これ買いました平成17年1月

 


17.1.27 廃盤祭目当てのものは買えず。

V.A.(一柳慧)

オペラ横尾忠則を歌う

4CD ブリッジ BRIDGE028/031  昭和サイケの絶頂期に現れた現代音楽もの。フラワーズ、ハプニングス・フォー他参加。
 一枚目は前半は街宣車から流れている「露営の歌」(とされているが音がよすぎる。案ずるにマスターテープを今で言うところのリミックスしたものか。)、後半は女風呂で「男の純情」の歌唱指導をされている場面。二枚目は全編フラワーズのサイケ即興インスト。実にフラワーズらしい演奏。三枚目は引き続きフラワーズの演奏のあと当時のCMソングが数曲流される。その中で明治チョコレートの歌は明らかにハプニングスフォーによるもの。四枚目は再び昭和歌謡のコラボ、特に徳山lの「歩くうた」が大フィーチャーされているが、のあと高倉健による横尾賛歌が歌われてチョンと言うことになる。
 何でもいいが、他社の音源を思いっきり使っているけれども、現代音楽という名前が付いているということだけでその手の制限が吹っ飛んだのか、単に権利手続きとかに当時無頓着だったのか判断しかねる。もしこれが単に無頓着ということならシャープファイブにまつわるコロムビアビクター間のやりとりがもの凄く無意味なものとなるのか、或いはシャープ・ファイブのお陰でこういう音源の使い方が出来たのかのどちらかだと思う。
V.A.

ザ・クリスマス天国

CD ビクター VICL61535  選曲監修・パラダイス山元(公認サンタ)のクリスマスソング集。こうなると今年末はコロムビアあたりか。橋幸夫、吉永小百合といったビクターの誇る人気者による唄ものもあるが、心地よいのは奥田宗宏とブルースカイ、マヒナらによる温かいインストものや彼等がバックをつけている唄もの。特に中尾ミエの「ジングルベル」ではバックのデキシーキングスのデキシースタイルの演奏のノリの良さは素晴らしく、前者と併せてジャズが大衆から遠ざかっていく前の華やかな時代のクラブの雰囲気が味わえ涙が出た。こういう音楽がメインストリームになくなってしまったのは真に大きな損失であると思われる。あとはマヒナスターズの洋楽的センスの高さは、初めて聴く人はかなり驚くのではないだろうか。これを聞くと自分が常々マヒナはムードコーラスじゃないと言っている意味が分かると思う。
V.A.

フジヤマ・ロック

CD ビクター VICL61575  フランク赤木とブーツブラザーズが2曲、清原タケシが5曲のほか朝比奈愛子、キャンディウエスト、リリオ・リズム・エアーズが珍しいが、「東京ビートニクス」や「ニューリズム」、各ベストなどのCDに既に収録されていた曲が多かった。その中には平尾昌章など王道ものもあり。
 初めて聞いた曲ではフランク赤木とブーツブラザーズの高速ビートぶりが凄い。スウィング・ウエストやアイビー・ファイブに比べるとハードなことこの上なく、ポップな色が殆どなく、自分の思う「ロカビリー」という言葉にかなり近い演奏。キャンディ・ウエストもいい意味でB級バンドの得体の知れなさがあってよい。
 こう聞いていくとロッカビリーもGSと同じで深みに行くほど宝石があるような気がする。
 東京ビートルズの解説にあたかも本人達が「ツイスト・アンド・シャウト」の演奏もしているように読める部分があるが、え、彼等この曲で演奏もしているの?あと解説書いてる人が「バタ臭い」という日本語の意味を勘違いしているので、誰か教えてやんなさい。

17.1.26 伊豆栄の鰻はやっぱりうまい。

クレイジー・キャッツ

HONDARA盤

2CD 東芝 TOCT25568−9  ほぼ全てのレコード音源をとりまとめた二枚組前編。事実上昔出た通販用ボックスの再編集盤。
 楽曲の良さは改めて言うまでもない。景気のいい時代だっただけに一曲一曲にかける金額や手間が今とは比べものにならない。諸処の編集盤などにバラバラに収録されている楽曲が一堂に聴けて有難い。
 しかしこのジャケットは・・・。もう一枚の方に収録されている楽曲の元ジャケットのコラがこちらに使われていたりするのは不親切。所詮東芝。
クレイジー・キャッツ

