか編曲のおかげで持っている曲。ということはトップ曲はただただ「ホンマ」氏のセンスに頼った曲だということだ。それが証拠に次のホンマ氏作編曲の「狼」はラテン歌謡としてそれなりのレベルを保持している。
 詩はぜんぜん聞いてないんでどうでもいい。
 こう聞くと結構ボーカルうまいな。このバンドのイメージってなんかすごいチューブと被るんですけど。
島谷ひとみ

パピヨン

マキシ エイベックス AVCD30160  わけのわからん演歌路線を進まんでよかったね。吉本は悔しがっていると思うが。島田紳介絡みの音楽プロジェクトは本人のせいじゃないが、話題の割りに中身が伴ってないのが多い。紳介バンド以外は単独で聞くとちょっとしょぼい。
 ジャネットジャクソンだかのカバー。曲自体は、ニュートラルなまとまっているがあくがあまりない、日本人でも作れるような歌だが、康珍化による漣健児的発想による汎アジアな訳詩の大勝利。カップリングはいかにもバーニング−エイベックス路線の今風中道歌謡。埋め草としてちょうどいい。まあまあ。中ジャケが↑「アゲハ蝶」と被ってるので減点1。
 みんな誤解しているが、今の日本の大小ひっくるめたレコード会社でここほど歌謡曲の本質をわかって新作作ってる会社は他にありませんよ。
キンキ・キッズ

僕の背中には羽根がある

マキシ ジャニーズ JECN0017  これもフォルクローレもの。トラは極上だが世間で騒がれた程の曲じゃないと思う。ボーカルがもう一歩ということもあるが、何より松本隆の詩がしょうもない。この人の詩には色気がなく、阿久悠や橋本淳にはある、詩だけで世界が構築されている曲が実は殆どない。総括するとこの曲はキンキという素材を生かしきれていない。むしろほかの誰かが歌うべき曲だったと思う。B面はトップには向かないかもしれないが実にキンキらしい特性を生かした伝統的なジャニ歌謡で一息。
ゴー!ゴー!7188

あぁ青春

マキシ 東芝 TOCT22158  70年代初頭的な退廃感のある、歌謡曲というよりビートに乗った童歌みたいな曲。正直見くびってましたが、ごめんなさい、いいです。多分最初にちらと聞いた曲が悪かったのでしょう。またさびでメジャー調になるところの開放感も何とも言えず素晴らしい。まあ、世間では「バラバラ」のカバーのせいかGSとかいってますが全然ちゃいます。このマキシを聞く限りこのバンドを歌謡ロックとか新GSじゃなく今の歌謡化した和製ロックの一形態としてみるしかないと思います。(判り難い微妙な表現だな。ようするに目指すところの目線が違うのだな。)
 カップリングは退廃的ではあるものの、それぞれハードコア流れと花花やCOCCO(この二つが自分の中で同じ引き出しに入ってるのは、人によっては不思議に思うだろうが)を想わせる「今」発想の曲。ほんとに塀のあっちとこっちみたいな微妙な差だけど。
キーヤキッス

please!

マキシ エイベックス AVCD30250  「歌謡曲者はB級ユーロを聞くべきである。そこには意外なほど歌謡曲の本質に近づいた仇花が咲き誇っているのである。―ゲーテ」
 エイベックスってほかの会社と違って、こういうどう聞いてもやる気なく作ったとしか思えないいい意味でいい加減でしょうもない曲を出してくるから好きさ。ほかのところは本気で作ってだめなんだもん。あと二曲しかないのにやたらバージョン違いを放り込んで収録時間の水増しをはかるのも遥か小室先生全盛期からの伝統だがいい意味で消費者をなめてる。実際このお手軽な別バージョンのほうがはまってたりするので油断ならなかったりする。あとA級からBC級、企画ものまで満遍なくというかポリシーなしに何でもかんでも取り揃えてる会社もここぐらい。全部ひっくるめて、作為的にやってるのなら凄すぎるし、何にも考えてなくてそうだったらそれはそれでもっと凄い。バックの体質が古いということもあるのかもしれないが、ともかく今話題の浜崎騒動で会社自体は潰れない様にしてね、と言っとく。
 敗戦処理色の強い四つ打ちユーロビート歌謡。ものすごい製作側の「まあ、こんなんでいいんじゃない」てな適当さがみえてイカス。ここでもトップの元歌よりさらに剥き出しにユーロアレンジがなされた各バージョンの方が出来がいい。B面はアレンジこそ(安いけど)今風だがもろ一昔前のアイドル歌謡。こっちのほうがかっこいい。詩とかもそれっぽいけど、よく読むとわけわかんねぇ。チープにはチープをの精神が素晴らしい。・・・よく見たらサエキけんぞう作詞だ。少なくともここは狙ってやったな。職人。
 なんだかんだいっても私ゃ彼女達大好きなんだろうな。きびしく、あとちょっと。
ミニモニ。

ミニモニ。テレフォンリンリンリン

マキシ ゼティマ EPCE5119  湯原昌幸のレーベルメイトによる気狂い歌謡の大怪作。ゼティマはモー娘。で稼いで他を養ってる会社にしか見えないけど認識不足?
 もう、すばらしい馬鹿歌。歌謡曲が政治的なものでも崇高なものでも私的世界の再現の場でもないことがわかっているつんくの賢明さ。基本的には前作とギミックとか発想とか何にも変わってないが、破天荒に暴落する一発目のメロディーそれだけで勝ち。編曲は考えれば考えるほどこれしかないという絶妙さ。二つだけ。変な男声の掛け声は何かいやなのでもう勘弁してください。あと本人たちが曲紹介とかしないで下さい。そのせいで見くびってました。カップリングはジャズかと思いきやアメリカンポップス。

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