これ買いました平成17年6月

 


17.6.27 再び金欠に向う罠。

東京キューバン・ボーイズ

メロディ・オブ・ジャパン

CD ビクター VICG60225  名うての職人揃いの名グループ、東京キューバンボーイズが様々なリズムを用いて日本民謡を料理した七十年代の名盤二枚の復刻版。出自のラテン系リズムだけでなくロックやディスコ系のリズム、或いはもっと古典的なリズムでも何でも出来る彼等らしく違和感なく、即応した多彩な編曲がどれでも成功している。この時点でサンプリングなどと言う進歩的な技術が使用されていたりするなど果敢な姿勢は評価すべき。佳作である。丁寧な解説も有難い。
ミッキー・カーティス

CD Pヴァイン PCD1581  サムライ解散後初のソロアルバムにシングル二枚を追加したもの。「ニューロックの夜明け」シリーズだが、自分の中でのジャンルわけで言えば歌謡の範疇。穏やかでシティ・クローズやサムライズ時代のエキゾ・モンドが尾を引いている。もちろんサイケデリックの時代を通過した影響の方が表面的には強いけれども。どうでもいいがこのシリーズはニューロックは一部を除いて大してロックではないことを証明したのではないかとも思うのだが、どうか。

17.6.23 mixiは、全然違う人が反応。別にいいが。

V.A.

お笑い!バンド天国

CD テイチク TECH25057  コミックバンドに焦点を当てたという目の付け所の良いCD。但しGSがやや多すぎる。GSはコミックソングをやりたくてやってた訳ではないのでイーグルスぐらいにしとけばよいのに。ポンコツ五重奏団はどういう人達か知らないので恥じていたが、解説(鈴木啓之氏)でもよく解らないグループとされていたので安心した。その「お別れズンベラ節」は三味線を派手にフィーチャーしているが、ユーロポップを下敷きにしてえらい洗練されている。スピード感がいっぱいかつ正統派ボーイズの色濃いこのCD最大の聞き物。マノロヴァルディス「恋のメキシカンツイスト」にテイストが似ている。どうでもいいが後半のヒップアップ→ミルクブラザーズ→モダンカンカン→あきれたぼういず→クレイジーキャッツという並び方は年代があっち行ったりこっち行ったりして慌ただしい。昔からニッチモ&サッチモ+つーバンドはツボがよく解らない。既にCD化されている曲が多いが、残りの初CD化作品が貴重なので侮れない。ぼつぼつ。
V.A.

キング・ツイスト・カカオ

CD キング KBZ003  以前買った「キング・ツイスト・キカンボ」のシリーズ。解説とか一切無しの不親切なシリーズ。江利チエミとかフランツ・フリーデルとか。殆どは聞いたことのある曲なので特にこれということはないが、フランツ・フリーデルの声が若いので吃驚。松島アキラとかも大概今の声から想像できないような声で吹き込んでいるがこの人もブルーファイヤ時代がなければそういうイメージが染みついていたかも知れない。

17.6.18 mixiの方、書くにしても書きすぎたかなぁ。

ザ・ベンチャーズ

ポップス・イン・ジャパンNo.1&No.2

CD 東芝 TOCP65228  ザ・ベンチャーズが本土での低迷期に日本のポップスや日本関連の自作曲などを自分たちのサウンドでインストに料理した二枚のアルバムの復刻版。このあともシリーズ自体は続くが、ベンチャーズと日本の和製ポップスの親和性が高かったのはこの二枚ぐらいまでだろう。今見ると大ヒット曲に混じってヴィレッジ・シンガースの「輝く瞳」やワイルド・ワンズの「あの人」が入っているのがおかしい。どちらもシングルを渡されて印象に残った方をカバーしてしまったのではないだろうか。演奏にはピアノなどのサポートメンバーなども入っており、その前年ぐらいまでの強烈なビート感よりも日本の楽曲に合わせてセンチメンタリズムを強調しているのは職人芸と言うべきか、気の迷いがいい方に出たというべきか。ランチャーズの作品などはその作品のクウォリティーの高さを確認するとともに各アプローチの違いが比較できて興味深い。ベンチャーズサウンドが何故日本歌謡に馴染むかといえば、自分は日本との奇縁などの問題ではなく、異国情緒としてのラテンの消化・取入具合がたまたまベンチャーズと日本の歌謡が同じような距離にあったからだと思う。それが証拠にベンチャーズ歌謡の「日本情緒」というのは実は現実の日本とは違う「異国」情緒によって紡ぎ出されており、これが歌謡曲の本質たる洋楽性と混同されたのである。「横浜の灯は遠く」辺りを聴くとそう思うのだが、どうか。