HARAHORO盤

2CD 東芝 TOCT25570−1  同後編。バンド自体が山を越した時代と後年のソロ作品を収録。
 好きな曲もあるが、明らかにパワーダウンしている。特に高平哲郎の詞は情趣も破天荒さもなくて鬱陶しい。中でも谷啓のソロ「アイヤ・ハラホロ」は仙波清彦の手による素晴らしいトラの出来を高平の詞がぶち壊しにしていてどうしようもない。
 あと解説は曲よりも映画を重視しすぎ。さらにクレイジーキャッツをダシにして大瀧詠一好き好きと言ってるだけの文章もあって、所詮東芝。
デューク・エイセス

ベスト30

2CD 東芝 TOCT25570−1  一枚目はオリジナル、二枚目は外国曲のカバー。うたごえ運動ではなくジャズがベースにあることがよく解る。特に「フェニックス・ハネムーン」や「愛のエンターテイナー」には「霧のロンドンブリッジ」などの前時代のポップスの影響がよく見て取れる。一方でムードコーラス調ながらも一連のコーラスグループらしい歌唱法を保持している「別れた人と」「銀杏並木」も情緒高く、万能ぶりを良く示している。

17.1.23 去年注文したものがようやく揃った。他にMD一枚を貰う。ファズギターが豪放で選曲も自分好みの歌謡/洋楽ヒットインスト集。

井上宗孝とシャープファイブ

ついておいで《若いギター/第2集》

LP キング SKK293  グループサウンズ時代最初期のシャープファイブによる歌のない歌謡曲集。初めて聞いた曲は6曲だけだが、これらは、極めて穏当に処理されており、めぼしいというほどの楽曲はなかった。既に聴いていた曲ながら見直したのが「ついておいで」。DJ向け。「追憶」は歌入りでシングルと同一の音源。
ザ・シャデラックス

フォーク・ヒット 今、今、今

LP ソニー SOND65054  セルフカバーを含むフォークヒットカバー集。彼等のCDも一枚ぐらいは出して欲しい。実力派なので当然出来は素晴らしい。美麗なコーラスを穏やかなトラックに載せるパターンが多いが、その中でもグルーヴィーなベースに度肝を抜かれる表題曲と「美しい世界」の2曲はDJ向けかもしれない。「空に太陽がある限り」はにしきのあきらのバージョンを完全に凌駕。
カメカメ合唱団

人生はピエロ

LP エレック ELEC2020  亀渕昭信と泉谷しげる。田中角栄や大本営発表の音声を使った楽曲や笑い声と泣き声だけで構成された曲など、コミックを隠れ簑にかなり実験的な色彩を濃く打ち出したアルバム。メッセージをふんだんに盛り込んでいるが、まあ、軟弱。とはいえ、それが七十年代中盤らしい時代の雰囲気の断片を伝えている。ぼつぼつ。
北耕一

チロルの娘

EP キング BS765  A面は本体入手。破壊的衝動に富むヨーデル入りパンク青春歌謡。どこをどうすればこういう発想の曲が出てくるのか。大好きな曲である。B面は城卓也のパチもののようなありふれた都会派ムード歌謡。悪くはないがオリジナリティが不足か。ジャケット、原辰徳に似てるかなぁ。
原トシハルとB&B7

星は恋人

EP ビクター SV556  森田公一らが在籍したラテン系歌謡ポップスグループ。灰田有紀彦先生作曲ということでハワイアン風のメロディーだが、楽器編成のせいでブルーグラス系フォークにしか聞こえない。B面はロシア民謡か賛美歌かという荘厳さを伴うスローワルツ。
原トシハルとB&B

さいはてのブルース

EP コロムビア LL10066J  上の発展。単なる歌謡化を上手いこというものである。両面とも以前手に入れていたLPに収録されているものと同じバージョンのようだ。
リックとボビー