17.6.14 バンドはいいなぁ。

弘田三枝子

ミコちゃんのヒット・キット・パレード

2CD 東芝 TOCO11012〜3  カバーポップの女王たる東芝時代の黄金ベストを復刻。歌謡曲とクリスマス物の4枚以外の全シングルにアルバムから8曲を追加した物。ただし今回の再発に当ってはコロムビア時代初期4枚のシングルが追加されている。天才少女と言われた、ダイナミックな歌唱が楽しめるが、一方で本来の本質であるジャズ・ボーカルからはかけ離れた歌唱であり、却ってつぶしが効いたことは悲劇であったのではないか。パラキンとスリーファンキーズのベストも復刻して欲しい。
ジューシィ・フルーツ

ザ・ベスト

CD コロムビア COCP31754  このバンド大好き。巷では「ジェニーはご機嫌ななめ」のせいでテクノといわれているが、どう聴いてもオールディーズ系のバンドだろう。出自は近田春夫の関係。これは必ずしもシングルA面に拘らずに編集されたベスト盤で、一部アルバム収録曲や再結成音源なども含んだバランスのいいというか凝った選曲である。下の盤とは微妙なことに半分の10曲が被っていない。「十中八九NG」の英語版や再結成音源は出来が良いとは思わないが、本人達がそれなりに思っているようなので良いのではないか。
ジューシィ・フルーツ

ゴールデン・ベスト

CD コロムビア COCP33090  これで一枚売り払える。これはシングルA面全曲を網羅した上に更にアルバム収録曲など9曲を加えたもので穏当な選曲。ベンチシート三部作が並んで聞けるのは有難い。どうでもいいが「恋は何でも知っている」のようにそれまでの自分のキャリアを全部総括するような曲というのにグッと来るところがあって、他にはキャンディーズの「微笑みがえし」とか黛ジュンの「乙女の祈り」とかが同じ様な捉え方で捉えている曲に入っている。皆、大好き。シングルを並べて聴いていくと結構早い段階でモチベーションが下がっていっていることが見て取れる。
仙波清彦とはにわオールスターズ

イン・コンサート

CD ソニー SRCL2132  とんでもない大所帯の腕利きオーケストラによる冗談音楽盤。十二年探したが渋谷のタワーレコードに売れ残っていた。戸川純、奥田民生、デーモン小暮らをゲストボーカルに迎え彼等によるボーカル曲の合間合間に仙波清彦によるインスト曲が挟まる。詞は小川美潮を中心に提供されている。演奏はこういうバンドなのでそれなりに良いのだが録音が散漫で、ボーカルが完全に演奏に埋もれている曲などもあり不満が残る。生福も復刻して欲しい。

17.6.9 来年の6月5日までは慎まないといけない。

寺内タケシ

寺内タケシの真相〜プログレッシヴ・テリー!

CD ブリッジ BRIDGE033  今からもう六年ぐらい前の学生時代に俺が某レコード会社に持ち込んだのが実はこれとほぼ同じような企画だった。その時はバニーズはおろかスパイダースあたりでもやっと聞けるようになったというような時分だったので、早かったのかも知れないなぁと思いつつも、人の手によってではあるが、自分のやりたかったことが、多少の違いはあっても、実現されたことは素直に嬉しい。
 で、俺がバニーズのとかテケテケのという代名詞で御大を見ていたところ、そのイメージを見事に吹っ飛ばしたのが、解説の田口氏と同様に「禅定」だったのである。偶然高速道路のパーキングエリアで売っていたテープを見つけてすぐ買ったというのも何かの縁だろう。これを聞いた直後、あまりの衝撃に周りの人間に聞かせたが誰一人理解されず、ジュディマリのほうがかっこいいとか散々バカにされてもの凄く落ち込んだが、そういうのが今に繋がっているのである。ともかく、これを聞いてイヤ寺内という人は並者ではないぞと気付いて少しずつこの人の盤を集めだしたが、学生にそう容易に集められるものではない。そのうちに盤の値段自体が上がり、CDが廃盤になり・・・。あと「グラナダ」も理解して貰えなかったなぁ。そういうのが今みたいな意固地なところに落ち着かせてしまったのであろう。
 ともかく、自分がこれだけ苦労したことがこれ一枚で大分味わえてしまうのだから、今の人が羨ましい。しかもこれはあくまでテリーの一断面の拡大図に過ぎない。ここでも「無」や「新説・国定忠治」は初めて聞く人にはぶっ飛ぶこと請け合い。この人は本当に凄いのでこれをステップに色々と聞いていって欲しい。お勧め。コミックバンドとしてのブルージーンズ楽曲集、是非実現希望。
 なお、ウスクダラ他2曲の解説に誤りあり。特に最後のページに「東海林修(ランチャーズ)」とあるのは完全な間違い。これはもちろん喜多嶋修と混同されているのだろうが全く別人。東海林氏はこの録音当時はキングのディレクターをやられてた方です。あと三橋美智也との録音はバニーズ時代なので最後の解説の書き方はやや不適切。
デューク・エイセス

にほんのうた第1集

CD 東芝 TOCT11008  デューク・エイセスが日本各地のご当地ソングをふきこんだ偉大なる企画「にほんのうた」の集成。山梨県の「ロッコン・ロール」が気になっていたが、そんなにどうという曲でもなかった。それよりもデュークの職人的な歌唱表現力が存分に発揮された「ホッファイホー」やユーモラスな「困るぞなモシ」の方が印象に残る。しかしもっとも完成度が高いのは既に他のベスト盤で聞いていた純ムードコーラス調の「銀杏並木」「別れた人と」の2曲だ。
デューク・エイセス

にほんのうた第2集

CD 東芝 TOCT11009  同上。沖縄県の唄が「ここはどこだ」たぁなんたるちゃ。まあ沖縄の持つ喪失感が見事に歌われているので聞けば珍奇ではないが。「茶、茶、茶」のようなアイデア一発系の楽曲に関しては下世話さが無いことがパワーを弱めており、他の曲も含め全体的に地味な印象を受ける。「ボーイズ・ビィ・アンビシャス」のドラムが時代の音をしているのにようよう安堵。
デューク・エイセス

にほんのうた第3集

CD 東芝 TOCT11010  同上。これもおとなしめ。本領発揮のロシア民謡調の「ベリョーシカ」や欧州の小じゃれた映画音楽を思わせる「歌おう滑ろう」、ぎりぎりブレイクビートの範疇にはいる「我等の庄助さん」、詞は異端だが楽曲や構造自体は正統派ムードコーラスな「東京のせがれ」など佳曲ながらも小品にとどまる作品が多い。
デューク・エイセス

にほんのうた第4集

CD 東芝 TOCT11011  同上。ヒットした「筑波山麓男声合唱団」とか。「マンボ鵜」と「ザ・ゼン(座禅)」が前から気になってたが名前ほどのインパクト無し。ただし後者はビートに載せて延々と永平寺と唸るスキャットとビートを去らせお務めを元にした呪文のような本編の組み合わせが異常。前者もバカはバカだが羽目を外してという程ではない。ほかにもミュージカル風の「明日の故郷」やいかにも彼等らしい「僕たちの道を」「哀しい波紋」、韓流ブームを先取りしすぎの「初恋の人は」、本格派ムードコーラス「この橋を渡ったら」、哀愁ディキシーの「踊り疲れて」、シタールを大フィーチャーしたアシッド歌謡の「クンビーラ大権現」など、デュークの表現力が派手に堪能出来るため、前2作ほどの地味な印象はない。
ザ・ピーナッツ

LP時代・名盤復刻シリーズ4

CD キング KICX3129  全盛期にリリースされた「夢であなたに」と「ザ・ピーナッツのヒットパレードVOL.2」というアルバムの2in1。アチラの曲のカバーばかりがずらりと並ぶが「夢で・・・」はスタンダードを英語日本語チャンポンで、「ヒットパレード」は当時のヒットポップスを完全に日本語で歌っているのが好対照。二枚の間でやや荒削りな前者、洗練された後者と短い間ながらもボーカルの取り方がかなり変わっているのが見て取れるのも面白い。突き抜け度から言えば「スクスク」が群を抜いている。ピーナッツとしては平凡な出来か。
ハルメンズ

ハルメンズの近代体操

CD ビクター VICL2015  サエキけんぞう、上野耕路らが在籍したニューウェーブバンドのデビューアルバム。名曲「昆虫群」「電車でGO」などを収録。一言で言えば俺と生きる世界が違う人達の生み出した曲たちだ。
飯田久彦

ルイジアナ・ママ

CD コロムビア COCA11027  和製街角男・現テイチク社長チャコのコロムビア時代のベスト。ほぼ全曲が先日お亡くなりになった漣健児氏の訳詞である。日本でヒットするかを主に考えられた選曲は情報の少ない時代ならではの苦労でありまた強みであったろう。それにしても優しく包み込む若く弾ける少年声は唯一無二。この人の声は偉くノスタルジックを感じるのだが何なんだろう。
V.A.

GS卒業生紳士録

CD テイチク TECH25052  GSのメンバー達がブーム崩壊後ソロなどになった時分の作品を集めた、いわばGSの墓標のようなコンピ。確かに誰の何を取り上げるかということで爪の甘い部分もあるかも知れず、直近にCD化されたものなどはやはり避けて欲しかったような気もする。どちらかと言えば資料集のような性格の一枚。第二弾があるとしたら、ジュリーは無理にしても荻野達也とフーリンカザン、ラブストーリー、ピープル、ピート・マック・ジュニア、ニコ・ヴァレンティーノ、清水道夫、町田義人、麻生京子、いとのりかずこといった人達も是非取り上げていただきたい。個人的には真木ひでとの「カモン」を入れて欲しかった。あいたかの「そよ風のバラード」が有難い。
V.A.