恋について語るならば

EP ポリドール DR1590  森進一好きとフランクシナトラ好きのムードコーラス・デュオ。「ダンス天国」のようなベースから始まるが中身は青春歌謡ポップス。悲しみに満ちているがメロディー等はハニーナイツの「ミュンヘンへの道」を彷彿とさせるところがある。B面はグルーヴィーなベースにシタールが絡むぬめっとした純歌謡ナンバー。アンジェラスの「もしあの時」の後胤。
ザ・パイオニアーズ

君と二人で

EP コロムビア SAS851  帯広出身うたごえ運動系フォークグループの第二弾。ブルーグラス+グリークラブといった感じの典型的牧歌的な初期フォークで何とも呑気。B面は「バラが咲いた」の影響が強いマイナー・フォーク・バラード。シャデラックスっぽい。
北るり子

わたしの愛・サッポロ

EP 東宝 AT1039  サッポロを大プッシュ。「涙がかわくまで」を思わせる哀愁の寂れビート歌謡。安心できる曲ではある。歌い方の当り方が強く、60年代のビートガールズ直系といった印象を受け、よって結果として楽曲の発表年代を不詳にしている。B面は殿さまキングスのようなイントロだが、中身はうたごえ運動ようなロシア民謡的なアプローチで迫る清純で表情豊かな曲。灰汁があればヒットしたかもしれない。

17.1.17 今年の買い初め。心なしか気分がいい。

ジ・アニマルズ

ザ・シングルス+

2CD BR BS8112−2  自分の中でキング・オブ・ブリティッシュ・インベンションと言えば彼等。その彼等の「朝日があたる家」から「リング・オブ・ファイヤ」までのシングルのAB両面(欧米諸国のA面を含む)と八十年代に出た「ザ・ナイト」の計41曲を収録。改めて聞き直して、もとリアルタイムで所謂リバプール・サウンドに触れていたとしてもこのバンドを好きになったんだろうなと思った。泥臭さという点では他のどのバンドも及ばない。どうでもいいが「スカイ・パイロット」が意外に見つけ難いので拾いものだった。
弘田三枝子

ライヴこれくしょん

2CD コロムビア COCP33043→44  第二次黄金期のライヴ盤二枚を完全復刻。もっとも解説については単に当時の文章をそのまま載っけたものにすぎずもの足りず。一枚目の「ミコ・イン・コンサート」では、選曲からしてという所もあるが、聞けば納得、根がジャズの人だというのがよく解る。二枚目は当時大流行のR&Bナンバーを達者なメンバー(モージョではない)を引き連れて歌うが、うーん、歌唱は六分七分の出来といったところか。グルーヴが凄いだけに惜しい。
ザ・シーズ

ザ・シーズ&ア・ウェブ・オブ・サウンド

CD エドセル DIAB8039  オリジナル・ガレージ・パンク・バンドのビッグ・ネームのアルバム二枚の2in1CD。オリジナル・ガレージ・パンクというものはこういうものであるという音だが、個人的には尺の長い曲が多くてちょっぴり辟易した。特になし。アメちゃんの曲は体質に合わないのであろうか。
オルケストラ・ド・コントラバス

ベスト・オブ・オルケストラ・ド・コントラバス

CD キング KICC394  コントラバスばかりの6人組。一応クラシックになるのか・・・。コントラバスだけで小編成アンサンブルを組み立てているという、所謂技術の無駄遣い系のグループだが、CDを聴く限りでは普通の編成のグループがポップな曲を演奏しているだけのようにしか聞こえない。コントラバス一つでこれだけの音が出るというのは感嘆すべき事だし、演奏もまあ破綻はないのだが、そういうグループだという知識がないとわけが判らない。やっぱり最初にヴィジュアル付きで出会ったというのは大きいのかも知れない。ステージだと黒い衣装を着てるのでコントラバスだけが6台踊ってるように見えるんだわ。
 どうでもいいが自分の嫌いな歌手と好みが同じというのは正直凹む。

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