ガールグループ天国VOL.3

CD 新星堂 SPW10037  何故かこれだけ買わなかったので補完。キャンディーズは別格として他はややマイナーな3人組みアイドルグループの楽曲を収録。ソフト・クリーム(「すっぱい青春」・これの冒頭の歌詞の意味がわかんない。)にしろトライアングルにしろ、もともと好きだと言うことはあるが、女性がまかりなりにもハーモニーを付けてポップスをコーラスするという状況には弱い。選曲のレベルも高い。特にラジオっ娘の後身・レディ、オー!「あいつバイバイ」はセンチメンタリズムが前面に出た台詞入りビート歌謡で泣けるし、関西のキャンディーズ、ラヴ・ウイングス「恋のコマンド」はやや古くさいながらもニッチかつキュートで情緒が凄いし、実力派ペニーレイン「いまだ浮上せず」のサイバーポップ感覚溢れる躍動感も楽しい。おまけの全キャン連スーパースペシャルバンドの盤てそんなにレアなの?関西では結構見かけたけど?
トンガリ・キッズ

トンガリ・キッズI

マキシ 徳間 TKCA72855  話題のスーパーマリオブラザーズの音源を大フィーチャーしたテクノ系バカ・ヒット・ポップ。ジュリアナ東京時代のユーロポップを基調としつつもそこに緩いボーカルが被さり、間抜け感を煽る。要するに八十年代最末期ムードの懐古楽曲なのだ。イマクニの「ポケモン言えるかな」を思わせる部分もあるが、どちらかと言えばスーパーベルズの「モーターマン」に近い発想で組み立てられている。カップリングは電気グルーブを目指しながらも意図的にか自然にか判らないが途中で放棄された廃墟的な無意味ポップ。音の割にテクノ的なグルーヴを感じずまるでダンス系のグループの曲のようだ。何書いてるのか自分でもよく解らないが、ともかくテクノずぶずぶな曲じゃないなぁと思ったということ。で、誰なの、この人達。
ベニー・ケイ

ドリームランド

マキシ フォーライフ FLCF4060  今のコカ・コーラのCMソング。合いの手とかが秋田音頭っぽいと感じたがそういうことを言うとどっちからも怒られるので言わない。しかしこういう曲こそが現在の青春歌謡の正しいあり方なのであろう。ちょいと継ぎ接ぎ感があるが、それを補って余り有る躍動感溢れるポップの佳曲也。メインボーカルも伸びやかで上手い。カップリングは「今の」R&Bを下敷きにした曲でいかにも無難でカップリングの曲的な曲。一言で言えばいまいち。ボトムはフォルクローレ・ミーツ・ヒップホップ。下手すると若年層のムードコーラスの需要というのはこういうところに流れているのかも知れない。しんみりとする哀愁ナンバーで精神的にはランチャーズとかの系譜に属する小品ながらも良くまとまったナンバーで好感。しかし通じて最近の人はよくこういう歌詞が理解できるな。心底尊敬する。まじで。
長澤奈央

ママセッド

マキシ エイベックス AVCD309  松浦亜弥が意識的に80年代前半ぐらいまでのアイドルにでっち上げていったのに対して、こっちはどうも卵を割って出てきたもんがそれだったということのようだ。どちらもアイドルの尻尾なのだが、それの陰と陽の存在とでも言ったら良いであろうか。少なくとも松浦亜弥に対して旧世代的なアイドルとしての言及があるのならばこの人にももう少しぐらいあってもしかるべきだと思うのだが。名の大小は置いておいて。
 本題。アメリカンポップス調の曲だが、歌唱の方は「そういう人」に良くあるように、例の浄瑠璃っぽく同じ調子で突っ切ろうとする素っ頓狂なもの。しかし、あまりに堂々としていて、とても今の歌手の曲とは思えない。まあ、はっきりいって曲自体が古くさいのは否めない。それにしてもこの人の狙っているだろう歌手像(若しくは周りが想定している着地点)を考えると、エイベックスは鈴木亜美やら大塚愛やらと同タイプの歌手ばかりを並べてどうしようしているのかよく戦略が見えてこない。下手をすると共倒れだ。カップリングは他の人がやればなんとか癒し系になったかも知れないヒューマンルネッサンス系バラード。普通に難しそうな楽曲で、何でわざわざこんな曲をあてがわれたのか誠に不憫でプロデュースに疑問符。しかもこれもとても今風の曲じゃない。
 ちなみにこれ、CCCDではないです。

 

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